2013/12/31

謹賀新年2014

  たまたま、ブログのアップする日と晦日が重なってしまったので、後記と新年の挨拶を兼ねてまとめておきたい。このブログの右側欄外に「アクセスランキングベスト20」を掲載して以降、最新の統計を眺めると、なんとそのベスト20が、順序が違っているだけで、今でもそのまま上位グループを独占している。これは、明らかにランキングを見てから、興味のあるページへ飛んでいくとか、あるいは、統計だから「やはり興味ある対象が同じ」で、何処からとも無く同じ場所に飛んでくると言ったことなのだろう。追跡してみるとある程度の背景は分かると思われるが、それが分かったところで何も得ることはないので、「ふーんといった感じ」で終えることにする。しかし、傾向として「文字を追いかけるのが面倒だ」という人が多いという事がわかる。

 さて、それでは、今年2013年は、右の「アクセスランキングベスト10」に含まれないタイトルで、最近は何が多くアクセスされたか調べてみた。ただし、定期読者の閲覧は含まれていない。4位から順に並べてみた。

 第4位は、「魔法のお皿」だった。電子レンジですばやくという若者用途にぴったりである。でも、すべての食材がこれで調理出来る訳ではない。
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%211226&app=WordPdf

 第3位は、「タカナシ3.6牛乳サブレ」のようだ。サブレという軽い食感の中にミルクの薫りが広がる。それが、なんとも懐かしい後味になる。
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%211237&app=WordPdf
 
 第2位は、「オランジェットビターチョコ」であった。意外にチョコレートと言うのは人気があって、ここでの取り扱いそのものは少ないのに、アクセスは多いという傾向がある。やっぱり甘党の仲間が多いようだ。
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%211194&app=WordPdf

 そして、第1位は「京王線地下を走る」になった。同じような風景を、多くの人たちが動画でも紹介しているので、決して珍しいものではない。ただ、これには続編や関連ページがあるが、そこまで到達していないことから、京王線のファンではなさそうだ。
https://www.blogger.com/blogger.g?blogID=4475116606991979591#editor/target=post;postID=1411032229175541635;onPublishedMenu=posts;onClosedMenu=posts;postNum=171;src=postname

  次に、2013年度の「お勧めの製品」は何か、と問いかけられることを想定して、4品種を紹介したい。こちらも下位から順に並べてみた。

 4.やはり、「最近ハマッテいるもの2」で紹介している「トロまぐろハンバーグ」が格別美味しい。今では、見付けたらつい買ってしまうファンになってしまった。
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%211285&app=WordPdf

3.大塚の大豆製品の傑作とも言える「大人の大豆」は、毎日継続できるほどよく出来ている。紹介してから今日まで、今のところ毎日飲めている。だから何?って言われるかもしれないが、朝一番で飲むことにして、密かにウエストの自然なダウンサイズを狙っている。
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%211416&app=WordPdf

 2.冬でも「ほんまもん麦茶」は美味しい。やさしい麦の薫りに本物を感じる。見付ければ買い、在庫を切らさないように努めている。
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%211372&app=WordPdf

1.そして最終的な断トツのお勧めは 「贅酪ヨーグルト」である。近所で手に入らないので、わざわざまとめ買いに上野の多慶屋(安い)まで出かけるぐらい気に入っている。
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%211295&app=WordPdf
 以上が、お勧め。

 そして、最後になってしまったが、次は「新年の挨拶」(一昨日の高尾山)。
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%211480&app=WordPdf

2013/12/27

オイスターのオイル漬け

   最近は故郷へ帰ることも珍しくなったが、昔は、呉線にも急行が走っていて、帰省の時にはよく利用した。「急行の吉備」である。単線の限界だったのか、三原駅から呉駅まではさほどの距離でもないのに1時間20分も掛かったのを覚えている。実家まで最後の列車ということで、三原駅から呉線に乗り換えて、気持も緩みがちで、うとうとしたくなる時間帯になる。ちょうど忠海、竹原あたりの山と海岸線の間をぎりぎりにブルブルとディーゼルエンジンを噴かして走る。その車窓には瀬戸内海の穏やかな波と、それに傾きかけた陽の反射を望みながら、広がる牡蠣用の固定筏や小さな漁船の通り過ぎる陰が写る。それが不思議といつも同じ構図になるのである。小さな漁船などは、写り込まない日があっても不自然ではないが、それでもやっぱり、忘れずに車窓に入り込んでくるのである。あの頃は、それが、ほのぼのとして退屈な時間のように思えたものだが、今となってはちょっと懐かしい。しかも、もう決して見ることは無いだろう。

  時々ニュースに、三陸の沿岸を走るディーゼル列車が登場する事があるが、その寂しそうに走る姿を見て、ふと、あの「竹原や忠海」を思い出すのである。三陸との沿岸は1000Km以上も離れているし、海から列車の走る距離は大きく異なるが、不思議と牡蠣の採れる風景は似ていることに気付くのである。広島の牡蠣といっても、範囲は広く広島市の沖で採れる牡蠣から、宮島、江田島、倉橋島など、もちろん、この竹原あたりも含めた地域を指す。周囲の島で採れるもののほうが身が締まっていて評判が良い。おまけに、度々申し上げるが、水温の低い三陸で採れる牡蠣のほうが、当然旬の時期も長くて、しかも美味しい。「早く復活して出回るようになってほしい三陸の牡蠣、俺は待ってるぜい!」といったところで、みんなも同じ気持ちのはずだ。

  今日紹介するのは、そんな忠海、竹原の沖で採れた牡蠣を使ってオイル漬けにした缶詰2種類である。オイル漬けの缶詰だと、いつ何時でも素早く料理に使え、年中口にすることが出来る。缶詰めの中身は比較的に小粒で美味しい物が揃えてあって、おまけに、PDF写真のとおり綺麗に並べてある。1つはバジル風のソース仕立てのオイルに漬かっていて、丸ごとパスタなどに利用できる。もう一方のスモークしたタイプは、酒のつまみや「もてなし用のカナッペ」など、使い方も自由自在である。オイルには綿実油を使って牡蠣の風味を余すことなく引き出してあるので、価格は少々お高いとしても、お好きな人にはたまらない逸品になっていると思われる。

  さて、今の時期は牡蠣の旬なので(11月~2月)簡単に、生食の牡蠣が入手できるので、缶詰の牡蠣などは目新しくも無いかもしれないが、缶詰で味付きとか、燻製というのも利用価値が広く便利といえる。保存食として災害に備えるのも良い。早速、簡単にパスタに応用してみた。用意する材料を挙げてみると、バジル風のソース仕立の牡蠣と少々スモークされた牡蠣の2つとも使用する。それぞれ1缶づつ、パスタ200g(2人分)、山椒のしょうゆ漬け粒少々、ガーリックチップ、ジェノベーゼソース、ブラックオリーブ、胡椒等である。茹で上がったパスタに、これら全てを絡めるだけだが、やはり、ジェノベーゼソースは追加が必要になる。燻製タイプの粒を5~6個ぐらいを潰し、さらに、山椒のしょうゆ漬けも同様に潰して、一緒に和えてパスタに混ぜる。それによって牡蠣の風味が広がり、山椒で牡蠣の臭みを消す。さらに上から牡蠣と山椒の粒を添える。これで、どこにも負けない「牡蠣のパスタ」に仕上がる。美味しいぞ。
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2013/12/24

WESTのクッキー

   年末、年始は人に逢う機会が増える。平素は電話やはがきで済ませていても、この季節にそんな悠長なことをしていると、年間を通して逢う機会が無くなってしまう。歳を重ねると、人生を引っ張ってもらった先輩のことを大切に思い出すこともある。若いうちは、ただ尊敬の念で、話を聞かせてもらうことで、自らが洗練されていくような気分になったものだし、今は価値観を摺り合わせて行くことで、ますます師弟関係に高みを見るような充実感が残る。そんな先輩が年々老いて行く姿を見ると、いとおしい親父のように思えてきたりもする。だから、つい時間的余裕が生まれると、声をかけるのだが、返事は、その心配をよそに「そっちまで行くよ!」と、元気そうな高い声が聞こえてくるのである。そんな、こんなで、この時期は割合忙しい時間を過ごすのである。

  どのような相手でも、いくら親しくさせてもらっていても、そんな時に、何を実弾(贈答品)として持っていけばよいか迷うことが多い。まして先様の体のことを考えると「虎屋の羊羹」というわけにもいかず、無難で体に優しいお品を用意したい。そこには、好き嫌いとか、体に合う合わない、家族も口に出来るとか、あるいは、奥様も喜ばれるという側面を備えていなければならないし、また、過去のお付き合いの中から趣向を汲み取っておく必要もある。そして今時の社会の動向であったり、商品の品質に対する信頼性であったり、もちろん価格というのもある。そういえば、先輩は、よく私を銀座へ食事に連れて行ってくれた。神田周辺にはないものを選んで食べに行った。少量でも旨いものを楽しむ(味わい勉強する)という考えからだ。当時は、それは決して高いものでもなく、古い馴染みのお店という感じで、昭和30年代の頃から、先輩が自ら取材した足跡を感じさせるものであった。そんな膨大な背景をすべて織り込むのは、やはり難しいのである。

  結局、品質とか信頼できる、老舗中の老舗だとかは神田や銀座にはいくつもあり、ほとんど先輩は把握している。そうなると、そういう先輩には、むしろ今流行していて、興味は持っているが、それをわざわざ探し求めるのが面倒と思う商品がよい、そして、私も自ら口にしていて、自分が信じているものがよいと納得したのである。そこがポイントで、生活の中で役立ち、絶対に害にならないものがよい。そこで、今年このブログで扱った「大塚製薬、大塚食品、大塚チルド」の健康食品をいくつかづつサンプルのように詰め合わせて贈る事にした。それらをそろえるのは結構大変な手間なのだが、それが独創性という形を作るのである。そして、またきっと、そのリアクションが次回の話題になるかもしれないと思ったのである。

  案の定、先輩の新しいものに対する興味度合いは、昔とまったく変わっていないようで、中味を1つ1つ、より細かいところまで調べ上げるなど、大変気に入った様子であった。それに対して、お返しに頂戴したのが今日紹介するWESTのクッキー詰め合わせである。このWESTのクッキーは、若い頃銀座で暴れまくった先輩としては、凄くお似合いの手土産のように格好よく見えたのである。きっと、先輩が用意したぐらいだから、大昔から美味しいクッキーとして銀座で有名だったに違いない。事実、老舗中の老舗で知らない人がいないくらいである。そして、ずっと以前、WESTのクッキーは「美味しいすね」と言った事を覚えてもらっていたようだった。
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2013/12/20

どん兵衛 生蕎麦食感

  蕎麦好きは、「どのような蕎麦」でも、それなりに美味しく戴くのが上手である。「どのような蕎麦」というぐらいだから範囲は広く、神田まつやのような老舗蕎麦店の「もり蕎麦」に始まり、お酒をかけて解して頂く近所の蕎麦屋の蕎麦もある。一方で、凄く簡単に電子レンジでチンして薄いフイルムを引き抜くだけのセブンイレブンの天ぷら蕎麦もあるし、また、せわしなく駅のホームで戴く駅蕎麦もある。そして、カップの乾燥蕎麦麺へお湯を注いで3分などもある。さらに、乾燥麺を茹でて、その様子を見ながら、かまぼこ、天ぷら、九条ねぎなど、自分の好きなものを用意して作る暖かい蕎麦もある。そこには、それなりの風情が漂い、想い出に浸れる背景があるし、その納得できる価値観で啜れば益々美味しく感じると思うのである。

  どういう訳か蕎麦好きにとって、初めてのお店でお蕎麦を戴くときは、それを目の前にするまでは、かなりワクワクするものである。まるで、餌を待つワンちゃんのように例えられる。とは言うものの、いざ啜ってみると、どこかで冷ややかな側面も備えていて、その時の食感や風味とか、今まで待つに至った時間とか、その味に対する好みとか、様々なきめ細かい評価が渾然一体となって頭の中に湧き上がるのである。そして、重要な1つの自分の基準に照らし合わせて、満足感が構成される。たとえば、お店に入ると「いらっしゃーい」と山彦のように響くお店では、その雰囲気と、椅子の座り心地や、畳の上のお座ぶの感触までも勘定の一部であると思えるようになるのである。

  蕎麦好きになるには、何かきっかけが必要で、「何度か美味しい想い出」と言うか、それなりの「経験の積み重ね」があると思う。自分も、神田淡路町の会社へ勤めるようになってから、神田の蕎麦の経験が始った。しかし、「ひどく辛い蕎麦つゆだけど、これが旨い」と思えるようになるには、案外時間は掛からなかった。それは、神田近辺の鰻屋だとか食事処は、やはり辛口の味付けになっていたからである。昼、夜、その辛口に浸っていると、連綿と続く江戸前への拘りやその根底に流れる醤油の旨みを追求したり、その奥深い味に多少なりとも理解を示す気分になってくる。あるときは鬼平犯科帳の長谷川平蔵の食べているものに共感したり、「うーむ、こういうのも美味いって言うんか!」と自らの基準に対する認識の変更を余儀なくされたり、それに一種の憧れとか、誇りを覚えたりもしたからである。ただ、いずれにしても池波正太郎は、それほど美味いものを食べていたとは思えない。

  余談ばかり長くなってしまったが、今日の「どん兵衛 生蕎麦食感」の見方だが、生蕎麦食感が得られる茹で時間は非常に範囲が狭く、湯上げの時間的難度は高いとみた。時間が短いと一部に丁度良い案配のところが生まれるが、未だ硬いところが残ったり、逆に、少し時間が長いと、伸びた感じが隠れていたり、鍋の中で麺を躍らせながら、ほんの僅かな違いを見逃せないのである。いまだ合計で7食程度しか口にしていないが、生蕎麦食感はカップめんのピン蕎麦のほうが良く出来る。出汁は少々甘めで、鰹だしと醤油の「かえし」は、馴染みがやや曖昧で「関東風の切れ」が足りない。かといって関西風としては、「色と味が濃すぎて」通用せず、どこをかえしのターゲットにしているかわかりにくく、全国展開の苦しい側面が推察される。ここは、はっきりと関西風に別れを告げるべきで、関東風一筋で味に拘って欲しいものだ。今回は、関東の蕎麦の基準に合わせ、少々辛口になってしまったが、「同社の関西風うどん」とは大きく異なる商品価値に対する期待感の表れとして理解されたい。
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2013/12/17

インカの塩とオイル

   標高3000mのアンデスの高地にあるという「天空のマラス塩田」では、湧き出る高濃度の天然塩水を使って、インカ時代の以前から天日塩作りが盛んに行われてきた。今でも、当時のまま渓谷の上方から塩水が流れ出し、斜面に日本の棚田(急斜面に段々に続く田畑)のような形をした3800もの塩田へ、水路によって幾重にも導き、高地独特の強い天日で水分を蒸発させ、天日塩が作られている。アンデスは、かつて海であった所がプレート移動で隆起し、その力で山脈が形成された経緯を持ち、地中にあった海水が閉じ込められ、時間とともに濃度が高められた。インカ時代は、この塩を使って保存食、病気の治療、ミイラ保存にも使われていたと言われ、大地の豊富なミネラルを含みながらも太陽エネルギーが降り注いだ、類まれな天日塩ということのようだ。

  今日は、そのようなペルーから来た歴史的にも珍しい塩(税別価格500円)と、もう1つ、インカインチオイル(税別価格1,505円)を入手しので紹介しておきたい。インカインチオイルとは、グリーンナッツから搾ったもの。グリーンナッツとはトウダイグサ科のつる性の植物で、絞ったオイルには、オメガ3(53%)、オメガ6(33%)、オメガ9(8%)などが含まれている。オメガ3とは、α-リノレン酸のことで、青魚や魚介類に多く含まれるDHAやEPAが属する。酸化に弱い必須脂肪酸で、生のまま摂取すべきもの。一方、オメガ6とは、リノール酸のことで、サラダ油やドレッシングに多く含まれているので、日常的には、むしろ採り過ぎに注意したい油である。オメガ9とは、オレイン酸のことで、オリーブ油やキャノラー油が代表格になる。これもオメガ3同様に積極的に摂取したい。つまり、インカインチオイルの60%は、人が外部から摂取しなければならない油が含まれていると言うことになる。このインカインチオイルは、インカ時代以前から食べられてきており、高度な文明の発達には、やはりミネラル豊富な塩とオメガ3/6/9オイルがバランスよく必要だったと思われる。

