2013/10/29

RAIZIN(ライジン) 炭酸飲料

  こうも度々台風が来ると、ベランダの雨風対策に追われて、つい今年の夏の暑さも忘れがちだ。そして、これから迎える寒さには、今だ準備不足というか無頓着である。しかし、我々にとっては、夏、冬、いずれも辛い季節であることに代わりはない。もちろん、屋内にはエアコンもあるが、冷暖房のある快適な部屋は休息室のようなもので、そこで一日中息を潜めて時間を過ごせる訳ではない。多かれ少なかれ内と外の急激な気温の変化に苦しむことになる。やはり、暑い時は、わずかでも体温自体を下げる努力であったり、寒い時は少しでも体温自体を上げるなど、自らの努力で体温調整する認識も増えつつある。

  人は、みんな同じように暑がりであったり、寒がりであったりするわけではない。最近の傾向としては、若者の中にも体温が低くて、寒がりが多いことが分かっている。もちろん、女性の方はもう少し寒がりのようだ。一般的には、40歳ぐらいから平常体温が低下する傾向があり、65歳ぐらいから顕しく体温が下がる。これらは、基礎代謝との関係が深いとされている。また、体温は、一日中同じでもなく、夕方が一番高体温になる。このタイミングで計測すると36.78度あたりに正規分布するそうだ。体調との関係は、基本的には体温が高い方が、免疫力も高く病気になりにくい。逆に、低体温だと様々な病気を発祥するリスクを抱える。しかし、夕方、微熱(37.5度以上)を感じたりする時は、既に呼吸器系に炎症を抱えていたりするので、注意が必要だとも言われている。

  さて、これからの季節は、風邪やインフルエンザ対策も考えて、体温を上げることに気を使いたい。たくさん着込むには、自分自身が発熱できないと効果は薄いし、体の動きが鈍ってしまう。一方、シャツの上に貼り付けるホカロンは、長い時間安定的に暖かい状態が保たれる。しかし、体の末梢まで暖かくなるには時間がかかり、そこが温かくなる頃には、背中に汗をかくほどで、部位によって体温のばらつきが起こる。また、体が全体的に穏やかに暖かい状態になる生姜湯が重宝され、もっぱら近年ブームが続いている。生姜エキスを使って免疫力改善に貢献するという滋養強壮剤も店頭を賑わせている。もっとも、生姜が脚光を浴びるようになってから、生姜を使った菓子類や食材も豊富に用意されて、様々な低体温症状に対応出来るようになってきた。

  今日紹介するRAIZIN という炭酸飲料もその1例と考えられる。一見して缶コーヒーのような姿で、傍から眺めて、「冷え性で生姜を飲んでいる」という、ちょっと軟弱な印象を格好悪く思う人には好都合である。生姜抽出液とビタミン剤を混合したような味で、成分としては、ビタミンB2、B6、に加え、コレステロールの抑制効果のあるナイアシン、さらに脂肪肝改善ビタミンとも呼ばれるイノシトールなどを含み、体調改善効果もありそうだ。口当たりは優しいが、飲んでいる端から自らの食道や胃の形までが認識できるような、強烈な刺激が体内を走る。生姜成分の含有率も高いと感じられる。体温上昇効果に合わせて、ありがちな運動不足にも配慮され、疲れを取り除き、漫然としたサラリーマンには、やる気が起こるような即効性もあり、よく考えられている。飲んだ後は、僅かに火照ると言うか、耳たぶが少し温かく感じられるような状態が6時間以上続く。なかなか効果が認められ、単に清涼飲料水と呼べない理由がそこにありそうだ。
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2013/10/25

マルちゃん正麺 うどん

  今、都会の真ん中だったり、駅の周囲で「讃岐うどんのお店」が増え続けている。高松に住んでいた時期もあった私にとって、これじゃ「讃岐」と言うブランドを使って欲しくないと思えるほど「麺が柔らかく、味の濃い出汁」で、十分な品質とは言えないものの、それでも、若者やサラリーマンには支持されている。何よりも財布に優しいのが一番だが、自分の目で確認しながら次々とトッピングを重ねて、最終的な姿をイメージできるし、天ぷらなども種類が豊富で、そこは徹底して讃岐流が貫かれている。トッピングの組み合わせを変えることで飽きが来ないとか、店内に若者客が多いという安心感もあって、継続的な魅力に繋がっている。このような「讃岐風うどん」のお店が繁盛していることは、近年珍しいことかもしれないが、それによって、徐々に品質向上を目指し、発展、進化させ、若者に「本物のうどんの美味しさを」を浸透させて欲しいものである。

