2012/04/27
アポロ18号
「お金がかかるから止める」。それは、誰もが納得する言い訳であった。1970年9月にNASAは、アポロ17号を最後にアポロ計画の終わを告げていた。ケネディー大統領が「月へ人類を送り込む」といった計画が、急遽終焉を迎えようとしていたのである。しかし、既に1969年7月にはアポロ11号が月面着陸に成功していた。ハリウッドで撮影したのではないかと言われるほど、月面の鮮明な画像が地球へ送られてきた。1969年11月には、アポロ12号で月面の幅広い情報収集活動にも成功している。ただ、1970年4月のアポロ13号では、途中酸素タンクが爆発し、急遽引き返すことになる。これには、クルーの生還に向けて、世界中が固唾を呑んで見守った。映画にもなった有名な話である。
そして、1971年にはアポロ14号、15号、1972年にアポロ16号、17号と続く。いずれも、月面での地質調査が主なミッションであった。当時、我々は、「月へ人類を送り込む」の言葉の意味するところを正しく理解していたはずである。したがって、スペースシャトル計画では地球の軌道上に宇宙ステーションを建設し、そこから月へ人を送り込むものと思っていたし、信じていたわけである。だれも、その宇宙ステーションの中で長期滞在することが目標だったとは思っていなかった。それは、アポロ計画は既に成功していて、地球から宇宙ステーションへ、宇宙ステーションから月へ向かう2段構えが、いわゆるNASAの言うところのコストダウンになると思っていたのである。つまり、宇宙ステーションは1つの中継基地の様な役割だと信じていたのである。
ところが、待てど暮らせど「月面に巨大宇宙基地の建設」などの構想はいまだ発表されていない。我々の世代の月世界や宇宙好きのマニアは、それは何故なんだろうと、漠然と考えていたに違いない。そこに月へ行かない別の理由ともいうべき、1つの憶測が生まれたとしても、それは自然な事だと思うし、むしろ、そこには、もう1つの「誰もが納得する言い訳」があってしかるべきである。それが、今日紹介する映画の意味するところなのである。ふーん。
映画の内容は、面白いとか、面白くないとか余裕のある状況ではなかった。最初から最後までドキュメンタリー風の作りだから、深呼吸をする暇さえない、延々と1時間40分ぐらい固唾を呑んで見守るとはこのことで、アポロ13号以来の興奮と言えるかもしれない。それくらい、実写なのか、フィクションなのか、あるいはその境目は、どこなのか分からないくらいに作り込まれている。内容は見てのお楽しみなので紹介できないが、パンフレットの一部を参考資料として下記に置いた。興味があればどうぞ。
ではこちら
https://onedrive.live.com/?cid=CFBF77DB9040165A&id=CFBF77DB9040165A%211132&sc=documents&v=3