このように暑い日が続くと、冷たいものが増えて、胃腸がへたり気味である。昼食などはとにかく軽くして、これで「食べたことにしよう」と思う事もしばしばだが、そうやって、この暑さに打ち勝つ為の健康管理の難しさを実感する。それにしても、食べる絶対量を減らさないようにするため、少し濃い味付けに工夫する必要がある。日本の伝統的なものの中には、平素は敬遠するにしても、案外その様な状況に適した食品もある。その1つが、今日紹介する「神戸樽五」という、老舗のつくだ煮屋の商品群である。大概このようなものは、伊勢丹や三越などのデパートで入手できる。
つくだ煮は血中塩分濃度を上げるので体に良くないとか、色々健康面では指摘を受けるかもしれないが、食が進まない時期にそんな事を言われても、病気ならいざ知らず、まともに受け取る必要は無い。勿論、予防を兼ねて健康面重視で味気の薄いものを食べたいのなら、それはそれで選択肢は色々ある。無理をして欲しいわけではない。でも、そんな消極的でつまらん人間になっても仕方ないので、やはり、ここは1つ食欲を奮立たせながら、自ら「食べる楽しさ」をイメージしたり、喉を通過する時に一際 「美味い」を実感して、幸福感に浸ることで健康を実感する方が良いと考える。暑い時期だからこそ「食べる楽しみを創造するための努力」を惜しまないようにすべきである。多少お味は濃くても、実際に摂取した塩分は、早々に汗と一緒に放出されるので、さほど心配はしなくてもよいと思う。
保存料や防腐剤を使わず、保存食でもあったつくだ煮は、梅雨から夏場の食べ物としては食中毒の心配も無く最適である。食べ方は、つくだ煮の種類にもよるが、定石ともいえる、炊き立ての御飯に乗せていただくも良し、おにぎりの具としても最適だと思う、あるいは、最初から炊き込みご飯として一緒に炊きこむのもよし、また、お茶付けにしても良いが、それ以外にも、かなり贅沢な使い方かもしれないが、牛肉のつくだ煮でキャベツを炒めるとか、帆立のつくだ煮を使って野菜の煮物を作るとか、一際味わい深いおかずになったりする。お酒呑みにも「たまらなく美味しい付けあわせ」になる筈だ。 さらに、アイデア次第で、応用範囲も拡大し、自分なりの独自性も出てくるに違いない。
ここの神戸樽五のつくだ煮は、バリエーションまで含めると種類も多いことになるが、中でももっとも有力なのが、神戸の「黒毛和牛」を使った「牛肉つくだ煮(生姜、椎茸、山菜、舞茸)」、そして次に、神戸沖合い~淡路近海で取れる 「いかなご」を素材にした「生炊きいかなご くぎ煮」、「片口鰯と山椒」を素材にした「山椒ちりめん」、あと、瀬戸内海のあなごを使った「あなご煮」などである。このような十数種類の商品の中から、今日は、個人的に好きな6種類選んでみた。
ではこちら
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補足 いかなご くぎ煮 活いかなごを醤油、砂糖などで、そのまま浜炊きにしたものを指す。煮上がった姿が、釘の様な姿をしていることから「くぎ煮」の名が付けられたという。