  …と、偉そうな事を云々しながら、今日はそれとはまるで別物と言える「即席うどん」の話である。冷凍、チルド、乾燥まで即席ラーメンを得意とするマルちゃんが、麺作りの集大成ともいえる「生麺うまいまま製法」を使い、即席うどんを市場投入する。それには、意表を突かれた様な目新しさが漂い「おおっつ」と大きな期待を寄せるところだが、業界には即席うどんの代名詞ともいえる日清食品のカップ麺の「どん兵衛」が市場を席巻していて、おまけに袋麺タイプも平行販売しているという現実が待ち受けている。しかも、それは歴史的にも、地域柄を反映した調味味においても圧倒的な実績を誇り、既に割り込む市場があったとしても小さく見失ってしまうほどである。この市場性に関する壁はかなりぶ厚く感じられるが、そこは、「マルちゃんの正麺」製品群の現在の勢いをもって「正麺としてのうどん」を全国展開することで、新たな立ち位置を確保すべく挑戦に出たのであろう。

  お湯やスープで麺を早く戻すためには、初期の「どん兵衛」のような薄っぺらい麺の方がよい。しかし、これでは、麺の喉越しや実感が伴わない。そこで、何とか厚みを増すとか、波型を入れるとかして、麺の構造を検討し太麺のような印象にする必要があった。それが、麺を戻した時点での食感として、「うどんらしさ」という重要な印象を与える。しかも、顧客の好みで、麺の硬さをある程度調整もしたいと考えられることから、お湯の中の時間で、やや固め、普通、やや柔らかめ、と言った具合に若干調整できなければならない。そういった、きめ細かい配慮で、より多くの顧客が美味しいと評価する要素にもなる。まさに、「生麺うまいまま製法」の腕の見せ所と言ったところなのだろう。一方、スープに関しては、マルちゃんは多彩な味を、実に見事にコントロールしてきた経験が豊富で、間違いなく美味しく仕上げてあるに違いない。

  そうやって、ある程度好みの手順と期待感によって、うどんをつくることで、その上に乗せるものを、お腹のすき具合やその日の気分によって自由に考えてこそ、楽しみであり満足できる結果になるのである。これは丼のご飯と同じ趣向で、元気が欲しい時には、やはり玉子や牛肉は必須であり、またある時は、お店のように海老等のかき揚げ天ぷらを乗せてみたい。もちろん、きのこや野菜の天ぷらもいい。時たまカレー味があっても良いが、それだけではない。寒くなると鍋焼きうどんも食べたいし、八町味噌を使った味噌煮込みうどんも食べたい。と言った具合に広がるのである。つまり、上に乗せる具材は我々が用意するとして、お店で出されるうどんの種類に対応するぐらい、徐々に「生麺うまいまま製法」を使って独自の麺をそろえて欲しいものだ。
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2013/10/22

ソイカラ 2種

   「スゴイダイズ」や「ミルクのように優しいダイズ」は少々苦手、大人の大豆も「いやー、ごめん」、ソイジョイは「甘いのは、ちょっと」と言う、何でも拒否する人でも、もう大豆商品から逃げることはできなくなってきた。新しいソイカラが待ち受けていたからである。チーズ味に加えて、最近「のり納豆味」と「オリーブオイル・ガーリック味」の2種類が追加された。これらによって、誰でもどこかで引っかかる底引き網のような大豆包囲網が仕掛けられていたのである。この、のり納豆味とオリーブオイル・ガーリック味は、言い訳がましく、大豆イソフラボンや食物繊維を摂るために、「体にええって聞いとるけえ(仕方なく)食べちょる」という、どこかで無理をしているという感覚から、ついに開放されることになった。知らず知らずのうちに手が伸びるし、カロリーの低さも手伝って、1袋ぐらいすぐに空けてしまうのである。

