2013/11/08

鉄分、繊維入りのヨーグルト

  一般的に商品のラインナップは、様々なお客のニーズを先取りして揃えられる。しかし、ヨーグルトは、好き嫌いが口先だけでは決まらず、腹部にも好き嫌いがあるため、なかなか商品展開は慎重だ。実は、腹部の方が重要なのである。生きて乳酸菌が腸へ届くことは無いといわれているが、腸に元々住み着いている腸内細菌が、それを好んで食べるかどうかも重要で、自覚はないかもしれないが、生簀で自分だけの金魚を飼っているようなもので、金魚を生かすも殺すも自分次第ということになる。金魚にも好きな餌があるに違いない。

  経験的な話で恐縮だが、腸に住み着いている腸内細菌は割とわがままで、1種類のヨーグルトだけでは満足しない。そこは、何か相性があるのかもしれない。時たま異なるヨーグルトを食べることで、腸内ストレスを緩和したり、免疫力を活性化させると言われている。その実証体験には、食事の代わりにいつもと違うヨーグルトを用意し 1.ヨーグルトの大量投与を行う。2.食べた2時間後から腹筋や、3.軽いジョギングを行い、腹部に届いたヨーグルトがより広がるような動作を繰り返す。そうして、食べたヨーグルトと腸に住み着いている腸内細菌を早く遭遇させる。2~3日継続することで、除々に腹部の調子が顕になる。時には、腹痛に襲われるかもしれないが、便通などのローテーションが改善したり、活力が漲り、湧き上がるようなやる気が増すこともある。そうやって、数日後には体調が改善されるかどうか判断できる筈である。
 
  さて、10年ほど遡るが、腹部を手術した時に、教授の回診からこのような教訓を得た。それは、教授からの問いかけ「なぜ、お腹は骨でカバーされていないか、知っていますか」に始まった。それは、ベッドに横たわった私だけではなく、周囲にいた大勢の先生方へも問いかけるようであった。内容を要約すると、それは、四足の動物が常におなかをゆすって歩いたり、走ったりすることで、食べた物とお腹の腸内細菌をいつでも攪拌しやすくしているからであり、それによって健康を維持しているという説明であった。また、人間もそれによって免疫力が上がる事がわかっているらしい。続けて教授は「あなたも今日(手術の翌日)から、早く治すために病室の前の廊下を何度も往復しなさい。点滴や採血タンクは外せないが、疲れたら横になるとかして休み、痛みがあるようだと痛止めを入れますから、とにかく毎日歩きなさい」と言われたのである。その話を聞いて、周囲の先生方は口をそろえて「御意」とは言わなかったが、首を立てに振ったり、メモを取る若手先生も多かった。教授の話には、妙に説得力があってそれがいつまでも深く印象に残った。そして5日後の病院の最初の食事には、おかゆとヨーグルトが用意された。

  それまでは、ヨーグルトは好きでも、主食に代わるほどではなく、デザート程度の認識しかなかったが、実は、その後の経験で、ヨーグルトをある程度の量を食べるか、あるいは、やや重点的に腹部の運動を繰り返すか、いずれかの方法、あるいは両方で効果が挙がる事がわかってきた。いわば「お腹によいから程度の」単なる先入観で口にする程度では、目に見える効果は出ない。やはり、朝、昼、夜それぞれ乳酸菌発酵食品を戴くことがよいと思えるのである。そうすることで、特に強い腹部の運動をしなくても、腸内も騒がしくなってきたり、目覚めが爽快になったり、人によって認識できる効果に違いはあっても、体調管理が楽になる筈である。かといって、食べるヨーグルトによっては、食べ過ぎると太るので、カロリーの低いものを選びたい。最近は、ヨーグルトの中には、「鉄分や食物繊維の入ったヨーグルト」というのもあって、ちょっと腹部にはいいのではないかと勝手に好感している。このタイプのヨーグルトは反応が穏やかで価格も手ごろ、毎朝大量に戴くには適している。また、少し甘味と薫りが入っていて食べやすい。ヨーグルトと食物繊維の組み合わせは、今後の主流になるかもしれない。 
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