2012/03/09

かにや2

  大河ドラマの「平清盛」にも出てきそうだが、 大納言とは、元々朝廷の役職のことである。役職にはさらに中納言、小納言とある。誰でもこれくらいの事は知っているわけだが、大納言は殿中で抜刀しても切腹しなくてもよいことから、「煮ても腹割れのない大粒の小豆」という意味が込められているらしい。これが大納言小豆という名称で品種化された由縁なのである。うーむなるほど奥が深い。また、大納言は普通の小豆より糖分が多いので味もよく、表面も艶やかで綺麗なので、珍重され徐々にブランド品に成長したようだ。そう言われてみると、中納言や小納言は、実在するのかもしれないが口にした事はない。かつて、甘納豆にはあったかもしれない。

    今から十数年前に、狭山の駅前の和菓子屋で何度か「どら焼き」をお土産に使ったことがある。その頃から、自分も小豆の餡子が好きで、届け先の人達も同じように「食べ応えのある、小豆の餡子入り」が好きだろうと勝手に考えていたわけである。そんなことを思い出しながら、その懐かしい和菓子店の前を通っていたわけだが、かといって、お店の名前を確認したり、改めて看板を見上げることは無かった。そんな日々が続いていたのだが、昨日、不覚にもその店こそ「かにや」の狭山駅東口店であることを知ったのである。

  十数年ぶりに、その「かにや」の暖簾をくぐり店内に入ると、そこには春の新作饅頭やら、季節限定の和菓子などが並んでいる。それらには目もくれず、「大納言入り餡子の・・・」はありますかと率直に尋ねる。やはり、何といっても伝統的な餡子を満喫する必要があったからだ。それには、大納言の食感が出やすい最中とか羊羹が適している筈だ。お菓子の種類としては、洋風のものも大量に展示されてある中で、あえて伝統的な和の商品を幾つか買い求めた。その中から特に、美味しいものだけ、今日のPDF写真の構成にした。それでも、やはり、大納言小豆入りの最中は、プリッとした舌触りで小豆の輪郭が伝わってきて、格別に食感が優れている。

 今でも多くの老舗和菓子店は、伝統的な製法で大納言を丁寧に扱っているが、最中としての上品さとか美味しさは「神田の老舗有名店」(神田シリーズ公開済)に一歩譲る。しかし、大納言の食感はあくまで老舗らしさが感じられて格別に美味しい。さすがに「丹波の大納言」だけのことはあると思った。そこで、その食感を写真を通して感じてもらおうと、あの去年買った「良く切れる包丁」で、最中のカットモデルを作ってみせる。今日のPDF写真の和菓子の中で、お届け物として使うとしたら、「大納言の最中の詰合せ」がお薦めである。それこそ、初老の先輩とか、何処へ土産に持ってしても、誰にでも、喜ばれる筈である。
ではこちら
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