  CMでも推奨しているとおり、「ソイカラ」は大豆だから夕食前に食べても平気らしい。確かに、私が子供のころは夕食前に何か食べようとすると母から叱られた。叱られたからと言って止めることはなかったが、その感覚で「甘いものを夕食前に食べる」のは、永久的に良いこととは言えない。最近やっとその事がわかったという人も少なくないはずだ。そのような、幼い頃の悪い癖が直らない人は、それこそ、この「のり納豆味かオリーブオイル・ガーリック味」のソイカラを傍に置いておきたい。この味ならお勧めできる。

  さて、別の身近な世界へ目を移すと、私には、大東亜戦争時代の食糧事情の悪い時期に幼少期を過ごした先輩(20年ほど上)がいる。先輩は、毎朝早く(午前5時ごろ)愛犬の散歩に行くのに、あの硬い大豆を50粒ぐらい持って、そのままガリガリ食べながら小1時間ほど歩くという。聞いただけでちょっと歯が痛くなりそうだが、また、その噛む行為がいいんだそうである。まったく昔と変わらず「理屈っぽい」先輩なのだが、確かに、頭はいつもキレキレである。大豆は食事前に食べてもいいとテレビで見たよ…とも話していて、新しいものを受け入れること=感化されやすいこと、を混同しているようだ。最後に、「いつまで長生きできるか分からない」が…、と付け加えながら、来年は自家農園で「大麦と枝豆」を植えようと計画していて、今、畑の造成に汗を流しているらしい。大麦にも随分興味を持ったようだ。そうやって、大塚製薬の推進する、日本人全員を「元気で長生きさせるぞ戦略」は、意外なところで効果を発揮している事がわかったのである。

  このように、商品の情報を収集・理解しながら、様々な食材の功罪を知り、また源泉素材の持つ優位性を知ることも何かと勉強になる。その蓄えた知識で、市場に出回っている商品の品質や価格の比較をするといったこともあるが、体に若干弱みを持つ連中が集まると、「いつも食べている普通の食材は、どうなんだ」と、日常の食べ物にも興味が向いてしまうようだ。確かに、美味しいとか、美味しくない、とかも重要なことには違いないのだが、信じるものは救われるではないが、どうせなら、もう少し「健康を信じて食べるべきもの」があったほうが良いと思っている潔癖な人も多いようだ。糖尿病を気にする人や、今より体を絞りたい人達が必ずカロリー表示を気にするのと同じように、コレステロール値を注意された人が、それを食生活で改善するための目安になる表記とか、そういう機能表示食材が希望されているのかもしれない。
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2013/10/18

大麦 β-グルカン 

  きのこなどに多量に含まれるβ-グルカンは、「食物繊維」の一種で、人が健康になるための幾つかの機能を備えていることが広く知られるようになった。もちろん、古くから注目されて研究も盛んに行われてきた。その中から身近で分かりやすい研究を挙げてみると、β-グルカンを摂取すると免疫力が高まり、風邪やインフルエンザ、生活習慣病などを改善し、その他、アレルギー症状を予防・改善する効果も期待されている。また、癌細胞を攻撃するナチュラルキラー細胞などの免疫細胞を活性化させ、腫瘍を小さくする効果も認められている。これが、古くからきのこ類が癌に効くと言われる由縁である。一方、β-グルカンは水溶性食物繊維のため、便秘解消にも有効といえる。もちろん、腸に届いても消化されにくく、自らコレステロールを取り込み体外へ排泄する働きがある。この水溶性食物繊維は、粘り気が強く、消化に時間がかかる(低GI=グリセミックインデックス=糖質の吸収度合いが緩やか)ため、血糖値の急激な上昇が抑えられ、糖尿病予防にも効果的と言える。また、内臓脂肪型肥満(メタボリックシンドローム)の予防にもよい。つまり、そのβ-グルカンを積極的に体に取むことにより、より「健康的な生活」が出来るという理屈である。

