2012/06/29
鎌倉YAKUMI
今日は、朝から鎌倉に向かった。写真撮影の仕事である。ついでに、帰り際に山椒を買っていこうと思っている。場所柄、海、山、社寺仏閣と揃えば、絶対と言っていいほど「ちりめん山椒」がある。精進している人たちは、懐石料理にちりめん山椒を好むからだ。山椒は、昔から薬味として使われ、身体の冷えの緩和、胃腸障害の改善、消化不良の予防、基礎代謝の向上、神経痛の緩和などに効能があるとされてきた。もちろん、山椒と言うぐらいだから山に生息し、芳しく、身体には限りない刺激物となる。かつての古い家には、庭の端などに山椒の木が植えられていて、日本料理には山椒の葉が使われてきた。また、「あげは蝶の幼虫」がその葉を食べて大きくなるのを、幼い時に観察・記録したこともある。
最近は、コンビニや外食産業までも、「夏には、鰻を食べて元気を出そう」とか宣伝しているが、個人的な見解だと、鰻もさることながら、実は「山椒の成分」が食欲を増進し、消化・吸収を助け、免疫力を改善して体を守ってくれるのである。だから、夏の鰻は、新鮮な薫の高い山椒をいっぱい使って食べるとよい。これは、「神田きくかわ」で30年以上に渡り鰻を食べてきた私の実感である。「きくかわ」は、ごはんを覆いつくすように鰻を2尾半(大き目なら2尾)使ってお重を覆っている。余った部分は、折り返してある。だから、山椒はたくさん使う。まさに、神田に住む威勢の良い江戸っ子向きの鰻なのである。と言うこともあって、少し余談になったが、山椒は夏場に効く薬味なので、何処へ行っても「節電で弱冷房の今年こそ、常備して」せっせと口にしたい。
このあたりには、そんなお店が 「あるはずなんだけどな」、と思いながら鎌倉駅から山椒を求めて散策する。「ちりめん山椒」が欲しいわけではない、単純な「山椒の佃煮」が欲しいのである。鶴岡八幡宮に向かって歩いてくると、左手に「鎌倉焼」を見つけた。食べながら歩くべく店に近づいて覗いたら、「山椒の佃煮」が種類も豊富に並べてあった。ま、このお店の名前だとか、シンボルデザインや「YAKUMI と書いた瓶詰め」などがモダンに見えて、つい 1.しその実、2.実山椒 青煮、3.実山椒 佃煮の3種類を買ってきた。もちろんPDF写真の通り鎌倉焼もである。
この山椒の佃煮は、瓶を開くとどれも薫高く、とても美味しそうだ。少しだけ口に含んでみる。口の中で噛むと、舌に残るしびれにも似た「びりびり感」が何ともいえず「日本の和」を感じさせてくれる。うーむ、逸品である。すぐにご飯を炊いて、熱々と一緒にかき込みたい気分である。鰻丼、牛丼、玉丼、マルちゃん正麺など、ピリッと効かせたいものには何でも合いそうだ。そんなことを連想しながら「びりびり感」をいつまでも楽しむのであった。さて、同じような商品は、スーパーでも販売されているが、これは「鎌倉で買ったことに意味がある」といえよう。一方の鎌倉焼の方は、胡麻餡、卵、宇治抹茶、を使った一口サイズの小盤焼で、抹茶の薫と胡麻の餡が混然一体となって口の中に広がる。上品な和菓子に仕上げてある。
ではこちら
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%211156&app=WordPdf
補足:神田の老舗を紹介した神田シリーズから、「神田きくかわ」はこちら。
http://www.nextftp.com/suyama/%e3%81%8d%e3%81%8f%e3%81%8b%e3%82%8f/%e7%a5%9e%e7%94%b0%e3%81%8d%e3%81%8f%e3%81%8b%e3%82%8f.pdf
神田でも指折りの人気店なので、いつも、混んでいる。肝焼き(ここでは串肝という)が出来るのは、夕方16時以降。したがって、訪れるなら平日の16時~17時頃。余計か!