マーロウとは、フィリップ・マーロウ(Philip Marlowe)のことで、レイモンド・チャンドラーという小説家が生み出したハードボイルド小説に登場する探偵のこと。この探偵は当時圧倒的な支持を受け、20年間にわたってロサンゼルスで活躍していたらしい。 そんな小説にあこがれたレストランの店主は、フィリップ・マーロウが大好きだったと思われる、彼は、少々苦み走った「焼きプディング」を作って提供し始めた。これは、徹底的にプディングの原材料や伝統的な作り方にこだわって、昔ながらの美味しさを再現したものだ。また、その美味しさを200ccの耐熱ガラスの大型ビーカーへ閉じ込めて外販用として定着させた。ビーカーから中身を取り出すと、かなりのジャンボプリンになるが、食べ応えがあって嬉しい。特に伝統的な本格派プディングがお好きな方にはたまらない筈だ。
カスタードのプディングの素材は、新鮮な牛乳と卵、あとは砂糖とバニラビーンズだけである。そこに日本人的な「素材の極め方」とも言える追求が日々なされていて、懐かしさの中に正統派の片鱗を覗かせ、確かな美味しさを再現している。小説に出てくるフィリップ・マーロウは、きっと「この伝統的な美味しさを愛していた」のかもしれないと錯覚するような気分だ。お店の.パンフレットにも、探偵らしいイラストが添えられていて、すぐにマーロウを印象付ける。ただ、それにしても、マーロウが1度に200ccも食べる程ではなかっただろう。その、耐熱ガラスの大型ビーカーは、品質を保つのに最適な容器といえそうだ。手にすると、そこには、テイクアウトに対するお店の手作り感と拘りが伝わってくる。
レストランか、あるいはプディング専門店か、あるいはパウンドケーキ屋さんなのか、そういうカテゴリーで扱うようなお店ではない。逗子と言う地のりの持つブランド力と、美味しい物がそろっているお店で、本格的な作り方に拘り、変わらない味を大切にしてくれる。歳を重ねた者でもつい若い頃を懐かしく思える程の変わらない優しいお店なのである。確かに、昔に比べるとプディングの種類も豊富だし、個性的なケーキもあるし、退屈することはない。昔からある品もいいけれど、何か新しい品も魅力と言った、少々悩みそうになるほど品数が揃っている。
今日は、マンゴーオレンジプディング、抹茶プディング、マーロウ・オリジナルコーヒーを用意した。どれも美味しい。それでも、気分はカスタードに惹かれるかもしれないが、抹茶の人気も高いらしい。そこには、多くの定番プディング、あるいは、期間限定プディングなども用意されて、店舗へ出かけて眺め回すのも楽しい。
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