2011/02/28

かにめし弁当


 人は長い節約が続くと、充電池が満たされるように、我慢が限界まで来て、あるタイミングで購入意欲が盛り上がったり、自分で決めたルールの中で「ミニ贅沢」なるものを確立するらしい。確かに、クーポンとやらで携帯に値引きのチャンスが訪れると、つい食べてみたくなるのであろう、長い行列が出来ているお店もある。一方で、実はその行列をみた人が、「あのお店は、美味しいのかもしれない」と思い、行列に並ぶという連鎖も生まれる。いやいやマックの話である。今マックではテキサス2、アイダホ、マイアミ、マンハッタンとかネーミングされた美味しそうなハンバーガーが用意されていて、めったに食べない自分としても、たまには食べてみたいなと思うほどで、まんまと引っ掛かりそうになるわけである。

 さて、最近、北方四島の話がニュースをにぎわしたり、今頃のテレビショッピングでは、「蟹」が取り上げられることが多い。また、デパートの地下で駅弁が来ていたりしても、かにめし等が視野に入ると、わざわざ、あの鬼太郎の「鳥取からきている」とか、頭の中の連鎖というかイメージリレーションとでも言うべきか、そんな「蟹」にまつわる情報が様々に頭をよぎると、徐々に気持ちだけではなく、食欲までもが沸き上がってくることがある。正月には、「蟹のおこわ」を飽きるほど食べたのに、またこのデパートの駅弁コーナーなどを覗きながら、色々な弁当がある中から、わざわざ「かにめし」を手に取ってしまったのである。

 この駅弁というカテゴリーは、次から次へと新商品がリリースされるし、売れ行きの悪い商品は自然に淘汰されていく競争の激しい市場である。どれも、生き残りをかけて、品質は下げずに内容量が減っている傾向が強いが、今時、お昼に腹が減って動けないような人はいないだろうし、少々小腹がすいたから食べるというより、その地方の名物を口にしてみたいという動機の方が購入意欲に影響していると思われる。地方の名物と言えば、エビ、かに、牡蠣、あなご、うなぎ、たこなどと海の幸が大半を占めているが、やはり、この時期の日本海側の名物と言えば「蟹」で、定番中の定番といえるものになっている。
 
 今日PDFで紹介する「かにめし弁当」は、創業明治43年の老舗の弁当屋がこしらえている名物である。正月に紹介した「蟹おこわ」とは違って、蟹みそで炊き込んだ濃厚な御飯がたまらなく美味しい。その上に蟹の身がちりばめられていて、足をほぐしたりすることもなく、手間がかからずに良いところだけを食べることが出来る。これが長年、かに寿司を作ってきた熟練の職人が山陰鳥取の味覚をプロデュースした、かゆい所に手が届く美味しさで比類のないところである。もちろん、このお店は、「かにめし」だけではない、日本海の美味しい名物駅弁をたくさん作っている会社なのである。地図上でABEとなっているのが、この「㈱アベ鳥取堂」の場所らしい。 
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2011/02/25

仕事でEOS-7D

 趣味なら、やはり最高峰のカメラを使うというのが王道だが、仕事で写真を撮るなら小型で簡単な方がよい筈だ。最近のカメラメーカーは、「趣味なら本気」と称して中高年の余裕層に高級一眼レフを勧めている。その効果もあってか、あるいは別に理由があるのか不明だが、一眼レフの売り上げは、鰻登りに伸びているという。おそらく団塊の世代のおっさん連中が定年を迎え、暇だから「趣味人同士で、出会いのあるカメラ教室」へでも通ったりするのであろう。先日も、朝6時38分発の京王線に乗ったら、ちょうど目の前に、よくテレビで見る?戦場カメラマンと同じような恰好をしたおっさんがいた。頭のてっぺんから足先まで、まるでそっくりである。ただ、首から提げているカメラは、ライカであったり、腕にはローレックスと、少し「金あるぞ」的で、現地ではすぐに首狩り族に襲われたり、追剥に腕を切断されたりするような、やわな雰囲気だが、しみじみと眺めていたら、やはり恥ずかしかったのか、ずるずると奥の方へ移動していってしまった。それも彼の精一杯の「本気風の演出」だったのかもしれない。一眼レフを買った人がみんなそのような気持ちを持っているわけではないだろうが、渡辺陽一さんは少なからずそのような気持ちを芽生えさせるカメラメーカーの広告塔なのかもしれない。

