2010/04/23

昭和の流行歌2

 今日紹介するのは、「青春歌年鑑」という年代別寄せ集め型の歌謡曲CDである。内容が分かりにくいという点において、このタイトル名が適当かどうか分からないが、このシリーズは、総計62種のCDが年代別にラインナップされている。つまり、その「タイトル名の年に流行」した歌謡曲をレーベルに関係なく集めたというもの。

 概要として、まず、基本盤として1960~1990年まで1年ごとに、ヒット30曲が収められたCDが31タイトル用意されている。次に「総集編(2枚組)」というのがあり、1950~1990年まで10年ごとに5タイトル用意され、加えて「演歌歌謡編(1枚)」が同じ年代ごとに5タイトル用意されている。これらは、年代別セットだと思えばよい。しかし、演歌のお好きでない方には、総集編のみでも楽しめるし、かたや演歌歌謡編を5年分揃えると、カラオケで困ることはない。そして、さらに続編として1970年~1990年まで1年ごとにヒット20曲が収められたCDが21タイトル用意され、これが「続・青春歌年鑑」ということになる。 この70年~が歌謡曲全盛時代であったことからも、追補版と解釈できる。

 このように、1950年頃から1990年頃までヒット曲が集めてあり、例えば、1940年生まれの人、つまり70歳以上の方も青春を思い出す事が出来るという計算になる。しかし、その様な大先輩は、きっと1950年代に流行した曲を耳にすると、大昔の記憶が甦り、元気になれるかもしれないが、逆に戦後の辛い時期を思い出されるかもしれない。いずれにしても激動の時代に違いない。私の知っている、この時代の歌い手さんを敬称略で並べてみると、美空ひばり、藤山一郎、コロンビア・ローズ、フランク永井、石原裕次郎、島倉千代子、守屋浩、若原一郎、江利チエミ、雪村いづみ、ペギー葉山、三橋美智他、水原弘、等が挙げられる。私は日本テレビ放送網の開局と同じ1953年1月生まれなので、小学校へ上がる前あたりの記憶ということになる。曲がヒットする期間は、思った以上に長いので、さらに実際の曲を聴けば、もっと記憶は甦るかもしれないが、やはり、当時、よく車のラジオから流れていたり、歌番組で歌われていたという印象ぐらいだと思う。

 個人的には、記憶に残る青春の時期は、1970年以降とばかり思っていたが、意外にも1960年代に流行した曲も、かなり懐かしく感じる事が分かった。理由の1つとして、曲の一部がそれぞれ頭の片隅に残っているらしく、空白の部分や不鮮明な部分を補って、今の音質で通して「完成した曲を聴いてみたい」という願望も沸き上がって来るのである。たとえば、潮来笠、アカシアの雨がやむとき、王将、銀座の恋の物語、スーダラ節、君恋し、いつでも夢を、高校三年生、自動車ショー歌、ウナ・セラ・ディ東京、あんこ椿は恋の花、ラブユー東京、夜霧よ今夜も有難う、世界は二人のために、小指の思い出、恋のハレルヤ、虹色の湖、ゆうべの秘密、ブルーライトヨコハマ、愛の奇跡、夜明けのスキャット、人形の家、といったところになる。これらの曲の特徴的なフレーズ、あるいはさびの部分は、少しは口ずさむことは出来るものの、その続きは絶対に出てこないと思われる。 特に、自動車ショー歌は聞いてみたい曲の1つでもある。

 さて、当時から長い間ヒットを飛ばしてきた歌手などの、ベスト盤のCDを購入すると、デビュー曲から最新まで収まっているので、当然この60年代に流行した曲も入っているが、特別には時代を意識せずに聞いてきた。例えば、美空ひばりさんの港町十三番地、真赤な太陽、人生一路、等は、日本コロンビアのPCM録音でなじみ深いが、これが、どれもいつ頃ヒットしたか記憶はないのである。そんなことはどうでも良いが、調べてみると、港町十三番地は、私の生まれた年の1953年、真赤な太陽は1967年、人生一路は1970年と並び、人生一路はステージのエンディングで、歌い続けられていた事も分かる。この3曲はなかなか良い曲だが、ただ、真赤な太陽は、黛ジュンに歌ってもらった方が良かったと思うし、人生一路の曲調は水前寺清子風で、ぼーっと聴いていても、自然に気合が入るところが勇ましい。これを、ひばりさんが歌い続けた理由は、唯一弟さん作の「一発曲」だからだ。

 どうでもよい話は、このくらいにして、今日は、その1960年代の流行歌をまとめた青春歌年鑑60年代「総集編(東芝EMI TOCT-10970~1)2枚組み」2,980円と、1960年ベスト「演歌歌謡編(日本クラウンCRCN-40885)」1,980円 を紹介したい。 この2セットのCDは、デジタルリマスターリングで、当時のLPよりもはるかに綺麗な音になっているように思える。この3枚のCDで演奏時間は、約2時間半ぐらいになるが、ぐぐーっと1960年代に引き戻され、自分の青春オールウエイズを眺めるような気分に浸れ、知らず知らずのうちに心が開放されてくる。こんなに、俺の青春Hi-Fi じゃなかったが、全ての曲が当時より高音質で新鮮に感じられる。
 ではこちら
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%21602&app=WordPdf

補足:大手レコードメーカー13社共同企画なので、CDごとメーカー名と型番が異なる形式になっている。レコード店には、62タイトル全て揃っているところはないので、購入時は、タイトル指定だけでは、間違う危険性がある。CDのメーカー名と型名をよく確認のこと。マイナーレーベルは参加していないので、曲目もよく確認してから購入のこと。
次回の昭和の流行歌は、70年代の青春歌年鑑を紹介する。