2013/07/30

手造りプリン

   スイーツの中で定番中の定番と言えば、ショートケーキとかチョコレートケーキを挙げる人が多いかもしれないが、意外に忘れてならないのはプリンである。特に、昭和の頃からあるプリンアラモードは、周囲に生クリームやフルーツが入っていて、かなり幅広い美味しさを提供してくれた。今でも、年配の人に支持を得ているらしく、セブンイレブンやファミリーマートでも見かける。透明プラスティックの中心部にあるプリン自体は、即席のカスタードを固めたプッチン・プリンのような味なのに、それが返って懐かしいし、口の中では、生クリームやフルーツと渾然一体となって、大昔のその頃を思い出す感覚が脳裏を霞め 「うーむ、昔と変わんねーな」と、そのことに安堵するのである。

  カスタードとは、牛乳またはクリームとコンスターチと卵、砂糖を混ぜながら加熱し、滑らかに仕上げたものを指し、プリンは、コンスターチの入れない状態で加熱しながら攪拌し、冷やして固めたものである。大昔は、ハウスのプリンの素で簡単に作ったプリンの味が全てだと思っていて、カスタードってこんな味だって認識していた時代があった。最近は、カスタードだけの入ったシュークリームも少なく、あいにく忘れかけそうだったのだが、あるとき、店頭で専門的にシュークリームを作っているお店でカスタードを買うことができた。その時、「こんなに美味しかったんだ」と、昔のイメージのカスタードに比べ、「生々しい美味しさ」につい興奮してしまった。しみじみと、カスタードは美味しいと思ったのである。

  プリンは、卵白が固まる時、小さな空気の巣が出来る。カップから取り出して、お皿にひっくり返して、この気泡がたくさんあればあるほど、美味しいそうに見えるのである。そして、さらに決定的なプリンらしさがもう1つある。それがカラメルである。そのほろ苦いカラメルは、プリンの食感を奥深いものにしてくれる。このカラメルは、普通はカップの下に敷かれているにもかかわらず、取り出すと山頂に来る。つまり、最初にスプーンを入れ、「プリンの美味しさ」を決定付ける場所なのである。そんな、カラメルの効いた素朴で固めのプリンを無性に懐かしく感じる。しかし最近は、柔らかく滑らかなものが流行っているようで、そんなプリンを見つけるのも難しいようだ。

  今日、買ったプリンは、思いのほか「美味しそうな印象」を持っていた。口にすると、まさに期待に違わず、自分の持つイメージを髣髴とさせる食感を備えていたのである。それにしても、遠い島根県の安来市というところで作られていて、わたなべ牧場の「手造りプリン」 と書かれている。この外観からは、もっとさっぱりとした「美味しさ」かのように思っていたのだが、実際は意外にも、原材料の生乳の質の高さと濃厚さを実感するほどであったし、おまけに、あのカラメルが別容器に収められていて、随時添加調整ができる。これに使われている三温糖がこれまた格別に懐かしい味なのである。つまり、別容器なので、濃厚なプリンの味わいと、カラメルの甘味と苦味の加わった、一層甘苦いプリンと食べ比べも可能である。
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2013/07/26

マカデミアナッツ

  ハワイのお土産げに、マカデミアナッツが入ったチョコレートを戴くことは多い。その度に、「マカデミアナッツはハワイの特産品で、あちこちにマカデミアナッツの実る木が生い茂っていて、実を焙煎してチョコレートに入れて商品化すれば、「物見遊山な日本人」が買い求めるに違いない。お店に大量に並んでいるので、きっと、それをお土産げ品と考えるのだろう、「日本人は大量展示に弱いから」その挙動は社寺仏閣へ参った心境と、なんら違わない筈である。そのような作戦を考えたのは、ハワイにいる日本人に違いない。・・・・・ そんな風に漠然と考えてきた。しかし、それは、あながち間違った認識ではなかったようである。マカデミアナッツの原産はオーストラリアだが、ハワイへ移植され、日本人の力によって特産品になったようだ。今日は、そんなマカデミアナッツの殻付を紹介したい。