 今日紹介する、EOS-7Dは、出向先のクライアントに仕事用に購入してもらたもので、製品や機械物を撮影するのに使用している。今回独自の比較テストのために持ち帰ってきた。それこそ、ここからはあくまで趣味だが、一通り、平素仕事では触らない細部まで調べてみた。ということで、結論から申し上げると予想通り大変よく出来ていて感心した。両手で握るのにも手ごろな大きさで、なお重さもいい按配である。流線のフィット感が抜群に良い。価格も手ごろで、本格的な一眼レフなので、お孫さんの入学式や運動会、あるいはバレーやピアノの発表会などの、きめ細かい動きの多い動体で、低照度のスナップ撮影に威力を発揮すると思える。液晶ディスプレーの発色は、ずば抜けて優れていて後が楽しみである。また、ファインダーの視野率も100%と大変見通しがよい。セオリー通りにシャッターを切るだけで、ファインダーに覗いているものがストレートにそのまま撮影できる。

 本体には、インテリジェント・ビューアファインダーだとか称して、画質に関係のないところもコストがかかっているのがよくわかる。特に、このクラスで、動く被写体に強いAIサーボAFⅡは素晴らしい動作である。あえて、難点を言えば、まだまだシャッター音がEOS-5DMK2などと同じで安っぽいので、マニアには、つまらないかもしれない。また、レンズも望遠側で周辺の光量低下が目立ち視認性はよくない。画質を一言でいえば、繊細さよりも力強い感じの印象が残る。この力強さが表に出るのは、幾重にも画像の処理が重なりすぎている可能性が高い。初期設定ではエッジが強調されていたので輪郭強調を0にしたが、それでもその印象は変わらない。発色は大変優れており、ちょっとドキッとするくらい見栄えが良い。しかし、一方で自然な発色で精細でデリケートな画質を求めるには不向きであったりする。加えて、よく言われるボケ味までもが硬い印象が残ってしまう。

 所詮、撮像画面サイズは22.3x14.9mmのハーフサイズで1800万画素と、やや無理をしている感じは否めなく、画質に全方位的な期待をかけるのも辛いが、他方で、動体のスナップ撮影の使用ではシューティングマシン風のファインダーや表示機能、抜群の操作性を体感できる。これらによって、動く被写体に向けてシャッターを切る価値を高めてくれ、より興奮しながらも余韻に充実感が残る。そこに、従来の製品と一線を画すものを感じさせる。個人的には、昔から単純な操作性を求めてきた方だが、ここまでファインダー内が充実し、実際の撮影にも大いに貢献し、毎回の撮影が楽しいと、シャッターチャンスも変わると思うし、同時に撮影方法も進化できるような気がする。これらは徹底したマーケティングから生まれたに違いないが、本物を求めながらもC/Pにうるさいおっさん世代にも高い評価が得られると思われる。
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2011/02/22

JAZZ UNIT 「The Joyful Brass」


やはり、好きなことをしている人達は、体中に活力が漲り、いつまでも若さを保っている。また、音楽などの芸術に生きている人達は「毎日が熱心」であるし、24時間フルに能力向上に努めているといっても過言ではない。それは、サラリーマンには到底真似のできない強靭な精神力と危機感に起因しているのである。たとえば、音楽家であれば楽器を演奏して食べられるようになるまでには時間がかかるし、世の中で評価され、徐々に公演回数も増えて、やっと30歳を過ぎたころから1人前のお手当がもらえるわけである。しかし、少しでも努力を怠るともとへは戻れない。努力を続ければ、そのうち、お弟子さんを取るようになったり、著名な番組や一流歌手のレコーディングに呼ばれたりして忙しくなることもある。さらに、目標を極めて大御所と呼ばれるようになるころには、とっくに年齢的にもピークを過ぎて下り坂になってしまったりする。それでも、いつも投資額が大きいことから、損益分岐点をすれすれで飛行しているため、まだまだ頑張らなければならないのである。

