2012/12/14

クリスマスの楽しみ

   もう、今更「クリスマスプレゼント」が欲しいと言える歳ではないが、この時期、街中を歩いていると、「おっと、いいなあ~」と、手に取ってみたくなる物を見つけることがある。特に、ブリキで作られた舶来のおもちゃを目にすると、近づいてしゃがみ込んででも、それをまじかに観察してしまう。それは、ずっとずっと幼い昔に引き戻されるような感覚になるからである。ブリキのおもちゃは、後に登場したプラスティックとは大きく異なる質感を備えていて、直線的な鋭い光沢感に満ちている。なのにエッジは丸く加工してある。なんて素晴らしいことなのだろう。そして、そこに描かれた絵柄の精度も高い。その絵柄の先鋭度や鮮明さが好きなのである。今でも、ブリキにしかできないものは多い。

 今日は、そんな気になったクリスマスグッズをいくつか買ってきた。本来なら、ブリキの汽車だけでよかったのだけれど、他のお客さんもカゴいっぱい商品を載せていたので、ちょっと体裁が悪いと思って、あえて気になった商品を追加してレジへ並んだのである。やはり、雑貨とか舶来お菓子を販売しているショップだと、ちょっと欲しい物があっても、「客層が違うな、俺も場違いか?」とか思ってしまい、買いにくいこともあるし、長蛇の列に並ぶのも面倒になってしまうことがある。やっとの思いで会計を済ませた後は、木枯らしの吹く路上を通り、知らず知らずのうちにショップの喧騒を忘れて地下へさがり電車に乗り込む。すると、どうやらやれやれと疲れが出て、車内の温かさに力が抜けていきそうだった。

 向い側の、赤い長靴を持って楽しそうにしている子供たちを見ると、そんなもので喜んでくれるうちが可愛いよなと思うのである。もう少し大きくなったら、次は学校で流行っているテレビゲームが欲しいと言うに決まってるし、そうなると勉強そっちのけで、そればっかりやるんだろうなあ。そんなことに思いめぐらしていると、眠くなってきて「うとうと」してしまった。ドアが閉まりかけ、小学4年生ぐらいの子供たち3人組が、ガタガタと走り込んできた。彼らは、息を切らしながらドアの方を向いたまま話を始めた。お前、サンタに何が欲しいと書いたんだ?「僕は、LTEと書いたよ」。「僕もだよ、今のは遅いからね」。そうか、でも少し高いじゃねえ?「君は?」俺は、小型高性能の太陽光パネルって書いておいたよ。母さんに蓄めた電気を売ろうと思って。「ふーん!売れるの?」うん、母さんは「使えない電気カイトルビアーン」と言ってたよ。

 そんなひそひそ話のような会話が聞こえきて、全く面白い奴らだと思って、目が覚めてしまった。素直に「君は偉いね」と誉めてあげたいくらいだった。さすが社会事情に敏感なようだ。これなら日本の将来も案外捨てたものではない。今の子供達は、「いじめと闘い」ながらも、勉強して、それなりの「成果を出し」ながら、「将来のこと」を考え、さらに「家計や電気のこと」まで気にしながら学校へ通っているのだ。つまり、全方位であらゆる課題に正面から取り組んでいるのである。ひょっとしたら、お父さんよりしっかりした子供に育っているのではないだろうか。それに気がつくと、全く自分の認識が甘かったことを思い知らされたようだった。そんな子供たちは、日本の将来をどのように考えているのだろうか、ぜひ話を聞いてみたいものである。

  ・・・と、思いを巡らしながら買ってきた物を並べた。やっぱり、自分の性格と言うべきか、一種の甘さが買い物にも反映しているのかもしれない。
ではこちら
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%211231&app=WordPdf

補足:2年前(2010年)に同じようなGoodsを紹介しているが(下記アドレス)、その時、木製だったカレンダー(結構なお値段)が今年は見当たらなかった。それで、今年は198円の厚紙でできたカレンダーを買ってきた。それでも、中にチョコレートが入っている。
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%21834&app=WordPdf