・・・・ キハ82系の「特急かもめ」で福山駅に着いた。駅前で井笠鉄道の「池の坊行き」のバスを探す。それは、バスターミナルの一番手前に止まっていた。なんとボンネットバスである。既にエンジンがかかっている。早速それに走り込む。すぐにブルルンとエンジン音を立てて発車した。どこからともなく頬を撫でる風が心地よかった。福山の空気は、昔とひとつも変わらない。一安心しながら車窓を眺め、昔のことをあれこれ思い出し、逸る気持ちを抑えていると、ほんのわずか30分ほどで、もう神辺に着いてしまった。大方のお年寄りは、このあたりで降りてしまうが、何人かは、一緒に、この先の東中条まで乗っていくようだ。バスはここからスピードを上げて走るようになる。
道の左右には、徐々に田園が広がって、のどかな風景に変わる。バスは、砂埃をたてながらどんどんスピードを上げていく。溜め池を横に眺めながら、昔のままの水の色に安堵する。ここで左にまがるはずだ。そうやって、思ったとおりの道を進んでいく。中条郵便局を過ぎて、山道に差し掛かると、ブルブルと苦しそうにエンジンを吹かす。削れた溝にタイアをとられ車体を左右に揺らしながら、急な坂道を上り始める。左側は石垣で7mぐらい下が畑になっている。右側の土手には木がうっそうと茂り、枝が覗いてくる。窓に枝が引っかかり、ギギー、カシャと枝がねじれて離れる音が耳に痛い。もう少しだ。その先に道が上下に分かれ、バスが折り返す広場がある筈だ。そこが「終点の池の坊」である。
到着すると、バスの車内は、今までのエンジン音が嘘のように静寂を取り戻す。ステップを降りる足音まで車内に響き渡った。目の前には、切符や雑貨を扱うお店がある。ガラガラっと引き戸を開けて入った。中は、長い歴史を思わせる乾物の匂いが発ち込めていた。 ・・・・
今日は、そんなお店に昔から置いてあったと思える商品である。ちょっと可愛いいパッケージなのに、大きく「キリン家庭用ラーメン」と書かれている。最近は、何故か少し古臭い日本語表記やデザインに特別な哀愁を感じるようになった。いや、それだけではない、食感はやはり昔のものに安心する事がある。そして、これからの食材には、万人に共通する美味しさの表記(=純国産で自然の原材料を使い、人の手で丹精こめて作られた証)が必要なのかもしれない。何も変わらない素朴な味付けに、しみじみと心が緩むことがある。
果たして、そんな理由からなのか、単にパッケージが可愛いいからなのか、それとも、ちょっと怪しいデザインからなのか、この摩訶不思議な「キリンラーメン」が売れている。その人気は、お年寄りばかりではなさそうだ。今の若者は「麺づくりに敏感に反応」し、「まやかしのない本物を自然に嗅ぎ分ける能力」が磨かれている。今日は、そんな若者に支持されているキリンラーメンのベスト3を用意した。とりあえず全て試食をしてみることにしたい。まず、1.綺麗な水を使って麺を茹でる、2.スープを美味しい水で作り椀に入れておく。麺が解れて離れやすくなった頃に笊にあげ、お湯を良く切ってスープの椀に入れる。これが基本的な手順である(パッケージに書いてある作り方、つまり麺を茹でたお湯にスープの素を入れるようでは、麺から油分やかんすいが溶け出すため、美味しいスープが台無しになる)。
そうやって本来の味を引き出して楽しんでみる。麺をお湯で戻してみると、かつての麺とは、少し表面の光沢感に違いが見受けられる。輪郭部分にも透明感があり、明らかに従来麺と違うなと思わせる。食感もつるっとしていていい感じである。スープはとても良く出来ていて、少し濃い目に使うと美味しい。素材はすべて自然な感じで素朴さが生きている。2杯目以降は、チャーシュ、メンマ、ねぎ、鳴門、そのほか、味噌や塩にも合わせて好きなトッピングをして楽しみたい。味が純粋で癖がない分、組み合わせるものは斬新さもほしい。もちろん、最新のラーメンのような生麺の喉越しを売りにしているような商品とは違い、まったく昔流の麺の食感である。しかし、どの様な美味しいラーメンでも味に飽きは来るもので、選択肢として用意しておく価値はある。
ではこちら
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%211412&app=WordPdf
補足:購入場所は、Best Foods Shop SANWA 八王子みなみ野店になる。
補足:・・・・XXX・・・・は、このラーメンがありそうな場所の、あくまでイメージ?。