りんごを厚さ10mmほどの輪切りにして、芯の部分をくりぬき、凍結→乾燥させるフリーズドライ製法でスナック風に仕上げたものが、今日紹介する「ソフトりんご」になる。ソフトという言葉の意味は、外見からは掴みにくいが口にしてみると納得できるかもしれない。「えーっ嘘っ」と思われるかもしれないが、食感は大変良く、最初、一寸りんご独特の「せつなさ漂う風味」を感じるが、想像よりはるかに美味しかった。その酸味、甘味、そして最後に水分を含むと香りが広がってくる。昔、よく見かけた油で揚げたりんごチップスの食感とはまるで違い、これまでに無い新たな食感になっている。
フリーズドライ製法とは、りんごの水分を凍結させ、真空状態の中(気圧が下がる)で、そのまま乾燥する方法(凍結した水分を溶かすことなく昇華・乾燥する)。そのため「りんごの組織」を破壊することなく、その栄養分、ビタミン、食物繊維、ミネラル、香りもそのまま活きている。しかも、それを長期保存できるという優れた食品乾燥技術なのである。その技術は、宇宙食や救急医療の分野でも用いられていて、大切な栄養素における再現性は極めて高いとされる。一方、カロリーは、10g当たり35Kcal以下になっており、1袋2輪入りで8gほどと極軽く、1袋で28Kcalと超低カロリーになる。また、外装パッケージは3袋入り(6輪)になっており、それをすべて平らげても84kcalとなっている。
含まれる主な栄養分として、ビタミンA、ビタミンCの他、魅力なのが食物繊維で、生のりんごとは違い、お腹を膨らませることなく手軽に1日分6g相当の食物繊維が簡単に採れる。また、皮とその皮下にはポリフェノール成分が存在し、その主な働きである抗酸化作用は、老化の原因である活性酸素を抑えるなど、「ソフトりんご」にすることで、胃腸の負担少なく重要な幾つかの栄養素を摂取できるという点において、子供たちや年配者にとっては大きな魅力になっている。もちろん、細かく砕いてヨーグルトなどに混ぜて戴くのも美味しいし、また、水に浸して凍らせ、シャーベットなどにしても良いと袋裏側に記載されている。
生のりんごとは違い極端に重量が軽いし、口当たりも優しい。ついつい後を引いてしまい、2枚入り3袋ぐらいなら、さくっと食べてしまう。この輪切り状態の10mmの厚みは、十分意味のあることらしく、これ以上、厚くても、薄くても、この優しい口あたりは実現できず、試行錯誤の末に完成させた食感の美味しさという。賞味期限は製造日より5ヵ月となっており、保存食としても機能するし、このような食材が保存食になると、自然な酸味が新鮮で美味しく感じるに違いない。保存期間の長さにも満足できる。しかも、保存料として酸化防止の為に食塩を使うなど、安心して誰にでも食べてもらえる自然食品となっている。これほどフリーズドライ製法が「りんごの新たな価値を高めた」ことはない筈だ。
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