 今日は、私とすでに十数年の付き合いのある、ジャズユニット The Joyful Brass を紹介したい。何かイベントがあるごとに、ずっと彼らの傍で演奏を聴いたり、紹介パンフレットを作ったりしてきた。今回は、我が家の近所の喫茶店「咲蘭房」(ブログ紹介済)で演奏会をするらしいが、同店のHPには掲載されていないので、このページを使ってファンや知り合いに告知しようと考えたわけである。興味があれば、誰でも途中下車して寄ってもらいたい(京王線柴崎駅)。それにしても、こうやって、写真を選びながら、彼らを眺めてみると、なぜか、みんな昔に比べて厳しい顔つきに変わってきたように思えてならない。確かに、メンバーは、それぞれ別々の世界で活躍していて、一人一人が音楽家としての荒波を何度も乗り越えているし、そのたびに、サウンドに磨きがかかってきた。世の中では、趣味として同じようなことをする人も多いらしいが、やはり、毎日毎日、競争の中で勝ち残りながら、自らの居場所を確保した人達のサウンドは説得力があるのだろう。

 最近、メンバーが集まりにくいという話をよく聞くのだが、写真のいちばん右のマッキーこと牧原正洋さん(上の写真。で一番人気)は、右手を痛めて休養していたが、カムバックする。PDFの右から2人目の菊池成浩さんは今回は欠場である。でも、彼は毎週火曜日NHKの「歌謡コンサート」に出ているので、元気で活躍していることをテレビで確認できる。3人目がリーダーの苅込博之さんである。彼の才能は、自身の演奏技術もさることながら、これだけ優秀なメンバーを集めることが出来たという、人の才能を見抜く力がずば抜けているところにある。いちばん手前のTbの橋本佳明さんは、作曲・編曲に力を注ぐクリエータで、演奏もテクニカルで、それに憧れるお弟子さんも多く抱える。奥の左のTuba 家中さんは、国内No.1のTubaの演奏家で平素は母校の大学で後輩の指導にあたっている。ま、これ以上のTuba の演奏家は他に見当たらない。奥の右でドラムをたたいているのは荒張正之さん。彼のドラムの演奏をまじかにしたら、もう他のドラムは甘ったるくて聞けないというほどソリッドでアグレッシブ。必見である。

 それにしても、もう全員が40歳後半に突入している筈なのに、メンバー全員そろえば相変わらず若者集団に戻る様子は、やはり楽しそうである。それぞれ出てくるサウンドにも個性の違いが際立っていて、聴いていても楽しいし、曲の間のリーダーのお話も、わかっていても笑ってしまう楽しさがある。そんなことで3時間程はあっという間に過ぎてしまうが、これぞまさに私にとってストレス解消の時間なのである。ということで電話予約をして、PDFを印刷し3/12は、是非にでも咲蘭房へ寄ってほしい。
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2011/02/18

ダイエタリーファイバー

 健康診断が終わると、何か健康に良いことをしないと、と考えるきっかけが出来る。もっとも、今年の検査結果も、先生曰く「何か食べること以外に興味を持たないといけませんね」という言葉で終わった。簡単に話をまとめると、計測上メタボ予備軍でカロリーが多少多めではないかということである。確かに、食べ方は若い時と変わらない。どちらかといえば、食は細い方だったと思うが、それ以上に今は食べすぎているということらしい。今年は、年初から多少時間に追われているので、思ったほどウォーキングで距離を延ばすことができないし、また、今週からさらに忙しくなるので、何か違う方法でカロリーを消費する方法を考える必要がある。

