テレビでは、菅野美穂ちゃんが5歳若い夕方肌とか宣伝しているが、今日のテーマは20歳若い肉体の取得である。もっとも、今40歳ぐらいの人が、20年後でも今と変わらない肌艶で頑張れるかもしれないと言う、先の長い話ではあるが、先端免疫療法に関する本を紹介したい。 もちろん、お金を出せば、今でも10歳ぐらい若い体の取得は可能らしい。ただ、今仮に10年若返ったとしても、その10年間に高い生産性を発揮できる人しか利用価値は無いと思われる。
「何故、人は歳を取るのか」という疑問よりも、その環境下の細胞分裂によって、「遺伝子のコピーは何故汚れていくか」を考える方が、より科学的である。つまり、徐々に劣化を始めた遺伝子も、繰り返されるコピーによって、いつしか誤読される時が来るわけで、それが自己破壊である事を受け入れなければならない。そして、それは「今存在している環境の中」で、正常な細胞分裂の終わりを示唆しているのである。癌は、病気のように言われるが、病気ではない。癌は生命活動の終焉を告示する自己主張なのである。つまり、全ての細胞は、その環境下で、ある一定の期間を過ぎて、正確なコピーが出来なくなったことを告知する義務を背負っている。何かにつけて、終わりが存在することは、自然で美しい。
一方で生命は その「遺伝子コピーと免疫システム」の駆け引きで成り立っているともいえる。それを自覚すると、体のどの部分の細胞も正しく遺伝子をコピーして欲しいと祈るような気持ちになる。確率的には、時々、誤ったコピーが発生していても、免疫システムが正常ならば、生命を脅かす大きさにまで発達することはない。したがって、免疫システムをいつまでも正常に機能させることが望ましく、それこそが本来の若さだと言える。ここで言う若返るとは、そういう意味である。その為には、必要な基礎知識、行動、食物、睡眠、生活環境、などに配慮することであり、それを修正あるいは積極的に改善することでもある。
さて、現在では、お金持ちでなおかつ情報収集能力の高い人ほど長生きが可能になってきた。それほど先端医療が進んでいるとも言える。いやいや、IPS細胞を使った積極的な治療はまだ実験段階である。10年後にはそれもアリかもしれないが、今日紹介する本では、そこまで言及してない。今の、その実年齢でもっとも輝くように、内部から若返りを実現しようとするもので、「細胞分裂のコピーを毎日綺麗にする」こと、そして免疫機能を正常に機能させることに終始している。つまり、コピーを劣化させる要因とはなにか、免疫を向上させるには、と物凄くオーソドックスで明快な理屈を展開する。したがって、毎日毎日を若返る為に努力するというか、それを医学的に正しい根拠でアクションを起こすことで、それによって、若さと活力に溢れた人生を過ごそうとするものである。
具体的な内容は、読んでいただくとして、そのアンチ・エイジングに取り組む為の、医学的常識とその背景となる理屈を広い範囲で捕らえ、日常の心がけとして詳しく説明している。さらに、その延長線上にある積極治療の臨床結果も良好であったことを紹介している。ここで公開されている臨床結果は、個人が今すぐアンチ・エイジングに応用するには難しいかもしれないが、癌の免疫治療の臨床医としての筆者の理論と実践技術という視点で眺めると、可能性は広範囲に及び期待が持てる。ただ、それらを積極的に行う為には、もちろん筆者のクリニックでお世話になることになる。
現在、30~40代の奥様方には、将来を有意義で楽しいものにする為に是非読んでおいていただきたい。ただ、1回では分かりにくく、ここに書かれている事が、若いうちは、今の体にどのくらい有益なのかも見当も付かず、少々退屈かもしれない。しかし、この本は、免疫システムのことを広範囲に捕らえてあるので、家族を守ると言う視点では、将来にわたり役に立つ内容と思える。だから、ここで紹介されている事柄を少しづつ生活の中で実践できるように、何度でも読見返されることをお勧めしたい。目先のことにとらわれず、10年後、20年後を目指して役立てて欲しい。もちろん、すぐに有効な内容も列挙されており、その概念をしっかり頭に叩き込んでおけば、日常それを心がけるだけで、今より少し健康になれそうな気がするかもしれない。
ではこちら
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%21646&app=WordPdf
補足:IPS細胞を使った治療 癌患者の弱った免疫細胞からIPS細胞を作って増やし、再び免疫細胞に育てて患者に戻し癌を攻撃させる等の治療の研究が進んでいる。