  オリーブオイルは、野菜に生のままドレッシングとして使われる事が多い。また、健康のためには、エキストラバージンオイルをそのまま戴くのがよいという年配の人も多い。しかし、インカインチオイルの優れた特徴は、酸化に弱いオメガ3に属しているにもかかわらず、抗酸化力はオリーブオイルの2.5倍ほどあるとされているため、加熱料理にも使える特徴があり、これも類まれな優位性といえる。早速、何か加熱する料理に、インカ天日塩とインカインチオイルを駆使してみたいと考える。そこで、季節外れだが、春を感じるハマグリと菜の花のパスタに使ってみたい。プロセスを簡単に説明すると、ハマグリはよく砂出しをして、殻をよく磨いて酒蒸しにする。パスタと菜の花は、インカ天日塩の入ったお湯で茹で上げておく。インカインチオイルでガーリックを焦げ目が付くぐらい熱を通したフライパンに、ハマグリとパスタを入れて和える。最後に、ブラックオリーブと菜の花を乗せて出来あがりである。

  贅沢にインカインチオイルをたっぷり使ったパスタになったせいか、それとも、インカ天日塩の効力が発揮されたのか、随分いつもと違った趣向の味になってしまった。確かにオリーブオイルにありがちな「独特の香り」はなく、自然にハマグリの美味しさと菜の花が引き立っている。それも、まるっきりハマグリの出汁に馴染んだ感じがするから不思議だ。塩に関しては、いつも使っている瀬戸内海の赤穂の塩とは大きく異なり、ミネラルの成分か鋭さを感じるので、少々塩分控えめで良い。天日塩とインカインチオイルの組み合わせと、優しさのある赤穂の塩とオリーブオイルの組み合わせの、どちらが美味しいかと言われると、前者の方は、魚や貝など海産物との相性は良さそうで、しばらく加熱用に色々試してみたい気分になる。もちろん、インカインチオイルが、α-リノレン酸ということで、老齢化によるボケの防止にも役立つとすれば、少々のことなら、こちらがいいと判断するのは自然なことかもしれない。
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2013/12/13

和風 焼き蕎麦

    過去にも、将来も、社会から期待されるのは「ペアのヤング」に決まっている。つまり「若者二人連れ」(=勿論、男同士ではない)である。彼らをぺヤングと言うらしい。これをブランドに使った会社が群馬県にある「まるか食品」である。言わずと知れた「即席のやきそば」で有名な会社である。拘りすぎではないかと思うぐらい「やきそば」の様々なバリエーションの商品を製造・販売している。中でもオリジナルのぺヤング「ソースやきそば」が有名で、その商品一本で世界をまたに掛けて商売を広げてきたのである。こういう好調な看板商品が存在すると、それに関連する姉妹商品は、そこそこ売上げを伸ばす事が出来る。しかし、新たな分野の次の商品の開発は、なかなか難しいようだ。特に即席めんを専業とするメーカーは、その設備投資に巨額が必要になるため、そう簡単に異なる即席めんの製造へは手を出しにくい。しかし、今後、好調が未来永劫続くわけではないので、色々と開発を進めておきたい筈である。

  ぺヤングが次に開発を進めてきたのが「和風の焼き蕎麦」である。日本の「焼き蕎麦」って、本来はこういう形態の物をイメージしていたのだろうと、そのイメージをそのまま具体化した商品を作り出したのである。紺色のパッケージは、まさに蕎麦屋の暖簾をイメージしてある。うーむ、なんとなくそんな雰囲気になってきた。パッケージに写し込まれた写真に、若者はちょっと抵抗感を拭えないかもしれないが、そういう田舎造り風も、見方を変えると「古き良き日本」をイメージしていて、そういう気取らないコンセプトにも好感が持てる。いったい、誰が考えたのだろうか、そんな興味が湧いてくる。その興味は、じわっと商品の中身を想像し、食べ方や、風味、食感などへもイメージが様々に広がってくるのである。

  早速、手にして作り始めてみた。紺色のパッケージを開けると、何と!かつてのぺヤング「ソース焼きそば」と同じ白い容器が出てきた。それに、容器一杯にお湯を投入し3分待ってお湯を切る。手馴れた作業である。40年近く経っても何も変わっていないこの作業に、むしろ懐かしさを感じる。
こういうユーザーが抵抗無く触れることも1つの「共通財産」である。お湯が切れたら、添付の調味液を加えて攪拌する。調味液は、出汁醤油が濃縮されたものである。これを蕎麦麺の周囲に絡み付けて味付けとしている。攪拌する間に出汁醤油はすべて蕎麦に絡みつく。最後に海老入り揚げ玉、ねぎなどのかやくを加えて出来上がりである。

  それを別のお皿に移し変えることもなく、昔の「ソースやきそば」のようにそのまま容器に食らえつく。一口二口ほおばってみると、少し硬目だけど 「まあ、美味しいね」と言った感じである。うーむ、この「待つ時間の3分」は少々短かったと言う印象が残った。もう少し麺が柔らかくなった方が食べやすいように感じる。したがって、3分経ったら蓋を開き、お湯の中で麺を伸ばすようにして攪拌し、蓋を閉め追加で1分ぐらい待つのが良いと思う。

  それこそ、蕎麦好きの宿命なのだろうか、好きそうな「冷やしたぬき蕎麦」風の食べ物になった。調味液がなかなか「いいお味を出している」といえそうだ。そうそう、ちょうど、海苔に巻いて食べたら、「神田の藪そばの蕎麦寿司」にも似たお味である。もともと一般的な品書きには無い「神田の藪そばの蕎麦寿司は、客人に珍しいものだから」と言って、紹介ついでに注文することはあったが、高価な割にはいまひとつで、誰でも一口ですぐに飽きる。むしろ、このぺヤングの焼き蕎麦を海苔で巻いたほうが、蕎麦自体に味がついているので美味しいと思う。藪そばも暫くは行くこともないので、このぺヤングでお茶を濁すことにしたい。
ではこちら
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2013/12/10

ラビトス ロワイヤル

  どんなに美味しそうで、想像力をかき立てる商品であっても、宣伝、価格、美味しさ、あるいは入手し易さや商品在庫量など、さまざまな条件がバランスよく揃わなければ、市場は受け入れてくれない。何か1つでも欠落すると、それがきっかけで、忘れ去られてしまう可能性さえあるからだ。特に、海外のチョコレート菓子の輸入は、大量に扱えばそうでもないが、多品種を少量で扱う事が多く、在庫が十分確保できず、売りたい時に在庫が無いという現実に直面することも少なくない。また、為替の変動で販売価格が値上がりを余儀なくされたり、いくつかの苦難に直面することが多い。それにもかかわらず、まれに根強い人気を誇る商品もある。ただ、数がたくさん売れる商品であれば、すぐ国内メーカーが真似をして類似品を発売するが、最近は、意外にも輸入される人気商品は高価格な物が多く、売れる数量自体が少ないこともあって、まれに独走状態が続くこともある。

  それには、珍しい食材を使っているとか、形が可愛らしいとか、どのような美味しさなのか想像を巡らせてしまうとか、色々あるようだが、最近はもっぱらネット上の「口コミによる美味しい感想」が大きく影響して、販売への後押しをしているようだ。本来、チョコレート菓子は、純粋なカカオマスに砂糖、香料、脱脂粉乳やココアバターなどを混ぜ込んで作られているが、少量でも高い品質を味わう板チョコから、洋酒を内部に閉じ込めたり、果物をチョコレートで包んだ商品など、カカオマスの使い方に無限のバリエーションが存在する。日本国内では、チョコレート自体をバリバリ食べるというより、ソースのようにチョコレートが一部に固められ、その美味しさと一緒に噛み砕かれながら「お腹の足しになる商品」が若者に愛されている。ポッキーとか、きのこの山とか、タケノコの里などが良い例といえる。また、たくさん食べない大人としては、甘さ控えめで、少量なのに「純粋で高品質なチョコレート」例えば、カレ・ド・ショコラカカオ70等が好まれる。いずれにしても、カカオマスの消費量は案外少ない。

  カカオマスには、大量のポリフェノールが含まれていて、健康に対する諸悪の根源と言える「活性酸素」を抑える働きがあると言われている。それによって、動脈硬化の予防、コレステロール値の抑制、癌発生(特にチョコレート摂取量と胃癌との相対関係が統計的に示されている)のリスク低減、運動機能の低下や白内障などの老朽化の防止などにも、良い結果をもたらすようだ。また、カカオマスには、食物繊維やミネラルが豊富に含まれていて、食の細い女性や働き盛りのお父さんの健康増進に欠かすことの出来ない食材ともいえそうだ。今日は、最近話題になっているスペイン産の独創的なチョコレート菓子「ラビトス ロワイヤル」を紹介したい。これは、いちじくにトリュフクリームを詰め、それをチョコレートで包んだ構造になっている。

  いちじくにも、大量の食物繊維、カルシウム、ビタミンB1、B2、鉄分、灰分、ビタミンCなどが含まれ、薬効としては、消化器系の不調である便秘や痔などにも著しく効果があるとされる。カカオマスと組み合わせると、たいへん優れた健康食材となっているようだ。このラビトス ロワイヤルには、いちじくとトリュフクリーム、おまけにブランデーといった高級食材を惜しげもなく使ってあり、密度の濃い印象が滲み出て来る。充実した甘さの中に、粒々した食感のいちじくの懐かしさが感じられ、トリュフクリームやブランデー、いちじくといった順に異国情緒が広がりを見せる。確かにかつて口にしたことの無い美味しさといえる。商品として高価な部類に入るためか、年配の人たちからも高い評価を得ている。人生で一度は食べておきたい商品といわれている理由も分かる気がする。
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2013/12/06

島根 わさびめかぶ

  食意地だけが自慢の私でも、時たま、食事が終わると、案外「物を食べるって疲れる」と思うことがある。まだ時間は早いのに、もう、そのまま寝ちまった方がいいやと、気持ちも緩みがちで、つい横になってしまう。もーう、牛になりそうだ。こういう場合は、きっと、今の体力では、食べすぎなのだろう。その理屈で言えば、「食事の量=体力」なのかもしれない。確かに、体力が無いと食べ過ぎは胃腸の負担が大きく、消化にも時間がかかる。だから、あくまで腹七~八分目程度の量で、生命維持に必要な栄養が採れるように、自然に工夫をするようになるのかもしれない。これからは気をつけるよう心がけたい。

  そんなこともあって、やっぱり、今日も、以前に紹介したように、侘(わび)とか寂(さび)の思想を「食の世界に取り込んで」何気ない食事でも、古くから親しまれてきた食材を加えることによって、より美味しく、より健康的に楽しもうとする話の続きをしたい。侘(わび)とか寂(さび)というと、少々大袈裟に聞こえるかもしれないが、少量でも、それなりに「体に良い効果がある食材」を選んで、納得しながら口にする、つまり「それを、たいへん美味しい。と考えるべきだ」と思うのである。これも、時たま食べ過ぎてしまうのを、控えるための手段の1つにしたい。

  今日は島根の特産である。瓶詰めの中身をそのまま商品名にしたと思われる「わさびめかぶ」という名称である。これは、瓶を横から眺めると、下に山葵(わさび)の層と上に芽株(めかぶ)の層と、2つに分けて詰めてある。この状態によって、山葵だけでも、芽株だけでも、あるいは混ぜて一緒にしても美味しいという、3色の味わい方があるそうだ。芽株は少々ねばねばで覆われ、山葵は辛味が抑えられていながらも香りがよく、少々甘目の風味で優しさに包まれる。最初口にした印象は、最近少なくなったが、老舗の寿司屋で、刺身を頼んだ時に、つまとして洗いざらした芽株が乗ってくることがある。その芽株、刺身、山葵が渾然一体となった時の香りを思い出したのである。妙に懐かしい薫りと空気感に包まれてしまった。その気分を大切にして応用してみると、温かいご飯には、もちろんぴったり合うが、意外にも蕎麦の上に乗せていただくのも美味しい。まだ、他の食べ方も色々あるかもしれないが、炊き込みご飯なども含めて和の食材なら世界は広がる。

  それでは、それなりに「体に良い効果がある」とは、どこを指してそんなことが言えるのだろうか。芽株とは、わかめの茎の部分で、わかめの増殖をつかさどる胞子が作られる部分でもあるため、わかめの豊富な栄養が凝縮されている。その芽株には、ビタミンB1、B2、 カルシウム、ヨード、鉄分、ミネラル、さらに、ねばねばなどにはアルギン酸、フコイダン等の食物繊維が豊富に含まれている。昔の人は細かい事を知らなくても、体にいい感じがして、好んで食べていたようである。だから海辺で煙草を吸いながら海を眺めて過ごす、骨皮筋衛門のような「じいちゃん」は長生きなのである。答えは、そのねばねばにあった。特に、フコイダンは、最近医学的な研究が進められており、注目されている素材である。研究によると、癌細胞に選択的に働いて自滅させる特殊な作用(=これをアポトーシス誘導という)があるとされ、抗がん剤の一種として食事療法に幅広く利用されている。その他にも、さまざまな研究が進められており、今後も臨床応用で注目される食材のようだ。
https://onedrive.live.com/view.aspx?cid=CFBF77DB9040165A&resid=CFBF77DB9040165A%211421&app=WordPdf

2013/12/03

クリスマスのお菓子

   この時期になると、師走の慌しさに隠れて、クリスマスの気配を感じる商品が何処からとも無く玄関に積まれてくる。クリスマス前に会う人に「子供さんへのおみやげにどうぞ」という程度の手軽さで手渡せば、貰った方もさして負担にならず、素直に喜べるという品の良い贈り物である。この積み上った中には恐らく予備が含まれていて、最後は私にも回ってくる。しかし、横目に見ながら遠慮をしすぎて、時間が経つと風味が落ちるかもしれないので、気になって仕方がない。そこで、写真撮りと称してそれらを開けてみることにした。特に興味を持ったのは、イタリアのクリスマスケーキである。パッケージにあるようにサンタクロースが何処と無くユーモラスで、美味しそうなケーキを覗くような顔つきである。

  もう1つは、綺麗な模りのある缶に入った ドイツ ハシェのチョコレートの詰め合わせである。種類の違うチョコの5粒入り(1粒250円相当)で、アーモンド、ヘーゼルナッツ、リキュール、ブランデー、ワイン、アマレットなどを使って贅沢に仕上げてある。こちらは、渋い缶の色使いに目を奪われるが、中のチョコ1粒1粒には、天使の贈り物のような「優しい幸せへの拘り」がふんだんに封じ込められている。口に運んでみると1粒1粒が凝りに凝ったチョコレートであることが分かるし、口の中で一挙に贅沢感が広がる。そんな「1粒ごと、口にしては美味しい」と呟くような商品である。それこそが、夢のあるクリスマスならではの商品といえるかもしれない。

  やはり贈り物は、見かけより夢があって価値のあるお品を選ばなければならない。たとえば、ビジネスマン風に表現すれば、名刺がわりに「キャリーオーバー発生中のロト7の申し込みカード」を手渡すようなもので、そこには、僅かな金額でも、夢を与えてくれる方が良いに決まっているのである。日本人は、贈り物が好きだが、高級なブランドが良いとか、高価なものが良いとか、やや田舎風の感覚を感じさせるケースが多い。貰った方は、負担になることはあっても嬉しくはない。そんな気持ちも知らず、見栄を張った贈り主は、それ自体で満足しているのである。そこは、贈られる人達の気持ちをどこまで慮る事ができるかが重要なのではないだろうか。そういう気持ちが伝わってこそのプレゼントなのである。

