どのように考えても、写真は、その撮影に必要とされる主な要素として「技術と価値判断」ぐらいしか思い浮かばない。一方、写真は感性だと言う人も少なくない。確かに、他人の写真を拝見するには、思いっきり感性が必要な時があるにはあるが、撮影者は感性だけでは撮影できない。そこを誤解している人は多い。例えば、写真を情景描写という文章に置き換えてみるとすぐに分かる。感性では文章を書けないからである。やはり、文字の並べ方には、ある程度「技術」が必要で、そこには多種多様な人生経験も活かされることになる。しかし、読み手は技術は必要なく、逆に感性の範囲で理解しているのである。したがって、読みが浅いとか、深いとか言われるわけである。
さて、他人が撮影した写真を拝見して、何か自分の参考になるかと問われれば、それほど安易な話ではないが、ある動機付けにはなる。それは、恐らく誰でも共通していて、それと同じ写真を撮りたいわけではなので、気に入った写真を撮る為の、同じ様な機材が欲しいという気持ちになるわけである。例えば、明るい超望遠レンズが欲しいとか、超広角レンズが欲しいと思うわけで、日常では滅多に使用しないレンズだということも重々理解はしているけれど、もっと先にある、自分なりの写真は、その機材を用意することで撮影可能であると、強く動機付けになるのである。だから、メーカーの写真ギャラリーは商売上重要な役割を果たしているといえる。
撮影技術は、2つの要素で決まってくる。まず、1つは被写体を分析・研究することで、技術は自然に磨かれてくる。シャッターを切るまでの手際もよくなり、被写体の微妙な変化をも見逃さなくなる。そして、2つ目は、意思決定する瞬間をどうするかであり、明るさや時間帯、あるいは色のバランスなど、様々な物理的制限の中で、最終的にある程度妥協しながら、経験によって決めるのである。したがって、理屈では、この2つを丁寧に積み上げてゆけば、写真は誰でも上手に撮影する事が出来ることになる。そう考えると、大して難しい話ではないが、難しくしている人達がいるのもこの世界の特徴といえる。
さて、理屈で考えれば簡単な事でも、今すぐそれを実行しろといわれると、何から手を付ければよいか、身動きさえ取れないこともある。やはり少なからず経験を積んでいく必要がある。そこで、誰でもそこに近道が無いか捜し求めるのである。ある時は雑誌を読み、ある時はサイトを閲覧したり、そしてまたある時は、写真のグループのような団体に参加したりする。団体では、時たまテーマを与えられて、撮影後の写真をギャラリーで展示してみたりして、観覧者の反応に耳を傾ける。それもよい経験になる筈だ。その様に、写真を撮影し、評価を得て、再び撮影するというルーチンが出来上がることで、より一層深い動機付けになって、昨日よりもよい写真が撮れるようになるかもしれない。
今日、紹介するのは、全国の主な都市に常設されたギャラリーで、我が家の近くにもあるので、時たま訪れて写真を拝見することがある。それぞれの撮影機材もさることながら、シャッターチャンスを活かした躍動美溢れる写真も多い。しかし、よく話を聞いてみると、意外に思われるかもしれないが、カメラ歴2~3年という人が多いようだ。確かに、写真に対する情熱に溢れている期間はそのくらいで、それ以上続けると、自分自身で独自の世界を切り開く事ができるのかもしれない。さらに、ここは、ギャラリーをある一定期間貸してもらえるので、仲間内の写真展示会に利用するのも楽しいと思う。詳細はHPにあるので参照されたい。ではこちら
http://www.fujifilm.co.jp/photogallery/index.html
全国レベルで地域別に写真教室・イベントなどを探す場合は、こちら
http://www.fujifilm.co.jp/photoschool/index.php
補足 京王線柴崎駅から徒歩で10分程度。