トマトのパスタはシンプルだが奥が深い。今時は、僅かなトマトの味の違いに翻弄することがある。新鮮なトマトを湯剥きして皮をむいて裁断し、それを使うと、少々青臭さが残っているのを感じることがある。最近の特徴といえる現象で、青臭は組み合わせるチーズの種類やにんにく、あるいは調味の加減などの影響でより強調されることもある。一方、トマトに一部に細かい堅さが残っていることも最近の特徴である。それも、トマト自体の熟度であったり、熟度むらの影響と思われるが案外扱いにくい。そして、次にトマトに旨みを加えていくが、時々これらの融通の利かない部分が面倒になることもある。
1人分を「手軽で簡単に、短い時間で作り切る」にはどうすればいいか、以前からそういう課題に頭を悩ましてきたが、少量を素早く作るのは意外に難しい。1人分といっても、パスタ80g~120gぐらいまで、ソースもその範囲を調整して味付けしなければならない。そんな中、夏場にこの「冷製トマトスープ」を見つけ、これをパスタに使えないかと思いついたのである。もちろん、全てをこれでやろうと思ったわけではない。生のトマトと組み合わせて使うことで、「冷製トマトスープ」の味を残しながら、生のよさも活かしきる。まさにそんな作り方にぴったり来るのではないかと思ったのである。
実は、世の中にトマトスープやトマトパスタソースはたくさんある。美味しさも様々だが、その中から単独で幅広く使えそうな素材として選び出したのが、この「冷製トマトスープ」なのである。つまり、「冷たいままでも」戴けるのは、「冷えても美味しい」ということを意味している。ここが重要なのである。つまり、余計な脂分がないのである。それが料理のベースとして使うのに用途が広い根拠となる。だからトマトを入れる料理のベースには色々使える。その中でもパスタには、冷製トマトスープ、トマトジュース、オリーブの実とエクストラバージンオイル等を加えることで、単独でも既存のパスタソースよりも美味しくいただけるし、生トマトが加わることで、さらにフレッシュな感じを重ねた美味しさになるのである。
何度か色々試してきたが、おおむね想定どおりに出来る。用意するものは、冷製トマトスープ(美味しいお水120ml)1個と生のトマト1個、パスタ80g、オリーブの実と、エクストラバージンオイル、にんにく少々、バジル1葉、トマトジュース(60~120g)といったところ。水に冷製トマトスープを戻し、生のトマトを湯引きして裁断したものと合わせてソースとしておく。オリーブオイルとにんにくの切れ端をフライパンに入れて、にんにくの薫りをオリーブオイルへ移す。そこへ茹でたパスタを加え、最後にソースを絡めて出来上がりである。ソースが足りなくなったらトマトジュースを追加する。スパイス以外の調味料は全く必要なく美味しい仕上がりになる。トッピングはチーズ、さくら海老や、じゃこ、アンチョビ 等を使う。ポイントは、冷製トマトスープ(120g)1に対し、生のトマト1個(120g前後)、トマトジュース(60~120g)、パスタ80gの割合である。
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