ランタンとは、トムソーヤーの冒険などに出てくる野外用ランプのことである。遠くまで明かりが届くとは思わないが、鉄道マンはランタンを目の位置より上にあげて、遠くの線路を眺めるシーンが思い起こされる。一方、日本の伝統的な表現だと提灯(ちょうちん)になる。小泉八雲の「怪談=むじな」にでてくる長い坂道の紀伊国坂(東京)で、つるんとしたむじなの顔を確認したのが提灯である。この提灯は、侍とか、辻斬り等のシーンでは、斬られ側の重要な小道具としても馴染みがある。むじなとは、「人を化かす妖怪」で、顔に眼鼻耳口のないのっぺらぼうとされるが、「同じ穴のむじな」と言う言葉もあって、こちらは「俺も、お前も」と言う言葉が隠されて、同居もできる危険な関係を指すようだ。もちろん、むじなは民話の世界の話で、恐らくキツネ、たぬき、ハクビシンのことらしい。そんなことはどうでもよいが、ランタンと言う言葉は、懐かしく幼いころの想いを奮い立たせる響きがある。
そんな昔話とは、似ても似つかない最新技術?を使った「LEDランタン」なるものを入手した。このランタンは、4個のモールド成形で組み合わせてあり、BRASILと緑色で表記されている。当然、ワールドカップの応援グッズとしてブラジルで大量に販売されていて、そのお土産かと思いきや、国内の会社が販売するキャンプグッズというのが本来の姿のようだ。勿論、生産国は中国となっている。また、これには凄く奇抜なアイデアが凝らしてあるにもかかわらず価格は安い(800円前後)。いずれにしても子供は口にしたり舐めたりしてはならないと思えるが、子供から老人まで、1人1台手元に置いて「夜中の防災グッズ」としても利用できそうだ。あえて唯一の課題を上げるとしたら、いざという時に「電池の寿命」が無くなっている可能性があることだ。
商品には添付されていないが、単3乾電池を4本使用する。下部の黄色い部分を回すと電池ボックスが現れる。防災用として使用するために、今日はアルカリ電池を装着した。注意書きには充電式電池(ニッカドやニッケル系)は使用を禁じている。消費電力の表記はないが、いわゆる1.ランタンモードは明るい黄色で、光源にある周囲を囲むLED7個が一挙に点灯する。勿論、ろうそくや豆球より明るいにもかかわらず、さすがにLEDだけあって長時間明るさが継続する。さらに、2マルチカラーモードは.中央部のLED1個が赤~青~黄色など、様々に色を変えて幻想的な光を演出をする。こちらは、眠れない夜など点灯させて眺めるのも良い。本品は、このほかに良く似た類似品、同類品もあり、どれがどのような違いがあるか分らないが、この写真のタイプは、BRASIL以外に、JAPANとUSAの表記で、マルチカラーモード装備と思われる。
LEDランタンは、子供たちが花火を上げるときの手元の明かりに使ったり、お寺の境内で肝試しに使うとか、レジャー用としては用途が広い。しかし、実用面をあえて挙げてみると、本品の上部は、フック形状になっていて、夜中ベランダで洗濯物を干す時、物干しパイプなどに引っ掛けることができる。その時は、描かれた顔のイラストのある照明部を天地逆で再構成でき、手元が明るくなる。また、最近の雷雨で停電を起こす事も度々だが、先日も都内で29,000件の停電が起こったことから、停電時間は、短い地域で30~40分程度にしても、LEDランタンは部屋数ぐらいあったほうが良い。特に台所、風呂場やトイレなど水回りの傍には常備しておきたい。また、夜中トイレに目が覚めると言う人には、割合利用価値の高いかもしれない。明りは、困ってみないとその価値は評価しにくいが、800円なら実用グッズの部類に入るだろう。
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