今、主婦や子供の出入りが最も多く、繁盛しているお店といえば100円ショップである。かつては、徹底した合理性とコストダウンのみを追求した商品ばかりで、安物を並べたと言う雰囲気で溢れていたが、今や100円ショップならではのマーケティングで独自性の高い商品を取り揃え、激しい戦いを繰り広げている。商品は、国内で企画・検討され、中国をはじめとする東南アジアで製造されている。もちろん通常の流通機構を経由するわけではない。全ての商品は、本社から直接系列店に搬入される。取扱商品は次から次へと拡大し、寝具、衣料、薬、以外ならおおよそ生活が出来るくらい商品が揃えられる。
世の中はデフレが進む一方である。このデフレが「100円ショップの増加」を加速していると言っても過言ではない。100円ショップの勢力拡大は、隠れていた商品本来のグローバルな価値を露呈していると言える。この価値観が定着することで、他への波及も更に進むに違いない。バブルの前に青春時代を過ごして来た世代は、昔に戻るだけという気分かもしれないが、彼らは、質素倹約を旨とする堅牢な精神を持ち合わせている。その賢い目利きは、商品の品質、価格、使い易さ、無駄等のバランス感覚を体内に備えていて、今、その価値観に耐えうる商品を「100円ショップ」に見出そうとしているし、100円ショップ側は、その様な厳しい要求までも取り込み始めている。
お店に並んでいる商品を眺めてみると、あくまで「自分にとって」という条件付きだが、この商品が100円なら、こちらは200円しても仕方ないと思われる商品もある。これが、100円ショップの泣き所というか、面白いところなのである。また、うーむ、これも100円か?と、少し前なら、一流メーカーが数百円で販売していた商品の類似品であったり、「この手の商品は、かつて秋葉原にでもありそうだな.」と思う様な超小型の音響商品まで、自分の経験や知識を再認識させられ、価値観を問われる。そして、楽しい思いが出来る場所でもある。それも、お店によって少し商品のデザインが違っていたり、あるいは、全くその店にしかないオリジナルであったりと、幾つかのお店を回ると、100円ショップならではの価値の違う商品が見つかるような気がしてくる。
今日は、DAISOで手に入れた商品をいくつか並べてみた。ありきたりのものばかりだが、写真の商品は占めて735円である。中でも、ステンレスのトレーの左端に転がっている黒い長い棒のような品物は、鋭い先端を庭の土に埋め込んだり、ベランダに固定しておくと、昼間は太陽光が上部のソーラーパネルにあたって発電し、バッテリーに充電する。夜になると、LEDが点灯して、ほのかな照明になるというもの。フル充電で約5時間点灯する。電池寿命は500回と書いてある。そのまま固定しておけば半年程使えるという計算である。明るさが足りなければ、数を増やせばよい。これも1個100円で楽しめる。どういうわけか、飛ぶように売れているという。そんな商品にちょっとした面白さと、やや強引に実用性を考える人が他にもたくさんいるようだ。
ではこちら
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