2015/05/24

有機ルイボスティー

  ある朝、鏡の中に、一瞬父親がいて、はっとすることがある。おっと「どうした親父、疲れてるな」、いや俺か、と我に返る。そういう時に、親父が今の自分ぐらいの年齢の時には何をしていたか、古い記憶を繰り寄せるような気分になることがある。親父は、昔の人間だから、1人になると何か書き物をしていた。建設機械や土木の書籍も多く執筆していたが、「同じような本を何冊」も書いていて、もはやそれは趣味だった。それに邪魔にならないよう、いつも遠くから見守る距離感があった。そして、その机には、何か赤い「お茶」が用意されていた。

  親父のように、「研究熱心とか、学問が好き」とか、そういう部分は自分に遺伝しなかったが、しかし、どうしても切り離すことが出来ない、体質的というか DNA的な因果の継続、つまり、体に良い物、適する物は、同じ様に効果があるに違いないと思っていた。だから、その「赤いお茶」にも少し興味があった。一体それは何か。親父は眼鏡越しに曰く「黒人が元気なんは、このお茶を飲みょーるけよ」と自慢そうに話していた。しかし、自慢するほど本人は元気ハツラツだったわけではない。親父は、強靭なタイプではなかったせいか、若いころから健康食品マニアで、次々と珍しい物を探してきては、口にしていたような記憶がある。中には体に合わないものもあったに違いない。

  その口ぶりから、赤いお茶は「アフリカ産だということ」は知っていたが、何せ当時(50年前)は、今ほどアフリカに関心はなかったので、少々胡散臭く感じていた。それが、ROOIBOS(ルイボス)ティーと言う名称だったということが、ごく最近分かったのである。このお茶は「茶外茶」に属していて、ブラジルのマテ茶などと同じで「茶葉」ではない。同じ種類として扱われていのは、そば茶、麦茶、昆布茶、黒豆茶、等が属する。茶外茶と言う印象からは「茶葉」から抽出しないので、沸騰させながらある程度時間を掛けて煮出すという印象がある。ROOIBOS(ルイボス)ティーも、アフリカ原産のマメ科の植物で、針状の葉を持ち、その細かな葉を発酵、乾燥させたものが使われており、少し煮出した方が良い。色は赤、渋みは少なく、カフェインを全く含まない。

  現代人は、刺激を求めるように何杯も紅茶やコーヒーを飲むケースがある。特に、自らを痛めつけるように「新たな作品を搾り出す、創作的な仕事をする人」には、カフェインの刺激が頼りになる。しかし、人の体には、大量のカフェインが一挙に入ることは、中毒を起こしやすい。そんな事情から、カフェインは体に良くないと言われ続けてきた。そんな話がにわかに広まってから、この茶葉を使わない飲料の効能が注目されてきた(先日、カフェインの多く含まれるコーヒーやお茶は長生き出来る傾向があると発表されている)。そこで、どうせ選ぶなら、体によいものをということで、それに含まれる成分が比較されるようになり、ミネラルを大量に含むROOIBOS(ルイボス)ティーが一際脚光を浴びるようになったのである。天然のミネラルは人工の錠剤などより吸収しやすく、内臓を傷めつけることもない。アフリカの大地に秘められたパワーをすーっと体が吸収してくれ活力が沸き上がってくるようだ。ほんまか。
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