2014/07/15

贅沢なコーヒー(アイス用)

  前々週、コクテール堂の Aging Coffee(エイジング コーヒー) のドリップパックを紹介した。その時、興味深く心に響いていたのが、その美味しさの秘密となっていた「生産地から厳選したコーヒー生豆を輸入し、山梨県韮崎市の工場で数十ヶ月寝かされる。それによって、コーヒーに含まれる渋みをなくし、旨みやコク、甘味を引き出し、その後、丁寧に焙煎が行い、まろやかさの中にコクと透明感のある甘くて芳醇な味わいを生む」という説明だった。さすがに、理屈からしても、少量のコーヒー粉末しか入っていないドリップパックの抽出液を口にして、「おーこれは凄く美味しい!」と言える訳はないと思っていたのである。

  しかし、日々回数を重ねることによって、そのうちその特徴が、より鮮明に浮かび上がってくるかも知れないと安易に考えていたのだが、やはりドリップパックでは、納得感と言うべきか限界を感じ、今1つ物足りなさが残ったままだ。ただ、印象として「飽きの来ない優しい美味しさのコーヒー」だとか、渋みや嫌みなところが抑えられているとか、全般的に特徴は控え目なのに実感はある。ただ、何となく、もう少しストレートにその美味しさを確信したいと思っていた。それもあって、雨があがったのをきっかけに、再び東武デパートから今度はアイスコーヒーの瓶詰めを買い求めてきた。これならストレートにその違いを把握できるはずだ。もし、それでも駄目なら、コクテール堂のカフェ へ出向いてみるか、自分の趣向とは違うと諦めるしかない。

  このアイスコーヒーセットは、「お中元のタイミング」向けに厳選された詰め合わせに、東武オリジナルブレンド品を加えてあるなど、幅広く受け入れやすい商品になっていた。1本900mlの瓶の4本入りで、ブルーマウンテン、ハワイコナ、ブラジルを含め、全て無糖仕様である。顧客が僅かな自然の甘味を感じ取って、甘くて芳醇な味わいを感じてほしいようだ。生産地の好き嫌いは別として、いずれも個性的で「風味や味わいに特徴がある品」が揃えてあると説明された。瓶の表に添付されたシールのイラストはお洒落で、中身を表すほどに情緒を感じられて素敵に見える。早速、届けてもらい冷やして戴いてみた。

  悲しいかな、数十ヶ月寝かせた物とそうでない物の比較は出来ないが、口にしてみると、やはり優しい美味しさのコーヒーだという印象はドリップパックと変わらないが、確かに嬉しくなるほど香りが際立っていて、渋みや嫌みなところが抑えられて、すっきりした咽越しに、何杯でも飲めると言えるほど心地よい。そうか「こういうことなんだ」と、納得できる味を確認できた。思い返してみると、ドリップパックからも僅かに共通する心地よさは感じられていた。しかし、先にアイスコーヒーでこの咽越しを知っておけば、さらに分かりやすかったかもしれない。このようなコーヒーを飲み始めると、今までの渋いコーヒーに戻れなくなりそうな気がしてくる。2杯目、3杯目と回数を重ねる事に、その生産地のコーヒーの持つ独特の風味が美味しく感じる。
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%211648&app=WordPdf