  さて、話はイタリアのクリスマスケーキに戻るが、これが意外に美味しいので嬉しい気分になってしまった。価格は、上記ドイツ ハシェのチョコレートのたった2粒分(500円相当)でしかないが、以前に紹介したイタリアのクロワッサン風のパンに入っていたココアクリームと同じ味で、不思議とイタリアを彷彿とさせる甘さが堪能できてしまうのである。そうそう、エスプレッソのコーヒーに合いそうな感じである。私が幼い頃はこのくらいの甘さのものが多かったと思うが、今の子供さんには、少々難しいというか、お母さんから叱られそうな甘さで、この甘さに慣れてしまうと、「もう不二家のケーキは美味しくない」と拒否してしまうかもしれない。もちろん、甘さだけに留まらず、ココアのコクのある奥深さと、取り巻くホワイトチョコレートの風味が独特の魅力を醸し出している。
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2013/11/29

イタリアンなサンマ缶

  食事のメニューに関する発想には限りがある。「今日は何が食べたい?何でもいいよ」の会話に隠された、「君の創作性だけが頼りだよ」の願いに代表されるように、頭の中には色々あるとしても、毎日のことなので、最初から考えることが「面倒」なのである。しかも、その為の食材の調達、味の調整、彩りなど、全体として食欲をそそり、家族で満足できる結果を共有することは、素晴らしいことなのだが、既に現代人は疲れているのである。やはり、頭脳、行動力、味覚へのこだわり、色彩感覚、など食卓を飾るには、いささか多彩な能力とパワーが要求されるためである。また、定型的な会社の仕事に比べれば、「食事の支度は難度の高い作業」なのに評価されることもない。出来て当たり前なのである。さらに、前回評判が良かったからといって、それを再現すると言う一辺倒な取り組みでも許されない。そこで、バリエーションを豊かにすることが出来て、手間の掛からず、少し頭を使えば何とかなる「ベースになる食材」が求められている。

  そんな要求に応えるかのように、最近の食材ニーズは、ピンポイントでターゲットを絞る傾向が強くなっている。つまり、メニューごとに用意される半加工食材である。お肉を入れてすぐ出来るという「○○の素」と言うものだが、若干味が濃い目にもかかわらず、種類が多いので飽きが来ず、意外に「いいね」と言われるものが多くなっている。他方で、それでも、食材の産地情報、あるいは加工地など、安全性のことも考慮すると、素性の分からないものより、改めて日本近海で取れた、昔ながらの魚の缶詰の良さが見直されつつあり、そこに、何か新たな提案を付け加える動きも始まっている。様々な用途に使える料理専門家向けの水煮缶だと、あまりにも使い方が多様すぎて迷うし、もっと、早く食べたいのに、どうやって味付けすればよいか分からないという消費者も少なくない。そんな一見簡単そうに見えるものでも、「こうやって食べてください」とメッセージ性の高いベース食材になる缶詰が、今、人気を得ているのである。

  「いったい逸れは何なんだ!サンマの缶詰なら蒲焼だろう」と思われるかもしれないが、今日紹介するサンマの缶詰は、意表を突かれた美味しさで重宝している。しばらく、「侘び寂の気持ち」を忘れて、「イタリアンな気分になりたい日」には、この缶詰をパカッと開けて、生野菜をあしらったサラダにポコッと乗せたり、茹でただけのパスタへドサッと乗せて、そのまま合えたりするだけで、サンマの贅沢感と満足感が一緒に押し寄せる。もう気分は南イタリアなのである。なんと150円そこそこの商品で、何時でも何処でも気分が変わる。しょうゆ味の蒲焼に飽きてしまった人もサンマの美味しさを見直すに違いない。オリーブオイルもたっぷり入っているし、味付けもなかなか宜しいようで、ぜひ常備しておきたい缶詰なのである。 

  このサンマの缶詰めには、1.トマト&バジル、2.オリーブオイル&ガーリック、3.香草焼きの3種類用意されているが、今だ香草焼きは入手できていない。トマト&バジルは、香味油やトマトペーストがたっぷり入っているので、そのままでも美味しいが、さらに生のトマトやバジルの葉を組み合わせることで、爽やかな酸味と香ばしいサンマが豪華さと贅沢感を演出してくれる。サラダやピザにも合うが、やはりパスタとの相性も良い。オリーブオイル&ガーリックは、明らかにサラダ向きで温野菜を炒めたところにパカッと組み合わせて楽しめる。いずれも、質の良いオリーブオイルと香ばしく焼き上げられたサンマが利いていて、充実したメニューの1つになり、食事がより楽しくなる。
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2013/11/26

カレ・ド・ショコラ4種

  「好きこそ物の上手なれ」と言う言葉がある。好きな事には自ら積極的に取り組むことによって、上達が早いと言う意味だが、人によって、色々幅広く拡張した使い方をすることがある。これも、正しい使い方かどうか分からないが、例えば、京都で「美味しい和食のお店」を探すのに、そのお店の「下ごしらえしている昼中に出ている匂いによって、そこのお店の料理が美味しいかどうか、分かる」という人に対しても使う事がある。いや、そんな嗅覚で美味しさを知ることぐらい、あたりまえだと言う人も少なくないが、これも、一種の経験則によって「基本となる出汁の美味しさと、換気扇から放出される匂いとの相関」が図れているということなのだろう。

  さらに特化して、好きな食材ならば、全てとまではいかないが、ある程度の原産地まで分かるという人もいる。殆どの料理人は、そのくらいの高いレベルの感性を持たないと、自分の調理技術を生かすことは出来ないが、それこそ人の感性の奥深さを物語ることとして興味深い。一方、それを逆説的に活かし、一般人が知らない食材の原産地を提示し、その食材のベールに包まれた美味しさを提案するということもある。「真冬の○○産」だから、「渦潮のおきる○○で採れた○○」だから美味しいというのも、その良い例である。我々は、そういう裏付けや、食感による経験を積み重ねることで、その美味しさを知ったり、その本物と偽物を嗅ぎ分ける感性を得ることになる。

  また、食べ慣れた食材は、ほんの僅かな違いであっても、「どちらでも良い」という判断よりも「こちらの方が美味しい」という判断になることが多い。料理人あるいは製造者からすれば、その判定を1つの喜びとして、そうやって、自らの判断と顧客の感性が一致し、それが正しいことを確認することで創作意欲を高めたり、競争力を磨いたりするのだろう。原産地が日本にない食材に関しては、まるで方向感はつかめないが、「知る人ぞ知る」ということで、専門筋の製造者から多くの美味しさの背景説明を得て、少しずつ理解を深めることになる。つまり、生まれ育った成長時の経験からくる感性は、その人の味覚として大変重要な根拠と言えるが、美味しさの判断力は、さらに経験を増やすことで磨かれる部分も多いと思われる。

  今日紹介するチョコレート4種は、そのような原産地の風味や薫りを知らない顧客にも、納得感のある美味しさを提供してくれた商品といえる。製品としては、ずいぶん前から存在していたが、最近さらに、新鮮味に加えて、パッケージの色に深みを持たせたり、文字の書体を変えたりするなど、ラインナップを一新している。そういう、「細かい改良とか改善でも、時として消費者を引き付けたり、感動させることがある」と言う良い例である。むしろ、その方が自信の表れとして好感されるのである。そんな、日本のチョコレートは、派手さを控えた本物志向で、上品な風味が生かされて美味しいが、この シリーズは、その中でも格別と言える。恐らくこの価格帯で右に出るものは無いはずだ。チョコレートは開封すると日々品質が低下するので早めに消費したい。
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2013/11/22

つつじヶ丘駅の蕎麦屋

    意外なところに、その蕎麦屋はあった。京王線のつつじヶ丘駅の建屋北側の1階で、いわゆる一般的な呼び方だと「駅そば」ということになる。元々駅そばの歴史は古く、全国の主要駅の構内、あるいはホーム上にあるファーストフードとして、その店舗が存在していた。電車の僅かな待ち時間を利用して「即効性と低価格」を売りにしてきた。しかし、時代と共に、蕎麦の上に乗せる天ぷらなどの種類にも工夫はあったが、煮詰まった出汁や、のびのびの麺などに代表される、取り残された昭和の薫りといった「時代遅れ感」も漂っていて、売り上げに陰りが見え隠れしているのが現実である。それに対して、他方を見ると、蕎麦も、ラーメンも、うどんも先進的なお店が流行している。そこには、ハイテクマシンが様々な仕様の麺品質を自動で実現しているのである。もはや、規模にこだわらず、そのハイテクマシンさえ使いこなせれば、様々な麺を製造できるし、今日から誰にでも寸分たがわず美味しい「老舗の蕎麦屋と同じ蕎麦」が提供できる時代になったのである。

  蕎麦が好きな人は、せっかちな性格で、優れた精神力を備え、割合細身の体系で、高血圧や糖尿病からも縁遠い。つまり、蕎麦を積極的に食べると、最近の食生活からすれば、特別に元気は出ないかもしれないが、長い目で見ると健康を維持するのに役立つと思われる。まあ、そんなことは、誰でも知っていることなので、改めて申し上げることもないが、実は、歳を重ねると誰でもそのような気分が頭をもたげ、他人に習って蕎麦を好む傾向になる。しかし、年配の人にとって、胃腸に負担のかかってしまう蕎麦は嫌いである。例えば、「老舗の神田の藪そば」は、客の年齢層が高いため柔らかい蕎麦が出されている。そうなると、昔の印象のまま、わざわざ老舗と言われる蕎麦屋まで出向くことも減ってくるのである。しかし、お寺参りなどをした後に、蕎麦屋に寄って「もり」でも一枚戴きながら時を過ごす風景は、粋な感じに見えるのである。

  寺参りと言えばこの辺りでは深大寺だが、調布と並び深大寺へのバスが発着する場所がつつじヶ丘である。休日のバス停には、年配の人たちによる長い行列が出来る。バスが深大寺へ到着すると、参道の蕎麦屋が手ぐすね引いて客を待ち受けている。しかし、どこも混み合っていてお店が決まらず、口惜しい思いをすることも多い。そういう時こそ、帰りに、つつじヶ丘駅北口にある、この「万葉そば」に寄ってみるとよい。ここの蕎麦は二八蕎麦である。お店に入ると、まず、食券を購入してカウンターに提出し、番号札を受け取る。お茶、蕎麦湯、薄い出汁を茶碗に入れて席に着く。番号が呼ばれたら交換に行く。まさに駅そばの手順そのものである。今時は、冷たい蕎麦を戴くにも、暖かいのを戴くにも適した季節感である。珍しく、いずれもそれに適した麺品質で作られている。あと、天ぷら付き、あるいはご飯もの付きの蕎麦も組み合わせることが出来る。

  この美味しい「万葉そば」品質で、この価格なら、誰でも満足できるはずである。当初、このお店の噂を小耳に挟んだ時は、「どうせ、駅そばでしょ?」と首を傾げる程度であったが、実際口にしてみると、「おおっ、そこそこいけて 旨い!」と意外な思いをしたのである。実はそういう人達は巷に溢れていたようで、夕方は混み合っている。それ以来、つつじヶ丘へ行く度に、足が自然にそちらに向いてしまう。夏場は週2回のペースで訪れてしまった。腰が強く、喉越しの良い蕎麦で、腹持ちも良い。ただ、蕎麦つゆは、神田や日本橋の蕎麦屋のような江戸前風とは異なる。そこが真似の出来ない老舗の味と諦めなければならない。ここのそれは、ごく普通のやや薄めのつゆで、どちらかと言えば昆布だしの香りが際立つ。メニューは、ぐっと価格が抑えられている割には、それなりに色々揃っている。あと、マイ薬味として「山葵、山椒、一味」等を携帯して行くとよいかもしれない。美味しいけれど、期待しすぎは小吉。風まかせなら大吉といったところ。
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2013/11/19

尾道 特上しそ昆布

  歳を重ねてくると、食事もたくさんは食べられなくなるし、美食をすれば体に良くない、そんなことから、昔に比べると品疎に見えるものを並べることが増える。そこには、日本人本来の生活観から生まれた質素な精神に遡り、素材の持つ美味しさとか、伝統的で長く愛されたものを好む気持ちが目を覚ますのである。そして、それは、人生観に裏打ちされた一種の美学として、格調高い言葉で表現すれば、侘(わび)とか寂(さび)を自己中心的な食の世界に取り込むことなのである。そこで、家族に対する一種の精神力の優位性を見せ付けることが出来るというものである。うーむ、それが大人か。

 そうはいっても、今となっては、少々汚染された食材が混じりこんでいても、先に寿命が尽きてしまう関係上それほど気にすることも無いのに、最近は輸入品にもめっぽう気になることも増えてきた。物事を疑う目だけが肥えてしまっているので、やはり国産に拘り、老舗の商品を信じ、それでも、同じものを続けて食べないようにしようとか、やはり考えることは多くなる。とは言いながらも、老舗の職人は、そこはかとなく信頼出来ると考えている。それは、素材の源泉を管理し、かつ製品工程に積み重ねた知識や経験が活かされ、仕事に対する誇りと伝統的な厳しい拘りとが共存しているからである。もちろん、仕入先の公表や製造工程の公開、あるいは、最新の製造設備の導入などは言うまでもない。

  さて、今日の話は昆布である。これは、鰹や椎茸と並んで日本人の最も敏感な食材である。これこそ、まやかしの効かない食材といえる。出汁で使うには、そこそこ生産地さえ把握しておけばよいのだが、ご飯のお供となる佃煮となると話が違ってくる。もちろん、昆布を加工する会社は全国にたくさんあり、その製品の種類や用途も整備されている。このような語りつくされた食材にも、我々が知らないだけで、長く愛せる本物の美味しさが潜んでいることを認識させられたのである。そんな伝統的な製造に拘り、独創的な美味しさを守る会社が尾道にあった。その商品が、今日の「特上 しそ昆布」である。そう、「特上」なのである。誰でも「これは美味しそうだ!」と思うに違いない。

  ある「高級食材のお店=色々珍しい商品が並んだお店」での話である。そこの、商品の1つのおにぎりの中にこの「特上しそ昆布」は使われてきた。その、おにぎりのあまりの美味しさに、中の具だけを分けて欲しいという依頼が殺到したそうである。そこで、そのお店では、「その昆布の佃煮は、この尾道の会社の商品を使っている」と案内を出し、その小分け商品も取り扱うようにしたのである。それが人気を次々と呼んで、おにぎりも、佃煮も両方売り上げを伸ばすことが出来たという。今でもウハウハの売れ筋の商品なのである。この「特上しそ昆布」を作る会社は、尾道では知る人ぞ知る会社だが、今、東京でもブレイクしようとしている。しその酸味と、昆布の旨みに、甘みがついていて、この3つの味覚がバランスよく口の中に広がり、ご飯のお供には最高の佃煮となっている。これこそ、俺の趣味に合った侘(わび)とか寂(さび)に適した食材の1つとして確保しておきたい。
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補足:侘(わび)/寂(さび)→侘(わび)とは、無駄が無く実質を重んじ、単純なもの、普遍なもの、自然のまま、純粋なもの、それらを評価する概念。寂(さび)とは、静かで動きおそく、長い時間の流れを僅かな変化で感じさせるさまを美しいと評価する概念。


2013/11/15

冬季限定チョコレート

   チョコレートの美味しい季節がやってきた。チョコレートは高い外気温を嫌う。ひと夏過ごしたチョコレートには、必ずと言ってよいほど脂肪分が解け出して、表面が白くなる「ファットブルーム」という現象が現れて、風味が損なわれている。それだけではない、時間が経過すればするほど中に封じ込められているイチゴ、レーズン、オレンジ、あるいは洋酒などの成分もその品質を失う。それを嫌って、チョコレート好きは冬でも「購入したらすぐに口にする癖」がついている。もちろん、それが一番美味しいからだ。メーカーは、古くから徹底してそれを顧客に吹聴し、習慣化するよう植え付けてきた。それが功を奏して、今や冬季限定して、普段よりさらに食感に磨きをかけ、美味しい生チョコに近づけた商品を提供できるようになった。

