2014/05/13

ダイエタリーファイバー

  かつては缶コーヒーぐらいにしか見かけることもなかった「難消化性デキストリン」が、最近はポツポツと食品や飲料の成分に含まれるようになった。特にトクホと呼ばれる飲料には、5~6g程も含まれている。この難消化性デキストリンとは「人間の消化酵素で分解できない難消化性成分の総称」とされるが、食物繊維としては、不溶性と水溶性の2種類に分けられる。不溶性の食物繊維は、野菜や芋などに多く含まれ、腸のぜんどう運動を活性化して腸内を正常に保ち、排便を促す。一方、水溶性の食物繊維は果実や海藻に多く含まれ、摂取すると体内で水分を含みゲル化する。そのため、糖分やコレステロールなどの吸収を抑える働きがあり、水分を多く含んだまま排便量を増やす傾向がある。このような効能を利用して若い女性向けのダイエット食品にも使われている。

  それら、整腸作用や血糖値の急激な上昇を抑えるなど、いくつか体に良いとされる効能があるとしても、気になるのは安全性である。ただ、難消化性デキストリンはトウモロコシやジャガイモなど野菜から作られる天然由来であることから安全性は高いとされている。ただし、食べすぎるとお腹が緩くなるとも言われている。野菜や海藻は朝、昼、夜といくら多く食べても、おなかが緩くなる事はない。したがって、難消化性デキストリンの効果が出る最適摂取量と言うのは、ある範囲で存在すると考えるのが妥当である。したがって、食物繊維を採る場合は、まず野菜や海藻などの自然食品として摂取しながら、不足分を難消化性デキストリンで補うのが、より安全だと思われる。最近は、食事の欧米化が進み野菜の摂取量が減少していることや、食習慣の変化から、食物繊維として 24g/1日以上の摂取が推奨されている。したがって、その半分12g/1日程度は、難消化性デキストリンで摂取しても良いかもしれない。

  今日は、その難消化性デキストリンの顆粒が200g入った商品を用意してみた。これは、お茶やコーヒーのみならず、料理等に溶かして体に採り込むことができる。ただ、いくら無味無臭で溶けやすい顆粒になっていると言われても、難消化性デキストリンの外見からは、食物繊維という印象は連想しにくい「粒状、色合い、食感」となっている。食物繊維という言葉はやはり顕微鏡などで観察すると「細かい繊維状の食材」を連想するところから、なんとなく食物繊維=難消化性デキストリンは結びつかない。そこは、一種独特の胡散臭さを感じる要素でもある。しかも、その目に見えない食物繊維が体内で糖やコレステロールに選択的に機能すると言われても、そうたやすく理解できるわけではない。体感的に馴染むしかない様だ。

  難消化性デキストリンは、薬のように高価な商品でもなく、その割には効果が実感できるため、健康食品のメーカーが青汁に混ぜ込んだり、食品に加えたりして、付加価値を高めた製品作りに応用している。もちろん、そのような商品を通して栄養バランスに優れた形を受け入れるのも良いが、同じものを手にするならば、自分で自由に使いこす方が良い。まずは、1日の最適摂取値を試してみる。殆どの人は、難消化性デキストリンを毎日12g程度摂取すると、1週間で排便回数の増加がみられ、20日でお腹周りが少しすっきりするかもしれない。1ヵ月後ぐらい過ぎると1日6g程度に減らして継続すると、毎日朝食後には、すっきりした状態の習慣化が実現できるはずである。そこで、食が細くなった年配の人達には、ウォーキングやその他の運動と併用して効果的な効能を発揮する食材と言える。また、ミネラルやビタミンの吸収には一切影響を与えないとされているのでお年寄りにも安心といえる。
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