 そこで、乳酸菌をお腹の中で飼って、彼らにカロリーを消費させればよいのではないかと考えたのである。去年紹介した「血液型別によるダイエット」の本を読み返すと、B型なので乳製品との相性も抜群に良いらしいし、結構効果がありそうな予感がしたのである。すでに、去年紹介したグリコの「生きて届くビフィズス菌 贅沢フルーツヨーグルト」なるものを毎日欠かさず食べてはいるが、乳酸菌はずっと同じものを摂取するよりも、時々変えなければ効果が減るようだ。スーパーなどにある市販のカップに入っている乳製品はほとんど食べ尽くしているし、かといって、高価なものは困るしな、と考えていた矢先のことである。

 ぼーっと、いつもの様にテレビを眺めていたときのことである、少々うるさい声のおねえさんが力説しているではないか。な、な、なんと1日=12g つまり付属のスプーン3杯 で 5000億個の乳酸菌(EC-12)を体内に取り込むことが出来るという。よく聴いてみると、食物繊維も同時に7gも採れるという。 さっそく発注して試したのである。決め手は、そのまま飲んでもよい練乳味だったからだ。実物は、薬品を入れるような分厚いすりガラスの瓶に収められていて、高級乳酸菌を思わせる雰囲気が漂っている。少量取りだして舐めてみると、まさにあの練乳の味で僅かな甘みもある。付属のスプーンに軽く3杯で良いなら、これは具合がよいと思えた。おまけに、説明書にはお湯やコーヒー、紅茶などに混ぜたり、食品に上からかけてもよいと書かれている。

 個人差があると思うが、私の場合は数時間後すぐに効果は現れた。特にウォーキングの後では効果が大きい。早くすっきりして、お腹が凹むので、益々食欲がわくのではないかと心配したが、そんなこともなく、食べたものは、ある程度は腸内の乳酸菌によって二酸化炭素と水に分解されているようである。恐らく無意味な発酵作用もなくなり、食物が効率よく分解されているものと思われる。こればかりは、個人差があると思うので「効果絶賛」とまではいかないが、B型の私としては大変満足出来る結果を得たと思う。
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2011/02/15

オーディオマニア13


   昔からHi-Fi を扱ってきたオーディオマニアの一人として、今日は40年ぐらい前までさかのぼる。あまりに古いので、若者ちゃん達には、このPDF写真は「なんじゃ」とお叱りを受けそうだが、俺たちにも青春っていうのがあった。そこんとこをご理解いただきながら話を進めたい。当時、Hi-Fi の1つの方向性としてディスクレコードとは対極の存在として、ミュージックテープというものがあった。これは、マスターテープからデュープリケータを使ってコピーして造られていたが、塩化ビニールによるプレスで造られるレコードよりHi-Fiであるとされていた。そんなHi-Fi議論の前に、レコードには静電気でパチ、パチというスクラッチノイズが発生したり、大きな溝が刻まれている場合、針が飛ぶなどの障害があった。それらを含めて、その優劣の議論は、際限なく続いたものである。

 当時は、FMチューナーからテープに録音して楽しむのが普通で、今のCDと比較すると、とてつもなく鮮度の悪い音を聞いていたわけである。したがって、ミュージックテープの存在を知る人も少なく、珍しいものであった。そこで、少しばかり当時のミュージックテープの感触を知ってもらうために、あの頃の宣伝文句を並べてみた。パッケージには「NEW!マスターサウンド」と書かれており、なかなか力強い。①CBSソニー(当時のレコード会社)のオープンリールは、最も進んだメカニズムである”クローズド・ループ、デュアル・キャプスタン方式”を採用し、極少ひずみ率と余裕あるリニアリティーのソリッドステート・アンプリファイヤーを搭載したデュープリケータを使用している。②新開発のフェライト&フェライト・ヘッドを採用。さらに、このヘッドの特性をフルに発揮させるため、新たに全くひずみのないバイアス・オシレ―タを開発し、安定した性能と優れたS/N比、高リニアリティーを実現した。③テープには、定評のあるソニーのバックコートSLHテープを使用している。・・・とある。それが、どのくらい優れたものだったか、今となっては説明しにくいが、バックコートSLHは自分でも使っていた。