  冬季限定と言えば、古くから人気の高い商品として、ロッテのバッカスとラムレーズン・チョコレートがある。この商品は、発売以来40数年になる筈で、中高年の方々から愛されている。だから、店頭に並ぶや否や、すぐに手に入れるという人も少なくない。そのパッケージは懐かしいままだが、チョコレートの風味は少しづつ改良されており、より美味しさを極めてきた。今日は、そんな色々取り揃えてある冬季限定商品のバスケットの中から、一口商品として人気の高い「明治のMeltyKissとロッテのGhanaCube」合計7種を集めてみた。紫パッケージのMeltyKissの「口どけラム&レーズン」を除き、6種は、全て同じ形の15~17mm程度キュービックスタイルで仕上げられている。この大きさが、子供達から御婦人方まで、口の中で暖めながら、上品にチョコレートが溶け出す食感を楽しむには丁度良い大きさのようだ。

  ロッテのGhanaのパッケージには、「ホットチョコレート」と書かれてある商品が2品種あり、これは、口解けを楽しむ意外に、外出から戻った寒さを癒すため、ホットチョコレートとして温まることが出来る。それにはまず、カップにミルク120ccを用意し、電子レンジで1分ほど暖め、その中ににチョコレート7粒を投入し、1~2分してからスプーンでゆっくりかき混ぜる。それで「ホットチョコレートが出来上がる」というものである。赤いパッケージが「ミルク&キャラメル」風味で、黒いパッケージが「ブラック&ラム」風味となっている。GhanaCubeは、生クリームを使ったミルクチョコレートで、かつてのGhanaの懐かしい美味しさの中にも、新しく洗練された独自の食感と風味を加えている。

  明治のMiltyKissは、4種とも「口どけの美味しさと香り、豊かなカカオの気品ある味わい」に美味しさの重点が置かれ、パッケージ別にクリーミーショコラ、濃抹茶、濃いちごを閉じ込めてある。「MeltyKiss 口どけラム&レーズン」は、ラム酒漬けのレーズンが洋酒(アルコール分3.7%)入りの生クリーム入りガナッシュの中に封じ込め、それをチョコレートで包んであり、程よく口どけも楽しめて、おまけに芳醇なラム酒とラムレーズンの味わいが口から鼻に抜けるように広がって、素晴らしい。いずれの商品にしても、販売実績の高い商品を横目に見ながら、生風のチョコレートの口どけを加え、少量でも質の高い美味しさを楽しみながら、より低価格で提供出来るとする方向性は、時代のニーズを取り込む姿と言えよう。
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2013/11/12

ウォーキング7

    炎天下の日差しや、熱中症の危険と背中合わせだった夏場が嘘の様に思えて、噴出す汗が既に懐かしい。日差しに暖かさを感じながらも、外気温が低いと、これなら早足で歩いたって「いくらでも歩けるわい!」と思う今日この頃である。体調が良くなり、ついつい歩き過ぎたり、走りすぎてしまうと言う人も少なくないだろう。追い越して行くジョギング・クルーも増えた。先日は、野川の遊歩道で100m程度の距離を何度も繰り返して全力疾走する人を見かけた。私より年上にお見受けしたが、さすがに心の中で「そんな走り方は無理」と思いながら、つい、「凄いすね、足下に気をつけてください」と声をかけたら、息を切らしながら「短距離走大会」に出るとのことだった。どうも「若いものに負けたくない」様子が見てとれる。その彼が走る遊歩道には、たくさんのどんぐりが転がっている場所がある。そこで足をとられなければ良いがと思いながら先を急いだ。

  無理な運動をしても平気なくらい「気分の良い季節だ」と言ってしまえばそれまでだが、調子に乗ってしまうと、そのときは楽しいが、後で酷く疲れが出てしまうこともある。おまけに、翌日になって、足を痛めていることに気付くこともある。体のリアクションは年齢と共に先で発症するようになってしまった。そういう経験を幾度となく繰り返すと、案外無理な冒険はしなくなる。いつも「時間を決めて活動したり、同じコースを歩く」という消極策に留まってしまう。しかし、何か心の拠り所があると、調子に乗ってついついオーバーロードする傾向が目を覚ますことがある。それもこれも、無意識のうちに、自分の体力のマージンが増えているのではないかと、その余力を把握したい気持ちが沸くからだろう。つまり、ある程度無理をしても、疲れ具合が変わらないとすれば、それはそれで気分もよく、次の励みになるからだ。

  実は、最近アミノバイタルを補給してからウォーキングに出るようにした。4~5日目ぐらいから少しづつ効果が出ていて、歩いた後の疲れが意外に少ないことを実感し、自信に繋がっている。数年前、夏場にアミノバリューを飲んでいた時期があったが、その時もよく効いた記憶があった。あの頃は、いくつかの酸素水も比較のために飲んでいて、即効性には酸素水が有効だった。ただ、いずれにしても、取り扱い店が少なく入手が困難、おまけに500mlボトルなので、纏め買いは荷物になるなど何かと面倒で、いつしか入手しやすい飲料に変わってしまった。ところが最近、薬局で「必須アミノ酸BCAA」の広告を見かけて、つい思い出し、あたかも、ドーピング剤を購入する時のような興奮でアミノバイタルに手を出してしまったのである。顆粒で小さなスティックに入っているので、飲み方も自由で意外に重宝する。これを飲んでいるだけで、妙な自信が沸き上がってくるが、ただ、やる気のある時とか、調子が良いとかに限って故障することがあるので、そういう時こそ慎重に行動しなければならない。

 このアミノバイタルが、精神的な余裕となって活力の素というか、一種の精神的爆発力が生まれ、軽く走り出しながらコースを回っている。いつもの所でUターンして、さっきのおじさんのいた手前まで90分程度で戻ってきた。さすがに、もう居る筈も無いとあたりを見ながら進むと、ベンチに座って何か炭酸飲料を飲みながら、くつろいでいる様子であった。手招きされたので、声をかけないのも無礼かと思い、「何回ぐらい走りました?と尋ねながら近づくと、「14回」だという、何かしらないが硬いものを踏みつけたらしく、それ以降ここに座っている」とのことだった。彼が飲んでいたのは、酸素水であった。「それ効きますよね、疲れ知らずでしょう」というと、途中で話を遮る様に「いや、そこの階段のクランクした所で痛めたらしい」と彼は漏らしながら、悔しさをにじませながら足首を摩っていた。うーん、やっぱり。
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補足:アミノバイタルは味の素の商品。アミノバリューは大塚製薬の商品。いずれも必須アミノ酸BCAAを主体としたアミノ酸含有食品。

2013/11/08

鉄分、繊維入りのヨーグルト

  一般的に商品のラインナップは、様々なお客のニーズを先取りして揃えられる。しかし、ヨーグルトは、好き嫌いが口先だけでは決まらず、腹部にも好き嫌いがあるため、なかなか商品展開は慎重だ。実は、腹部の方が重要なのである。生きて乳酸菌が腸へ届くことは無いといわれているが、腸に元々住み着いている腸内細菌が、それを好んで食べるかどうかも重要で、自覚はないかもしれないが、生簀で自分だけの金魚を飼っているようなもので、金魚を生かすも殺すも自分次第ということになる。金魚にも好きな餌があるに違いない。

  経験的な話で恐縮だが、腸に住み着いている腸内細菌は割とわがままで、1種類のヨーグルトだけでは満足しない。そこは、何か相性があるのかもしれない。時たま異なるヨーグルトを食べることで、腸内ストレスを緩和したり、免疫力を活性化させると言われている。その実証体験には、食事の代わりにいつもと違うヨーグルトを用意し 1.ヨーグルトの大量投与を行う。2.食べた2時間後から腹筋や、3.軽いジョギングを行い、腹部に届いたヨーグルトがより広がるような動作を繰り返す。そうして、食べたヨーグルトと腸に住み着いている腸内細菌を早く遭遇させる。2~3日継続することで、除々に腹部の調子が顕になる。時には、腹痛に襲われるかもしれないが、便通などのローテーションが改善したり、活力が漲り、湧き上がるようなやる気が増すこともある。そうやって、数日後には体調が改善されるかどうか判断できる筈である。
 
  さて、10年ほど遡るが、腹部を手術した時に、教授の回診からこのような教訓を得た。それは、教授からの問いかけ「なぜ、お腹は骨でカバーされていないか、知っていますか」に始まった。それは、ベッドに横たわった私だけではなく、周囲にいた大勢の先生方へも問いかけるようであった。内容を要約すると、それは、四足の動物が常におなかをゆすって歩いたり、走ったりすることで、食べた物とお腹の腸内細菌をいつでも攪拌しやすくしているからであり、それによって健康を維持しているという説明であった。また、人間もそれによって免疫力が上がる事がわかっているらしい。続けて教授は「あなたも今日(手術の翌日)から、早く治すために病室の前の廊下を何度も往復しなさい。点滴や採血タンクは外せないが、疲れたら横になるとかして休み、痛みがあるようだと痛止めを入れますから、とにかく毎日歩きなさい」と言われたのである。その話を聞いて、周囲の先生方は口をそろえて「御意」とは言わなかったが、首を立てに振ったり、メモを取る若手先生も多かった。教授の話には、妙に説得力があってそれがいつまでも深く印象に残った。そして5日後の病院の最初の食事には、おかゆとヨーグルトが用意された。

  それまでは、ヨーグルトは好きでも、主食に代わるほどではなく、デザート程度の認識しかなかったが、実は、その後の経験で、ヨーグルトをある程度の量を食べるか、あるいは、やや重点的に腹部の運動を繰り返すか、いずれかの方法、あるいは両方で効果が挙がる事がわかってきた。いわば「お腹によいから程度の」単なる先入観で口にする程度では、目に見える効果は出ない。やはり、朝、昼、夜それぞれ乳酸菌発酵食品を戴くことがよいと思えるのである。そうすることで、特に強い腹部の運動をしなくても、腸内も騒がしくなってきたり、目覚めが爽快になったり、人によって認識できる効果に違いはあっても、体調管理が楽になる筈である。かといって、食べるヨーグルトによっては、食べ過ぎると太るので、カロリーの低いものを選びたい。最近は、ヨーグルトの中には、「鉄分や食物繊維の入ったヨーグルト」というのもあって、ちょっと腹部にはいいのではないかと勝手に好感している。このタイプのヨーグルトは反応が穏やかで価格も手ごろ、毎朝大量に戴くには適している。また、少し甘味と薫りが入っていて食べやすい。ヨーグルトと食物繊維の組み合わせは、今後の主流になるかもしれない。 
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2013/11/05

ディスカバリー12

   既に、何の役にも立たない部品達が、書棚に残されている。今度の不燃物の日には、必ず出そうと思っていても、つい「今でなくてもいい、いつでも捨てられる」と思って、そのまま棚に戻すことがある。時代を一緒にすごした品物は、なかなか捨てられない。だから、せめてその懐かしい品物の写真を撮ってから捨てようと思うのである。先輩方は、もっとそう感じることがあるに違いない。それが昭和を駆け抜けた男達の宿命なのであろう。

  以前「プランビコン撮像管の紹介時」にも書いたことがあるが、ビデオカメラに興味を持ったのは、社内で古い記事を探していた時に、たまたま見つけた「フィリップス4管式カメラのグラビア記事」だった。そこに載った写真と数行の文章を、何度も何度も読み返し「おー凄っごいな~」としみじみ心を揺さぶられたのである。その後、取材したJさんにその話をしたら、古い話(43年ほど前)なので、良く覚えていないと言いながら、そう誉めてもらって嬉しいと話してくれた。それが(36年前)きっかけである。そして、その気持ちに少しずつ油を注いでいたのが、同じ印刷所で作られていた「テレビジョン学会誌」である。それを毎月もらって読み漁り、「ほー、へー」とため息をつきながら少しづつ理解を深めていったのである。

    おおよそ静止画、動画を問わず撮像管を使ったビデオ・カメラと言うのは、搭載技術と画質との相関関係が直感的に理解できるようになるまでには、誰しも時間がかかる。一方、長年の経験のある会社の製品は、バランスに優れた画質を提供することがある。逆に、高いスペックが出ていても、新技術だけでは必ずしも思ったような「いい絵」が出るとは限らない、やはり、その違いにこそ経験に裏付けられたノウハウが存在する。撮影者も含めて、一般視聴者の多くはテレビの放送を漠然と見ていて、テレビと言うものはそういうものだと認識している。つまり、放送局で使われている標準スタジオ、ハンディー等、いずれのビデオカメラの画質をよく知っているのである。だからそれを下回る絵にしかならなければ、大いに不満が残ることになる。当時、業務用のビデオカメラを使うブライダル・プロダクションあるいは地方プロダクションでは、優れた画像を求める機運が高まっていて、それに適うビデオカメラを各社競って発売しようとする時期だった。その流行に肖かり、それらの画質を比較検討してもらうための紙面づくりに奮闘した思い出がある。この撮像管を観ながら、そんなことを思い出すことがある。

     それは、画面に現れる現象を、そのまま紙面で伝える、これがテーマだった。もっとも、波形で示せるような、1.振幅変調度、2.ガンマ特性、3.カラーベクトルなどは、パターン・ボックスに刺した透過型チャートを撮像し、そのまま波形モニターの管面を撮影すればよい。また、残像、ハイライト焼付けの違いは、ウインドウボックス撮像後、レンズにキャップをして僅かな出力を時間経過を追って多重露光してその違いを示した。また、サーキュラーゾーンプレートの撮像画面やスメア画像、ITE(カラーの楔)やレトマのパターン(白黒の楔)は、シバソク放送局用モニターCMM20-11(HR CRT 仕様)の画面を撮影した。その画面撮影には、6x6のボディーに4x5のレンズを装着し、垂直同期信号に合わせてレンズ・シャッターを駆動する回路を取り付けてシャッターのスタートのタイミングを統一して撮影した。この撮影技術を確立したことで、短い時間で発生するビートやモアレを正確に撮影でき、画面での比較が鮮明になった。もちろん、それを色分解したり忠実に印刷するために、印刷エンジニアにも細かい指示をした事は言うまでもない。このあたりは、テレビジョン学会誌はもとより、他誌で同様の撮影に成功している例を見ることはなかった。そして、それが MOVEment が好感された要素の1つだと思う。

  そういう時代に存在感を顕にし、業務用ビデオカメラ業界を牽引したのが「サチコン3管式ビデオカメラ DXC-M3」である。当時、業務用3管式ビデオカメラの主流がSMサチコンであったにも関わらず、MSサチコンを使い図形ひずみの低減や周辺解像力を改善した、画期的な仕様だったこともあって、多くのカメラマンから注目を浴びた。しかし、逆に「初期のサチコン膜」ありがちな残像という課題が残っていて、それが誌面上のデータでも他のカメラとの差となって現れた。上の写真は、そのMF(ミックスフィールド型=ソニーの呼び名)サチコン管S-2332である。偏向コイルが無い分コンパクトと言える(全長70mm)。
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補足1:シバソク放送用マスターモニターCMM20-11は、IQ復調回路搭載である。特注のHR CRTによって中心650TV本、周辺600TV本の仕様。
補足2:撮影用6x6カメラ→ローライフレックスSL66SE こちらはフォーカルプレーン・シャッターだが、撮影レンズ→カールツアイス大判用135mmレンズは、レンズシャッターを装備している。これを光学的に連結するアダプタを専業メーカーに作ってもらって使用した。
補足3:ビームの収束・偏向方式の略称 SM→静電収束・電磁偏向、MS→電磁収束・静電偏向を指す。
補足4:ディスカバリーのPDFに使用している昔の製品写真は、4x5のフイルムをフイルム・スキャンしてそのまま使用している。