  マカデミアナッツに限ったことではないが、牡蠣も同じで「殻付き」と言う言葉の中に、自然で無添加と言うニュアンスが隠されている。殻で覆われているという、何とも安全な印象を与える言葉である。倉橋島の殻付き牡蠣を友人に贈ったりすると、海から揚げたそのままの姿で、中身を取り出す手間のかかる状態なのに、珍重され喜ばれることが多い。それは、そこに人の手が介在していないと言う安心感であったり、まだ牡蠣は生きていると思える新鮮さを実感するからなのであろう。このオーストラリアで採られたマカデミアナッツは、木から摘んだ後じっくり焙煎してある。そこで、殻割り器を使って中実を取り出すのである。実の大きさや焙煎時間の違いによって、多少味に違いがあるにしても、殻付きを砕いて中実を取り出す喜びは、何物にも代えがたい感覚がある。

  その気分を、味わってみたいと思う人は、下の写真のようなマカデミアナッツとクラッカーがセットになった商品がある。自然の実を焙煎してあるので、ときたま割りにくい実もあるが、そのような時は、クラッカーの先端部分の当てる部分を少し移動してみると良い。クラッカーでマカデミアナッツを挟み、徐々にねじを巻くように、尖った先端を殻に押し付けていくと、パチッと大きな音を立てて殻が割れる。その殻は、3mm程あるので、このようなクラッカーがないと割ることは出来ない。その音は「やった!」という気分と共に、意外にストレス解消にもなりそうだ。
      自然のマカデミアナッツが、このような硬い殻の中に潜んでいる実とは思わなかったし、深煎り(ロースト)されたものが、こんなに甘く美味しいとは知らなかった。そんな、マカデミアナッツの実を割って食べる喜びは、人によっても違うかもしれないが、パリッとした音によって「非日常の感動にも似た破壊願望」を解消できたり、自然のままを食べる満足感とか、意外に殻つきの持つ味わいは深いと思える。
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2013/07/23

乾麺 讃岐うどん

   だいたい、この手の戴き物と言うのは、案外杓子定規で、きっと古くからの伝統的な楽しみ方がある筈だ。しかし、それを知らずして、現代を生きる我々のような粗雑な人間は、ストレートに美味しいとか、そうでないとか、つい率直に口にしてしまうことも多い。しかし、そういう固定概念で何でも戴き物を処理するのは、如何なものかという気持ちで揺れ動いている。それは、先週、「島一の鯛めしの素」を紹介した時に、「たいへん美味しかった」という印象が残ってしまったからに他ならない。それは、少しだけ、自分の知らない世界を垣間見たような気持ちで、しばらく尾を引いていると言うことなのだろう。

  そういう気持ちは、当然、残されたうどんにも及んでいて、ひょっとしたら、この乾麺もなにやらそのような作法に縛られることでもなく、自由に思いついた手順で戴けば、何か新たな発見に遭遇するかもしれない、と考えるようになったのである。こういう気分と言うのは、意外に世の中にたくさんあって、もっと他にも美味しい物があるかもしれないと、気に入った洋食屋に通い詰めるのに似ていて、そんな、「深く捜し求める気持ちのような精神活動」が心の奥底で蠢いているらしいのである。簡単に申し上げると、あの、さりげないパッケージに収まった「株式会社 島一」の詰め合わせコンセプトを、「鯛めしを戴くこと」で少なくとも半分は気に入って、その同梱され残ったままの「うどん」にも、いたく心が惹かれてしまったということなのである。うーむ。

