2009/07/17

続デジタルカメラ28


 ここんとこ2つ目のウォーキング・コースでもある、深大寺周辺を度々訪れて写真を撮ってきたが、この暑さにもめげず参拝客は増えているようだ。朝早く来ても、夕方来ても、雨が降っていても、この元三大師堂は参拝客が絶えない。そんな事が何故気になるかといえば、この「深大寺撮影編」もあと2~3ショットで終了する手筈になっていて、この大師堂をどのタイミングで撮影するかが、最も大きな山場になっているからだ。ここは、深大寺の信仰の象徴的な建築物であり、参拝者はここを外すことはない。深大寺といえば、本堂よりも、こちらを指すことの方が多いのである。そこで、この場所でも、できれば参拝客の散在しない写真を撮りたいので、じっと時を待っていた訳である。

 今日は、参拝客もしばらく途切れず、もう帰ろうかなと、いつもの階段(右写真)の下に座り込んでいたら、後ろの大師堂から、ぞろぞろと住職をはじめ多くの僧侶の方々がお出ましになった。おおっと、その不意を突かれた動揺で、失礼かなと迷ったが、つい手元にあったカメラで、振り向きざまにシャッターを切ってしまった。そこには、もう帰ろうかなと思った時の「気持ちが通じたか」のような空気が漂っていて、シャッターを切ることで、溜まりかけたストレスが遠のいてしまった。この深大寺で正式にも御住職のご尊顔を拝したこともあって、今日は遅くなっても、何が何でも大師堂を撮影して帰ると、決意を新たにしたのである。これも、元三慈恵大師良源様の「お導きかもしれない」と勝手に解釈をしながら、そうだ、「何ごとも良い方に解釈する事」が本来の「人の道」ではないかと悟るわけである。

 しばらくすると興奮も冷めて、人影も減ったようなので、階段を1段飛ばしながら駆け上がり、大師堂を眺める。今日は1度決めたら、2度とは変えぬぞと呟きながら、場所を決め、カメラを固定した。しかし「猫さんがいる」。本来ならもっと左の方で遊んでいる筈なのに、今は、下足段の上に来ているではないか。うーむ、お主・・・と声をかけたくなったが、「一つのところに止まる事は、正しい」と書くのを思い出し、やはり、そのままシャッターを切ることにした。夕刻になって、撮影の動機付けも薄れがちである。それに、再び気合を入れるために、時折そんな「自分を諫める言葉」が必要な時がある。

 では、夕方の元三大師堂をご覧頂きたい。 建築の専門家ではないので、少々申し上げにくいが、屋根の部分は、神社などを思わせる風格ある曲線を備え、その下は中国の古い寺を思わせるような、異なる様式を組み合わせた、絶妙なバランスの建物である。これを生かすためには、「両手を広げたような美しい曲線の屋根」をきっちりとフレームに収めなければならない。これ以上さがれない場所まで引いたが、レンズの包括角度(35mm換算で28mm程度)が狭いため、これが限度のようだ。いつか35mmカメラのもう少しワイド(17~19mm)あたりで全体をスナップ風に撮影したいと思う。

 度々の補足で恐縮だが、この画像比較シリーズは、通常のPDFより暗くなっているので、ご覧になるときにモニターの輝度を少しだけ上げて欲しい。ではこちら
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%21271&app=WordPdf