2013/11/01

さばの缶詰

 人は誰でも、辛い思いをしないで、今より少し痩せたいと考えている。それもこれもスーパーのような人の集まるところで、「豊かな体を揺らして、子供を追い掛け回すお母さま方」を見てのリアクションらしい。「人の振りではなく、人の体型を見て、我が体型を直せ」と言うことなのだろう。しかし、何かしら、「とてつもない努力をしてまでは、頑張りたくはない」とも考えているようだ。やはり「如何に楽をして痩せられる」かが重要なのである。特に、「食べても痩せられる」という言葉に意外に弱い。既に、人目を気にする気力を失った体型は、いつか科学が発展して、「食べても食べても痩せられる」そのような美味しい食品が現れることを待ち望んでいる。

  数ヶ月前、「家庭の医学」というテレビ番組から「食べれば食べるほど痩せられる物質」があるという話題が提供された。そこには、東京医科大学の先生が登場し「痩せるホルモン」が存在することを示したのである。その「ホルモン」の名はGLP-1といい、糖尿病の患者の薬としてにも使われている(糖の吸収が抑えられ、インスリンの分泌を促す)とのこと。もちろんホルモンだから、我々の体の中でも分泌されている。しかし、どうも人によってその体内量に個人差があるようで、そのホルモンを増やすには、一般的な食材からは「鯖に多く含まれるEPA」と「食物繊維」を取り込むのが良いそうだ。それらによって、体内でGLP-1を効果的に増やせるという。鯖の缶詰を製造する会社の周辺地域で、それを食べている人達を集めて、血液中のGLP-1ホルモンの量を調べてその裏づけとしたのである。

  個人的には、日常的に1.5%程度の体重変動は、あるのが普通だがその程度では、外見上太ったとか、痩せたとかは分からない。無理をすれば3%程度の体重なら下げられる。しかし、経験的にも一番難しいのは、前より「やつれた」ではなく、「痩せた」と言われることである。これには、コストと時間X努力が必要なのである。だから、このGLP-1の話はちょっと「眉唾のような」気分だったのだが、物は試しで、その現象を捉えたい気分もあって、鯖の缶詰を集めに走ったのである。さすがに、その放送の翌日には、スーパーの売り場から鯖の水煮缶は消えていた。もっとも、鯖の水煮缶に醤油をかけて食べるだけでは味気ないので、消化の良い大根にさばの水煮缶と生姜、味噌やネギを加え、「大根とさばの具沢山味噌煮風」にして、週2回ほど食べ続けてみた。

  既に、食べ始めて2ヶ月以上経過したが、残念ながら逆に体重が少しずつ増えている様子で、困ってしまった。なぜなのか調べ直してみた。すると、誤解していた事がわかったのである。どうも、GLP-1の機能の(糖の吸収が抑えられ、インスリンの分泌を促す)という言葉の解釈に違いがあった。実は、その働きによって、満腹中枢を刺激し、満腹感を素早く感じ取り、「食欲がなくなる効果」があると言うことのようだ。つまり、「食べて痩せられる」のではなく、「食べると食欲が無くなって」結果的に痩せられるということなのである。私のように、決められた時間にほぼ決めた量を食べたり、通常の食事に追加して、「大根とさばの具沢山味噌煮風」を追加することで、逆に体重を増やしてしまったようだ。「食欲は無くならなかったのか?」と問いかけられるかもしれないが、全くそれはなかった。よく話の裏付けを取ればよかったと反省している。理屈が分かったところで試してみたい方はどうぞ。材料はこの程度。ではこちら
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2013/10/29

RAIZIN(ライジン) 炭酸飲料

  こうも度々台風が来ると、ベランダの雨風対策に追われて、つい今年の夏の暑さも忘れがちだ。そして、これから迎える寒さには、今だ準備不足というか無頓着である。しかし、我々にとっては、夏、冬、いずれも辛い季節であることに代わりはない。もちろん、屋内にはエアコンもあるが、冷暖房のある快適な部屋は休息室のようなもので、そこで一日中息を潜めて時間を過ごせる訳ではない。多かれ少なかれ内と外の急激な気温の変化に苦しむことになる。やはり、暑い時は、わずかでも体温自体を下げる努力であったり、寒い時は少しでも体温自体を上げるなど、自らの努力で体温調整する認識も増えつつある。

  人は、みんな同じように暑がりであったり、寒がりであったりするわけではない。最近の傾向としては、若者の中にも体温が低くて、寒がりが多いことが分かっている。もちろん、女性の方はもう少し寒がりのようだ。一般的には、40歳ぐらいから平常体温が低下する傾向があり、65歳ぐらいから顕しく体温が下がる。これらは、基礎代謝との関係が深いとされている。また、体温は、一日中同じでもなく、夕方が一番高体温になる。このタイミングで計測すると36.78度あたりに正規分布するそうだ。体調との関係は、基本的には体温が高い方が、免疫力も高く病気になりにくい。逆に、低体温だと様々な病気を発祥するリスクを抱える。しかし、夕方、微熱(37.5度以上)を感じたりする時は、既に呼吸器系に炎症を抱えていたりするので、注意が必要だとも言われている。

  さて、これからの季節は、風邪やインフルエンザ対策も考えて、体温を上げることに気を使いたい。たくさん着込むには、自分自身が発熱できないと効果は薄いし、体の動きが鈍ってしまう。一方、シャツの上に貼り付けるホカロンは、長い時間安定的に暖かい状態が保たれる。しかし、体の末梢まで暖かくなるには時間がかかり、そこが温かくなる頃には、背中に汗をかくほどで、部位によって体温のばらつきが起こる。また、体が全体的に穏やかに暖かい状態になる生姜湯が重宝され、もっぱら近年ブームが続いている。生姜エキスを使って免疫力改善に貢献するという滋養強壮剤も店頭を賑わせている。もっとも、生姜が脚光を浴びるようになってから、生姜を使った菓子類や食材も豊富に用意されて、様々な低体温症状に対応出来るようになってきた。

  今日紹介するRAIZIN という炭酸飲料もその1例と考えられる。一見して缶コーヒーのような姿で、傍から眺めて、「冷え性で生姜を飲んでいる」という、ちょっと軟弱な印象を格好悪く思う人には好都合である。生姜抽出液とビタミン剤を混合したような味で、成分としては、ビタミンB2、B6、に加え、コレステロールの抑制効果のあるナイアシン、さらに脂肪肝改善ビタミンとも呼ばれるイノシトールなどを含み、体調改善効果もありそうだ。口当たりは優しいが、飲んでいる端から自らの食道や胃の形までが認識できるような、強烈な刺激が体内を走る。生姜成分の含有率も高いと感じられる。体温上昇効果に合わせて、ありがちな運動不足にも配慮され、疲れを取り除き、漫然としたサラリーマンには、やる気が起こるような即効性もあり、よく考えられている。飲んだ後は、僅かに火照ると言うか、耳たぶが少し温かく感じられるような状態が6時間以上続く。なかなか効果が認められ、単に清涼飲料水と呼べない理由がそこにありそうだ。
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2013/10/25

マルちゃん正麺 うどん

  今、都会の真ん中だったり、駅の周囲で「讃岐うどんのお店」が増え続けている。高松に住んでいた時期もあった私にとって、これじゃ「讃岐」と言うブランドを使って欲しくないと思えるほど「麺が柔らかく、味の濃い出汁」で、十分な品質とは言えないものの、それでも、若者やサラリーマンには支持されている。何よりも財布に優しいのが一番だが、自分の目で確認しながら次々とトッピングを重ねて、最終的な姿をイメージできるし、天ぷらなども種類が豊富で、そこは徹底して讃岐流が貫かれている。トッピングの組み合わせを変えることで飽きが来ないとか、店内に若者客が多いという安心感もあって、継続的な魅力に繋がっている。このような「讃岐風うどん」のお店が繁盛していることは、近年珍しいことかもしれないが、それによって、徐々に品質向上を目指し、発展、進化させ、若者に「本物のうどんの美味しさを」を浸透させて欲しいものである。

  …と、偉そうな事を云々しながら、今日はそれとはまるで別物と言える「即席うどん」の話である。冷凍、チルド、乾燥まで即席ラーメンを得意とするマルちゃんが、麺作りの集大成ともいえる「生麺うまいまま製法」を使い、即席うどんを市場投入する。それには、意表を突かれた様な目新しさが漂い「おおっつ」と大きな期待を寄せるところだが、業界には即席うどんの代名詞ともいえる日清食品のカップ麺の「どん兵衛」が市場を席巻していて、おまけに袋麺タイプも平行販売しているという現実が待ち受けている。しかも、それは歴史的にも、地域柄を反映した調味味においても圧倒的な実績を誇り、既に割り込む市場があったとしても小さく見失ってしまうほどである。この市場性に関する壁はかなりぶ厚く感じられるが、そこは、「マルちゃんの正麺」製品群の現在の勢いをもって「正麺としてのうどん」を全国展開することで、新たな立ち位置を確保すべく挑戦に出たのであろう。

  お湯やスープで麺を早く戻すためには、初期の「どん兵衛」のような薄っぺらい麺の方がよい。しかし、これでは、麺の喉越しや実感が伴わない。そこで、何とか厚みを増すとか、波型を入れるとかして、麺の構造を検討し太麺のような印象にする必要があった。それが、麺を戻した時点での食感として、「うどんらしさ」という重要な印象を与える。しかも、顧客の好みで、麺の硬さをある程度調整もしたいと考えられることから、お湯の中の時間で、やや固め、普通、やや柔らかめ、と言った具合に若干調整できなければならない。そういった、きめ細かい配慮で、より多くの顧客が美味しいと評価する要素にもなる。まさに、「生麺うまいまま製法」の腕の見せ所と言ったところなのだろう。一方、スープに関しては、マルちゃんは多彩な味を、実に見事にコントロールしてきた経験が豊富で、間違いなく美味しく仕上げてあるに違いない。

  そうやって、ある程度好みの手順と期待感によって、うどんをつくることで、その上に乗せるものを、お腹のすき具合やその日の気分によって自由に考えてこそ、楽しみであり満足できる結果になるのである。これは丼のご飯と同じ趣向で、元気が欲しい時には、やはり玉子や牛肉は必須であり、またある時は、お店のように海老等のかき揚げ天ぷらを乗せてみたい。もちろん、きのこや野菜の天ぷらもいい。時たまカレー味があっても良いが、それだけではない。寒くなると鍋焼きうどんも食べたいし、八町味噌を使った味噌煮込みうどんも食べたい。と言った具合に広がるのである。つまり、上に乗せる具材は我々が用意するとして、お店で出されるうどんの種類に対応するぐらい、徐々に「生麺うまいまま製法」を使って独自の麺をそろえて欲しいものだ。
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2013/10/22

ソイカラ 2種

   「スゴイダイズ」や「ミルクのように優しいダイズ」は少々苦手、大人の大豆も「いやー、ごめん」、ソイジョイは「甘いのは、ちょっと」と言う、何でも拒否する人でも、もう大豆商品から逃げることはできなくなってきた。新しいソイカラが待ち受けていたからである。チーズ味に加えて、最近「のり納豆味」と「オリーブオイル・ガーリック味」の2種類が追加された。これらによって、誰でもどこかで引っかかる底引き網のような大豆包囲網が仕掛けられていたのである。この、のり納豆味とオリーブオイル・ガーリック味は、言い訳がましく、大豆イソフラボンや食物繊維を摂るために、「体にええって聞いとるけえ(仕方なく)食べちょる」という、どこかで無理をしているという感覚から、ついに開放されることになった。知らず知らずのうちに手が伸びるし、カロリーの低さも手伝って、1袋ぐらいすぐに空けてしまうのである。

  CMでも推奨しているとおり、「ソイカラ」は大豆だから夕食前に食べても平気らしい。確かに、私が子供のころは夕食前に何か食べようとすると母から叱られた。叱られたからと言って止めることはなかったが、その感覚で「甘いものを夕食前に食べる」のは、永久的に良いこととは言えない。最近やっとその事がわかったという人も少なくないはずだ。そのような、幼い頃の悪い癖が直らない人は、それこそ、この「のり納豆味かオリーブオイル・ガーリック味」のソイカラを傍に置いておきたい。この味ならお勧めできる。

  さて、別の身近な世界へ目を移すと、私には、大東亜戦争時代の食糧事情の悪い時期に幼少期を過ごした先輩(20年ほど上)がいる。先輩は、毎朝早く(午前5時ごろ)愛犬の散歩に行くのに、あの硬い大豆を50粒ぐらい持って、そのままガリガリ食べながら小1時間ほど歩くという。聞いただけでちょっと歯が痛くなりそうだが、また、その噛む行為がいいんだそうである。まったく昔と変わらず「理屈っぽい」先輩なのだが、確かに、頭はいつもキレキレである。大豆は食事前に食べてもいいとテレビで見たよ…とも話していて、新しいものを受け入れること=感化されやすいこと、を混同しているようだ。最後に、「いつまで長生きできるか分からない」が…、と付け加えながら、来年は自家農園で「大麦と枝豆」を植えようと計画していて、今、畑の造成に汗を流しているらしい。大麦にも随分興味を持ったようだ。そうやって、大塚製薬の推進する、日本人全員を「元気で長生きさせるぞ戦略」は、意外なところで効果を発揮している事がわかったのである。

  このように、商品の情報を収集・理解しながら、様々な食材の功罪を知り、また源泉素材の持つ優位性を知ることも何かと勉強になる。その蓄えた知識で、市場に出回っている商品の品質や価格の比較をするといったこともあるが、体に若干弱みを持つ連中が集まると、「いつも食べている普通の食材は、どうなんだ」と、日常の食べ物にも興味が向いてしまうようだ。確かに、美味しいとか、美味しくない、とかも重要なことには違いないのだが、信じるものは救われるではないが、どうせなら、もう少し「健康を信じて食べるべきもの」があったほうが良いと思っている潔癖な人も多いようだ。糖尿病を気にする人や、今より体を絞りたい人達が必ずカロリー表示を気にするのと同じように、コレステロール値を注意された人が、それを食生活で改善するための目安になる表記とか、そういう機能表示食材が希望されているのかもしれない。
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2013/10/18

大麦 β-グルカン 

  きのこなどに多量に含まれるβ-グルカンは、「食物繊維」の一種で、人が健康になるための幾つかの機能を備えていることが広く知られるようになった。もちろん、古くから注目されて研究も盛んに行われてきた。その中から身近で分かりやすい研究を挙げてみると、β-グルカンを摂取すると免疫力が高まり、風邪やインフルエンザ、生活習慣病などを改善し、その他、アレルギー症状を予防・改善する効果も期待されている。また、癌細胞を攻撃するナチュラルキラー細胞などの免疫細胞を活性化させ、腫瘍を小さくする効果も認められている。これが、古くからきのこ類が癌に効くと言われる由縁である。一方、β-グルカンは水溶性食物繊維のため、便秘解消にも有効といえる。もちろん、腸に届いても消化されにくく、自らコレステロールを取り込み体外へ排泄する働きがある。この水溶性食物繊維は、粘り気が強く、消化に時間がかかる(低GI=グリセミックインデックス=糖質の吸収度合いが緩やか)ため、血糖値の急激な上昇が抑えられ、糖尿病予防にも効果的と言える。また、内臓脂肪型肥満(メタボリックシンドローム)の予防にもよい。つまり、そのβ-グルカンを積極的に体に取むことにより、より「健康的な生活」が出来るという理屈である。

  そのような背景から大塚製薬では、大麦に含まれるβ-グルカンを摂取しやすくした「大麦生活」という大麦の加工食品を販売している。大麦生活には3種類あって、1.ウエハース状のクラッカー・タイプ、2.ボンカレーのように電子レンジで加熱する大麦50%のごはんタイプ、3.フリーズドライでお湯を加えるだけのポタージュ・タイプがあり、用途や目的に合わせて選択できる。風邪を引きやすいとか、免疫力を上げて、より強力に健康的な生活を望む方は、大麦β-グルカン3,000mg を含む「 ごはんタイプ」が最適といえる。また、朝などは、よくカップスープ等を飲むという方には、大麦β-グルカン1,000mg の 「ポタージュタイプ」が良い。また、おやつに軽いビスケットなどを食べるという人たちは、どうせなら、大麦β-グルカン1,000mg の「クラッカータイプ」に変えたほうが良い。いずれにしても、手軽で日常的に免疫力を高めることに期待できそうだ。
 
