2014/09/16

体組成計で体の本質を知る その2

  自ら「体重を減らすとか、腹周りを小さくしよう」と、夢中になっていても意外に効果は出ないものである。今日まで4ヶ月間の体組成計と格闘した感想をまとめた。自分の体の癖を知り、一体何がどのように影響しているのか、何度も自らの考えを修正しながら努力を続けることになった。体は、自分の「意思に関係のないところ」で、それまでの養分吸収量を確保しようとする、さらに、エネルギー効率を上げてでも、それを貪欲に蓄えようとしている。これはとりもなおさず、自分自身を防御しようとしていると考えられる。何を守るかは、何十年もかけて築き上げてきた体型なのか、あるいは、突如襲ってくる天変地異に備えて備蓄しているのかもしれない。それは、今までの生活や仕事のパターンを守ろうとする精神状態と良く似ている。

  ご飯を食べることが、「腹いっぱい感」を楽しみにしている人にとっては、腹7~8分目では、フラストレーションが溜る、また、今日から「酒類」禁止ということになれば、きっと激怒する。一方、夕食の最後にいつも「デザート」を食べていた人が、「今日から無しです」と言われたら、憤慨するに違いない。それらを好きな人にとって「食事をするな」と言われたようなものだ。しかし、頭では十分理解していても、体はそう簡単に納得出来るものではない。

  さて、改めてそんなことが分かっても、どうかと思うが、恐らくそれが誰にでも、努力の前に立ちはだかるのだと思う。しかも、体は、継続的に食べる食事量を減らせれば、出る量も減る。つまり、体内で一定が保たれようとする。さらに、食べる量を日々少しづつ減らしていくと、あるとき累積減量の大きさに体が気付き、沢山食べようとする。そんな時は、何を観ても美味そうに見えるようになっている。また、運動でカロリーを消費すると、余計に腹が減る。満腹感を早く得ようとして大量の野菜や肉を採ると、割合早めに腹が減る。こんなことは当たり前だが、それが身に浸みて堪える。

  運動によるエネルギー消費という観点で振り返ってみると、かつては、週5時間ぐらいウォーキングをして「運動した気」になっていた。しかし、その程度では、適度に腹が減ってご飯が美味しくなるぐらいだということが分かってきた。大脳や内臓への血流改善としては適当だが、体組成計の数値を変えるほどの成果は出ず、更なる努力が必要になる。そこで、やや極端だが、病気予防との関連で具体的に調べてみると、どうも、万歩計で8000歩(動脈硬化予防)~10000歩(メタボ予防)/1日、加えて筋力トレーニング20~30分/1日(腹筋、背筋、大腿筋など強化)程度が必要とされているようだ。したがって、腹筋程度では駄目で、何か他の筋力トレーニングが必要だと分かる。これでは、運動のみで痩せていくことも、かなり難しい。ただ、ウォーキングの効果はかなり遅れて数値に反映してくる。


  食事、運動の両面から、試行錯誤しながら活路を見出したいと思って、冷酷な体組成計の数値を眺めてきたわけだが、改めてそれによって、効果があったと思われる食材を挙げてみると、1.顆粒の食物繊維を水に混ぜて1日12g程度飲む、2.水分を大量(1.5L/7~8月)に採る、3.揚げ物を完全に拒否する、4.甘い物を60%以上減らす等、である。もちろん、野菜を先に口にするとか、たんぱく質は多め、炭水化物は減らす等は日常的に努力してきた。一方、ウォーキングは、交通事情や天候、自己体力都合等の影響で、年々歩ける場所や時間帯が減っている。無理をして1日おきに15,000歩以上を続けていると、時々疲れが抜けなかったり、足を痛めたりして、やや限界が見えてしまうので、1日おきに10,000歩程度に抑え、土日にはいずれか15,000歩以上を目標にした。それらで、なんだそれだけ!と言われそうだが、1kg/月相当で4ヶ月で体重(青線)を4kg落とすことが出来た。(上記グラフ:5月18日~9月15日時点、棒グラフが月別歩数)

  結果、1.平素やはり食べすぎていたこと、2.カロリーの高い物を好んでいた、3.間食が多かった、等のことが反省材料である。まだ、理想的な体重まであと2kg下げる必要があるので、努力を続ける。それにしても、徐々に体にまとわりついた無駄が減ってきていることから、これからは、さらに苦しい状況が待っている。ただ、体組成計と格闘することで様々な自分の体の癖が分かったし、これによって客観的な評価も出来た。どの要素もそうだが、「自己流にて、この程度でよい」という判断は、結構誤りが多かった。しかし、それによって、自分の目標に対するアプローチ方法が少々洗練されてきたように思われる。


  その基本的な指針となったのが、タニタから出版されている KARADA BOOK (上:A4カラー66ページ)である。この本と体組成計を使うことで、あらゆる課題の糸口が見えてくる。また、実践するにあたっての心構えなども分かってくる。これは、自分にとって優れた「指導書」だった。恐らく1通り読むだけで、1kgは減ったのではないだろうか。最初は、1通りさらっと見通し、苦しい時に再びページを開いて、何度も何度も読み返した。1.健康管理の仕方、2.食べ方のコツ、3.体の動かし方、がまとめてあり、自分が注意しなければならないことを頭に叩き込むとで、効果を挙げてきたと思う。それによって、明らかに健康な人生観まで変わってきた。