  さて、どうしても、香川の讃岐うどんというのは、極太で腰の強さが暴れまくって喉を通過する時に、「喉の巣を落とす」と言うことわざを現実にしたような印象がある。そういう視点でこの乾麺を眺めると、「そうめんの太いやつ」?と言われるような姿をしていて、どうにも腰の強さを想像するには及ばないのである。そこで、幾つか薬味というか、今風に申し上げればトッピングなのだろうが、どちらの印象が良いかを考えると、たとえば、トッピング風に、牛肉とねぎを甘辛いすき焼きの出汁で炒めてのせる。それも悪くは無いが、口にすると麺に力強さが足りない。次に、小海老のかき揚げ天ぷらをのせる。これも、2度ほど実際にやってみた。やはり、麺の腰の弱さで印象が良くない。少し中途半端な感じがあって物足りない。

  いずれも、出汁はあご入りの「ほめられ香り出汁」を使用。今度は、そうめんのようなイメージで同封の乾麺を使ってみることにした。暑くなった時期にいけるように、出汁は冷蔵庫で冷やしておく、薬味風に構成するには梅干を使って爽やかに、そして少し甘い油揚げを用意する。ここが買い求める時のポイントで、甘辛い出汁で煮付けてあると麺とのマッチングがよい。これでどうだ!と満足している構成が、今回のPDFである。小安く、誰でも簡単に出来てそれでいて麺の食感と喉越しのバランスが生かされる。そして酸味が爽やかとくれば、そうめんを凌ぐ満足感が得られるはずである。もちろん、お揚げもたくさん入れておく。
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補足:「喉の巣を落とす」→大変美味しい物を口にした時の印象を象徴した表現で、これ以上の誉め言葉は無い。「うどん」でその表現を使ったのは、今回はじめて。明治、大正、昭和30年代までは良く使われたが、現在使われることは少ない。当時は、メロンや高級果物を口にして、何時も使わない喉の細かい部位までも「美味しい」と感じることを比喩して表現したと思われる。

2013/07/19

鯛めしの素

   鯛の切り身をご飯の上に載せた状態を「鯛めし」という。最も印象的なのは、生の鯛の切り身をご飯の上に広げ、山葵と一緒に出汁で戴くというのが思い出される。おそらく、松山とか宇和島、瀬戸内では、そんな食べ方をすると記憶している。関東あたりでは、焼き鯛を出汁と一緒に炊き込むのが一般的だ。鯛をご飯と一緒に炊き込むには、魚を焼いて、炊き込めばすぐに完成するものではない。小骨など幾つか面倒な前加工が存在する。しかし、頭の部分を取り除いてしまうと、味に深みが無くなるし、かといって頭の部分は、鯛石とか、目玉など、いくら火を通しても柔らかくならず、食べられない部分も多い。そんなことが結構面倒なので、家庭で頻繁に作られるものではない。

  しかし、この「炊き込みご飯」風の「鯛めし」は、間違いなく魚好きに喜ばれ、美味しいお店があれば、わざわざ食べに出向きたいと思う程である。そうそう、浜松町の和食の店「本濱」まで食べに行ったこともある。思い起こせば、また「食いてえ~」と思うわけだが、ころっと!そんなことも忘れ去っていた。そんな矢先に、贈答品として、「うどんとセットになった鯛めしの素」を頂戴したので紹介したい。最初は、うどんと鯛って?何よと、うどんの上に鯛めしの素を乗せて、あたかも、京都の「にしんそば」さながらの、「鯛うどん」にでもするのかと思ったほどである。箱の中に「うどんと鯛めしの素」が並んだ姿を見ながら、ひょっとしたら、それって、すごく美味しいかもしれないとまで本気で考えた。

  製造販売しているメーカーからすれば、「とんでもねえよ~」と思うかもしれないが、眺めていると、なんとなく美味そうだなと徐々に本気になっていくものである。そうやって、心の中で勝手にイメージが出来上がってしまう前に、そんな妄想を掻き消す様に、「鯛めしの素」の箱をひっくり返し、早速その手順に沿って作ってみることにする。鯛めしの素の箱には、天然小鯛を特殊製法で柔らかくしたパックと、それに合わせる出汁のパックが同梱されている。手順は、お米2合を洗米し、通常の割合で水を加えた後、その中に、出汁パックを入れる。そしてまるごとの天然小鯛を上に置く。30分ほど出汁に漬けるため放置した後、炊飯モードで炊き上げるだけでよい。

