2014/06/03

牛炊き込みご飯

  これまで、「浅草今半」のすき焼き用の牛肉とか、牛肉弁当(浅草今半4種)など、弁当で際立つ肉の美味しさを伝えてきたが、今日は、「人形町今半」のレトルト食材を紹介したい。レトルトパックというとカレーやスープなどを連想するが、最近は、幅広く様々な食品に応用されている。特に「炊き込みご飯用のレトルトパック」は、予想以上に「よく出来ていて美味しい」という印象が定着しつつあり、既にたくさん紹介済みである。最近は慣れたもので具沢山仕様で炊き上げたり出来るようになった。同じ商品を幾度か使い込むことで、製品の具の中身やスパイスの按配を把握でき、好きなものを追加しながら、自分の好みに仕上げられるようになるし、その工夫自体が楽しいこともある。しかし、忠実に説明書どおりに作るほうが結果的に良い場合もある。今日は、そちらの商品になる。

   この「牛炊き込みご飯」の作り方は、凄く簡単で、箱の裏にも書いてあるが、まず、2合のお米を洗って水を切る。そのお米を炊飯器に入れ、お水を加えた後、レトルトパックから取り出した具を入れる。後は炊飯器のスイッチを入れて炊き上げるだけである。しかし、この作業を順追って見直すと、配慮すべきポイントがある。1つ目は、「お米を洗った後に、炊飯器に入れて、天然水をお米スレスレまで入れて1時間ほど放置する」このプロセスが必要だ。それはまず、ある程度、お米に水を吸わせるのである。2つ目は、「レトルトパックをお湯に着け、油脂分を溶かしてから炊飯器のお米の上に載せる」ところにある。ポイントは、この2つである。最後に、調整するように2合の目印の位置まで天然水を追加する。後は、炊飯器のスイッチを入れる。しばらくすると、すき焼き割り下や質の良い牛肉、あるいはごぼう等、それらが入り混じった香ばしい薫りが台所に充満し、今半のお店に「およばれしたような気分」になる。

  人形町今半は、今半本店の暖簾分けである。ブランドがブランドを育てた良い例でもあり、それから、既に60年ぐらい経過し、牛肉以外の商品の取り扱いにも独自の展開を図ってきた。もちろん「牛鍋とかすき焼き」の代名詞になるほど有名だが、やはり、基本的にはお店まで出かけて、お座敷で鍋や器を眺めながら大正時代に思いを馳せるのが楽しい。お昼なら5,000~7,000円、夜なら12,000~15,000円で牛肉を楽しめる。バブル時期には、上記の価格はさほど高いものでもなかったためか、大変繁盛していた記憶がある。一方、こちらの「牛炊き込みご飯」は、おなかいっぱい(2人前)食べても、540円と超割安である。これだけで物足りないと思えば、今半の出店舗で「山形の黒毛和牛の薄切りお肉」を調達し、出汁醤油と黒糖を使ってフライパンで炙って乗せるとよい。うーむ、それなら特別美味しい豪華なご飯になる。

  さて、そろそろ炊き上がった「牛炊き込みご飯」を、よくかき混ぜて戴くことにする。この牛炊き込みご飯に使われている醤油は、人形町今半独自の薫りやこくを放っているので、お新香とか漬け物を併せる時は、醤油系を控えて、酢で漬けたものを用意したい。それが、時々合い間に漬け物を口にすることで、口直しになる。そこで、牛炊き込みご飯に使われている微妙な味がさらに際立つのである。PDF写真では、大根の酢漬け(商品名:国産野菜さくら漬け)を手前に使用した。これを箸休めに使うことで、「牛炊き込みご飯」の味わい深い楽しみ方が発見出来る。是非、この組み合わせを試してもらいたい。
ではこちら
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