2014/04/18

テラズフーズのビーフシチュー

 最近、「自称美人天才マジシャン山田奈緒子が、瀬戸内海の名所を巡る JR西日本のCM」が流れている。海辺の映像に引き込まれながら、故郷を思い出す。新幹線が走りぬける映像でCMは締めくくるが、山陽新幹線では、人生で一番忙しかった時代に利用していた「グランドひかり」を思い出す。今となっては、そんな時間的な余裕はなくなってしまったが、ゆったりと東京→広島間を走りぬける「JR西日本の100N系 (2車両2階建て連結)」が使われていたのである。所要時間はおおよそ5時間少々。何故そんな「グランドひかり」を利用したかと言うと、「割安に設定された 広島東京 往復グリーン切符」というのがあったからだ。勿論、のぞみに比べると当時は45分~75分ほど長く乗ることになりるが、往復グリーン車でくつろげるのが魅力だったのである。

 そして、もう1つの楽しみは、乗車する時間帯にもよるが食堂車にあった。それは食堂車を利用できる時間帯のことで、11時頃から19時ぐらいまでの営業だったからだ。結局、自分にとって最も貴重な時間を「グランドひかり」に合わせて消耗することになっていた。しかし、乗車してすぐに、開いたばかりの食堂車で腹ごしらえをして、グリーン車に戻って「うとうと」すると、広島まで意外に早く到着する様に思えた。その食堂車で、よく注文したのがビーフシチューである。東京の新橋あたりのレストランで食べるビーフシチューとは違って、ロシアのボルシチのような野菜の入った田舎風のデミグラソースという感じで、結構美味しかった印象を持っていた。

 そんな食堂車もいつしか無くなってしまい、スピード最優先の時速300kmの500系のぞみに乗るようになってからは、そのような楽しみも無くなり、少々寂しい思いをしてきた。後に、時々神田、神保町、渋谷、品川、五反田あたりのレストランで、事あるごとにビーフシチューを頼んできた。どこかで、同じようなビーフシチューを探していたのかもしれない。しかし、それを思い起こさせるビーフシチューは存在していなかった。その後、何年か経って、すっかり忘れていた頃である。西新宿の地下道の並びの喫茶店で、軽くお昼にと思ってビーフシチューを頼んだ時の事である。確かに喫茶店でビーフシチューは珍しいなとは思ったのだが、そう思いながらも、テーブルに出された瞬間、おっと「グランドひかりのビーフシチュー」は「ここにおったんかあ~」と、20年ぶりに再会することができたのである。その味をかみ締めながら一挙に記憶が呼び戻され、忘れかけた当時のことを次々と思い出してしまった。おそらく、業務用食品会社のパックだったのだろう。

   今日は、それより端正な作りで魅了するフレンチレストランTERA’s(テラズ:横浜市青葉区)が提供する、国産牛による「牛すね肉のビーフシチュー」を紹介したい。中身はデミグラソースと牛肉のみで、野菜は含まれていない。煮込んだ国産のすね肉には、脂分は見当たらず、牛肉は見た目より柔らかな仕上げになっている。沸騰しているお湯に、袋のまま投入し15分程度加熱する。全体は170gで、固形分のお肉は65g前後と全体の1/3程度、その他は液体のシチュー分となっている。デミグラソースは重厚な本格派で、肉の旨みと合わさり、飽きの来ない本格派のビーフシチューになっている。ビーフシチュー単独で戴くよりも、ソースを活かすために、ジャガイモ、人参など野菜を加えて田舎風にするのも良い。それには、野菜の皮を取り除いて裁断した後、電子レンジで3~4分ほど加熱する。野菜を加えることで、十分なボリュームに仕上がる。
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