今年は、局地豪雨の影響で、各地に野菜や果物にも大きな被害を受けた。毎年、送ってもらう山陰のトマトも、今年は熟度がいまひとつで、芯に青味が残っていながら、周囲はすでに熟しているとか、奇妙な姿が多かった。結局、多くをパスタソースにしたり、スープに使ったりと工夫を余儀なくされた。また、毎年山梨から送られて来る大振りの桃は、味は変わらないが傷みが少し目立った。一方、和歌山から今年初めて送られてきた桃は、まったく傷もなく非常に綺麗な状態であった。このように、今年の夏の野菜や果物は、被害を受けた地域と、そうでなかった地域を線で引いたように、出来具合に違いが生じてしまったようだ。豪雨にさらされた農家の人は、大変困ったに違いない。
まったく傷も無く、綺麗な桃を送ってくれた産地は紀ノ川市で、関西空港のある泉佐野市から少し南へ下った大阪府の最南端に隣接する。大昔「紀ノ川」という「主演 南田洋子の」ドラマで有名になったが、ドラマ自体は「全くつまらん内容」だったと思うが、その温暖で豊かな土地が描かれていた様子が思い出される。大昔からそこには、膨大な水量を誇る紀ノ川が流れ、年間を通じて水の供給には不自由は無い。また、山や丘など水はけの良い土壌として、果物の生育にも大変適している。果物は、バナナとパイナップル以外なら何でも栽培できると豪語される地域でもあり、特にブルーベリー、無花果、柿、桃は全国的にも有名である。このような多品種で、大量の農作物生産を誇る地域は、その果物の生育方法にも配慮し農薬を極力減らすよう、安心安全も徹底している。また農協は生産品の宣伝にも力を入れており、自ら農産物の効能についても、徹底的に調査している。
そこで、桃における体への効能を参照してみると、元々中国から入ってきたもので、古くは「不老長寿の果物」といわれるほど、甘くて美味しい果物だったことは広く知られることだが、それは、大昔の甘い果物が少なかった時代の話で、現代人にとっても同じ事が言えるかどうか不明である。そう考えると、果たして糖尿病の人にも「不老長寿の果物」としての効果のある成分を含んでいるのであろうか。そんな疑問が沸いて来る。その疑問に対し、ちゃんと説明も用意されていて、メカニズムはこうだ。桃が体に入ると、褐色脂肪細胞が刺激され、脂肪の代謝が活発となり、インスリンの働きが良くなる。その効果を取り上げて、桃には、糖尿病等の予防効果までもあると言われているのである。
さらに、果肉には、鎮痛、鎮静効果があるとされ、微量でも葉や花には青酸化合物が含まれているともされている。そのほか、動脈硬化、高血圧予防、ガン予防、老化防止、血中コレステロール値低下などの効果も期待されている。それにしても、それだけ甘くて美味しい桃が、想像より体に対して幅広い効能があることに、やや興奮してしまいそうだが、それらは、二次的、つまり間接的な効能で、病気に直接働くものではないので、食べすぎは禁物である。しかし、桃自体にはペクチンや繊維質が多く含まれていることから、便秘の解消には明らかに効果的と思われる。
太平洋高気圧で猛烈な暑さを受け止めた和歌山の桃は、それでも飛び切り綺麗な出来具合だった。しかし、こんなに品種によって、香りや甘みが違うのかと驚いたのだが、そういえば古い記憶になってしまったが、昔の白桃のイメージはこれに近く、皮ごとかぶりついたり、皮が薄くつるっとむけたりしたものである。それよりも、改めて効能にも興味を持つことで、効果のある食べ方を試みていきたい。
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補足:糖尿病および糖尿病予備軍は推定で、すでに国民全体の27%(ヘモグロビンA1C = 6%以上)に達したと言われていて、その数は膨大な数に達しているが、今後益々増加すると推定されている。