  そのような背景から大塚製薬では、大麦に含まれるβ-グルカンを摂取しやすくした「大麦生活」という大麦の加工食品を販売している。大麦生活には3種類あって、1.ウエハース状のクラッカー・タイプ、2.ボンカレーのように電子レンジで加熱する大麦50%のごはんタイプ、3.フリーズドライでお湯を加えるだけのポタージュ・タイプがあり、用途や目的に合わせて選択できる。風邪を引きやすいとか、免疫力を上げて、より強力に健康的な生活を望む方は、大麦β-グルカン3,000mg を含む「 ごはんタイプ」が最適といえる。また、朝などは、よくカップスープ等を飲むという方には、大麦β-グルカン1,000mg の 「ポタージュタイプ」が良い。また、おやつに軽いビスケットなどを食べるという人たちは、どうせなら、大麦β-グルカン1,000mg の「クラッカータイプ」に変えたほうが良い。いずれにしても、手軽で日常的に免疫力を高めることに期待できそうだ。
 
  「大麦生活」からβ-グルカンを効果的に採るには、低GIである性質を生かして、時間的には朝一番の食事が良いらしい。糖質の吸収度合いが緩やかなことで、昼食ごろまで継続するからだという。一日の摂取目安としてはβ-グルカン=3000mg程度が目安と指示されている(根拠は明示されていない)ので、朝に「ごはんタイプ」を食べればそれで十分と言えそうだ。しかし、内臓脂肪型肥満の解消にはどのくらい量を続けると効果が分かるのか気になるところだ。公表されている資料(*1)によると、A.大麦を50%混ぜた大麦ご飯と、B.精白米を1日2回、12週間続けた時のA,B比較結果によると、腹囲1.1cm、体重1.12kg、BMIにて-0.3、腹腔内脂肪面積で-11平方cmの違いが出たという結果になっている。これはひとつの目安となる数値だが、これを大麦生活の「 ごはんタイプ(内容量150g)」としてみると、少なくとも 1日2箱x12週x7日=168箱食べなければならないことになる。

  これによって、免疫力が高くなるとか、コレステロールが改善され、さらにはお腹周りまですっきりすることを考えると、たいした苦労でもないし、大きなコストアップでもない。運動をしながら続けることで効果がもっと早く現れる可能性もある。もちろん、少々根気も必要のようだが、本質的な健康生活を取り戻したい人には最適の食材といえるかもしれない。ごはんタイプは、少々もっちりしているが、食べやすく仕上げてある。朝なら、焼き海苔や鮭の切り身、味噌汁などとの相性は抜群で苦にならない。一口で言えば、昔の麦ご飯よりはるかに美味しい。クラッカータイプは、クラッカーの上にチーズやジャムでも載せたい気分だが、「そうしたら駄目かな」と迷うところだ。スープは、普通のスープと違いはなく抵抗感はない。むしろ、携帯できるクラッカーとスープの併用で合計2000mgが丁度良い。ただ、効果を早く実感したければ、無理してでもβ-グルカンが3000mg入っている「ごはんタイプ」で始めるのが良い。
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補足:資料(*1)=Plant Foods for Human Nutrition, 63巻,21-27 (2008)

2013/10/15

栗ご飯の素

   ウォーキングコースには不思議と栗の木が多い。今頃になると路上にたくさん落ちていて、潰れている物もあれば、棘の中から実がぎっしり詰まっている姿を覗かせる物もある。こんな大きな棘のある栗でも、1粒1粒は小ぶりなことが分かる。おおよそ、木の実は外敵から身を守るために、棘とか堅い殻に包まれていて、種を守ることに執念を感じる。そんな、その殻の堅さや大きさに「一種独特の好奇心ともとれる気持ちの高ぶり」を感じてしまうのは自然なことと考えられる。そして、そこに、その隠された美味しさを探求する気持ちも湧き上がるのである。

 栗の実は堅い殻に覆われて、実の密度感は非常に高いが、火を通すことで、ほのかな薫りと、強い甘みを提供するものになる。特に成分として、たんぱく質、食物繊維、ビタミンA、B1、B2、C、をはじめカリウム、ミネラルなど、特に亜鉛も豊富で、今の季節には必要不可欠な栄養素が含まれている。夏の疲れを取るには栗は最適なのである。そこに、目をつけ、甘味の少なかった昔から、饅頭の餡に入れてみたり、羊羹に入れてみたり、あるいは、ぜんざい、はたまたマロングラッセにと、古くから美味しく自然の栄養素を取り込むように工夫したと推察される。

