2010/07/23

鰻に紀州南高梅

 夏は全国的に暑いに決まっているが、今年はさらに上を行く暑さになってきた。そこで、夏をより夏らしく楽しむために、やはり鰻を食べなければならない。ただ、1回食べに行けばよいというものでもなく、特に7月中旬に梅雨明けをしてしまった年は、7月いっぱいぐらいは、理由を付けて、たびたび鰻を食べる方が良い。この時期、個人的にも神田に出掛ければ「きくかわ」で、新宿で用事を済ませたら「登亭」で、ということになる(いずれもお店紹介済み)。鰻と串肝はセットで戴くようにしたい。昼飯、夕飯時は混み合うので、3時半から5時ぐらいの空きを見てなだれ込むのがよいと思う。しかし、きくかわの串肝が準備出来るのは、4時半過ぎである。これら鰻と肝で「元気いっぱいだあ!」といいたいところだが、この時期は、何かに付けて、やはり疲れが早い。

 さて、去年は「蕎麦と鰻」を紹介したし、年の頭では「手の字のおこわ鰻飯」も紹介した。鰻の話題は意外にも多い、この時期、仲間同士の話の中にも度々鰻が登場するわけだが、天然物はどぶ臭い時があるとか、養殖は脂が乗り過ぎるとか、人それぞれ言いたい放題で、こだわりや想いも異なり、ひいきの店もまちまちで、様々な楽しみ方があるといってよい。 ただ、座敷に上がってから1時間近く待たされるのは、いくら美味しくても、やはり辛い。さらに、待たされる時間による味の違いは無い。まあ、30~40分が限度である。そこで、待ち時間を紛らわせる為に出されるのが漬物である。老舗の一流鰻屋ならば、その漬物にこそお店のこだわりが随所に活きている。肝に命じておこう。

 屁理屈はこのくらいにして、今日は、自宅でたっぷりと毎日楽しめる、調理済み冷凍鰻を紹介したい。8月までにまだ、約9日あるので、2箱(1箱4枚入り)を注文してあった。この商品は、すでに、ショップ チャンネルで販売し始めてから3~4年目になり、鰻自体は国内産で価格は少し高めだが、仕事が丁寧で美味しいし、安定した品質なので、年2回の販売では、必ず発注することにしている。元々、鰻が好きだというのもあるけれど、特に夏場の炎天下の道をトボトボと歩いて鰻を食べに行くのが辛くなったというのもあって、この時期、自宅では案外重宝している。

 調理法は、まず、好きな漬物を用意したい。冬場は白菜の漬けた物に摩り下ろした生姜を添えればよいが、夏場は茄子と胡瓜などを使いさっぱりとまとめる。しかし、御飯の方は、少し工夫をして「紀州南高梅(紹介済み)の薄塩味の梅干」と一緒に炊き込む。鰻と梅干は「食べあわせ」がよくないといわれることもあるが、全くそのようなことは無い。あれは大嘘である。特に夏場は、この「梅干しと鰻の相性」は非常によく、大変美味しく戴ける。山椒をたっぷりと掛けて、鰻のタレは少なめにして梅干の酸味を活かして戴くとよい。いーや、絶対美味しい。確か、浅草あたりには、このように、御飯と鰻の間に梅肉を挟んだ鰻重を出す店もあるくらいだ。これこそ、大人しく、こっそりと自宅で楽しんでもらう鰻御飯に最適な料理法だと思っている。
 ではこちら
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%21735&app=WordPdf

補足 紀州南高梅は、御飯1合に2個程度を一緒に炊き込む。酸っぱ過ぎては良くないが、さらに酸味を加えたい場合は、炊き上がりにさらに数個追加しておく。もちろん御飯だけ普通に食べても美味しい。