 当時として、(いや、今でも)こんなに高いミュージックテープを購入する意欲は、どこにあったのであろうか。振り返ってみると、「若いころからオーディオには興味があったが、音楽マニアではなかった」 ということが1つ挙げられるが、高校時代に、こんな本を買って読んでいたことが影響したのかもしれない。ラジオ技術社から出ていた「ハイファイ・テープレコーダ」(上の表紙写真 厚み35mm)である。この本を隅々まで読み漁って、と言いながら理解できたのは、30%ぐらいだったと思うが、大変面白く興味深かった。この本を購入したのが昭和44年11月(1969年)だったが、その2年後1971年に上京している。父が入学祝に何か買ってやると言ってくれたので、この本の表紙になっているTC-9800 が何が何でも欲しかった。発売後数年経っているので、入手が難しく秋葉原で、最後の1台を手に入れた。当時としては、ずいぶん高いモデル(198,000円)であった。そんなことで、テープには、特別な思い入れが根づいていたと思うのである。

 余談になるが、その6年後に、この「ハイファイ・テープレコーダ」を発行していた出版社へ就職することになる。それも運命だけれど、それより、その後、そのTC-9800を製造した会社へ就職するとも予想もしなかった。というぐらい、何かこれらに因縁のようなものを感じるわけだが、実は、入社後に、品川の裏の芝浦にまだ工場跡の建物があった頃の話だが、建物内の、とある通路の横にずらーっとTC-のXXXXシリーズの一群が無造作に置いてあったのを発見した。もう、とっくの昔にテープの時代は終わっていたが、自分ならもっと大切にすると、あれもこれも全部持って帰りたいくらいの気持ちになったことを記憶している。ま、余計な話はこれくらいにして、当時1971年に発売されていたミュージックテープの1例を紹介したい。発売されたほとんどがクラシックのテープで、おおよそ90%程度は買い集めたが、歌謡曲は5本程度しか発売されていないので、これは珍しい例と思う。これも「昭和の流行歌」である。
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補足 SLH: ソニーの開発したオープンリール型テープで、スーパー・ローノイズ・ハイアウトプットの頭文字を抜き出したものである。早い話、ダイナミックレンジの広い録音ができるというもの。ネーミングとしては、今で言うところの、ダイハツのTNPというのとよく似た発想かもしれない。裏付けは、テープ高速回転時の静電気防止のバックコート処理といったところ。
 

2011/02/11

ソーラー電波時計

 こういう趣味的な物をいじくるのが好きな人たちは、昔から何かにつけて文句をつけるのが得意で、いやいや、そうとばかりも言えないが、個人的には、不満や文句などは到底出ないだろうと思っていた。しかも、前々からウォーキング用に使う腕時計が欲しいと思っていたのである。その理由の1つとして、首からストップウオッチを提げていると、首が凝って硬くなるのではないかと心配していたからである(首の血管も硬くなるに違いない)。実際は、恐らく年齢とともに首の筋肉が徐々に弱ってきているのだろうが、肩が凝ってしょうがない。そして、そんな理屈でもつけない限り「これ」を購入する気力が失われると常々考えていたのである。早い話、屁理屈をつけて、周囲には「防御のための、理論武装」をしてでも買って使ってみたかったのである。

 ということで、今日は、そのカシオのソーラー電波腕時計を紹介したい。ぱっと見ると、昔からどことなく自分の使ってきた会社の時計のデザインに似ていて、親しみがあるし、とても好感が持てる。こういうのを偽物的な商品で好きになれないという人もいるかもしれないが、他方では価格が1/20なので納得できる筈である。すでに使い始めてから2週間経つが、そういう期待に違わず、やはり圧倒的に精度が優れている。こういうところこそ、本来外国から日本製品が真似をされるべきところだと考えられるが、逆にそこを真似してしまうと海外製はこの価格というわけにはいかないに違いない。