  手間さえ惜しまなければ、山へ栗拾いに出かけ、手軽に美味しい「季節感とほっくりした甘み」を楽しむこともできる。ご飯と一緒に炊き込むことで、その甘みと薫りがご飯に移り、全体が優しい美味しさに包まれる。栗の甘みを引き立てる出汁は、薫りが損なわれないように薄味に仕上げる必要がある。ここでも、大粒の栗はやはり魅力的に写る。またそれが、栗ご飯ならではの存在感を出すのに最適なのである。店頭では、今頃、その栗の処理を施し、出汁を別に用意して、2つをパッケージした商品が賑わせている。そんな種類も豊富な商品の中から、今日も1つ選んで買い求めてきた。その、決め手になったのは、「栗がより美味しくなりました」というキャッチコピーである。

  この言葉は、少し誇らしげな印象もあって、「栗の味が引き立つ、美味しさが増した」という風にも読み取れ、実に的を得た表現である。それが、さらに「美味しそう」なイメージを膨らませ、何処と無くうれしい。しかも、出汁を薄めず、そのまま炊き上げるという手軽さがよい。早速作ってみることにした。洗米したお米2合を炊飯器に入れて、そこに出汁、別包装の栗を全て入れる。栗がでかいので楽しみだ。30分ほど寝かせてスイッチを入れる。しばらくすると、台所いっぱいに美味しそうな薫りが漂い始める。もうすでにこの薫りに洗脳されてしまった。炊き上がるとすぐに口にしてみる。おっと、あっさりとして上品、薫りは高く、美味しい。うーむ、さすがに「高級料亭 金沢の浅田屋の出汁」である。お米を少な目にすると、おこげが出来るので、それも格別に美味しい。
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2013/10/11

キリン ラーメン

  ・・・・ キハ82系の「特急かもめ」で福山駅に着いた。駅前で井笠鉄道の「池の坊行き」のバスを探す。それは、バスターミナルの一番手前に止まっていた。なんとボンネットバスである。既にエンジンがかかっている。早速それに走り込む。すぐにブルルンとエンジン音を立てて発車した。どこからともなく頬を撫でる風が心地よかった。福山の空気は、昔とひとつも変わらない。一安心しながら車窓を眺め、昔のことをあれこれ思い出し、逸る気持ちを抑えていると、ほんのわずか30分ほどで、もう神辺に着いてしまった。大方のお年寄りは、このあたりで降りてしまうが、何人かは、一緒に、この先の東中条まで乗っていくようだ。バスはここからスピードを上げて走るようになる。

  道の左右には、徐々に田園が広がって、のどかな風景に変わる。バスは、砂埃をたてながらどんどんスピードを上げていく。溜め池を横に眺めながら、昔のままの水の色に安堵する。ここで左にまがるはずだ。そうやって、思ったとおりの道を進んでいく。中条郵便局を過ぎて、山道に差し掛かると、ブルブルと苦しそうにエンジンを吹かす。削れた溝にタイアをとられ車体を左右に揺らしながら、急な坂道を上り始める。左側は石垣で7mぐらい下が畑になっている。右側の土手には木がうっそうと茂り、枝が覗いてくる。窓に枝が引っかかり、ギギー、カシャと枝がねじれて離れる音が耳に痛い。もう少しだ。その先に道が上下に分かれ、バスが折り返す広場がある筈だ。そこが「終点の池の坊」である。

  到着すると、バスの車内は、今までのエンジン音が嘘のように静寂を取り戻す。ステップを降りる足音まで車内に響き渡った。目の前には、切符や雑貨を扱うお店がある。ガラガラっと引き戸を開けて入った。中は、長い歴史を思わせる乾物の匂いが発ち込めていた。 ・・・・