  こういう「炊き込みご飯」の出汁とか醤油は、炊き上がる時に蒸気と一緒に美味しそうな薫りを放ってくれる。その中に、いつもと違う「出汁の薫りから鯛の薫りへ変化」し、それが渾然一体となって、無性に腹が減ってくる。この薫りが、小豆島産の丸大豆醤油と、枕崎産の鰹節、北海道産の昆布を合わせた出汁の薫りなのかと興奮する。うーむ、美味そうだ。そこがまた、日本人に生まれてよかったと思う瞬間でもあるのだが、我慢が出来なくなる前に、せっせとお新香とか、味噌汁を用意したいものである。炊き込みご飯全般として、たくさんのおかずは不要で、シンプルに3点ほどでまとめたい。炊き上がると、和食亭のカウンターに座っているような薫りに包まれている。鯛の目玉や鯛石を取り除いてから鯛を満遍なくほぐして、ご飯と混ぜて戴くことにしたい。うー、美味いわ。
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2013/07/16

ソイジョイ ピーナッツ

     本来ならば、過激な運動も、辛い食事制限も、楽しい間食までも控えるなど、そんなことは、うーむ、何もせずに体を絞りたい。きっと、若い女性も、我々糖尿病予備軍も、誰でもそのように考えている筈だ。少々運動をしたところで、急に体は絞れず、それどころか、返って筋肉痛に苦しんだり、関節を痛めてしまったとか、ろくな事はない。ウォーキングも、体に良さそうな事は言われるが、正しい歩き方でなければ効果は薄いし、炎天下で歩くと、後々軽い熱中症のためか夜中寝苦しくなるとか、体の余計なところが日焼けして見苦しくなったりとか、疲れが溜まってしまったり、やればやったで難しい側面を伴う事を認識するだけである。私もそこには気を使ってきた。

  かといって、運動に消極的になる必要は無く、ウォーキングもするし、旅にも出るし、富士山にも登るし、海でも潜るしと、様々な活動を通して、体のあらゆるところを、少しづつでも、時々でも動かす事に時間を割きたい。また、食べ物も偏った物は避けて、満遍なく色々、野菜、果物、お肉、魚、小麦そして大豆、のように幅広く戴きたいものだ。大豆といっても色々で、「スゴイ」のがいたり、「ミルクのような優しい」のがいたりするが、今日のは、「遺伝子組み換えでない大豆」を使った商品である。今更の事でもないが、その大豆の粉とピーナッツの入った低GI食品として、ソイジョイ・ピーナッツとして登場している。

  もちろん「国内の大豆」を使ったソイジョイは、これで13種類もラインナップを揃えたことになる。その多くの種類の中から、誰にでも体にしっくり来るものがあるはずで、栄養価と空腹感の正しいバランスを自らの手で保つことが出来る筈だ。このような、一種のダイエット食品を口にする人の中には、食べればたべるほど痩せられると思い込んでいる人がいるかもしれないが、それは間違った認識である。それは、このソイジョイ ピーナッツでさえ、1本144kcalものエネルギーを備えているので、もちろん食べれば食べるほどエネルギーを取り込むことになる。しかし、ソイジョイ全てに含まれている低GI性によって消化吸収がゆっくりと進み、難消化性デキストリンによって、時間が経過しても空腹感が少ない。この性質を利用して食欲と言う本能を管理、あるいは抑制するのである。

