物事には、漠然とした順番と言うものがある。その掟を破られると、とても寂しく想い、体にもこたえる。これが率直な感想である。今週は、「スーちゃん早いよ」という気持ちでいっぱいになった「おっさん」が多かったに違いない。40~60歳ぐらいまでの肩を落としているおっさんの後ろ姿には、哀愁が漂っている。思い出すのは、やはりテレビ番組で、「ドリフターズの全員集合」や「電線音頭」ということになる。それは、その番組に彼女達が出演していたからである。電線音頭は、テレビ朝日の「見ごろ!食べごろ!笑いごろ!」と言う番組の中で伊東四朗さんが歌った曲であり、確かに、彼女達も上手に歌っていたが、決してキャンディーズの曲ではない。
キャンディーズは当時から圧倒的な人気を誇っていたかと言えば、残念なことに、現在ほどではなかったと思う。レコード売り上げでは、数曲しかベスト10に入っていない。ただ、当時は現在のように、キャンディーズのファンである事を堂々と周囲に宣言できるほど、素直な社会情勢ではなかったと私は感じている。まだまだ、そういう意味で1970年代は「硬派な若者が席巻していた時代」と言ってよい。つまり、ファンでありたいと思う反面、公言するには一寸恥ずかしいという隠れファンが多かったのである。
その隠れファンは、シングルレコードを購入すると言うより、そのビジュアルのファンだったのである、だから、テレビ番組でキャンディーズを眺めていたと言うのが大方のファン心理だった。石破 茂さんも、堂々とファン宣言をされているが、ファンの殆どはそんな気持ちなのだろう。今はそういう時代になっている。私も、当時は、現在のようにYou Tubeでキャンディーズの電線音頭を見られるとは思っていなかったので、保存の為Umatic(3/4インチ)カセットVTR(ベーターの前だよ)に番組を何回か密かに録画したことを記憶している。そのぐらい憧れでもあったのである。
改めて冷静に考えても、やっぱりスーちゃんが亡くなったのは寂しい限りである。今日24日はお通夜なので、ファンとしては、You Tubeで 色々懐かしい番組を楽しんでみたい。「ご存知!悪がき一家の鬼かーちゃん」、に始まり、「CMメドレー」、「ヒット曲集」など、たっぷり楽しみながら冥福を祈りたい。そして、今日のPDFは、1976年ごろの「春一番」のシングルレコード(ドーナツ版)と同時期のレコードプレーヤPS-8750を用意した。オーディオファンから眺めた1976年と言ったところ。
ではこちら
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%21938&app=WordPdf
補足:カートリッジは同じデンオンのDLシリーズで、シェルの根元にあるブロックは、日本楽器製造のHA-2のプリプリアンプ部。当時、このHA-2を使用することによって、全てのレコードが見違えるほど豊かな音質になった。