今年は早々と友人達にお中元と称してSOYJOYを贈った。先手を取れば、贈答品の品種選定の迷いが減る。みんな恐らく糖尿病予備軍の資格保持者に違いないし、女性はダイエット食品として、子供達にはお菓子の扱いでいける。饅頭、水羊羹、ジュース、食料品など、昔の様に色々考える余地は無かった。お前のせいで健康診断で引っかかったよとか、嫌味の1つも言われたくないからである。だいたい、我々の世代は、何かにつけて責任を他に押し付けるのが得意だ。先輩方のように潔い良い男は減っている。これもまた難しい世代だと自分を省みながらの行動であった。
そんなこともすっかり忘れていたある日、荷物が届いた。そうそう、以前に「ディスカバリー」で紹介した「おやつはカールのおじさんに似た髭のオヤジ」である。なんだろなーと思いながら開けてみると、ナッツの缶の詰め合わせが入っていた。「ふーん。こういう物もあるんだ」、と思いながら、右手で携帯に手を伸ばし、たまには電話をしてみるか、私がビールなんか飲まないのを知っているはずなのに、彼のことだからきっと何か意図があるのかもしれない。「俺だよ、荷物受け取った、ありがとう」。「おお、着いたか」と元気そうな声が飛び込んできた。すこぶる調子が良さそうだ。背後でブラームスが鳴っている。相変わらずだ。電話で分かるはずも無いが「いい音出してるじゃないか、前より良くなってるよ」。「そうだろう、箱を変えたんだ、低音が出るようになってね、レコードを片っ端から聴きなおしてるんだ。で、アンプの方にも手を加えたりして、一寸忙しくて、遅くなって申し訳ない」。「ナッツって、なんか訳あんのか?」「おお、お前のブログ観ながら考えたんだ、すぐに分かっただろ」「ええっ?」、これがさっぱり見当がつかなかったのである。
彼が言うには、SOYJOYで健康を気遣ってくれた事は、すぐに分かったと言うのである。しかし、それは、送り主である私がそれを強く意識していることに他ならないということもわかったらしい。だから、好物の甘味も止めて、SOYJOYよりも、もっとGI値の低い物を返してやろうと思ったのだそうだ。SOYJOYはGI=55なのだが、ナッツのGI値は15-30だと言うのである。彼は昔からオーディオでもコンピュータでもスペックを重視する男だった。さすがに、これはSOYJOYの「約半分の値」である。昔から健康の事なんか口にした事の無い男だった。だから、真空管アンプだけではなく、自分の体にも気をつけるようにと、余計なお世話だとは思いながら、意を決して贈ったつもりだったが、完全にコースを読まれて打ち返された感じである。
彼が言うには、米国には昔からこの類のものは、いくつかあったと言う。SOYJOYのような形のものも見た事があるそうだ。20年以上も前から太った男は駄目だと言われ、自分も水泳をしたり、夜の食事制限をしていたというのである。逆に自己健康管理の手法をいくつか伝授されてしまった。スペックで負けた以上素直に聞くしかなかったのである。
今、そのナッツをボリボリ食べながら原稿を書いている。ナッツは、栄養価も高いが油分もあり、ちょっと食べるだけで空腹感はすぐに無くなる。確かに腹持ちも良い。ただ、歯ごたえが心地よいので、次から次へと後を引く、案配を考えながら戴くことにしたい。
ではこちら、当時の彼の実践ダイエットの話を簡単にまとめた。
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%21326&app=WordPdf