本格的な水出し珈琲を作るには、大量の珈琲豆の中に水を一滴、一滴と落下させ、下部でそれを集める。それを具体的な形にすると、じっくりと何時間も掛けて抽出する仕掛けの装置が必要になる。ポタ、・・・・・・ ポタ、と言った感じで抽出されるので、喫茶店などでは、高価な珈琲メニューの1つになる。しかし、このグラス1杯の珈琲の「薫り豊かで爽やかな味わい」は、他のどの珈琲にも勝ると珍重されてきた。昔、秋葉原ガード下に「古炉奈」という喫茶店があり、場所柄その専門筋の若者達が抵抗やコンデンサなど電気の部品を買い求めた後、一息入れる場所になっていた。そこにも、水出し珈琲の装置(高さ1.5m程度の巨大なガラス装置)がカウンターの左奥に置いてあり、実際に稼動している水出し珈琲装置を見ることができた。もう、ずいぶん昔の話である。
珈琲を焙煎し、粉砕してフィルターバッグに包んで水に浸すことで、同じように珈琲液を抽出できる。細かく粉砕してあると抽出も早い。夏場は、何でも冷えてるのが好ましく、緑茶や紅茶も冷水で出すと意外に美味しい。沸騰したお湯に比べると時間はかかるが、冷水の方が「薫り高く、まろやかで上品な美味しさ」があり、時間さえ許せば、こちらをお勧めである。逆に、通常の沸騰したお湯を注ぐ珈琲を水出しとして使うには、袋フィルターの適当なものがないので難しい。むしろ、水出しアイス珈琲だけは、市販の商品の方が便利になっている。それらは、珈琲豆の種類、焙煎状態、粉砕の細かさなどが各社固定で、作る側として、水量や抽出時間を調整することで、それなりに美味しいアイス珈琲を作ることが出来る。ただ、どの様な手法を使おうと、珈琲粉が長い時間水に浸っていると、徐々に苦味が抽出される。そこは、作る側としての制限事項である。
今日紹介するユニカフェの「水出しアイス珈琲」もそうだが、フィルターバック形式の水出し珈琲は、抽出4時間と言うのが業界標準になっているようだ。以前に、といってももう数年前になるが、KEY COFFEEとかUCCの商品も扱っているので、その過去の容器と同じ物を使い、その上でパッケージの「裏面にある作り方どうり」に冷水で作ってみる。1Lの常温水で4時間抽出してみても、あれっ?て思うぐらい薄すぎる。そのまま、がぶがぶ飲む人には、この濃さもありかもしれないが、それでも少し無理がある。時には、ミルクや砂糖、氷を入れたい時のことを考えると、もう少し濃い目にしたい気分になる。このような状況を鑑みて、趣味的な要素から好みの濃さにむけて、水の量とか抽出時間を調整して把握しておきたい。
そこで、抽出時間は4時間とし、水の絶対量として 1000mL、800mL、600mL と変えて試してみた。この時の濃さ、薫り、すっきり感で800mL が良かった。それでも、まだ少し薄めに感じたので、さらに2時間、4時間と抽出時間を追加して計6時間と、計8時間で試してみると、800mLで計8時間では、すっきりした感じが無くなり苦味が強すぎて、ミルクや砂糖が必要になる。それに対して、800mLで4時間常温で更に2時間冷蔵庫というのが、おおむねベストな状態になったと思える。もう少し、水量と、抽出時間を変えて経験を重ねることで、自分の考える「水出しアイス珈琲」の「薫り豊かですっきりとした味わい」を実感することが出来そうだ。UCCの個性とは違い、意外に癖も無く素直に飲める。
ではこちら
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