 蛍光塗料で暗所での視認性は優れているが、暗所では一定時間が経過すると運針を停止して節電する(パワーセービング状態の場合、約18ヶ月継続)。そして、充電後はソーラー発電なしで5ヶ月間は機能を果たすと書いてある。もちろん、バッテリー充電警告機能はある。また、電波修正は一日最大6回程度行うようだが、受信が行われなくても、平均月差±20sec(クォーツ精度)で動作するという。まず、日常的な生活範囲で、時刻の精度に関しては全く問題にする必要がなくなった。確かに、外観デザインやバンドには、コストの制限を感じるが、一方で、秒針はよく制動が効いている。これに関しては、高価な舶来品などでも特にオーバーシュートを起こしているのをよく見かけることがあるので、こちらは見ていて気持ちがよい。

 少々、じじくさい表現になってしまったが、今時、誰しも腕時計はたくさん所有してきたはずである。自動巻きに始まり、目覚まし、クォーツ、液晶、デジアナ表示、電波、ソーラー、とイノベーションに次ぐイノベーションで精度競争や価格競争にも終止符が打たれ、目的や用途別に色々装着して楽しむ時代も長く続いている。すぐれた性能のものを身につけていると、自分まで性能が上がったような錯覚を起こすのは男性だけかもしれないが、とすると、それはそれで1つの本能的な楽しみとして未来永劫にわたり継続する志向かもしれない。それは、ちょうど子供がおもちゃに夢を馳せるようなもので、いつまでたっても、夢を実現できない自分がそこにいるような気がするのである。
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補足 精度は良いが、スポーツのみに使用したい。先日来、この時計が気に入っていて電車の中でも、どのような時計が多いのか気になって、吊皮を眺めている。確かに、このクラスの小安い時計が年配の間で増えている。ただ、いい歳のおっさんがあまりに小安いのをつけていると、その人の歩んできた立派な人生観まで小安く見えるかもしれない・・と思えてきた。何と思われてもよいが、少し控えよう。 

2011/02/08

函館 五島軒 海鮮カレー

 

   最近は、地域の町おこしの一環としてご当地商品が多く出回っている。私も、出かけると、そんなお店のコーナーを覗いて、美味しそうなものを購入して帰る。そういう経緯からか、どうしてもそのような物を優先的に写真に撮って、屁理屈を付けてブログに登場させているわけだが、ここのところご当地カレーに入れ込んでいて、特別面白みのない日にはカレーを買って帰る。それでも個性的な物を選んでいるので、そこそこ美味しいとは思うが、こればっかりは趣味性が強く、何か飛び出た個性を強調されると、影をひそめる性質もあり、なかなかうまい具合に決定版にはなりえないようにも思える。今日は、北海道のコーナーを覗いてみた。

 一般的にレトルトカレーは、製造側からすると賞味期限が長く、参入しやすい食品かもしれないが、逆に保存が効くという性質からして市場での競争も激しいし、種類も多いので認知もされにくい。そういう観点からすると、おそらく発売してから何年も経過して、淘汰されながらも残っているものこそが、世の大方の人が美味しいという認知をしたものなのだろう。また、非常食的な要素もある食品なので、栄養のバランスという視点でも選ばれることも多いのだろう。そうすると、やはり大塚のボンカレーというのは、大方半世紀も続いているわけで、話としては面白くないかもしれないが、不動の王者ということになるのであろう。確かに、そのボンカレーは、まるで病院食のような後味で、低カロリーで体にものすごく優しい感じが残る。

 そういう俺は、低カロリーなのに美味しいという矛盾する造りだとか、何も優等生的な商品を探しているわけではない、癖があって、難解かもしれないが、後を引く個性的な味を求めているのである。「月並みに美味しい」では済まされない、やっぱり、またあのカレーを買いに行こう!と思うような商品が欲しいのである。そういう、はるか遠い願望があるからこそ、いろいろなお店に顔を出し、店主に尋ねてみたり、迷いながら探し、購入して、密かに期待して提げて帰ってくる楽しみというものが存在しているわけである。うーむ、楽しいのは、ほんのその提げてる一時だけかもしれない。

