先日、近所の山へ栗拾いに出かけてきた。近所といっても多摩川の先に見える丘で、歩いて行ったら片道92分もかかってしまった。現場の栗の実は、既に半分以上が大地に落ちていて、その光景は一瞬、これが海中の「うに」ならどれほど嬉しいか、などと気持ちが交錯してしまった。栗の実も、「うに」も、どちらもその防御構造が堅牢だが、栗の実の茶色いイガイガは、見た目以上に両手に刺さり、痛さに閉口した。放射状にぎっしり並んだ栗の実を取り出そうとすると、これがまた案外難儀な作業である。手袋をしていてもイガイガはしっかり手に刺さるし、刺されてしまうとジンジン痛むようなので、その先端には、微量だが触ると痺れるような物質が存在しているかもしれない。時間を掛けてしまうとこちらが不利になる。ということで、そんなに数があっても無駄になるので、大きなものを選んで50個ばかし袋に詰めて持ち帰ってきた。
さて、この「栗の実」の利用方法として、栗ごはんしか思いつかないが、既にイガイガに苦しめられていた私の手は、鬼皮剥きを拒否しているし、さらに渋皮の剥きも考えると、凄く長い道のりに感じられる。だからといって、捨てるわけにいかないので、ぼちぼち、準備を進めることにする。まず、お米は洗浄してザルに上げ水分を取る。栗の実は30分ぐらいお湯に掛けて鬼皮を柔らかくする。次に栗の実の底面に包丁を入れ切り落とし鬼皮をむく。 残った内側の渋皮もむく。やや小さめに半分ぐらいの大きさにする。あわせて40個ぐらい用意できたら、日本酒入りのお湯にかける。栗の実の甘いのがお好きな方は、ここで砂糖を加えると良い。アクを取りながら15分ぐらい加熱する。その後30分ぐらいそのまま漬けて置くと良い。 お米を炊飯器に入れ、通常通り適切に水を加え、栗の実をお米の上に載せ、ここでも30分ぐらい放置した後に「通常モード」で炊飯スイッチを入れる。炊き上がったら、よく混ぜて蒸らしてから器に盛る。好みで黒ごまを散らす。
そんな、梨やぶどう狩りならともかく、栗拾いなんか出来る場所もないし、栗を採って来ても後々の加工にも手間が掛かるし、そこまでするのは面倒だという人達の為に、スーパー等の店頭には、凄く簡単に「栗ごはん」が出来る優れもののパックがある。もちろん今の季節だから、数社「栗ごはんの素」が並んでいるが、今日は、石井食品株式会社の炊き込みご飯の素「栗ごはん」(=米3合炊き)で作ってみた。これを使えば、自分の手で栗の実を加工するより、はるかに素早く出来上がる筈だ。
石井食品の「栗ごはん」は、栗の色が鮮やかに仕上がるし、御飯もやや黄味がかかり色合いもよいのでPDFの写真はそちらを使用した。作り方も凄く簡単で、袋を開けると、シロップに漬かった剥き栗のパックと、炊き込む時に入れる調味液のパックの2つが現れ、シロップを捨てて栗だけをお米と一緒にして、次に調味液を上から加えて放置する。30~40分後に炊飯器のスイッチを入れる。それだけの簡単な作業である。出来あがりの栗ごはんの写真には、栗の木の枝も並べてみた。通常は、この緑のイガイガが、茶色に変化し自然に割れて、枝から大地へ落下する。栗好きの動物達は、この栗の実が美味しい事を良く知っていて、食べに来るらしい。こうやって、実物を手にしてみると、イガイガは花の付け根にある「そうほう」と呼ばれる部分が成長したものというのがうかがえる。
ではこちら
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