2009/10/06

ウォーキング1

 「今から健康になるんだ」と、決意する中高年が増えている。若いときから、体調を崩すとどうも胃腸や腰に来るとか、苦悩を抱えたまま歳を重ねた人達がいる。今までは、それを全て仕事のせいだと考えていた。しかし、ある程度自由な時間が増えた現在でも、その症状が改善されないことに気が付き、「何か体に良い事をしたい」と思うようになるようだ。そんな人達の中にも、少し歩いてみようかなと思っている人は少なくない。そんな漠然と考えている人の為に、私の経験と実感をまとめてウォーキングの取組み方としてまとめてみた。参考にしてもらえば幸いである。準備編と実践編とに分けて2回で紹介したい(温泉めぐりではないので効能編はない)。

 まず、ウォーキングを始める前の1週間~10日ぐらいは準備を兼ねて、体の事を細部まで把握し、現在の状態を見極めておいたほうが良い。既に内部で老朽化が進んでいるかもしれないので、やはり、慎重に調査してほしい。自分の体のメカニックになった気分で、ボディーのメンテナンスやチューニングをするように考える。勿論、現在の体重、体温、体脂肪率、(必要があれば、血圧、脈拍など)無駄かもしれないが、基本的なスペックは全て押さえておこう。

 最も注意すべきところは、体のエンジンである心臓の働きである。そこで、心臓の負荷ともいえる、発汗機能を把握しておきたい。発汗が上手くいかないと、歩き始めの頃に、頭や心臓の小血管に大きな負荷がかかってしまい、頭痛や疲労を感じる事がある。最初は、誰でも負荷の事よりも、自分の体力が落ちていると勘違いし、つい無理をしてしまう事がある。これは、非常に危険である。そこで、歩き始める前に数日間を使い発汗調整をしておこう。まず、低い温度のお風呂に入り、長時間かけて発汗できるようにする。慣れたら、徐々に体温を(平均体温=36.5度)+1度まで上げ、心拍数の上昇(85程度)に伴い、汗がすぐに溢れてくるように改善できればベスト。発汗は、心臓の負荷を軽減し、長時間の運動に重要な働きをする。

 次の準備として、骨盤の調整である。楕円を描くように腰を動かし、突っ張る筋や筋肉がないことを確認しておく。もし、骨盤の状態が悪いと、膝や特定の筋肉に負担がかかり痛みを伴う場合がある。いわゆる、サスペンションの調整のようなもので、このあたりの調整が、安定歩行に大きく影響する。また、骨盤をベルトで締めて足先は揃え、ベランダの手すりを両手で握り、ベリーダンスの基本動作のように腰を回転させる。暇があれば実行し、癖をつける。傍から見るとちょっと滑稽だけど、ドリフの加藤ちゃんの腰の動きも加えて練習すると良い。特に腰痛持ちの人は、これによって内部筋肉が鍛えられ、腰が大幅に楽になるはずである。また、平素から足腰の筋や筋肉を伸ばす癖をつけるのはよいことだ。

 次に、体重である。平素の状態から3%程度軽量化をしておくと良い。平素67kgあるとすると、2kgぐらい減らして足腰への負担を減らそう。まず、食事から考え直し、炭水化物、油分、糖分を減らし、たんぱく質と食物繊維を中心に摂取するよう心がける。なにせ、体は自分にとってマシンなのだから食べる物ぐらい良く考えて、慎重に準備を進めてほしい。さらに、怠け者としての自覚のある人は、ダイエット食品を併用して徹底すると良い。SOYJOYやカロリーメイトを用いるのもよいが、短期間でチューンナップするので、今日は、その脇役のダイエット食品を紹介することにする(後述)。

 そして、いよいよ調整コースを少し歩いてみる。歩く前は、スポーツドリンク以外は口にしないのが良い。靴は、最初クッション性の高いもので楽に歩くと良い。準備運動がてら、歩行速度を3段階程度に分けて歩いてみる。異常を感じた場合は、すぐにピットインする必要がある。たとえば、歩きはじめてすぐに、右足のくるぶしが・・・ってこともあるし、何故か首や肩が凝ることもある。これは、腰の調整が不十分だと思う。かつてヘルニアを痛めた人は、大小を問わず必ず肩こりを起こすか、膝を痛める。まず、腰の辺りの背骨の上下の並びを確認して欲しい。背骨を触り、どこか、一箇所でも飛び出した部分があると、要注意であるが、このような場合、少々腰を回したりしてもそう簡単には治る筈がない。また、首に痛みのある人は、抜本的に何か背骨が左右方向に曲がっている可能性がある。いずれも、暇を見つけては、骨盤の調整を一生懸命行う必要がある。そして、それでも障害を持ちながら歩き慣れるよう努力していく必要もある。また、それで腰痛を克服できる可能性もあれば、さらに、将来挫骨神経痛に発展する可能性もあるので重々歩く姿勢や体の使い方を検討していただきたい。

 歩き方は、あくまで胃袋のあたりを中心軸にして、腰から先に前に出し、腹部をねじる感じで交互に前に進む。一般的に、腰やお腹はそのままで、足だけで歩いている人が多いが、そのような場合は、膝から下の筋肉だけが痛み、少しも体全体に効果が波及することはない。当然、ヒキガエルのようなお腹はそのまま温存される。正しく歩くには、体の稼動部分を広い範囲で動かし、一直線上を移動するのが良いとされる。 また、しばらく歩き続けていると、足の裏の特定の部分が硬くなることがあるが、これも左右の脚の筋肉のバランスが悪い場合があるので、歩行時の足の運び方を家族や友人に観てもらい、意見を聴いて修正するしかない。

 自分の体の優れたメカニックになるためには、骨や筋肉の構造を把握しておく必要がある。現在の骨や筋肉は生活習慣で作られた形で、必ずしも長距離歩行に適しているわけではない。それを「向上心と知識」で、適正な方向に誘導する必要がある。また、それは自分に適した歩き方や、自分の弱点を克服する歩き方を編み出すことにも繋がる。

 たとえば、ある程度心拍数を上げたまま歩く「体脂肪燃焼型」なのか、体全身に神経を行き届かせ、体全体を使うことに重点を置いた「筋肉強化型」なのか、腰痛を克服するために、少し腰を後ろに引っ張りながら歩く「腰痛改善型」でも良い。あくまでも、自分の体のメカニックは自分自身である事を認識して、歩行状態のフィードバックを早めに行いながら歩く姿勢や足の運びを工夫するようにして欲しい。

 さて、そのダイエット食品の話に移ろう。今日紹介するものは、若い女性に広く使われて来た商品である。最近は、糖尿病予備軍の中高年の間でも使われるようになった。素材も天然由来であることや、長い間使われてきた経緯から、製品自体に問題はなさそうである。用法・用量は説明書に従って貰いたいが、実際に使用してみた感じで申し上げると、まず、食事の後に大量の水で飲むと、満腹感が増し、追加で何か食べたいと思わなくなる。もちろん、その分食事を減らしても良い。次に、便通が良くなる。何故か食べてる以上の量が排出される感じである。したがって、お腹の張りは無く、むしろ、へこむ感じである。これは、余計な物が吸収されずに、そのまま排出されるためだと思われる。無理なく最初は1週間で1kg程度は下がるので、それ以上は、多少他の低カロリー食品を併用するなどして欲しい。ただ、このようなダイエット食品を恒常的に摂取すると、活力やファイトが低下する事があり、日常生活はもとより、長時間歩行には必ずしも好ましいことにならない。慎重に使うように心がけたい。

ではこちら。次回は、実際のコースに出て注意することを補足したい。
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