2015/02/27

午後の紅茶とポッキーのコラボ

   どのような糖分でも即座に分解してエネルギーに変換出来る人は幸せだ。「午後の紅茶を飲みながらポッキーを口にする」というだけで、いかにも甘そうな話だが、反応は人それぞれのようだ。平素、甘いものを口にしない硬派な人にとっては、甘いカスタードと甘いアップルティーを組み合わせたら、「何がなんだか分からないくらい甘く、行過ぎだよ」という話になるだろう。また、割と甘いものは好きだけど、どうかしら・・・と言う人は、「これは結構いけますわ、まるでアップルパイのようよ」と言う人もいるらしい。常日頃、甘いものをよく口にする若者にとっては、「さっぱりした甘さが結構いい感じ」と言うに違いない。

  アーモンドチョコのようなROYCEとの共同開発ではないが、最近のグリコの商品には、他社との協業で成功させる運気が備わっているようだ。今回は、「KIRINの午後の紅茶」とのコラボを試みている。同社の商品では聞いたことは無いが、惣菜とか調味液など他社との連携で売り上げに貢献するケースは、昔からよくあったそうだ。それらは、あくまで背後で仕掛けることはあっても、あまり表立った大げさな宣伝やPRは行われず、美味しいという情報を口コミと称して広げられてきた。もちろん、そのような情報操作は、裏側で大量の商品サンプルの提供とか、謝礼程度のお金も使われてきた。売り上げ拡大には、あの手この手が使われてきたのである。

  我々消費者は、このような組み合わせを見て、「上手いこと考えた」ぐらいにしか思っていない。しかし、最初から企画を練って、パッケージデザインまで揃え、正々堂々と協業を表に出して宣伝をするには、この商品同士の組み合わせコンセプトに、自信を持っている証拠で、その裏付けとして、互いの商品にミートしたテイスティングを微妙に調整してある。また、それらは多くの人たちの評価を得ながら、完璧とまでいえる領域まで商品を詰めてある筈だ。その、ポイントは、アップルティーにシナモンが少し香るところであったり、ポッキーのカスタードにバター風味が加わっているところだ。これらが互いを引き寄せる「癖になる要素」なのである。

  このパッケージデザインを見ると、「午後の紅茶とポッキー」を一緒に戴くと互いに不足している何かを埋め合わせるような印象を受けるが、実際、何度かそれを楽しむと、やはり、仕掛けられた壷に閉じ込められてしまうような感触を実感する。ただ、その時は、カスタード味のポッキーが好きだとか、アップル味の紅茶が好きだとか、どちらかが少しだけ多めに好きである必要があると思われる。それにしても、これからは、日本茶を合わせてカスタードの甘さを楽しむとか、ジャバティーとポッキーを楽しむとか、そんな古い人間にありがちな乏しい味覚を捨てる必要があるかもしれない。
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