あの無骨な男のお見上げには、様々な気持ちが込められていた。長崎から来た袋の中には、まだ残りがあって、前回紹介できなかった「お魚のステーキ」が2パック入っていた。危うくすっかり忘れるところだったが、元々この手の魚系は好きなので、今日は、これを1枚焼いていただこうと思って、パッケージにあるような付け合わせと一緒にお皿に盛ってみた。あとは、自分の好きなソースと併せて戴くことにする。わさび醤油がいけるかもしれない。少し甘味があるので、辛口の醤油との相性が良い筈だ。
このお魚ステーキは、パックの中に収まっている状態でも、外見はとてもよく出来ていて、ミデアムに焼き上げられたロース牛肉を連想させる。元々ステーキとは、厚めに切った素材を鉄板の上で焼き上げる料理の総称ではあるが、さすがに魚肉の練り物だからといって、かまぼこのようなフラットな形状で白い物を鉄板で焼き上げたとしても、このような印象の魚肉のステーキに仕上げるのは難しいし、どのように考えても、この形状のような発想は生まれてこない。そこが、この商品の優れた独自性なのである。食べる前は、誰でも少々抵抗があるかもしれないが、一度口にすると、この外観デザインや食感を創作した人達の心意気が伝わってくる。また、部位によって食感が少しづつ異なるように仕上げられていて、それら芸術的ともいえる細工については、大変好感が持てる。
この意表を突かれた外観と食感、そして食べ応えと、美味しさに加えて誰しも価格に驚くに違いない(ホームページ参照のこと)。これが、第58回全国蒲鉾品評会にて「農林水産大臣賞」、長崎県 水産加工振興祭水産製品 品評会 長崎市長賞、長崎県特産品 新作審査会優秀賞 などを受賞した背景なのである。だから、今日も、お皿の上には、できる限りステーキを連想してもらえるように配置してみた。このように、ステーキと思って、少しづつ切りながら食べるもよし、あるいは、あらかじめ1cm程度の幅で切りそろえておいても良い。お酒のおつまみにもぴったりである。
こうやって、お皿に載った「お魚ステーキ」をカメラのファインダーを通して覗き込んでみると、自分としても、結構長い間生きてきたつもりだが、知っていることより、知らない事のほうが多い事を改めて実感するわけである。見た目から来る印象と、口にした食感の違いは極端に異なると思ったのである。特に、この表面のしわしわ感なる象徴的な表面処理は、どうやって創作するのであろうか。そして、ロース牛肉の断面などによくあるような、脂肪の部分の感じもよく出ており、食感もその部分は異なるし、感心してしまう。まあ眺めても、食べても、あちこち次々と口にしてみたくなる。一口でその魅力に引き込まれてしまう、楽しい1枚と言えよう。
ではこちら
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