2014/03/04

目の疲れをとる

 人の目は、被写体までの距離に応じて、眼球の前面に配置された水晶体(一種のレンズ)の厚みを変えて背面にある網膜にピントを合わせる。そのために、水晶体を支える周囲の筋肉は緊張(縮んだり)や弛緩(伸びたり)するが、この筋肉が硬くなると、ある範囲しかピントが合わなくなる。いつも近くしか観ていなければ、近くはピントが合うのに、遠くはピントが合いにくくなる。そこで、時々、水晶体を支える周囲の筋肉の凝りをほぐす必要がある。凝りをほぐすためには、常に水晶体に気を配り、より近くを見たり、さらに、より遠くを見たりするなどの動作を繰り返す必要がある。とはいうものの、年齢とともに水晶体自体も硬くなり、ピント調節力は益々低下する傾向が強い。それは、癖のように肩を回しながら、肩こりが取れなくなったという人の姿に似ているかもしれない。

 それでも、癖のように「意識して肩や腰を回したり、適度にビタミン剤を投与」していると、体が知らず知らずのうちに、肩凝りや腰の痛みが減って、体が軽くなったりすることがある。極めて根気の要る動作なので、それはいつも意識して施す必要がある。ただ、そこは自分の動作に対して「必ず良くなると思う信頼感」がなければならない。さらに、1度でも「効果が顕著であった」、あるいは「効果がありそうだった」という実感を得た体験が必要なのである。その実感こそが動作を裏づけ、いずれ少しづつ効果が現れ、いつか知らず知らずのうちに癖になってしまうのである。

 すでに水晶体自体が硬くなってしまっている年齢の高い人にはお勧めできないが、まだ水晶体やそれを支える筋肉が柔らかい人向けに、その眼精疲労の回復トレーニングになるムック本「マジカルアイ」を紹介しておきたい。1日数分間(3~5分程度)、この本の中に用意された64枚の内、幾つかの「3Dの絵」を見るだけで眼精疲労が回復し、近眼、老眼が改善されるというもの(もちろん個人差がある)。2003年にこの「マジカルアイ」に遭遇してから、目に疲れを感じる度に使用しており、すでに10年以上経過しているので、少なからず効果はあったと考えられる。1年や2年では、効果は確認しにくいが、視力は、今でも使う前と同じ状態で、老眼には至らず近眼のままである。同じ目的の書籍は、他にもいくつか存在しているが、「マジカルアイ」が一番分かり易く有効だったと思われる。

 3Dの絵の見方として、絵面より先にピントを合わせるように「ぼんやり見る平行法」と絵面より手前にピントを合わせる「より目気味に見る交差法」の2通りあり、それらの見方を少しづつトレーニングしながら、慣れるまで無理せず続ける。効果は個人差があるにしても、平行法はすぐにできるので、それによって64枚すべての絵を3Dで閲覧できることになるが、交差法では、難しい絵があるようで数枚しか確認できなかった。また、平行法でも5分も閲覧すれば結構目に疲労感が出てくるので、休み休み閲覧するのがコツといえる。足腰で言うところの、運動の後のストレッチ体操のようなもので、余り強くすると返って疲れるので適度にしなければならない。
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%211559&app=WordPdf

補足:ムック本なので、すでに市場にないと思われるが、平行法や交差法はこれらの絵がなくてもトレーニングできる。先の風景が白壁とか無地になっている状態で、両手の人差し指を左右6cm程度離して、目の前から30cmのところに立てる。その時、指先より数十センチ先にピントを合わせ、指が4本に見えるようにする。次に、指先より手前数センチにピントを合わせ、指が3本に見えるようにする。これを繰り返す。これらの動作は、本の中にある3Dの絵を立体で見るようにするのと同じである。