  今日は、そんなお店に昔から置いてあったと思える商品である。ちょっと可愛いいパッケージなのに、大きく「キリン家庭用ラーメン」と書かれている。最近は、何故か少し古臭い日本語表記やデザインに特別な哀愁を感じるようになった。いや、それだけではない、食感はやはり昔のものに安心する事がある。そして、これからの食材には、万人に共通する美味しさの表記(=純国産で自然の原材料を使い、人の手で丹精こめて作られた証)が必要なのかもしれない。何も変わらない素朴な味付けに、しみじみと心が緩むことがある。

  果たして、そんな理由からなのか、単にパッケージが可愛いいからなのか、それとも、ちょっと怪しいデザインからなのか、この摩訶不思議な「キリンラーメン」が売れている。その人気は、お年寄りばかりではなさそうだ。今の若者は「麺づくりに敏感に反応」し、「まやかしのない本物を自然に嗅ぎ分ける能力」が磨かれている。今日は、そんな若者に支持されているキリンラーメンのベスト3を用意した。とりあえず全て試食をしてみることにしたい。まず、1.綺麗な水を使って麺を茹でる、2.スープを美味しい水で作り椀に入れておく。麺が解れて離れやすくなった頃に笊にあげ、お湯を良く切ってスープの椀に入れる。これが基本的な手順である(パッケージに書いてある作り方、つまり麺を茹でたお湯にスープの素を入れるようでは、麺から油分やかんすいが溶け出すため、美味しいスープが台無しになる)。

  そうやって本来の味を引き出して楽しんでみる。麺をお湯で戻してみると、かつての麺とは、少し表面の光沢感に違いが見受けられる。輪郭部分にも透明感があり、明らかに従来麺と違うなと思わせる。食感もつるっとしていていい感じである。スープはとても良く出来ていて、少し濃い目に使うと美味しい。素材はすべて自然な感じで素朴さが生きている。2杯目以降は、チャーシュ、メンマ、ねぎ、鳴門、そのほか、味噌や塩にも合わせて好きなトッピングをして楽しみたい。味が純粋で癖がない分、組み合わせるものは斬新さもほしい。もちろん、最新のラーメンのような生麺の喉越しを売りにしているような商品とは違い、まったく昔流の麺の食感である。しかし、どの様な美味しいラーメンでも味に飽きは来るもので、選択肢として用意しておく価値はある。
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補足:購入場所は、Best Foods Shop SANWA 八王子みなみ野店になる。 
補足:・・・・XXX・・・・は、このラーメンがありそうな場所の、あくまでイメージ?。 
 

2013/10/08

大人の大豆

   しばらくの間、目を離していると、また商品の種類が増えていた。この「大豆に対する執念」とでも言うべき強い思い入れは、随分と世の中の賢人に定着してきたようだ。しかし、いまだ人の勧めを無視するかのように、「頭で納得したからと言って、それを実践するのは難しい」と心の中で叫んでいる人たちが大勢いるようだ。そんな本音を吐いている人達に対して、地道に取り組む大塚食品は、たいへん粘り強い会社といえる。「ミルクのようなやさしいダイズ」は、苺が駄目なら、ということで「抹茶や紅茶」も用意した。さらに、この秋には「オレンジとぶどう」を追加したようだ。それもこれも、障害になっている豆の臭いとか、製造時に発生する臭い等、それらを抑えようと常に改良を加え続けてきた証拠なのである。

  会社でストレスの多い人達を始め、将来の体ことを気遣う人達、そして、健康を気にし始める年齢の人達は、自分の体のことを「本気で考えてくれている会社の商品」を無視してはいけない。幼い時はボンカレーで育ち、クラブ活動では元気ハツラツのオロナミンCを飲み、カロリーメイトやソイジョイをおやつ代わりに食べて、夏場はポカリスエットでお世話になり、これからもずっと寄り添って、スゴイダイズで体の栄養バランスをとりながら長生きして、最後は病院での点滴、つまり最後まで大塚製薬の商品にお世話になるのである。少々大袈裟な言い方になるが、この大塚グループの狙いは、日本人全員の健康を維持するための商品を取り揃えることにある。

