商品と似つかない程の切れ味の鋭いネーミングをしていても、勿論、自分の趣味に適さなくても、好きな対象なら、何処で販売されていても、興味を引くことがある。たとえ、明大前駅のホームの片隅に佇んでいてもである。気になったのは、「トローリととろける様な、やわらかい」プリンではない。むしろ、昔懐かしい固めのプリンを期待したのだ。陳列棚には、他にも個性的なネーミングを持った商品が幾つか並んでいた。わざわざバリエーションを広げているようにも見える。その中から「クラシックハード」に目が止まった。「カラメルはちょっぴりビターで固め、甘さ控え目で食べやすい硬派なカスタードプリン」と紹介されている。少々照れくさいが、「じゃ、これ」と、たった1個だけ買い求めた。
内容量が90gと量的には物足りないが、カラメルに特徴があり、実は想像していたより、はるかに美味しかった。この系統の味ならばということで、翌日もお店に顔を出すと、1個しか買わなかった客として印象に残っていたのだろう「どうでしたか?」と聞かれた。少々返事に戸惑ってしまったが、目線は陳列棚に向けたまま、「美味しいすよ」と呟く様な声を漏らした。既に環境は整っていて、わざわざ美味しかった多くを説明しなくても、美味しいからこそ、また買いに寄ったのでしょうと、大らかに思ってくれればよいものだが、多少愛想も含まれていたのかもしれない。今日は、看板商品ともいえる「侍のプリンと玉子スペシャル」を買ってみた。もちろん比較用として再び「クラシックハード」も加えた。
当初、程遠いネーミングだとは思ってはいたが、美味しい商品だと分かると、徐々にその商品に対する印象が変わってきて、大変好感の持てる商品に見えてくるから不思議だ。「侍のプリン」は内容量160gと「クラシックハード」の70g分も大きなガラス容器に入っている。中身のプリンは三層構造で濃厚、さらに独特のカラメルが加わって最後まで飽きが来ず、食べ応えも十分。喉を通過する時にも、「もったいないぐらいの美味しさ」を感じる。このカラメルを、同社は秘伝のほろ苦カラメルとして、「たとえ親子と言えども、その製法を秘するべし」と伝授するぐらい、スッキリとした苦さが魅力となって、口にする大人を虜にしてしまう。
製造元は、北海道のプリン本舗というブランドを掲げた 「株式会社 侍ファクトリー = 札幌市北区北26条西3丁目2-5バグース26 1F TEL 011-700-3659」 らしいが、うーむ会社名まで徹底している。明大前駅のホームでは、試験販売だったようだ。ただ、今後の東京地域では、常時錦糸町店で入手が可能という。そんなことを3度目の購入で話を聞いた。とても美味しいプリンとは思うが、時々にしても錦糸町店まで通う自信はない。ただ、印象深い昔ながらの美味しいプリンを継承して、さらに改良を幾重にも重ねたプリンとして現時点では100点満点といえるので、是非にとも写真を撮ってブログへ残しておきたい。あと、商品を購入すると小さな手提げ袋に入れてくれる。これが「侍プリン」を意識した丈夫で素敵な袋である。
これらの商品以外にも、同じ容器に入った「とろーり」、「ミルクリッチ」、「ひめプリン」、「マキアート」、「白胡麻と黒蜜」、別にロールケーキとして「侍ロール」、アイスプリンの「侍のカタラーナ」、羊羹として「侍の羊羹」がある。
詳細はホームページ参照のこと、http://www.purin-honpo.com/