今まで食べたこと無いお菓子でも、おっつ、美味しい。しかも、何故かどこからともなく懐かしさが込み上げてくることがある。改めて振り返って考えても、食べた記憶はないのだが、と思いつつ、つい、自然に「美味しい・・すね」って、先輩のお土産に舌鼓を打っていた。そんな空気感とは裏腹に、みんなに配られた白い「軽羹」は、机の上に置かれたままだった。世代の違いと言うべきか、あるいは、甘い物は体に良くないと思っているのか、お菓子のお土産は難しい側面を覘かせる。それにしても、お土産を配られて、すぐに反応しないのは失礼である。
たった、「美味しい・・すね」と、そんな一言を覚えておいてくれたのか、あるいは、何かのついでか、あるいは他に選択肢がなかったのか、ま、いずれでも構わないが、あの白い「軽羹」が、先輩から届いた。「うれしい、とにかく気持ちが嬉しい」。もうすぐ健康診断という事もあり、甘い物を控えていたところなので、益々「美味しく感じる」。口にすると、何となく、遠いすぎ去った甘さにつつまれ、こういうのって、この歳じゃないと分からないかもな・・・・なんて、大人になってよかったと思う一瞬であった。
さて、箱の中は、四角い「軽羹」、丸い「こし餡の入った軽羹」、そして「春駒」の3種類の詰め合わせである。それぞれの由来を書いた和紙の間から「美味しいしおり」という1枚が出て来た。裏返すと、「かるかんは、生菓子でございます。開封後は目安として翌日までにお召し上がりください」と書かれていた。そ、そ、そうか、それって無理でしょと呟きながら、いくら好きだからと言って、ゆっくり時間を掛けて食べてはいけないようだ。それで、軽羹はご丁寧に二重包装になっているのか。日が経てば電子レンジで15~20秒(500W)、蒸し器で1~2分程度、オーブントースターで3~5分と、少し焦げ目がつく程度が美味しいと書かれていた。
軽羹の原材料は、砂糖、米粉、山芋である。この原材料が、時間と共にじわじわと固くなってしまう。素朴で美味しく、日持ちしない和菓子にはこういう理由があったのである。しかし、それで、再び温めると一層美味しくなる理由も然りである。だからこそ、食べた経験のあるような気がするのかもしれない。調子に乗って食べ過ぎると、後でドスンとお腹に響く。これも米粉、山芋の仕業である。春駒は、気持ちがよいくらい、さらにドスンと来る、「うーわ」。もう夕食は要らないって感じなのである。急いで食べるより、色々二次加工をして試してみたい。
ではこちら
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