何故か舶来品の様な装いをした物には、どことなく懐かしさが漂って見えたり、一種独特の魅力を感じる。そんな古い世代なのだろう。幼い頃は、ま、今から半世紀以上前になるが、周囲には、舶来の品物が今より多かったような気がする。当然、子供の頃だから横文字は読めないので、箱に印刷された姿や形を見て、何をするものか、あるいは、どうやって食べる物かなど、様々に考えを巡らした記憶がある。特にドイツ製のおもちゃは精巧にできていて、国産のおもちゃを3台買うより魅力を感じたぐらいで、大好きであった。そうそう、昔のヨーロッパの映画などには、それに似た自動車や列車が出てくる。
そんな先入観があるせいか、今でも食べ物は横文字の記述があると、つい手にとって裏返して眺めてしまう。こういう自分の思い入れに、幼少時に対するノスタルジーを感じることが多いのである。もっとも、現実的な話としては、実家が呉なので、街中では当時横文字が溢れていたし、父が街角で英語で話す姿を見たり、舶来品を店頭で眺めたり、あるいは、英語の看板を観てその意味合いを教えてもらったりしたことが、父との思い出としても強く印象が残っているのかもしれない。
前置きが長くなってしまったが、そんな背景があって、こんなものまで手を伸ばして買ってきたというのが正直なところである。いやいや、そうみえるかもしれないが、「イタリアの小型潜水艦のおもちゃ」ではない。潜水艦ならドイツ製か日本製がよいに決まっている。実は、日持ちのするクロワッサンが8個入ったパッケージである。やっぱり賢い人種は、朝から甘いクロワッサンを食べて頭から元気を出そうとしている。それはまったくもって体の生理を良く理解している証拠である。この歳になって、朝から味噌汁と焼き魚という塩分起動はもう無理なのである。それにしても、個人的に何が興味を引いたかと言えば、消費期限が先行き半年間と長期に設定されていることである。
最近、特に巷で流行っていて売り上げを伸ばしているのが、「美味しい非常食、とか保存食」である。それにも匹敵する商品かもしれない。元々クロワッサンと言うとバターが大量に使われている高カロリー食品で、しかも、このクロワッサンの絵には、ココアクリームが溢れるぐらい入っているように描かれている。これにはやや抵抗を感じたのだが、価格をみると598円ということ、あるいは長期保存が効くということもあって、そんなに高カロリーで、溢れるほどココアクリームが入っている筈は無いと直感したのである。
パッケージを開くと、厚紙の中に包装したクロワッサンが8個入っていた。さらに袋を開いてみると、やはり近所のパン屋にあるようなクロワッサンではない。6カ月も保存できるような「節度のある菓子パン」になっていた。もちろんココアクリームは僅かしか入っていない。量は少ないが2か所に入っているために、口寂しさや甘味が足りない感じは無い。経験は無いのだが、エスプレッソと一緒に戴くと、「まるでイタリアのカフェグレコで菓子パンを食べているような気分」が味わえるのである。戴く前に、電子レンジで15~20秒程度温めるとよい。意外に、見た目より美味しくて、保存が効くのがうれしい。また見つけたら追加しておきたい好商品である。
ではこちら
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