Caplico とは、ホイップして泡状に空気を混ぜたチョコレートを固めたものを指すようだ。断面を観察すると、軽石のように泡が固まった形をしている。そのような多孔質に仕上げられたチョコレートは、従来にない口当たりの軽さと、溶けやすさが手伝って、口にほおばるとチョコレートの美味しさを即座に感じることが出来る。また、その食感は子供からお年寄りまで親しみを持って受け入れられてきた。濃厚で硬い高密度のチョコレートとは、対極にある食感で、それが従来よりも一回り大きな市場を作り上げてきたと思われる。
Glicoには、既に多くの種類の Caplico が用意されているが、北海道の高級チョコレート・ブランドのROYCE(ロイズ)とコラボレーションで、より品質の高い、一段と磨きをかけた大人向けのカプリコスティック Caplico x ROYCE を発売している。誰が口にしても、ストレートに「これ美味しいね」とその風味のよさがすぐに口を突いて出るほどだ。さすがにチョコレート好きは敏感で、その Caplico は、発売されるや否や店頭からも「すぐに姿を消し」てしまった。企画が好評で、生産が追いつかないほど販売数を伸ばしている。
一方、「Glico のお家芸はアーモンドチョコだよ」と言う人も少なくない。我々も幼い時からカリッ、カリッと歯ごたえを楽しんできた。そのカリッとした歯ごたえは、同社独自のフライド製法から生まれている。したがって、Glico を越える品質のアーモンドを使って、チョコレートの美味しさを実現した商品は他にない。しかし、アーモンドもチョコレートも自社として様々に改良を加えられてきた経緯がある。そして、今回のこの商品は、その延長線上の企画になるかもしれないが、味わいや風味の違いを追求して、テスト的にロイズのチョコレートとのコラボに踏み切ったようだ。ただ、こちらは、従来比でお値段が高すぎるせいか在庫は溢れている。
我々からすると、Glicoのアーモンドチョコレートは、とっくに完成の領域に達しているので、こんなことを要求すら考えなかったが、実際出来上がった商品「 ALMOND プレミオ」を口にしてみると「おおー、これは美味しい、行きすぎた贅沢感」さえ感じるのである。Glico と ROYCE のコラボレーション、つまり美味しいものに美味しいものが組み合わせれば、贅沢に決まっていると我々は簡単に片付けそうだが、コラボする時の整合性の難しさや、ビジネスとして確実な成果を得るための企画力が潜んでいたようだ。そこに、両社がとっておきのノウハウを惜しみなくつぎ込んだ様子を連想させる。Caplico x ROYCE も ALMOND プレミオも、いずれも素晴らしい完成度を実現している。
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