2010/07/09

オルニチン25mg

  ケーキやドーナッツ、あるいはアイスクリームとか、甘い物や油脂は、肝臓に運ばれると中性脂肪に合成される。さらに、お酒はそれを活性化するので、できれば、その組み合わせは控えるべきである。・・・と、今日もいやな話から始ってしまったが、実は、50~60歳の女性に多く見られる「非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)」が発症に広がりをみせており、注意が呼びかけられている。特に、「アルコールは飲まないが、甘い物が好きという、40歳以上のご婦人」は今後気をつけなければならない。これに気づかず放置すると 脂肪肝→肝炎→肝硬変→肝癌 と、お決まりの戻れないコースを進むことになる。

 確かに、「脂肪肝」自体はカロリー制限や運動などによってある程度機能を回復させることが出来るため、過去には、さほど問題にされることも無かったが、自覚の無い肥満によって知らず知らずのうちにNASHへ進行することで問題を深刻化させているようだ。例えば、肝炎ウイルスのB/Cのキャリアでも無いし、お酒も呑まない、だけど和菓子やケーキ等甘い物は大好き、あと、年齢だから肥満は仕方ないと思っているご婦人は、特に注意が必要だといえそうだ。つまり、大酒飲みよりも、安心している分だけ防御システムが効かず始末が悪い結果になりかねない。 うーむ・・と、気になるようだとこの項目をチェックしてみる必要がある。そのバロメータともいえるのが、ウエストのサイズをヒップのサイズで割った数値である。それが0.8を超えると危険だと言われている。もしそうなったら、早々に、お医者さんで肝機能検査をお勧めしたい(そうでなくても、甘い物がお好きなご婦人は、検査をお勧めしたい)。勿論、平素からアルコール、甘い物、油分を控えて、たんぱく質やビタミンをしっかり摂取して、脂肪燃焼のため運動に励む必要がある。やはり、健康のため、幾つになっても絶対に太ってはいけないのである。

 さて、話題は変わって、しかし、ピンで刺すように小さな関連性がある。今、永谷園の「しじみのわかめスープやしじみの味噌汁」が売れに売れていて、久々のヒット商品になっている。これには、乳酸菌の発酵で作られたオルニチンが25mg(しじみ70個分)入っているという。その効能として、1.お酒を美味しく飲みたい人、2.忙しく働いている人、3.爽やかに目覚めたい人、4.若さを保ちたい人 等に最適だと商品の裏に記述されている。やや控えめな表現に思えるが、実は物凄く広い範囲を対象にしていて表現としては限界である。さて、「インスタントなしじみ汁」という利便性と「実際に効果もあったような気がする」という実感から、お酒のみで肝臓の疲れたお父さん方に支持され、大ヒットに繋がったといわれている。お昼のお弁当のお供には、必ずこの味噌汁を一緒に戴くというサラリーマンも増えているそうだ。

 ただ、誰でも時たま普通のインスタントとして飲む程度で、上記4項目の検証を出来るほど飲むわけではないが、今日のテーマは、肝機能に注意をして肝臓を労わって欲しいということである。このオルニチンは、しじみの煮汁に含まれていて、特に脂肪燃焼効果が高いといわれているアミノ酸で、肝臓の機能を改善する効果があるといわれている。勿論、NASH予備軍のご婦人にも効果がある筈で、是非試してもらいたい。ただ、飲んでじっとしていては駄目で、午前中はしっかり体を動かして家事に励み、夕方からウォーキングに出るなど、とにかく体を動かすことに専念したほうが良い。 しじみ汁等の製作は大変手間がかかる作業なので、このような手軽なインスタント食品で補う事が出来るなら、かなり便利といえるが、手間を惜しまなければ、しじみ汁のほうがはるかに効能は大きい。
ではこちら
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%21723&app=WordPdf

補足 1.肝機能検査 血液検査 GOTとGPT の数値そのものと、どちらがどのくらい大きな数値かによって、ある程度肝臓の識別診断が可能といわれている。また、たとえ両者とも基準値に入っていても、過去の肝臓の状態もある程度分かるコンピュータ断層撮影(CT)とか、現在の肝臓内の脂肪の状態の把握に超音波撮影などで専門医に調べてもらうと、かなり安心できる。

 2.しじみ汁 実物のしじみから製作するしじみ汁には、飲酒後の肝機能を正常化するアミノ酸アラニンが大量に含まれている。そしてオルニチン、さらに、ビタミンB2やB12、亜鉛など肝細胞を修復する栄養素が含まれていて、「しじみの汁と身」の両方を食べることによって相乗効果で肝臓を守ると昔から伝えられてきた。