2012/08/17

チチヤスヨーグルト

      私が生まれて初めて口にしたヨーグルトは、今日紹介するチチヤスの製品であった(同社は日本で最初にヨーグルトを商品化した企業)。当時は、今の様にプラスティックの容器が普及していなかったため、乳製品は全てガラスの瓶に詰まっていた。その瓶の中に固めてあるヨーグルトは、スプーンで隅々まで拾い集めて食べるのに苦労を強いられた。幼い時にそういう苦労をすると、工夫をする癖が身に付き、スプーンの先の曲線を上手に使いこなす技術を習得することが出来た。ま、そんなことは何の自慢にもならないが、久々にチチヤスヨーグルトの新製品を見付けたので、写真を撮って1度紹介しておきたい。

  昔からある「チチヤスナチュラルヨーグルト=シリーズ商品名」は、舌触りが軽く、「口溶けの食感」がとても良いし、後味の爽やかな酸味も特徴と言える。口にしてみると、「なるほど」と思ってもらえるはずである。この特徴は他には見受けられない食感で、恐らく、生乳に乳酸菌を加えて自然に作ると、この舌触りになり、寒天の量で口どけの感じが作られ、甘味料等を僅かに加えることで、爽やかな酸味が再現されるといったところなのであろう。赤いキャップが従来からある伝統的な商品「チチヤスナチュラルヨーグルト」であり、青いキャップの低糖タイプ(PDF写真の背景)も出ていて、こちらは時流に乗って甘さを控えてさらに軽い感じである。4個パック(1個56kcal)で販売されているため、誰でも1度に2個ぐらいは、さくっと戴けるのではないだろうか。

  この古くからあるチチヤスナチュラルヨーグルトについて、一方では、工夫が足りないとか、面白みに欠けるとか、時代を反映していないとか、様々に批判めいた囁きもあったとは思うが、ここ15年ぐらい全国展開を始めてからは、ふんだんに新たな試みで多様な製品を揃えてきた。そうやって、流行に追いつきながら、やや自然の果物を取入れた独自性を打ち出してきたと言える。しかし、それらは、今1つ都会的で高級志向を目指す商品とはならず、家族で小安い美味しさを楽しむといった商品であった。つまり、製造側としてヨーグルトの範疇を超えて、デザートとして成り立つほどの研究開発までは至らなかったのである。他方で、売上げ数字などからは、いかなる商品を投入しても、やはり昔からあるチチヤスナチュラルヨーグルト(3種)を越えることが難しかったのである。

  ヨーグルトは、スーパーなどで3個あるいは4個パックで販売される程の競争の激しい商品なので、次から次へ新製品を投入しなければ、売り場で目立たず飽きられてしまう。広島県で育った顧客が全国何処にでもいるわけではないし、専業メーカーが所狭しと並ぶ売り場で、どうすれば顧客の手に取ってもらえるか、チチヤスの方向性は、1.安い、2.美味しい、そして3.珍しいを打ち出してきた。今回、その珍しい要素の延長線上に、もうひとつ高級感が盛り込まれた商品が登場したのである。それが、PDF写真の2商品で右がバニラヨーグルト、左の黄色いパッケージが「瀬戸内産100%の夏みかんとレモンの果汁と果皮を使い、ハチミツを加えて爽やかな甘さ」を実現した、心地よいデザート風のヨーグルトである。いずれも、凍らせると格別に美味しい。
ではこちら
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%211183&app=WordPdf

補足:ヨーグルト本来の爽やかさを求め、カロリーを気にするならば、PDF写真の背景にある青いキャップの「チチヤスヨーグルト」をお薦めしたい。今の時期は、やはりシンプルなのが美味しい。