 今日紹介する、このお店は、「老舗で超有名店」である。上の写真は、箱の裏面に掲載されている自慢の自社工場らしい。この手の老舗の商品は、たとえ自分の趣味に合わなくても、少なからず押さえておきたい基準的商品だと思うのである。そこで、きっちりと自分なりに評価をまとめておきたい。1箱850円で、3cmもある厚みの箱の中身は、予想に反して2つのレトルトパックが入っていた。カレールーの入ったパックと海鮮の具がスープに漬かったパックである。なかなかマニアックな造りで、単純に高いなというイメージから、高級感を感じさせる印象に変わってくる。お味はなかなかのもので、歴史とか重厚感を感じさせる造りで納得できる。食べ終わった印象としては、「美味しい=高カロリー」という理屈からして、1口で高カロリーな部類だと思われるので、改めて箱をひっくり返してカロリー表示を探したが、残念ながらまじで表記はなかった。つまり、理屈では、そのカロリー表記が出来ないほど美味しい?ということになる。
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補足 前回の京都祇園の黄金カレーのような、さっぱり超辛味系がお好きな方には、少々重たい感じがするかもしれない。

2011/02/04

Netra T1

 今日は、ちと恥ずかしいが、「俺って=つまらん男じゃのうと思った」ことを書いておこう。いまさら改めて宣言することでもないが、人は、誰しもそう思う時期というのがある。もちろん、自信満々な時期もあるので、延べたんにするとアベレージは下がる。特に最近は、何でも下方修正せざる負えないが、まだまだ自信を持ってもよい筈である。自分にとって、「最も気が緩むタイミングは、弱点を克服した時」なのかもしれないと思えてくる。と、何をまじめな顔をして思いふけっているのであろうか。しみじみと痛感している場合でもないのだが、たった1つ記憶が欠落していることで、立ち往生してしまうことがある。かつては何でもないことだったはずなのに、記憶から呼び出せないのである。あれっ、どうやったっけ、ええっ、どうしよう、まいったなあ。いつもは「意識もせず通過している内容」であったのに、意識すればするほど、足元がもつれるように厄介な話になるのであった。
 
 サーバーをWindows のターミナルから起動し、新たなOSをインストールすることぐらい、Solaris の場合は何でもないことである。みんなそうだよ!というに違いない。今、電源を入れてターミナルを通して立ち上がる様子を見ているとSolaris9 がちゃんと起動している。OpenBoot も Version 4.11 になっているし、当時の自社製アプリケーションも軽快に動いているところまで確認した。今から8年ぐらい前になるが、その時はちゃんとSolaris8 からSolaris9 へアップグレードしていて、自社のアプリケーションの検証も出来ていたのである。それなのに、今、Solaris10 のDVD を挿入し、Solaris9 を強制終了したいのに、どうすればよいかわからなくなってしまったのである。SUNのキーボードならStop-A(強制終了)を押せばよいのに、Windows ターミナルでは何が割り当てられているか、さっぱり忘れているのであった。

 何でも、簡単だと思い込んでいると、思わぬところで時間を取られてしまうことがあるが、難しいことだと、覚悟もできていて、内容は忘れても調べる場所を知っていたりする。ところが、無意識にやっていたこと、体が覚えていたというか、指が覚えていたことが、ある日突然それが出来なくなって、何故出来ないかすらわからないという状況が起こると、恐怖心にさいなまれる。ついに俺も痴呆予備軍か!これが自信をなくす要因になっていたのである。少々技術的な話になるけれど、SUNのサーバーは、キーボードやマウス、グラフィックカードなどを構成できない時期が長かった。もっとも、アプリケーションもそのように作られたものばかりで、無駄にリソースを使うことがないように考えられてきた。それには、サーバーの背後にLOM端子というのがあり、VT100 などのターミナルからコマンドを送信して動作させることになっている。VT100 ターミナルはWindows のパソコンにターミナルソフトを入れても代用できるので、今でもWindows が動くラップトップを持って現場に行くSUNのサービスマンも多い。アプリケーション側を触るには、TCP/IP のネットワークでつながったパソコンがあればよいが、ハードウエアに近い部分を触るには、このLOM端子を使ったターミナルモードしかないのである。

