「〇めし」と言うと、「蟹めし」、「鯛めし」とか、「イカめし」、そうそう「釜めし」ってのもある。昨年の前回は「あさりめし」を紹介したが、今日も貝類で続けて「帆立めし」に挑戦してみたい。私の場合は、どれもすべて「牡蠣めし」の作り方の水平展開で調理するのだが、この「〇めし」類は、誰がやっても失敗はない。関東風がお好きな方は、濃口醤油を多めにして、関西風がお好みの方は、薄口醤油でといいたいが、出汁醤油で代用するか、飛魚(あご)、椎茸、昆布の入った麺つゆ醤油などでもよい。これに日本酒を加えて炊き上げると「関西風の牡蠣めし」になる。東京で販売されている「広島名物の牡蠣めし」は、濃い口醤油で炊き上げてあるので、色目は濃ゆい。つまり、マーケットのニーズに合わせて関東風に炊き上げるところが商売上手なのである。同様にして、家族の好みを先取りした「牡蠣めし」が出来れば優秀といえそうだ。
さて、貝類はどれも美味しいが、生の帆立は味が濃くて、これもまた格別に美味しい。バターで焼いて、少し醤油をたらしていただく時などは最高である。材料の帆立の全てを「生の殻付き」(大1個350円)でまかなうと、少々高くつくので、生の殻付きは2個ぐらいにして、残りは「茹でてある帆立」で数をこなす(合計1,000円以下が望ましい)。それでも生帆立が入るので、味は十分濃く仕上がる。お米一合あたり、PDF写真程度の生帆立1個が目安。
さて、他の炊き込みご飯同様に、まず、1.御飯の炊き上がりの硬さを考える。これはあさり飯と同じだが、お米と炊き込む水分の濃度を調整する。通常の水だけの場合の硬さと、出し汁を使って炊き上げる御飯の硬さは、当然異なるわけで、最初にお米にお水を浸透させておくようにするのが良い。お米を洗った後、お米が沈むぐらい水で浸たし1時間程度放置する。一方で、2.磯の薫りの濃厚な帆立を豊かな御飯にする為に、お米2合当たり生の殻付き帆立を2個、蒸し帆立適量(または小柱でも良い)を用意する。帆立の殻に包丁を入れての貝柱を切って取り出し、四切れに切り分ける。生の八切れと蒸し帆立を麺つゆ醤油、日本酒、昆布一切れを入れて一度鍋で茹でる。帆立と麺つゆ醤油と一緒にして火を通す。生帆立が白くなったら冷ましておく。お米に水が染み込んだら、冷めた出し汁と帆立を加える。お米の水を捨てて、指定の分量まで出し汁で埋める。後は、炊飯スイッチを入れるだけである。出し汁の麺つゆ醤油は、好みによって増減させるが、お米が黄色く見える程度でよい。麺つゆ醤油は控えめにして帆立の旨味を生かして高級料亭風仕立てにしたい。日本酒は量を増やすとおこげができるし、味に深みが出る。田舎風に仕上げる時には、醤油と日本酒を増やす方が良い。あとは、生姜を千切りにして炊き上がった御飯に混ぜるか、後乗せとして用意する。ピリッとする生姜の食感と帆立の程よい薫りが食欲をそそり、たいへん美味しい。
これだけの簡単な手順でも面倒だと思う人に最適なのが、今日紹介する、炊き込みご飯の素「ほたてめし」である。お米にこのパッケージを投入して炊き上げれば簡単に出来る。ここで、注意するのは、上記の1の部分に相当する水分量の浸透圧の関係である。そこだけは、1と同じ手順で行えばよいが、面倒な場合は、お米に加える出し汁を通常より多めにセットし、炊き上がりも十分に蒸らすとよい。ここでじっくり待てなければ、炊き上がりが硬めになり、冷えたら硬過ぎに感じる。今日紹介した手法は、あくまでも関西風というか、「広島風のほたてめし」になる(実際広島では、ほたてめしを食べた事は無い)、しかし、今日紹介しているパッケージは、香川県小豆島の製造商品である。ではこちら
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