  つまり、みんなが健康で長生きすればするほど、会社も儲かるという仕組みを構築しようとしているのである。これが「優れた企業の持つべき理念」ということなのだろう。そこで、健康を気にし始める年齢になっても、いつまでも健康で動き回れる体を作りたいと「不安を抱えている人達」に向けて、この度、さらに「強力な商品」を投入した。それが、「大人の大豆+ルティン」と「大人の大豆+グルコサミン」である。大人というのは、おおよそ物事の分別のついた世代で、仕事もピークを過ぎて「ぼちぼち」と返す感じで、そろそろ体を少し労りながら、生活そのものを楽しみたいという人達である。

  こういう大人は、一般的に塩分、糖分、動物性脂質を減らし、食物繊維、カルシウム、良質のたんぱく質、ビタミン類、ミネラル類を増やしたいとセオリーは十分承知していて、さらに、テレビではグルコサミン、ごまのパワーとか、ブルーベリーが目によいとか、様々な事が吹聴されているので、益々気になるところだ。それを、どうにかしてまとめて採れる商品が欲しいと考えている。そこで、それらの殆どをカバーできる商品を大豆ベースで提供しようとする商品である。これだけ「大人の体に良い栄養素」を集約したものは、他に存在しないことから存在価値は高い。商品のスペックを眺めると、ご飯を食べなくても、これだけ食べていれば、むしろ今より健康で長生きできそうな感じを受けてしまう。
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2013/10/04

冷製トマトスープ

  トマトのパスタはシンプルだが奥が深い。今時は、僅かなトマトの味の違いに翻弄することがある。新鮮なトマトを湯剥きして皮をむいて裁断し、それを使うと、少々青臭さが残っているのを感じることがある。最近の特徴といえる現象で、青臭は組み合わせるチーズの種類やにんにく、あるいは調味の加減などの影響でより強調されることもある。一方、トマトに一部に細かい堅さが残っていることも最近の特徴である。それも、トマト自体の熟度であったり、熟度むらの影響と思われるが案外扱いにくい。そして、次にトマトに旨みを加えていくが、時々これらの融通の利かない部分が面倒になることもある。

  1人分を「手軽で簡単に、短い時間で作り切る」にはどうすればいいか、以前からそういう課題に頭を悩ましてきたが、少量を素早く作るのは意外に難しい。1人分といっても、パスタ80g~120gぐらいまで、ソースもその範囲を調整して味付けしなければならない。そんな中、夏場にこの「冷製トマトスープ」を見つけ、これをパスタに使えないかと思いついたのである。もちろん、全てをこれでやろうと思ったわけではない。生のトマトと組み合わせて使うことで、「冷製トマトスープ」の味を残しながら、生のよさも活かしきる。まさにそんな作り方にぴったり来るのではないかと思ったのである。

  実は、世の中にトマトスープやトマトパスタソースはたくさんある。美味しさも様々だが、その中から単独で幅広く使えそうな素材として選び出したのが、この「冷製トマトスープ」なのである。つまり、「冷たいままでも」戴けるのは、「冷えても美味しい」ということを意味している。ここが重要なのである。つまり、余計な脂分がないのである。それが料理のベースとして使うのに用途が広い根拠となる。だからトマトを入れる料理のベースには色々使える。その中でもパスタには、冷製トマトスープ、トマトジュース、オリーブの実とエクストラバージンオイル等を加えることで、単独でも既存のパスタソースよりも美味しくいただけるし、生トマトが加わることで、さらにフレッシュな感じを重ねた美味しさになるのである。

  何度か色々試してきたが、おおむね想定どおりに出来る。用意するものは、冷製トマトスープ(美味しいお水120ml)1個と生のトマト1個、パスタ80g、オリーブの実と、エクストラバージンオイル、にんにく少々、バジル1葉、トマトジュース(60~120g)といったところ。水に冷製トマトスープを戻し、生のトマトを湯引きして裁断したものと合わせてソースとしておく。オリーブオイルとにんにくの切れ端をフライパンに入れて、にんにくの薫りをオリーブオイルへ移す。そこへ茹でたパスタを加え、最後にソースを絡めて出来上がりである。ソースが足りなくなったらトマトジュースを追加する。スパイス以外の調味料は全く必要なく美味しい仕上がりになる。トッピングはチーズ、さくら海老や、じゃこ、アンチョビ 等を使う。ポイントは、冷製トマトスープ(120g)1に対し、生のトマト1個(120g前後)、トマトジュース(60~120g)、パスタ80gの割合である。
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2013/10/01