  「大麦生活」からβ-グルカンを効果的に採るには、低GIである性質を生かして、時間的には朝一番の食事が良いらしい。糖質の吸収度合いが緩やかなことで、昼食ごろまで継続するからだという。一日の摂取目安としてはβ-グルカン=3000mg程度が目安と指示されている(根拠は明示されていない)ので、朝に「ごはんタイプ」を食べればそれで十分と言えそうだ。しかし、内臓脂肪型肥満の解消にはどのくらい量を続けると効果が分かるのか気になるところだ。公表されている資料(*1)によると、A.大麦を50%混ぜた大麦ご飯と、B.精白米を1日2回、12週間続けた時のA,B比較結果によると、腹囲1.1cm、体重1.12kg、BMIにて-0.3、腹腔内脂肪面積で-11平方cmの違いが出たという結果になっている。これはひとつの目安となる数値だが、これを大麦生活の「 ごはんタイプ(内容量150g)」としてみると、少なくとも 1日2箱x12週x7日=168箱食べなければならないことになる。

  これによって、免疫力が高くなるとか、コレステロールが改善され、さらにはお腹周りまですっきりすることを考えると、たいした苦労でもないし、大きなコストアップでもない。運動をしながら続けることで効果がもっと早く現れる可能性もある。もちろん、少々根気も必要のようだが、本質的な健康生活を取り戻したい人には最適の食材といえるかもしれない。ごはんタイプは、少々もっちりしているが、食べやすく仕上げてある。朝なら、焼き海苔や鮭の切り身、味噌汁などとの相性は抜群で苦にならない。一口で言えば、昔の麦ご飯よりはるかに美味しい。クラッカータイプは、クラッカーの上にチーズやジャムでも載せたい気分だが、「そうしたら駄目かな」と迷うところだ。スープは、普通のスープと違いはなく抵抗感はない。むしろ、携帯できるクラッカーとスープの併用で合計2000mgが丁度良い。ただ、効果を早く実感したければ、無理してでもβ-グルカンが3000mg入っている「ごはんタイプ」で始めるのが良い。
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補足:資料(*1)=Plant Foods for Human Nutrition, 63巻,21-27 (2008)

2013/10/15

栗ご飯の素

   ウォーキングコースには不思議と栗の木が多い。今頃になると路上にたくさん落ちていて、潰れている物もあれば、棘の中から実がぎっしり詰まっている姿を覗かせる物もある。こんな大きな棘のある栗でも、1粒1粒は小ぶりなことが分かる。おおよそ、木の実は外敵から身を守るために、棘とか堅い殻に包まれていて、種を守ることに執念を感じる。そんな、その殻の堅さや大きさに「一種独特の好奇心ともとれる気持ちの高ぶり」を感じてしまうのは自然なことと考えられる。そして、そこに、その隠された美味しさを探求する気持ちも湧き上がるのである。

 栗の実は堅い殻に覆われて、実の密度感は非常に高いが、火を通すことで、ほのかな薫りと、強い甘みを提供するものになる。特に成分として、たんぱく質、食物繊維、ビタミンA、B1、B2、C、をはじめカリウム、ミネラルなど、特に亜鉛も豊富で、今の季節には必要不可欠な栄養素が含まれている。夏の疲れを取るには栗は最適なのである。そこに、目をつけ、甘味の少なかった昔から、饅頭の餡に入れてみたり、羊羹に入れてみたり、あるいは、ぜんざい、はたまたマロングラッセにと、古くから美味しく自然の栄養素を取り込むように工夫したと推察される。

  手間さえ惜しまなければ、山へ栗拾いに出かけ、手軽に美味しい「季節感とほっくりした甘み」を楽しむこともできる。ご飯と一緒に炊き込むことで、その甘みと薫りがご飯に移り、全体が優しい美味しさに包まれる。栗の甘みを引き立てる出汁は、薫りが損なわれないように薄味に仕上げる必要がある。ここでも、大粒の栗はやはり魅力的に写る。またそれが、栗ご飯ならではの存在感を出すのに最適なのである。店頭では、今頃、その栗の処理を施し、出汁を別に用意して、2つをパッケージした商品が賑わせている。そんな種類も豊富な商品の中から、今日も1つ選んで買い求めてきた。その、決め手になったのは、「栗がより美味しくなりました」というキャッチコピーである。

  この言葉は、少し誇らしげな印象もあって、「栗の味が引き立つ、美味しさが増した」という風にも読み取れ、実に的を得た表現である。それが、さらに「美味しそう」なイメージを膨らませ、何処と無くうれしい。しかも、出汁を薄めず、そのまま炊き上げるという手軽さがよい。早速作ってみることにした。洗米したお米2合を炊飯器に入れて、そこに出汁、別包装の栗を全て入れる。栗がでかいので楽しみだ。30分ほど寝かせてスイッチを入れる。しばらくすると、台所いっぱいに美味しそうな薫りが漂い始める。もうすでにこの薫りに洗脳されてしまった。炊き上がるとすぐに口にしてみる。おっと、あっさりとして上品、薫りは高く、美味しい。うーむ、さすがに「高級料亭 金沢の浅田屋の出汁」である。お米を少な目にすると、おこげが出来るので、それも格別に美味しい。
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2013/10/11

キリン ラーメン

  ・・・・ キハ82系の「特急かもめ」で福山駅に着いた。駅前で井笠鉄道の「池の坊行き」のバスを探す。それは、バスターミナルの一番手前に止まっていた。なんとボンネットバスである。既にエンジンがかかっている。早速それに走り込む。すぐにブルルンとエンジン音を立てて発車した。どこからともなく頬を撫でる風が心地よかった。福山の空気は、昔とひとつも変わらない。一安心しながら車窓を眺め、昔のことをあれこれ思い出し、逸る気持ちを抑えていると、ほんのわずか30分ほどで、もう神辺に着いてしまった。大方のお年寄りは、このあたりで降りてしまうが、何人かは、一緒に、この先の東中条まで乗っていくようだ。バスはここからスピードを上げて走るようになる。

  道の左右には、徐々に田園が広がって、のどかな風景に変わる。バスは、砂埃をたてながらどんどんスピードを上げていく。溜め池を横に眺めながら、昔のままの水の色に安堵する。ここで左にまがるはずだ。そうやって、思ったとおりの道を進んでいく。中条郵便局を過ぎて、山道に差し掛かると、ブルブルと苦しそうにエンジンを吹かす。削れた溝にタイアをとられ車体を左右に揺らしながら、急な坂道を上り始める。左側は石垣で7mぐらい下が畑になっている。右側の土手には木がうっそうと茂り、枝が覗いてくる。窓に枝が引っかかり、ギギー、カシャと枝がねじれて離れる音が耳に痛い。もう少しだ。その先に道が上下に分かれ、バスが折り返す広場がある筈だ。そこが「終点の池の坊」である。

  到着すると、バスの車内は、今までのエンジン音が嘘のように静寂を取り戻す。ステップを降りる足音まで車内に響き渡った。目の前には、切符や雑貨を扱うお店がある。ガラガラっと引き戸を開けて入った。中は、長い歴史を思わせる乾物の匂いが発ち込めていた。 ・・・・

  今日は、そんなお店に昔から置いてあったと思える商品である。ちょっと可愛いいパッケージなのに、大きく「キリン家庭用ラーメン」と書かれている。最近は、何故か少し古臭い日本語表記やデザインに特別な哀愁を感じるようになった。いや、それだけではない、食感はやはり昔のものに安心する事がある。そして、これからの食材には、万人に共通する美味しさの表記(=純国産で自然の原材料を使い、人の手で丹精こめて作られた証)が必要なのかもしれない。何も変わらない素朴な味付けに、しみじみと心が緩むことがある。

  果たして、そんな理由からなのか、単にパッケージが可愛いいからなのか、それとも、ちょっと怪しいデザインからなのか、この摩訶不思議な「キリンラーメン」が売れている。その人気は、お年寄りばかりではなさそうだ。今の若者は「麺づくりに敏感に反応」し、「まやかしのない本物を自然に嗅ぎ分ける能力」が磨かれている。今日は、そんな若者に支持されているキリンラーメンのベスト3を用意した。とりあえず全て試食をしてみることにしたい。まず、1.綺麗な水を使って麺を茹でる、2.スープを美味しい水で作り椀に入れておく。麺が解れて離れやすくなった頃に笊にあげ、お湯を良く切ってスープの椀に入れる。これが基本的な手順である(パッケージに書いてある作り方、つまり麺を茹でたお湯にスープの素を入れるようでは、麺から油分やかんすいが溶け出すため、美味しいスープが台無しになる)。

  そうやって本来の味を引き出して楽しんでみる。麺をお湯で戻してみると、かつての麺とは、少し表面の光沢感に違いが見受けられる。輪郭部分にも透明感があり、明らかに従来麺と違うなと思わせる。食感もつるっとしていていい感じである。スープはとても良く出来ていて、少し濃い目に使うと美味しい。素材はすべて自然な感じで素朴さが生きている。2杯目以降は、チャーシュ、メンマ、ねぎ、鳴門、そのほか、味噌や塩にも合わせて好きなトッピングをして楽しみたい。味が純粋で癖がない分、組み合わせるものは斬新さもほしい。もちろん、最新のラーメンのような生麺の喉越しを売りにしているような商品とは違い、まったく昔流の麺の食感である。しかし、どの様な美味しいラーメンでも味に飽きは来るもので、選択肢として用意しておく価値はある。
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補足:購入場所は、Best Foods Shop SANWA 八王子みなみ野店になる。 
補足:・・・・XXX・・・・は、このラーメンがありそうな場所の、あくまでイメージ?。 
 

2013/10/08

大人の大豆

   しばらくの間、目を離していると、また商品の種類が増えていた。この「大豆に対する執念」とでも言うべき強い思い入れは、随分と世の中の賢人に定着してきたようだ。しかし、いまだ人の勧めを無視するかのように、「頭で納得したからと言って、それを実践するのは難しい」と心の中で叫んでいる人たちが大勢いるようだ。そんな本音を吐いている人達に対して、地道に取り組む大塚食品は、たいへん粘り強い会社といえる。「ミルクのようなやさしいダイズ」は、苺が駄目なら、ということで「抹茶や紅茶」も用意した。さらに、この秋には「オレンジとぶどう」を追加したようだ。それもこれも、障害になっている豆の臭いとか、製造時に発生する臭い等、それらを抑えようと常に改良を加え続けてきた証拠なのである。

  会社でストレスの多い人達を始め、将来の体ことを気遣う人達、そして、健康を気にし始める年齢の人達は、自分の体のことを「本気で考えてくれている会社の商品」を無視してはいけない。幼い時はボンカレーで育ち、クラブ活動では元気ハツラツのオロナミンCを飲み、カロリーメイトやソイジョイをおやつ代わりに食べて、夏場はポカリスエットでお世話になり、これからもずっと寄り添って、スゴイダイズで体の栄養バランスをとりながら長生きして、最後は病院での点滴、つまり最後まで大塚製薬の商品にお世話になるのである。少々大袈裟な言い方になるが、この大塚グループの狙いは、日本人全員の健康を維持するための商品を取り揃えることにある。

  つまり、みんなが健康で長生きすればするほど、会社も儲かるという仕組みを構築しようとしているのである。これが「優れた企業の持つべき理念」ということなのだろう。そこで、健康を気にし始める年齢になっても、いつまでも健康で動き回れる体を作りたいと「不安を抱えている人達」に向けて、この度、さらに「強力な商品」を投入した。それが、「大人の大豆+ルティン」と「大人の大豆+グルコサミン」である。大人というのは、おおよそ物事の分別のついた世代で、仕事もピークを過ぎて「ぼちぼち」と返す感じで、そろそろ体を少し労りながら、生活そのものを楽しみたいという人達である。

  こういう大人は、一般的に塩分、糖分、動物性脂質を減らし、食物繊維、カルシウム、良質のたんぱく質、ビタミン類、ミネラル類を増やしたいとセオリーは十分承知していて、さらに、テレビではグルコサミン、ごまのパワーとか、ブルーベリーが目によいとか、様々な事が吹聴されているので、益々気になるところだ。それを、どうにかしてまとめて採れる商品が欲しいと考えている。そこで、それらの殆どをカバーできる商品を大豆ベースで提供しようとする商品である。これだけ「大人の体に良い栄養素」を集約したものは、他に存在しないことから存在価値は高い。商品のスペックを眺めると、ご飯を食べなくても、これだけ食べていれば、むしろ今より健康で長生きできそうな感じを受けてしまう。
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2013/10/04

冷製トマトスープ

  トマトのパスタはシンプルだが奥が深い。今時は、僅かなトマトの味の違いに翻弄することがある。新鮮なトマトを湯剥きして皮をむいて裁断し、それを使うと、少々青臭さが残っているのを感じることがある。最近の特徴といえる現象で、青臭は組み合わせるチーズの種類やにんにく、あるいは調味の加減などの影響でより強調されることもある。一方、トマトに一部に細かい堅さが残っていることも最近の特徴である。それも、トマト自体の熟度であったり、熟度むらの影響と思われるが案外扱いにくい。そして、次にトマトに旨みを加えていくが、時々これらの融通の利かない部分が面倒になることもある。

  1人分を「手軽で簡単に、短い時間で作り切る」にはどうすればいいか、以前からそういう課題に頭を悩ましてきたが、少量を素早く作るのは意外に難しい。1人分といっても、パスタ80g~120gぐらいまで、ソースもその範囲を調整して味付けしなければならない。そんな中、夏場にこの「冷製トマトスープ」を見つけ、これをパスタに使えないかと思いついたのである。もちろん、全てをこれでやろうと思ったわけではない。生のトマトと組み合わせて使うことで、「冷製トマトスープ」の味を残しながら、生のよさも活かしきる。まさにそんな作り方にぴったり来るのではないかと思ったのである。

  実は、世の中にトマトスープやトマトパスタソースはたくさんある。美味しさも様々だが、その中から単独で幅広く使えそうな素材として選び出したのが、この「冷製トマトスープ」なのである。つまり、「冷たいままでも」戴けるのは、「冷えても美味しい」ということを意味している。ここが重要なのである。つまり、余計な脂分がないのである。それが料理のベースとして使うのに用途が広い根拠となる。だからトマトを入れる料理のベースには色々使える。その中でもパスタには、冷製トマトスープ、トマトジュース、オリーブの実とエクストラバージンオイル等を加えることで、単独でも既存のパスタソースよりも美味しくいただけるし、生トマトが加わることで、さらにフレッシュな感じを重ねた美味しさになるのである。

  何度か色々試してきたが、おおむね想定どおりに出来る。用意するものは、冷製トマトスープ(美味しいお水120ml)1個と生のトマト1個、パスタ80g、オリーブの実と、エクストラバージンオイル、にんにく少々、バジル1葉、トマトジュース(60~120g)といったところ。水に冷製トマトスープを戻し、生のトマトを湯引きして裁断したものと合わせてソースとしておく。オリーブオイルとにんにくの切れ端をフライパンに入れて、にんにくの薫りをオリーブオイルへ移す。そこへ茹でたパスタを加え、最後にソースを絡めて出来上がりである。ソースが足りなくなったらトマトジュースを追加する。スパイス以外の調味料は全く必要なく美味しい仕上がりになる。トッピングはチーズ、さくら海老や、じゃこ、アンチョビ 等を使う。ポイントは、冷製トマトスープ(120g)1に対し、生のトマト1個(120g前後)、トマトジュース(60~120g)、パスタ80gの割合である。
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2013/10/01

