メイズ(MAZE)とは、「迷路」のこと、しかし、この映画に登場する迷路はとてつもなく巨大で、おまけに日々作り変えられているようだ。タイトルに、ランナーと言う言葉を連結することで、巨大迷路の中を逃げる者と、追いかける物が登場する構図を暗に示唆している。舶来の映画作品には共通するかもしれないが、日本語訳をカタカナで表記されると、それが一体何を指しているのか当初は戸惑うことがある。文章で説明するにも、いきなりでは意味不明に思えるので、言葉とその意味の概略を説明しておきたい。
そこには、若者が数十人登場するが、その若者が記憶を消してリフト(エレベータのような構造)で送り込まれてくる場所(グレードと呼ばれている)は、森林や草地が広がっている。その、緑地帯の周囲は四方向とも巨大迷路で囲まれている。巨大迷路には、ゲートがあって、朝開き侵入できる。また、夕方ゲートが閉じるまでに戻らないと、巨大迷路の中にグリーバーと呼ばれる怪物が出て、そのグリーバーに刺されることで徐々に死に至る。昼間グリーバーが現れない時間帯に数名のランナー達(リーダーはミンホ)が内部の構造を調べる任務を託され、巨大迷路に侵入して調査を行う。この作業は既に、ランナー達によって3年間継続されてきており、ミニチュアモデルさえ再現されていた。
作品の冒頭から一体これはどんな作品なのか、疑うような視点で目を皿のように、耳をダンボのように広げて、作品に入り込むことになる。その緊張感に、かつて味わったことのない好奇心が加わり、さらに、気持ちを奮い立たせる巨大な風景が広がっている。作品冒頭からグレードに送り込まれたトーマス(記憶を失っている)の質問を通して、グレードに居る若者達の反応の中に、何か巨大迷路に対する憶測あるいは関連付けられるものは無いか考えを巡らせてしまう。しかし、グレードの中に居る若者には、様々な考え方、あるいは主張があり、トーマスの好奇心と実行力は妨げられる。
しかし、ある日トーマスはアルビー(グレードのリーダー)の怪我を救うべく迷路に入り、グリーバーと戦い、ミンホの助けによってグリーバーを倒す。また、その勇気と活躍をミンホが評価し、ニュート(グレードの第2リーダー)は、トーマスをランナーの一員として承認する。その後、迷路をミンホと共に探索し、グリーバーの死骸から取り出したカプセルの誘導によって迷路の抜け路の一部を解明する。ここまで進んでも、まだまだ、観る者の好奇心は継続するが、なのにトーマスは謎をすべて解明する前から、グレードに残るか迷路を通って脱出するか全員に選択を迫る。この段階では、迷って当然と思う訳だが、勇気ある者は迷路に入りグリーバーと戦いながら辛うじて脱出に成功する。もう少し、迷路の調査を通して、観る者にその構造を説明するとか、内部の謎の解明に時間を掛けるのかと思ったが、意外にもさっぱりと通り抜けが出来てしまった。
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しかし、残念なことに、脱出に成功したからといって、その場に居た者が自由になれるとは限らなかった。その驚愕のラストとは、一体どうゆうことなのか。