  つまり、ソイジョイを1本ゆっくり噛んで水分と一緒に食べておくと、しばらくお腹が空かないことから、小腹が空く4時ごろに口にすれば、夜7時ぐらいまでは空腹感が押し寄せず、寄り道をせずに帰宅できるということになる。つまり、たった120円そこそこで、3,400円程度(サラリーマン平均)のビールやおつまみ代が節約できるという、財布にもやさしい素晴らしい食品なのである。このソイジョイ ピーナッツは、少し甘い黄な粉と火で炙った少し香ばしいピーナッツを一緒に口にしているような食感で、どこか、はるか昔に食べたことのある馴染み易いお菓子のような味と言える。
今日の写真は、久々なので全製品13種類を並べてみた。
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2013/07/12

Granアイスクリーム

  カップアイス好きの若者たちに聞くと、圧倒的にハーゲンダッツの人気が高い。暑い時期だけではない、真冬でも暖かい部屋でハーゲンダッツを食べるのが楽しみだという。やはり、冬場でも確実に売り上げを伸ばす同社の商品は、満足度も大きいようだ。そう言われてみると、低カロリーで美味しいアイスは山ほどあるけれど、じっくり楽しむ高いカロリーのアイスは、ハーゲンダッツの独断場かもしれない。特に、「強い甘み」は誰にでも分かりやすく、いつまでも印象深い口解けに繋がっている。以前、新宿西口にあるゴビバのアイスを買った事がある。ここの商品も、その延長線上にあり、やはり濃い味で、二口で「胸いっぱい」になってしまった。

  そういう自らの体の反応を基に、最近、欧米人と日本人のアイスに対する感覚には、大きな開きがあるかもしれないと思い始めたのである。いやいや、アイスだけではないかもしれない。日本人は、はるか昔から味覚の中にも「薫りや風味に、自然さとか素材の持ち味を大切」にする感性がある。ゴビバもハーゲンダッツも美味しいには違いないが、あえて言わせてもらえば、「行き過ぎた濃さと、甘さによるインパクト」が強すぎて、蜂蜜までも加えるとか、そこまで甘さを強調しているのである。しかも、こんな甘さの強い物を食べ慣れると、どんどん味に鈍感になりそうだ。しかも、一度でも鈍感になってしまった味覚では、微妙な味の違いを次々と見落としてしまう。つまり、ハーゲンダッツから足抜け出来ない状態になるのである。私のような、甘いもの好きは、最近そう感じることがある。甘さと風味の階調を大切にしたいものだ。

  元々、米国で通用するには、猫も杓子も「単純で分かりやすさ」が重要である。それはまた、全世界で評価を受けるためにも大切な要素と言える。しかし、その「濃い甘さ=美味しい=また食べたい=たくさん食べて=取り返しのつかない肥満体系になる」という構図だけが最後に残るのである。元々米国人は、微妙な美味しさの違いを云々かんぬんする人種ではない。食べ物に関しては、「クォリティより量」が物を言うようである。そんな単純さと強烈な欲望が渦巻いて、群を抜く肥満大国になっていったのである。もちろん、日本国内では、いま一つ、そこまで濃く、更に甘く、と言う点でそれに匹敵する商品が無かったことも事実で、どこかで「程々の濃さと安易な甘み」に頼っていたのかもしれない。つまり、本気で挑戦しようとする意欲に違いがあり、さらに、日本人の「甘みに対する、あるいは濃さに対する好み」を安易に考えていた可能性すら考えられるのである。

  今日、紹介するGranのミルク・アイスには、その微妙なニュアンスが多分に活かされた商品だと思った。さすがに、国産を印象付ける「きめ細かい美味しさが幾つか感じられる」のである。ほとんどそのミルクの持つ甘さと、そのまま濃くしたような仕上げは、従来にない自然さを伴う。これは素晴らしい仕上げ感である。ミルクの持つ本来のコクや甘味、素材の濃縮感というか、そこに独創性の高い美味しさが潜んでいて、無脂乳固形分13%とか、乳脂肪分15%という、数値スペックから来る印象とは程遠い異次元の食感が魅力的だ。かつてない滑らかな仕上げによって、爽やかな後味を実現し、エネルギー量270kcalというのも意外に感じるほど嫌味のない満足感に繋がる。まさに、クオリティーの高いアイスなのである。案外、苦味と重なると一際ミルクが引き立つこともあり、そこは組み合わせに好感が持てる。
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2013/07/09