レシピ広がるプレーン

  最近は、何かいつもと違う情報を探し求めている。そうゆう気分だと、食材のキャッチフレーズにも心を掴まれることが多い。正直者としては、スーパーなどの商品に「人気上昇中」のシールを観たり、パッケージの上に「売れています」と書かれてあるだけで、つい、目を引いてしまうのである。そんな、一寸した表示だけで、流行に敏感な人や、小まめに情報入手している人など、その専門筋とも言うべき、料理に興味のある方は、「レシピひろがるプレーン」と言う言葉が、きっと忍者の合言葉のように、静かに「あれね」と納得されているのである。そのように、きめ細かく観察することで、色々分かってくる探偵のような洞察力が、これからの「おっさん」にも必要になっているのである。確かに、パッケージの側面には、最も入門的なトマトとバジルに「少々硬めのヨーグルト」を挟み込んだ写真が載っている。

  ヨーグルトでこのような硬さを作るには、ほどほどの案配で乳清(ホエイ)を取り除いて、固形化を進める必要がある。それでも、時代遅れのおっさんとしては、この商品をどう使えば、「どう美味しいか見当もつかない」わけだが、我々の思惑とは異なり、メーカーの進もうとする方向は1つである。それは、「より使いやすく、より便利に、選択肢を広げ、他社が優れた商品を出す前に、売れそうなものはすぐに商品化してシェアを確保したい」と言うことなのである。そこには、食材のムーブメントを起こす仕掛け人が背後にいるに違いない。もっとも、影でそのようなブームを起こしているのもメーカーなのだが、より上手に仕掛けられるかどうかは、さほど単純でもなく、難しい側面も垣間見れる。その1つが、今、顧客の3割が高齢者という「昔ながらの美味しさ」の商品を求める人達が多いからだ。その人たちに提案できるとすると、食感や美味しさだけではない。健康維持への貢献度が重要になるようだ。

  そこで、最も簡単な料理事例としては、高カロリーメニューと置き換えてみることである。そこに、その食材としての優位性が俄然注目を浴びる可能性がある。その優位性とは、マヨネーズ、バター、チーズ、生クリーム等を使った食材を、このヨーグルトに置き換えることによって、食感を失わず、従来にない低脂肪、低カロリーを実現するのが狙いとなりそうだ。それによって、様々に配慮が必要だった健康的な食生活へ、新たなバリエーションとしてメニューに追加することが出来るのである。また、従来よりさっぱりとして口当たりが軽く、さらに消化が良いという特徴も加わるなど、工夫次第で多彩な優位性が見直されると思われる。それは、洋食だけに留まらず、和食にも応用できるという職人もいるぐらいで、期待されている。結局、それが、高齢化時代の食生活を意識した必然性でもあり、従来の料理に対する先入観や馴染みある素材を意識しながら、改めて新しい食べごこちに魅力を感じさせる要素なのである。

  今日紹介するのは、ブルガリア・ヨーグルトである。しかし、少々硬めで、低カロリーな食材という先入観を持って実物を眺める必要性がある。そうすると、創作意欲と言うほどではないにしても、徐々に色々な料理に展開してみたくなる気分が盛り上がってくる。食感は、まさに「チーズのような濃厚さとこく」にある印象で、そのまま食べても良いが、レアチーズ・ケーキのように、蜂蜜や果物のジャムを乗せたり、それを混ぜてパンに塗ってみたりとか、あるいはパスタに、はたまた趣向を変えて、ねぎと花かつおや、出汁醤油と組み合わせて、奴の代わりにと、うーむ、無理すれば結構いけそうである。「何のために?と問いかけられても困る」が、やはり、これからの人生は、このような商品を有効に使って、低脂肪、低カロリーに生活することになりそうだ。
ではこちら
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補足:PDF写真左中央にある金色の「オリジナルとりわけスプーン(非売品)」は、同社のキャンペーン品。
  

  

2013/09/27

アハハ!これで痩せられる

 秋に湧き上がる旺盛な食欲は、抑えることが難しい。テレビでは、秋の味覚を紹介するスペシャルな旅行番組も増え、その旅先では温泉に浸かった後、あれも美味しい、これも旨いと、美味しさの感動を伝えてくる。スーパーでも産地直送の秋の味覚が店頭に並べてある。そういった、視覚からくる刺激は、目から大脳へ入り、胃や小腸へ「どうだ、俺も食べれるか?」と問い合わせをする。夏場くたびれた「冷たい物の後遺症」があっても、そんな刺激を受けることで徐々に回復に向かい、突如準備完了というレスポンスがすぐに戻されるようになる。そうやって、夏場に忘れかけていた食欲が目を覚ますのである。

 そんな、胃腸の調子がいまひとつでも、美味しいものには目が無い季節だが、胃腸の調子が本質的に戻るまでは、それらを整えるのに効果的な食物を選ぶなどをして、ここで「太らないように上手に食べる癖」をつけたいものである。確かに、「視覚から大脳へ入る情報」によって、人の意識は大きく変わる。したがって、「美味しそうな物を見せつけられるテレビ番組は決して観ないように」する必要がある。また、自分が理想とする姿を思い浮かべ、毎日チェックし、それを数値化したものをグラフにするなど、そうやって、目標を実現するための「環境へ誘導するように努力する」ことが、自己管理の秘訣らしい。そ、そ、そんな、もちろん俺には無理なのである。なぜなら、目標設定に健康診断のスペックを見て、胴回りの数値を5cm減らしたいと思って努力したことがあるが、最高がんばって2cm程度が限度で、全くと言っていいほど実現不可能だったからだ。

 今、世の中のおっさん達は、1日2食という食事制限によって健康維持をするのが流行っている。とてもとても、俺には真似できるものではないが、これからの年齢は必ず、筋肉や頭部のエネルギー消費が減って行くので、1日トータルの摂取カロリーを減らす工夫が必要で、1日2食という食事制限は理にかなっているとも言われている。しかし、できれば、そんな食事制限より、適宜食べながら体を動かすほうが良い筈で、3回の食事のカロリーを少しづつ減らす工夫をするとか、あるいは、1回分だけでものカロリーを抑える努力をすることを考えたい。そこで、最近、自分では、「さほど食欲をそそらないもの=食べなくても平気でいられるもの=どちらかといえば嫌いなもの」をあえて口にすることに努めようと考えているのである。まじ。

  そこに、俄然クローズアップされてくるのが、腸の長い日本人に適していて、歴史的にも実績のある食材「こんにゃく」が良いのではないだろうかと考えた。こんにゃくは、いまさら解説する必要など無いが、いくつかの成人病にも効果的と言われてきた。それらは、整腸作用や便秘に効果があることは知られているが、こんにゃくマンナンを食べて、血糖値の上昇を抑制できるとか、コレステロールの吸収を抑える働きがあるとか、あるいは、肝臓から出る胆汁酸を再吸収するのを防ぎ、それによるコレステロールの上昇を抑えるとか、胃の中のピロリ菌の除菌にも効果的とか、独創性の高い機能を数多く備えている。そこで、そろそろ、こんにゃくを食べるための工夫をいくつか創作して実践してみたいと思ったというわけである。今日は、とりあえず誰にでも食べやすく、野菜を加えてみたり、工夫ひとつで低カロリーを美味しく楽しめる、こんにゃく麺の「月のウサギ」を紹介したい。
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2013/09/24

たこめし

  炊き込みご飯は、おかずも一緒に炊き込むので、その炊き上がりに「楽しみ」が詰まっている。しかし、自然の素材から自分の手で作れるのは、残念ながら牡蠣飯ぐらいである。そんな簡単そうに見える「炊き込みご飯」こそ、意外にも、どこかに落とし穴があって、折角、新鮮で高価な食材を用意したとしても、失敗に終わってしまう可能性も「0」ではなさそうである。それは、今日のような「たこめしの素」を買って、裏に書かれた原材料を眺めることで、「あーっ、うーむ」そんな食材や調味液まで必要なのかと、考え込んでしまうからである。また、その調味力こそが、プロの技なのだ!と感心するわけである。しかし、いずれ自らの考えと自然の食材だけで、「創作的な炊き込みご飯」が作れるようになりたいものだ。

  さて、今日の「たこめし」だが、私の知っているそれは、瀬戸内海で採れる「たこ」をお米や出汁と一緒に炊き込む郷土料理である。今でも広島、三原、尾道、福山、松山駅では、それを弁当に仕立てたものが販売されている。若い頃は「なぁんだ、たこか」と、舐めてかかったものだが、今頃の歳になると、その「たこめしと言う言葉の響きが、懐かしさを呼ぶ気持ち」に変わってしまっていることに気付くのである。だから、たこなら瀬戸内で有名な「赤穂のたこ」だと思い込んでいたのだが、どうも、この商品の製造は、名古屋という「全く方角違い」であることを知り、うろたえてしまった。得意分野だと高を括っていたのに、そうでないことを知ったのである。もっとも、「知っていること以外は知らないこと」なので、調べてみると、三河湾の日間賀島でも「たこ飯」は有名で、この商品はそこの味を継承していると思われる。

  もっとも、一消費者としては、何処で製造されたとしても、美味しければよい。その「美味しい」と思える要素を考えると、やはり、この中にある「たこ」の切り身が話題の中心になるに違いない。たこから出てくる旨みや、歯ごたえ、これらがお米と渾然一体となって美味しさとして実感できるのである。もちろん、「たこ」の切り身は、たくさん入っていれば、それだけ楽しくなるのは言うまでもない。そして、たこ以外では、ベースになる美味しさを作る出汁も重要と言うことになる。これは、日本の炊き込みご飯の共通する要素でもあり、出汁の基本になる鰹節、昆布、しいたけ、醤油、日本酒などに左右される。たった、それだけの要素と思われるかもしれないが、実際には、味にずいぶん違いがある。

  鰹節は鹿児島の枕崎港、静岡の焼津港で水揚げされた鰹が美味しいとか、昆布は北海道に限るとか、有名な産地は国内にたくさんあるが、個人では、そういう「産地もの」を使って出汁を作るのは出来ないこともないが、前もって準備が必要である。また、そこまで著名な食材を使わずともそこそこ美味しく仕上げることも可能である。今日の即席「たこめしの素」は、焼津産の鰹節、日高産昆布のあわせ一番だしで作られていると表記されている。美味しい物を知り尽くした奥様方は、このような宣伝文句に敏感に反応し、商品に手が伸びると言うことになる筈である。したがって、この「たこめしの素」で作った「たこめし」は、理論的にも美味しいということになる。
ではこちら
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補足: レトルト・パックの中の「たこの切り身」は、調味液の中で小さくなってしまっている。酒の肴に使える「たこのぶつ切り」がセブンイレブンでも販売されているので、それを追加して炊き込むと「生々しさのある たこめし」になり、お勧めできる。 

2013/09/20

スパイシーな本場のカレー

   このカレー5種の総称は、「印度・伝統料理人」と言うらしい。「印度」と漢字で書かれているところに意味がある。日本にカレーが入ってきた大昔まで遡って、「日本人の持つカレーの誤ったイメージ」を正そうとする意図までも感じてしまう。つまり、英国式のカレーは、インド人は口にしませんよと言うことなのである。そうやって、本来のカレーの持つ印象を「徐々に歴史や伝統のある美味しさ」に導くように考えられた商品といえそうだ。そこに、この商品のコンセプトがおのずと浮き彫りになる。「古代伝統カレーレシピを本場インド人シェフが継承したカレー」という、インドの歴史ある文化遺産を掘り起こしたテイストなのである。うーむ!凄すぎる。なので、これが「本物の印度のカレー」と、自信を持って薦められるということなのだろう。これら5種には、1つ1つにそのカレーの特徴を象徴する「固有の名称」があるように、その究極にまで洗練されたスパイスや食材との組み合わせを活かした逸品といえそうだ。


   商品の特徴を「パッケージ裏面にある説明文から転載要約」してみると、以下のような表記になっている。  → 1.「パニールマッカニー」は、殆どのインドレストランにある人気のインド料理でメニューで、トマトベースのソースにカスリメティとハーブを加え、インドのカッテージチーズ(パニール)を煮込んだ料理。→ 2.「ナプラタン」とは、9つの宝石と言う意味で、ムガール朝の時代アクバル王が9人の側近に作らせた料理が「ナプラタン コルマ」だと言われている。たくさんの野菜と、カルダモンの香り漂う濃厚なカシューナッツのソースの宮廷料理の1つ。 → 3.「ダル マッカニー」は、黒豆を弱火で約9時間コトコト煮込む、「辛抱が必要」な料理。ブーケガルニ、トマト、クリームとバターを加えて味付けをし、深い味わいのクリーミーなカレーに仕上げてある。 → 4.「パラック パニール」は、肥沃な土地に恵まれた小麦や野菜、乳製品の生産地として名高いプンジャブ地方の代表的な料理で、新鮮なほうれん草とインドのカッテージチーズ(パニール)を、玉葱とにんにくでじっくり煮込んだシンプルな料理。 → 5.「チャナ マサラ」は、ムガール朝の時代から続く伝統料理。スパイスをふんだんに使ってよく煮込んだひよこ豆は、ほっくりと仕上がり、高級な味わいがする。インドでは、オニオンスライスを添えてバドーラと呼ばれる揚げパンと共に食べるのが一般的。

  これら5種は、いずれも鶏肉、豚肉、牛肉、えび、魚などを一切使っていない野菜カレーである。脂分としても、バター、生クリーム、パーム油程度で、ベジタリアンの人たちに最適なカレーにもなっている。たんぱく質は、豆やチーズが入っていて満足感は十分あり、お昼に丁度よいぐらいである。動物性の脂が殆ど使われていないので、暖めなくても、レトルトパックからスプーンですくい上げて食べることもできる。つまり保存食としても最適である。もちろん、これらの野菜カレーに飽きたら、独自に鶏肉、豚肉、牛肉、えび、魚を加工して上に載せるとか、いくらでも美味しく戴く方法はあると思われるかもしれないが、何回食べてもその必要はなさそうである。

  ありがちな、重たい脂で内臓が痛めつけられることは全く無い。消化が早く健康的であることで、年配の人たちにも好感がもたれる筈である。そんな、体に優しいレトルトカレーであるが、驚くほど多彩なスパイスが入っているので、口腔内から鮮烈な薫りが鼻を通り抜ける。あまりにも手軽で、それでいて美味しいので、信じられないかもしれないが、全く「東京にある高級インド料理店で戴くカレー」と遜色は無い。食べた後には、何処からとも無く使われていたスパイスの一部が漂い、美味しかった記憶を再び好印象として残している。個人的な話になるが、鶏肉が嫌いな私にとって、海老カレーしか食べれないため、最近はめっきりアジャンタ等へも顔を出さなくなったが、このレトルトカレーがあると、益々インドカレー専門店へは足が向かなくなるに違いない。また、最近東京近郊に増えつつあるインド料理店とは競合になるかもしれない。
それぞれの原材料、エネルギー成分など詳細はこちら
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補足:品質保証として、このインドカレー専門製造メーカーは、ISO-9001、ISO-22000を取得しているとカタログに明記してある。

2013/09/17

ポンパドウル

  「ポンパドウル」という名前の会社がある。美味しそうな独創性のあるパンの製造販売を行う会社で、日本全国にお店を展開し、社員722名、売り上げ152億円を誇っている。「ポンパドウル」とは、1700年代のフランスの貴婦人の名前からとったもので、そのポンパドウルさんは優れた文芸、美術、芸術に類まれな才能をもった御婦人であったことから、それにあやかり、どこまでもハイセンスな商品を取り揃えて、若い女性から年配の御婦人まで幅広く支持を得ていると自慢できるお店のようだ。

  商品は、フランスパン、食パン、菓子パン、惣菜パン、サンドイッチ、バラエティー・ブレッドと幅広く取り扱う。それらは綺麗に分類されていて、見るだけでも美味しそうだ。パンは焼きたてが美味しいが、一度にたくさん買っても食べられないので、店頭では苦渋の選択を迫られる。特に興味深いのは惣菜パンで、そのまま口にしても、組み合わせる食材に独創性が感じられ、時間が経過していても、その薫りと奥深い味わいに満足感が湧き上がる。そこには、一日中パンを口にしても良いかと錯覚するくらいで、日本人であることを忘れてしまいそうになる。そんな、美味しさに豊富なバリエーションが用意されている。

