貝類を使った炊き込みご飯は、大変美味しい。それだけではない、貝類を使ったお吸い物や味噌汁も美味しいし、何の料理でも貝類を使うと美味くなる。そんなことで、今日は、その代表ともいえる「あさりめし」を作ってみることにしたい。このスーパーやデパートなどで販売されている「炊き込みご飯の素のパッケージ商品」は、さほど高価ではないので、手間を考えると便利な商品ではあるが、やはり、出し汁に長時間浸かって、出し汁の燻製になっており、生々しさと言うか、新鮮さからは少々程遠い。確かに、お米に加えるだけなので便利なことは確かだけれど、自分なりのこだわりが活かせない。そこで、生の素材を使用した時の作業を想定して話を進めることにする。写真にも、生の素材を加えて、創作意欲を刺激したい。
実際の生のアサリを使った炊き込みご飯の場合は、最終的に仕上がりのイメージを描いてから始めるとよい。ポイントは、いくつか考えられる。まず、1.御飯の炊き上がりの硬さを考える。そのためには、お米と炊き込む水分の濃度を調整する。通常の水だけの場合の硬さと、出し汁を使って炊き上げる御飯の硬さは、当然異なるわけで、最初にお米にお水を浸透させておくようにするのが良い。お米を洗った後、お米が沈むぐらいアルカリイオン水で浸たし1時間放置する。一方で、2.食感と薫りの豊かな御飯にする為に、生のアサリのみを用意する。お米1合当たりアサリ200g程度用意して、たっぷり美味しく作る。砂を抜き、アサリがしっかり浸かる位置まで水を入れ、活きている間にボイルする。貝の口が開いたら取り出し、出し汁の出たお湯の部分と貝を分けて、出し汁には、醤油、日本酒、昆布1切れを入れて再び一度沸かして冷やす。貝は冷えたら身を取り出しておく。
お米にアルカリイオン水が染み込んだら、冷めた出し汁を加える。出し汁が多く残っていれば、お米の水を捨てて、指定の分量まで出し汁で埋める。後は、炊飯スイッチを入れるだけである。出し汁の醤油は、好みによって増減させるが、控えめにしてアサリの旨味を生かす高級料亭風にしたい。日本酒は量を増やすとおこげができるので、田舎風に仕上げる時には、日本酒を増やす方が良い。あとは、生姜を千切りにして炊き上がった御飯に混ぜるか、後乗せとして用意する。ピリッとする生姜の食感とアサリの程よい薫りが食欲をそそり、たいへん美味しい。
これだけの手順でも面倒だと思う人に最適なのが、今日紹介する、炊き込みご飯の素「あさりめし」である。お米にこのパッケージを投入して炊き上げれば簡単に出来る。ここで、注意するのは、上記の1の部分に相当する水分量の浸透圧の関係である。そこだけは、1と同じ手順で行えばよいが、面倒な場合は、お米に加える出し汁を通常より多めにセットし、炊き上がりも十分に蒸らすことがポイントになる。これを間違えると、炊き上がりが硬めになり、冷えたら硬過ぎに感じる。今日紹介した手法は、母親伝授の「広島仕立ての牡蠣飯の作り方」を、アサリに水平展開したもので、「関西風のあさりめし」になる。もちろん、今日紹介しているパッケージは、香川県小豆島の製造商品である。
ではこちら
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