人は誰でも、辛い思いをしないで、今より少し痩せたいと考えている。それもこれもスーパーのような人の集まるところで、「豊かな体を揺らして、子供を追い掛け回すお母さま方」を見てのリアクションらしい。「人の振りではなく、人の体型を見て、我が体型を直せ」と言うことなのだろう。しかし、何かしら、「とてつもない努力をしてまでは、頑張りたくはない」とも考えているようだ。やはり「如何に楽をして痩せられる」かが重要なのである。特に、「食べても痩せられる」という言葉に意外に弱い。既に、人目を気にする気力を失った体型は、いつか科学が発展して、「食べても食べても痩せられる」そのような美味しい食品が現れることを待ち望んでいる。
数ヶ月前、「家庭の医学」というテレビ番組から「食べれば食べるほど痩せられる物質」があるという話題が提供された。そこには、東京医科大学の先生が登場し「痩せるホルモン」が存在することを示したのである。その「ホルモン」の名はGLP-1といい、糖尿病の患者の薬としてにも使われている(糖の吸収が抑えられ、インスリンの分泌を促す)とのこと。もちろんホルモンだから、我々の体の中でも分泌されている。しかし、どうも人によってその体内量に個人差があるようで、そのホルモンを増やすには、一般的な食材からは「鯖に多く含まれるEPA」と「食物繊維」を取り込むのが良いそうだ。それらによって、体内でGLP-1を効果的に増やせるという。鯖の缶詰を製造する会社の周辺地域で、それを食べている人達を集めて、血液中のGLP-1ホルモンの量を調べてその裏づけとしたのである。
個人的には、日常的に1.5%程度の体重変動は、あるのが普通だがその程度では、外見上太ったとか、痩せたとかは分からない。無理をすれば3%程度の体重なら下げられる。しかし、経験的にも一番難しいのは、前より「やつれた」ではなく、「痩せた」と言われることである。これには、コストと時間X努力が必要なのである。だから、このGLP-1の話はちょっと「眉唾のような」気分だったのだが、物は試しで、その現象を捉えたい気分もあって、鯖の缶詰を集めに走ったのである。さすがに、その放送の翌日には、スーパーの売り場から鯖の水煮缶は消えていた。もっとも、鯖の水煮缶に醤油をかけて食べるだけでは味気ないので、消化の良い大根にさばの水煮缶と生姜、味噌やネギを加え、「大根とさばの具沢山味噌煮風」にして、週2回ほど食べ続けてみた。
既に、食べ始めて2ヶ月以上経過したが、残念ながら逆に体重が少しずつ増えている様子で、困ってしまった。なぜなのか調べ直してみた。すると、誤解していた事がわかったのである。どうも、GLP-1の機能の(糖の吸収が抑えられ、インスリンの分泌を促す)という言葉の解釈に違いがあった。実は、その働きによって、満腹中枢を刺激し、満腹感を素早く感じ取り、「食欲がなくなる効果」があると言うことのようだ。つまり、「食べて痩せられる」のではなく、「食べると食欲が無くなって」結果的に痩せられるということなのである。私のように、決められた時間にほぼ決めた量を食べたり、通常の食事に追加して、「大根とさばの具沢山味噌煮風」を追加することで、逆に体重を増やしてしまったようだ。「食欲は無くならなかったのか?」と問いかけられるかもしれないが、全くそれはなかった。よく話の裏付けを取ればよかったと反省している。理屈が分かったところで試してみたい方はどうぞ。材料はこの程度。ではこちら
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