レシピ広がるプレーン

  最近は、何かいつもと違う情報を探し求めている。そうゆう気分だと、食材のキャッチフレーズにも心を掴まれることが多い。正直者としては、スーパーなどの商品に「人気上昇中」のシールを観たり、パッケージの上に「売れています」と書かれてあるだけで、つい、目を引いてしまうのである。そんな、一寸した表示だけで、流行に敏感な人や、小まめに情報入手している人など、その専門筋とも言うべき、料理に興味のある方は、「レシピひろがるプレーン」と言う言葉が、きっと忍者の合言葉のように、静かに「あれね」と納得されているのである。そのように、きめ細かく観察することで、色々分かってくる探偵のような洞察力が、これからの「おっさん」にも必要になっているのである。確かに、パッケージの側面には、最も入門的なトマトとバジルに「少々硬めのヨーグルト」を挟み込んだ写真が載っている。

  ヨーグルトでこのような硬さを作るには、ほどほどの案配で乳清(ホエイ)を取り除いて、固形化を進める必要がある。それでも、時代遅れのおっさんとしては、この商品をどう使えば、「どう美味しいか見当もつかない」わけだが、我々の思惑とは異なり、メーカーの進もうとする方向は1つである。それは、「より使いやすく、より便利に、選択肢を広げ、他社が優れた商品を出す前に、売れそうなものはすぐに商品化してシェアを確保したい」と言うことなのである。そこには、食材のムーブメントを起こす仕掛け人が背後にいるに違いない。もっとも、影でそのようなブームを起こしているのもメーカーなのだが、より上手に仕掛けられるかどうかは、さほど単純でもなく、難しい側面も垣間見れる。その1つが、今、顧客の3割が高齢者という「昔ながらの美味しさ」の商品を求める人達が多いからだ。その人たちに提案できるとすると、食感や美味しさだけではない。健康維持への貢献度が重要になるようだ。

  そこで、最も簡単な料理事例としては、高カロリーメニューと置き換えてみることである。そこに、その食材としての優位性が俄然注目を浴びる可能性がある。その優位性とは、マヨネーズ、バター、チーズ、生クリーム等を使った食材を、このヨーグルトに置き換えることによって、食感を失わず、従来にない低脂肪、低カロリーを実現するのが狙いとなりそうだ。それによって、様々に配慮が必要だった健康的な食生活へ、新たなバリエーションとしてメニューに追加することが出来るのである。また、従来よりさっぱりとして口当たりが軽く、さらに消化が良いという特徴も加わるなど、工夫次第で多彩な優位性が見直されると思われる。それは、洋食だけに留まらず、和食にも応用できるという職人もいるぐらいで、期待されている。結局、それが、高齢化時代の食生活を意識した必然性でもあり、従来の料理に対する先入観や馴染みある素材を意識しながら、改めて新しい食べごこちに魅力を感じさせる要素なのである。

  今日紹介するのは、ブルガリア・ヨーグルトである。しかし、少々硬めで、低カロリーな食材という先入観を持って実物を眺める必要性がある。そうすると、創作意欲と言うほどではないにしても、徐々に色々な料理に展開してみたくなる気分が盛り上がってくる。食感は、まさに「チーズのような濃厚さとこく」にある印象で、そのまま食べても良いが、レアチーズ・ケーキのように、蜂蜜や果物のジャムを乗せたり、それを混ぜてパンに塗ってみたりとか、あるいはパスタに、はたまた趣向を変えて、ねぎと花かつおや、出汁醤油と組み合わせて、奴の代わりにと、うーむ、無理すれば結構いけそうである。「何のために?と問いかけられても困る」が、やはり、これからの人生は、このような商品を有効に使って、低脂肪、低カロリーに生活することになりそうだ。
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補足:PDF写真左中央にある金色の「オリジナルとりわけスプーン(非売品)」は、同社のキャンペーン品。