 ということで、滅多に使わないと言われればその通りではあるのだが、そのStop-A が出来ないために先週は立ち往生してしまったのである。やっとの思いで調べたら、Windowsでは「 Alt+B 」が割り当てられていて、何のことはなかったが、Alt の位置がスペースバーの1つ隣(英語キーボード)なのか、2つ隣(日本語キーボード)なのかで指が混乱したのかもしれない。どこかにメモを書いておいたり、わざわざ他のキーに割り当てたりすると、何気なく指が勝手に動いて不用意にStop-A を入力する危険性もある。それでも、キーボードあたりにべたべたと Stop-A = Alt+B  なんて書いたりせずに、こうやってブログに残しておけばよいと思ったのである。今日は、忘れてしまわないうちに、ターミナルソフトの設定もPDFに残しておこうと思う。
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補足:このPDFで示唆する Netra T1 は、実際のSUN Netra T1の実体ではなく、紛らわしいけれど、現在は勝手にホストネームとして使用している。実際のハードウエアはすでにその Netra T1 の後継モデルに変わっている。

2011/02/01

魚貝でブイヤーベース

 

 昨年の12月の初めに、NGUYEN(グエン)でブイヤーベースを(味見程度)戴いたのをきっかけに、先日来、じわーっと自分好みのブイヤーベースを作りたいと漠然と思っていた。何故か、人の思考や興味、あるいは味覚などの欲求は必ず何らかの関連性が存在し、クモの巣のように感覚と欲求が繋がっていくのである。この幾つかの線が連結すると行動力に勢いが出たり、新たな発見や想いつきが生まれたりするのである。うーむ、俺って何と単純な思考なのであろうか。だから、意欲を持って材料を購入しに遠くまで出かけたり、素材を厳選したいと思うのかもしれない。よりすぐれたものを求めて、今日もはるばる街中までやってきた。

 と、食べたいという動機は極めて単純にはじまり、料理といえるほどの工夫も必要なく、ただ、素材を集めて煮込むだけである。ただ、重要な要素としては、当たり前だけれど魚介類は「全て生」を使うことである。これが味の濃さにつながるのである。面倒なのは、すべて同じ鮮魚店で素材がそろうかどうかということである。特に生食用有頭海老、殻付きホタテ、これがスーパーにない事が多い。最近は、なんでも冷凍の方が種類も豊富で、面倒な加工までしてあり、料理が簡単になっている。一方で、生はタイミングによって入荷しなかったりする。はまぐりも、どうでもよいときはたくさんあるのに、欲しいときには見当たらないことが多い、つまり、この3種を全て新鮮な状態で揃えるのは、少々難儀な作業になる。

 あとは、白身の魚、トマト、白ワイン、セロリ、ニンニク、赤唐辛子、エクストラバージンオイル、胡椒などである。今日は、いい日本酒があったので、白ワインはやめてお勧めの日本酒を大量に使う。上の写真が出来上がりである。2回ほど煮込んだ後エビの頭はすべて取ってしまったし、ハマグリの殻も取ってあり、ギンダラの皮も骨も取ってしまったし、後は無駄なく食べるだけの状態である。一方、PDF写真には材料の半分ぐらいを並べてある。材料仕入れの際には、あらかじめ入手店の下調べをしておいてから購入に出かけるか、新鮮な材料がスーパーにある時に、買って帰るというのが良い。

 普通の料理は、出来上がって行くプロセスで、それぞれ味見はするけれど、このような、ブイヤーベース風の煮込みは、好き嫌いは別として味はすぐにまとまる。人の好みは、様々なので材料の前加工で工夫をしてもらいたい。少し魚のにおいがつよすぎると、よく材料を洗浄するとか、1度湯通ししてから使うとか、セロリを増やしたり、ショウガを加えたりするのも良い。また、ホタテを減らすとさっぱりした感じになる。今回は、PDF写真にはホタテが2個しか映っていないけれど、実際は4個使用したら、少々濃く仕上がった。ただ、このような海鮮ものは、全体的に少量ではバランスが難しいので、貝類を増量して味をまとめてゆくのがよい。
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