2012/10/26

大長みかん


 この大長(おおちょう)という所は、全国でも有数の美味しいみかんの産地である。瀬戸内海のほぼ真ん中に位置する大崎下島にあり、古く知る人は、広島県豊田郡豊町(ゆたかまち)大長といった。それが、最近2005年3月広島県呉市に編入されてから、私にとって、今や地元の「みかん」の産地ということになったのである。そんな背景もあって、急がないので、ついでがあったら、「初物が欲しい」と伝えてあったのが、ようやく一昨日届いた。やはり、初物は格別に美味しい。昔から瀬戸内海は、美味しいみかん、檸檬など柑橘系が豊富に採れる自慢の地域なのである。

 どういうわけか、葡萄や梨、あるいはみかん等のみずみずしい果物は、温暖な気候で、雨が少ない地域、さらに、水はけのよい場所でなければ、美味しく育たないと言われている。あたかも苦難の路を歩み続けることによってのみ開花する人生のようなものである。少なくとも、温暖という条件では、瀬戸内海は絶好の場所である。日本海側の冷たい風を中国山地が遮り、四国の石鎚山と剣山山が太平洋側からの強い風を遮る、まさに、のどかで静かな海域なのである。さらに瀬戸内海は年間を通して降雨量が少ないという好条件が重なる。そしてもう1つ、「大崎下島」独特の地形に恵まれて、水はけがよい急峻な斜面で育てられている。

 今日の写真のみかんは、そんな場所で育った初物で、大きさはまちまちだけれど、樹の上で完熟したものを収穫してある。もちろん、そのために、ワックス掛け、ブラッシングや洗浄を一切行っていない。まさにその場所に出向いて口にするような印象の薫と新鮮さが漂う。急な斜面を滑りながら登ることもなく、途中、小虫に襲われる危険もなく、部屋の中で大人しくテレビを見ながら戴けるのである。自然な果汁が迸り溢れ、故郷に想いを馳せながら美味しさに浸ることができたのである。不思議なくらい、何個食べても飽きることがない。

 この大長のある大崎下島へは、仁方から下蒲刈島→上蒲刈島→豊島の3つの島を経由して今や橋で繋がっている。途中、「恋が浜海水浴場や県民の浜海水浴場」があり、昔、そこの「安らぎの館」の温泉へ入りに何度か行ったことがある。夕日が瀬戸内海の島々の間に沈む姿をお風呂から望める、まさに癒しを絵にかいたような場所である。美味しいみかんを食べながら、秋から冬にかけて温暖で美しい瀬戸内海を楽しめる場所として行楽にもお勧めである。ついでに、平清盛ゆかりの場所を尋ねる旅にしてもよい。
ではこちら
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%211213&app=WordPdf

補足:蒲刈=かまがり。
注意:仁方から下蒲刈島→上蒲刈島→豊島→大崎下島への路順は、正確で最新のGoogle地図で参照されたい。
補足:平清盛ゆかりの場所→呉市の音戸の瀬戸(再載)右上写真
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%21770&app=WordPdf

    同じく廿日市市宮島町の厳島神社の大鳥居(再掲)
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%21574&app=WordPdf


    さらに詳しくは、呉ナビ参照のこと
http://www.kurenavi.jp/index.html