贅酪ヨーグルト

  過去にもヨーグルトは数多く扱ってきた。ヨーグルトのページは比較的にアクセスも多い。ダイエット食品と並んで、その「効果と美味しさ」のバランスの間で行き来しているようだ。ヨーグルトなど美味しい製品は、情報をわざわざ掘り返すほどの事もなく、スーパーなどに数多くの商品が溢れているので、片っ端から口にして自分に合うものを探す方法もある。しかし、誰かが美味しい物を知っているのではないかと、情報を探りたくなるのかもしれない。しかも、ひょっとして自分だけが、効果ばかり気にして、実際は、さほど美味しくもないヨーグルトを口にしているとしたら、我慢できないはずで、そこに依頼心と言う「安易に人に頼りたがる気持ち」が湧き上がってくるのである。その気持ちは、正に妥当な願望で、世の中のスーパーに置いてある商品は、スーパーが儲かる商品であって、必ずしも美味しい商品とは限らないからである。美味しい商品は、製造者が無理に宣伝をしなくても、「詳しい人たちが、わざわざ探して買いにきてくれる」と考えるのが普通である。

  今食べているヨーグルトがどのくらい自分に適しているのか、あるいは、自分の体にもう効果が出ているのかとか、色々とベールに包まれている部分もある。その曖昧模糊とした要素が、ヨーグルトの魅力を奥深いものにしているのである。しかし、食べ始めてから結果が出るにはずいぶん先のことだから、最初は信じるしかない。そこで、食べないより、食べた方がよければ、どうせなら美味しいものを選ぶべきだとも思えるのである。もっとも、「美味しいと言う評価」の中には、幾つかの種類があり、果物のブロックがたくさん入っているとか、独特の甘み、例えばココナッツミルクが入っているとか、また、果物のピューレなどを加えて、薫りと甘みを加えてあるとか、あるいは、一切何も加えずプレーンの美味しさを強調しているもの、などがある。こういうバリエーションが色々触手を広げてみたくなる要素になるのである。

  同じ種類のヨーグルトを継続して食べるより、時々は、違うものを食べるのが良いと話す人もいる。それを丸々鵜呑みにして、低価格ではチチヤス、高価格ではHOKUNYU 大粒白桃、フルーツサラダ等が冷蔵庫に収まっている。しかし、今日紹介する「贅酪ヨーグルト」が手に入ると、やっぱり、しみじみと「これが一番美味しい」と思うわけで、「自然で後味が良く、飽きの来ない美味しさ」が特徴なのである。この贅酪ヨーグルトは、ずいぶん前になるけれど過去にも紹介したことがある。その時は、大塚チルドの商品として扱っている。違いの分かる人たちに言わせれば、「ちょっと口にしただけ」で、ヨーグルトの原点を示唆するかのような自然さが際立ち、とても体に良さそうで美味しいという評価になるようだ。それで、これなら売れるに違いないと大塚チルドも意気込んだのだろうが、当時の大塚チルドの販売ルートや取り扱い規模などから、商業ベースに乗らなかったようだ。今は、製造元の「上毛食品」が販売を続けている。

  やっぱり、こじんまりと昔ながらに、頑固なおやじが一人で切り盛りしている「こだわりのラーメン屋」のような、そんなお店にこそ「本当に美味しいもの」があるという理屈が、ここにも通用していたのである。美味しいお店は、混むと嫌だから他人には教えないけれど、取っておきの友達には教える。だからといって「誰でも納得するような美味しさ」を提供しているとも限らないので、好き嫌いや、好みも考えると、下手に紹介して、「何だよ!ちょっとマニアックだね」といわれないように、黙っていると言うのもアリなのである。だから、改めて紹介しなくてもよいかなとも迷ったが、ヨーグルト好きの人は、みんな承知だし、忘れていたなら思い出して欲しいとも思うので、あえて再び載せた。まさに、これこそ、私が太鼓判を押せる商品である。
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2013/07/05

