故郷には、ずっと変わらない味があった方がよい。でも、それだけではつまらない、どこかで誰かが、何かにこだわり続け、新たな味の開発をしてほしいと漠然と期待することがある。活気に満ち溢れた若者達が、寄って集って美味しいものを模索する姿こそ、まさにエネルギーなのである。いつしか、そういうエネルギーの有り余った故郷であってほしいと願うことがある。もちろん、名産や特産と称されるものはたくさんあるが、何か、若者らしい挑戦的な食い物を創作して欲しいのである。どうかな・・・。
それにしても、何と贅沢な期待なのであろうか。故郷には故郷の味があり、記憶にある昔の味が蘇れば、それはそれで楽しいはずなのに、それだけでも満足せず、新たな味を期待する。それは、一体どういう事なのであろうか。自分でも、何か苛立ちを覚えるような気分で、それが地域の独自性であったり、文化の発展の足跡として期待を顕わにすることがある。広島には全国展開できるほどの、「何か、そういう物がないんかのう~」といった気分である。牡蠣を使ったカレーはいくつか販売されている。しっとるで!。牡蠣を使った出汁醤油もある。だから何!。そういう牡蠣の美味さを継承してきた在り来たりで地味な組合せでは、今一つ盛り上がらないのである。
今日は、そんな私が見つけた、今そこそこ美味しい即席ラーメンを紹介したい。この商品は、明星食品の「明星 美味しさ新発見!」シリーズの広島編である(昨年の5月7日発売190円)。全国の隠れたご当地ラーメンの美味しさを、手軽に味わ得るよう企画されているもので、広島ラーメンの豚骨醤油のベースに、唐辛子で程よい辛味のアクセントを効かせ、明星独自の製法による中細麺で仕上げてある。まあ、この時期に温まる絶好の商品と言える。もちろん辛さだけではない、広島ラーメンに新たな魅力を加えたパンチのある即席ラーメンに仕上げてあり、中味のかやくは、定番のチャーシュ、もやしなどを無難に採り込んである。
いきなり、遠くから来て広島ラーメンを味わうこともないと思うが、昔から瀬戸内海側では素朴で美味しいラーメンがその地域ごとに存在していて、強い独自性を誇ってきた。福山ラーメン、尾道ラーメン、三原ラーメンと地元では有名無比ではあるが、何故か広島ラーメンだけは、今一つ名声に陰りがあると言うか、オーソドックスでつまらなかったのである。そこに、この唐辛子の辛みは、パンチのある味わいで、一歩抜け出した感がある。懐かしい味わいを残しながらも、辛味が加わることで活き返るような新鮮さと創造性が加わったのである。このような商品が起爆剤となって本格的な広島ラーメンに広がってほしいものだ。
ではこちら
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%211165&app=WordPdf
補足:明星と言えば「チャルメラか一平ちゃん」であるが、惜しいことに、明星食品は2006年に日清製粉グループに参入している。