日清ラ王 冷し中華

   不況時代は、優れた商品が生まれやすい土壌になる。その環境で、即席麺業界にも生麺と、区別がつかない程の食感の即席麺になる画期的な技術が生まれた。それが、袋麺市場が再び脚光を浴びる背景になった。社会がデフレ状況なことも手伝って、大きな売り上げに繋がったと言われている。また、これからも益々多種多様な商品開発を促しながら、活況を呈してゆくに違いない。確かに、麺が画期的に美味しいと醤油、味噌、豚骨、塩までなら、歴史的背景や実績からも、誰でもそこそこ売れる商品に成長すると予想できるが、果たして「冷し中華」はどうか、経験不足という難しさもあって、期待薄の商品だったと言えよう。それでも、マルちゃんの確かな味作りに、発売後すぐに品薄状態を引き起こし、その勢いは留まる所を知らず、ぐんぐん売り上げを伸ばしてきたようだ。

   本来、「冷し中華」は、お店によっても違うが、胡瓜、しいたけ、たけのこ、焼豚、錦糸卵、くらげ、鶏肉などトッピングやその味付けに手間がかかり、客は「冷し中華は店へ訪れて口にするもの」という認識が高かった。また、一方で手軽な袋麺商品として存在しなかったわけではないが、メーカー側としては、本気で取り組む理由が無かったし、ユーザとしても調理が面倒として敬遠しがちであった。何かきっかけを掴むまでは、メーカーとしても、どのような形で「冷し中華」を市場導入すればよいか苦しんでいたと思われる。しかし、市場原理の原点でもあるユーザーの声を分析してみると、「麺とつゆ」という、基本的な具材の品位が高いとか、つゆが格別に美味しいとか特徴があれば、そこにユーザーの好みで「独自性を編出す可能性」が秘められていることが分かったのである。

  その代表格であるマルちゃん正麺の「冷し中華」は、早々に市場投入され、今や食べる時の外気温まで言及されてきた。「暑くても、涼しく」ても、この「冷し中華」は美味しい。嘘だと思ったら食べてみてください!と言うメッセージからなのであろうか。今日は雨が降っているし「涼しいから、冷し中華」にしようと、すでに条件反射になってはまってしまったと言う人も少なくない。しかし、「冷し中華」熱といては何時か「冷める」こともある。競争の無い市場では、まれに商品が徐々に廃れてしまうことがあるからで、やはり、「美味しい商品」を改めて認識させられるには、比較対象商品がいくつか存在しなければならない。市場は、そこはかとなく多様な趣向を隠し持っていて、その比較されるべき商品が登場することを密かに望んでいる。

  そこで、登場せざる終えなかったのが日清の「ラ王の冷し中華」である。日清は、生麺に近い即席めんに、更に磨きを掛けて「つるつる で しこしこ」の麺に「しょうゆだれ」で用意した。わざわざ、「しょうゆだれ」と名乗っていることから、今後は、「ごまだれ」も提供されるかもしれない。それも、ファンの楽しみなので、出来るだけ早く商品化してもらいたい。さて、その日清のラ王「しょうゆだれの冷し中華」は、マルちゃん正麺の「冷し中華」とは明らかに違う。麺の力強さは日清独自のもので、つるつるとした食感は好感が持てる。つゆの味は、主に醤油、酢、辛味、砂糖、ごま油、その他の香味だが、とに「ラ王独特のごま油」が中華風を演出し食欲をそそる。ここがラ王の特徴なのだが、その一点に好き嫌いが存在する可能性がある。このあたりがマルちゃん正麺の「冷し中華」の大人しさとは大きな違いとなっている。
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2013/07/02

マイグレーションするソフト

 マイグレーションとは「移行」と言う意味である。コンピュータなどの情報機器では、新しい装置へデーターを移動させるとか、移し換えると言う意味で使われる。データーセンターとかサーバールームなどのように頻繁にデーターが増える場所では、直近の高速ディスクにインデックスだけを残して、データーの実体を背後の巨大で少し低速な記憶装置へ移動させることもあるが、それもマイグレーションしていると言う。マイグレーションには、ファイルをコピーしたり、データーをバックアップする単純な操作も含まれるが、目的が新しい装置への移行であり、いずれ元の装置にあるファイルやデーターは破棄され、移行した新しい装置での運用が開始される。

 家庭で使われるパソコンでも、アプリケーションが増えるとディスクの空き容量が減ってくる。そこでディスクを大容量化し、そこに保存されているファイルやデーターを移しかえるが、それもマイグレーションすると言う。この一連の作業を一口で「ディスクの換装」ともいい、大昔のパソコンユーザーは、豊富な知識を柔軟に使いこなし、大容量ディスクに置き換え、OSからアプリまでを一連の作業として再インストールしていたが、インターネットと連携して運用されるようになってからは、セキュリティー定義や、ファイルが自動更新されるなど、刻々とディスクの中身が変わるので、大容量ディスクにデーターをマイグレーションして換装を終了させ方が早い。このマイグレーションが終了した状態の新しいディスクを「クローン」と呼ぶ。

  おおよそ、その換装作業の実際は 3~4倍大容量の新たなハードディスク、接続ケーブル、トレイなどに加えて、マイグレーションソフトを準備する。そのソフトは、ディスクの機能や仕様などの「細かい設定が変更でき」たり、あるいは、「全てお任せ」でも使えるものが良い。今回ブログに残しておきたいのは、教わった Acronics Migrate Easy 7.0 である(なかなか良い)。このソフトはAcronicsジャパンのホームページから購入(2,625円)あるいは無償試用版をダウンロードできる。昨年はデスクトップのU320を W SCSI ケーブルで接続し2倍の容量拡大に、今年はラップトップのSATAをドッキングステーション経由でディスクのクローンを作成した。いずれの場合も、ハード的な接続等、周囲環境さえ整っていれば、ソフト側の操作は「自動」を選択するだけで、特に、何もすることなくクローン作成が終了する。

 Acronics Migrate Easy 7.0 の使える環境は、Windows系でインテル互換CPUを使用、64MBのRAMを搭載し、CD-ROM/DVDドライブ装置(ソフトのインストールの為、ダウンロード版では必要ない)を装備していること、マウス(あくまで推奨)を装備し、さらに、イメージファイル用のハードディスク空き領域があること、と書いてある。その他に 180GB以上の大容量ディスクに対応するほか、シリアルATA/IDE、SCSI、SATAにも対応。OSは、Windows 2000 Professional SP4、XP SP2、XP Professional x64 Edition 、Vista (全てのエディション)を、ファイルシステムでは、FAT16/32、NTFS、Linux Ext2/3、Linux ReiserFS、Linux Swap などをサポートする。主な機能としては、自動または、詳細指定でディスクのクローンが作成可能のみならず、新しいハードディスクのパーティション管理(コピー、移動、作成、削除)も可能にしている。
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補足:ハードディスクの換装をする場合は、
1.現在使用中の、例えばWindows XP Professional のサポートが2014年4月で終了など、Windows系のソフトウエア・サポート・ライフサイクルを確認すること
http://support.microsoft.com/gp/lifeselect/ja

2.次にAcronics Migrate Easy 7.0 の機能や使い方を、同社のHPでよく確認すること
http://www.acronis.co.jp/homecomputing/products/migrateeasy/

3.最後に換装する大容量ディスク、トレイや接続ケーブル等のハードを用意をする
といった流れになる。

これらの段階での確認によって、そのままサポート・ライフサイクル終了まで、もう少し我慢して使うとか、全て新たなハードとソフトに切り替えてしまうとか、検討すべきである。