  中でも、今日紹介するこのミルクフランスは、とても独自性を感じるフランスパンである。見た目からは皮が硬そうで、ちょっと、そのまま食べれるのだろうかと不思議に思えるようだが、一度でも口にしたことがある人なら、その魅力に虜になるにに違いない。パンは固ければ何度も噛む。何度も噛むためには、出来ればパンは少し甘いほうが良い。甘い味なら練乳味、そんな願望をストレートに表現したのがこの「ミルクフランス」である。「いやいや、ミルク味のクリームを挟んだパンならどこにでもあるよ」って言われそうだが、香ばしいフランスパンに独特のコンデンスミルク味のクリームが挟んであり、これが他を圧倒する美味しさを演出しているのである。このミルクフランスは、購入したその日のうちに戴かなければならない。

  そしてもう1つ、ジャンボレーズンというフランスパンがある。PDFでは背後に写っている。これこそ、外見の似たものは多いが、これには、特大のレーズンを入れて焼き上げてあり、小麦の豊かな薫りと特大レーズンから染み出るほのかな甘みが、カリカリの外皮とフワフワの中身と相まって、持ち帰ったら、すぐに「かぶりつきたいぐらいで」、もう、病みつきになりそうである。また、初めて観た人も裁断された断面が、見るからに美味しそうで、すぐに手が伸びてしまう筈だ。そんな、ジャンボレーズンは、薫りの高さも魅力的である。できれば、これも早めに戴きたい。
こちらは、1本で1,050円。
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2013/09/13

ウォーキング 6

   「一葉知秋」といった日が既に続いている。誰でも「枯れた葉」を見て、わが身の老化を意識するのかもしれない。少し筋肉や筋を伸ばす気力が戻ってきたようだ。人々は、様々な格好をして川縁を歩いたり、走ったりしている。自転車に乗る人も増えているし、電動車椅子の人も繰り出して来る。人出が多いのは楽しいが、そういう時こそ道路マナーはしっかり守りたいものだ。10~15年前に比べて、自転車や乗用車のマナーが極端に悪くなっているからだ。また、乗用車、軽トラックなどは、運転者はこのくらい近づいても、歩行者の方が避けるだろうと予測して、速度を落とさなかったりするので、歩行者は常に気を許せない。私も、危うく「小田急バス」に潰されそうになったことがある。死亡事故発生箇所は、意外にも多いのだ。そんな事故の予測を踏まえて、事前に対策を考えてコースを選んだ方がよい。

  昔の人は、体を鍛えるには、ある限界まで苦しい思いをすることがよいと考えていた。今でも、辛い思いをすればするほど筋肉がついたり、精神力が養われると考え、炎天下でも気合を入れてへとへとになるまで体を酷使する人がいる。しかし、現代科学では、これを危険な行為と位置づけている。食事も腹八分目なら、運動も体力八分目が良い。しかも、その場所は、体育館のような直射日光にあたらず、風通しがよい場所で、水分・塩分補給を用意できるところが良いとされる。そして、運動している時は、筋肉を伸ばしている、あるいは腹筋を使っている、敏捷性を養っているなど、鍛えたいところに神経が集中していることが望ましいそうだ。それを踏まえて、ウォーキングをイメージすると、正しい歩行姿勢で歩くことが最も重要であることが分かる。正しい歩行姿勢で歩くと、体全体が程よく疲れて、足の筋肉だけが硬くなったり、腰を傷めたりすることはない。

  そんないくつかの課題を踏まえた上で、着用するものも周到な準備をした方が良い。まずは、上半身周りだが、運動を常に繰り返していると、自然に汗を大量に放出する皮膚になる。そこで、汗を早く気化して、常にさらっとした感触を保ちたい。今年は、当初から特に暑くなりそうなこともあって、あらかじめアディダスの360度涼しい「Climacool」というアパレルテクノロジーを着用してきた。これは、特殊なメッシュ素材を、汗の多い場所や熱を持ちやすい場所などを素材を変えて縫製したものである。シューズもその技術を使っている。このシューズは大地とのグリップ感も大変優れていて、機敏な動作に小気味よく追従する。これらの感触は、実際に数ヶ月使ってみて効果を実感してきた。是非にでもお勧めしたい。

  これからも、まだ首には日焼け止めのタオル、目には紫外線を防御するためのサングラスが必要で、ただし、色が付いて暗くなっているだけでは、逆に瞳が拡大し、返って紫外線が大量に入射する事が分かっている。それが白内障の原因になっているという報告がある。白内障は、手術で眼内レンズと交換するまでは治らないので最も保護すべき場所である。頭のてっぺんにも紫外線は悪影響を与える。反射しかしない人は別として、まだ髪が大切なら必ず帽子を被ろう。準備が出来たら、 危険な街中に飛び出す訳だが、歩道や遊歩道を歩く時間帯も重要である。日が暮れる夕方、あるいは夜中は、一番交通事故が多いので避けたい。シャツの色柄は派手で目立つほうが良いに決まっている。そして、人がたくさん歩いている場所を歩く。人が多いと接触事故は少ない。さらに目撃者が多いので、自転車や自動車の運転者も慎重になる。あと、オヤジ狩りにも注意し、むやみに集団に近づかない、特に背後に気を配っておきたい。
今日は、Climacool の一部を紹介したい。 
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2013/09/10

髪に効果あるコラーゲン

   還暦を過ぎたおっさんとしては、いまさら少々褒められても、何を言われても、それなりに受け流せる気持ちの余裕はある。ただ、機嫌を伺うような挨拶程度のジャブを返すのに「受けを狙う」なら何か面白い言葉を発して、相手を動揺させるとか、色々手口は考えられるが、そのようなリアクションも最近は面倒というか、正直しんどい。ところで、今日は髪の話になる。その髪のカットのために、大倉山まで通っているのだが、そこのカリスマ美容師(=凄いすよ、鋏なんか逆手に持ってるんじゃないかと見間違える作法で、すばやくカットしその切られた髪を拾い上げると、ほぼ同じ長さに揃っていたりして、正に「入神の技」と言ったところ)が、カットも大方終わりかけながら、ぼそっと、一言「髪の腰」が強くなっていますけど、何かしています?、「つやもいいし、元気になってます」というのである。

  いや、実際何もしていないので、きっと、上手を言って、俺を背後から喜ばせようとしているな!その手には乗らないぞって思いながら、少し間をおいて「何もしてないよ」と返した。何やら、頭頂部の髪を指で挟んで左右に引っ張りながら、首をかしげている。彼は、そんなに根拠も無く上手が言えるほど調子の良い男ではない。私がカリスマと呼ぶぐらいだから、芸術派のプロフェッショナルなのである。もう15年以上の付き合いだから、私の物腰をみて機嫌を判断するぐらいの間柄である。「その彼が、そんな言葉を掛けるなんて・・・・」、と思い出したように、帰りの電車の窓に映った髪を覗き込んでいたのである。そんなことを、言われたのは生まれて初めてである。潮来笠の橋幸夫ではないが、首を右へ傾けたり、左へ傾けたりしながら、「トップの髪かあ~」と手で触ってみながら、思い当たることを探そうとしていた。

  大昔、私がまだ高校生の時代に、父が夜ジョギングをしていて、帰り際にへこんだ流水溝に足をとられ捻挫をしたことがある。それ以来、そのことを時々思い出し、自分の年齢を意識し始めながら、ウォーキングで足腰を痛めてはいけないと思い、特に、背中に負荷を掛けるようになってからは、必要以上に気を使ってきた。以前に紹介したことがある「コラーゲンとヒアルロン酸の入ったパウダー」を珈琲やスポーツドリンクに混ぜて飲んでいる。これは、美容系の製品で、グルコサミン、ビタミンC、美体質乳酸菌、低分子コラーゲン、ヒアルロン酸、食物繊維、CoQ10、エラスチン、4種のハーブミックスと女性のお肌に良いとされるものの集大成商品と言えるものである。

  最近違うと言えば、これしか考えられない。家に戻ってから早速コラーゲンとヒアルロン酸の効能を調べてみた。幾つか効能はあるらしいのだが、元々女性向けに用意された記述のページが多い中で、もちろん私には無関係だが、美しくなる要素が上位にランクされていて、お肌に潤いを与えるとか、色々あるのだが、結局、そのような効果は最終的な効果であって、むしろそれ以前に細かい効能が挙げられている。そこに、あった。「髪が太くなる=3ヶ月程度で髪のハリやコシが改善され、髪の直径が増す」という報告である。そのほか、骨が丈夫になるとか、傷が治りやすくなるとか、美容だけではなく、中高年の老朽化した皮膚や筋肉にも効果的な事が分かってきた。コラーゲンとヒアルロン酸なんて、表側から分かるような効能があるとは思ってもみなかったが、確かに、トップの髪の艶とか張りが良くなっているように感じる。いまだ、トップに髪が残っている方は是非お試しあれといったところ。
では参考程度にこちら。
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2013/09/06

ツバメ風しょうが焼き

  どんな洋食屋にも、ランチメニューや定番メニュー、あるいは、季節限定メニューというジャンルも選択肢として用意されている。もちろん単品のアラカルトもあって、縦て続けに何度か通っても飽きが来ないように、巧妙に準備され、意外な美味しさを再発見することもある。私のように、不見転でお店に入ることの無い者にとって、お昼の食事は、主要な駅での馴染みの店化を進めてきた。早い話、「冒険を嫌う情けないやつ」なのである。おおよそ、打ち合わせとかで待ち合わせる場合は、神田や小川町と言った街での老舗店がよいが、距離的には気軽に新宿、渋谷あたりでも開拓を進めてきた。そんな折、もう随分昔の話だが、新宿南口駅の2階にあった「つばめグリル」がどこかへ姿を消してしまっていた。そのために、わざわざ高島屋店の13階まで足を運んでいたのである。

  つばめグリルは、一寸煩い時もあるが、気楽に入っても「昔ながらの美味しいお店」として、万人に好まれている。その姿を消した「つばめグリル」は、つい先日、ルミネ1の7階に移転していたのを知ったのである。さっそく探して訪れてみたが、南口2階にあった頃より店の雰囲気は落ち着いて、テーブルも大きくなって、いい感じであった。久々のオーダーは、珍しい品が追加されていたので「しょうが焼き」に挑戦してみた。メニューには、「宮崎県都城市産の豚を使用」という程度で、特別な能書きもない。最初にしては、ちょっと不安にも感じたが、結果的には、そこそこ品質も高く、ロースハムのような味わいで、それでいてボリュームのあるお肉に仕上がっている。さりげないメニューだが期待以上で、このあたりのメニュー作りの選択眼は、さすがに都会的な品のよさが伺える。

  しばらくご無沙汰していた「つばめ風ハンバーグ」は、価格は僅かに値上がりしていた。しかし、品質やお味は、まったく変わらず、むしろハンバーグの上に乗っているデミグラソースやその上のビーフが少し大きくなったかもしれないほどで、大変満足できる。こういう慎重な値上げは、顧客からも支持されるに違いない。それにしても、テーブルに座って思い起こすことがあった。この「つばめ風ハンバーグ」を食べていた25年前の自分は、量的にも十分納得していて、少し腹に余裕を残す程度にペロッと食べたものだが、さすがに今時は、前菜のトマトサラダや、添えられたアンチョビバターの乗ったじゃがいも、あるいはフランスパン、これらの量が全体的に少々多すぎて、全て平らげることが出来なくなってしまった。どこか消化器系の病気でもあるのではないかと心配である。というのも、端向かいに座ったかなり年配の2人連れは、その「つばめ風ハンバーグ」を簡単に済ませ、すぐに、珈琲とかぼちゃのプリンを平らげていたからである。

  そんな、昔ほどに食べる勢いがなくなったとか、たくさんは食べられなくなったとか、同じように夏場の胃腸の疲れが残る人には、サーモンのムニエルがお勧めである。珍しいほどの大振りのサーモンで、結構満足できる。もう一皿ぐらいいけそうだが、後のデザートも色々美味しいのがそろっているので、ここはとりあえず腹7分目で抑えるというのも手なのである。オーソドックスなメンチカツは、一般的に「ハンバーグの種に衣をつけて揚げたもの」と思われるが、お店によって少々作りが異なる。ここのメンチカツは、昔の洋食屋のそれに最も近く、玉葱の食感が少し残る感じに仕上げてある。それが嫌気するならば、最初からハンバーグをオーダーする方が無難になる。今日は、それら3種を並べてみた。
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2013/09/03

とびきり大粒ヨーグルト

    先日、私の推奨ヨーグルトでもある「贅酪」を紹介した。このヨーグルトは、もの凄く体への効果を実感出来るヨーグルトにもかかわらず、結構手に入りにくいので、わざわざ都会へ出かけて買い求めるしかない。インターネットでも購入することが出来るが、ヨーグルトと言う性質上、3本以上は買い貯めが出来ない。だから、その贅酪が入手出来ない時に、手近で補うヨーグルトが必要になり、自分に適したヨーグルトを常に探し出そうとしている。B型(血液型)としては腸内抗体の増加を補うため、ヨーグルトを欠かすことができない。そうやって、近所のスーパーで販売されているものの中からも、常用できる商品を選出することになる。

  今日、紹介するのは、デザートのようなヨーグルトで、北海道乳業の大粒果肉入りのフルーツサラダヨーグルトと並ぶ商品で、「マンゴーとゴールデンパイン」を使い、トロピカルな爽やかさを追求した「とびきり大粒」ヨーグルトである。以前同社の製品を紹介した時にも、やはり同じ「とびきり大粒ヨーグルト」という名称だったと記憶しているが、そちらには「温州みかんの大粒」が使われていた。温州みかんは、味が濃くて、それ単独では凄く美味しいのだが、ヨーグルトと混ぜて美味しいかと言われると、ちょっと首を傾げる。それは、我々の世代は、幼い頃に食べた「みかんの缶詰」を思い出すからである。それは、季節柄、冬場に向いた商品と言えそうだ。そこで、夏場用として別途マンゴーとゴールデンパインを加えたヨーグルトを用意したものと考えられる。

  やはり、乳製品は、特徴ある美味しさを印象付けるものがよい。一口で「美味しさ」と言っても、人によって様々な印象があると思うが、個人的な記憶を呼び起こすもの、たとえば私などは、チチヤスの赤ラベルは、「幼い時から食べなれたヨーグルト」で、懐かしさが(=美味しさに)繋がった商品といえる。一方、この北海道乳業の大粒果肉入りのフルーツサラダは、大粒の果物が所狭しと入っているので、時間経過と共に、果物からじわっと溶け出した果汁とヨーグルトが渾然一体となり、フルーティーなデザートとしても品質の高い商品といえる。1個140~160円で販売されていて、少々贅沢な感じを受けるが、その価格以上の(=美味しさに)印象がある。

  大粒の果物を投入したヨーグルトは、素材の厳選入手とか、裁断加工からカップ投入まで、機械による一貫生産で製造されているとは限らず、やはり多くの人の手を経て作られる筈である。このような商品は、やはり貴重な存在なので個人的には大切にしている。今日は、その北海道乳業の2種類の製品を並べて撮影してみた。温州みかん、ぶどう、パイナップル、白桃の入ったフルーツサラダヨーグルトとマンゴーとゴールデンパインの夏向きデザートの「とびきり大粒」ヨーグルトである。同社には、期間限定商品として他にも他社とのコラボして開発された商品が幾つか用意されているが、やはりこれらのヨーグルト商品に勝るものではない。
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2013/08/30

カクテル・チョコレート

  最近は、たっぷりとした時間の余裕が出来たせいで、お酒が呑める人が羨ましいと思うことがある。特に、こんないい薫りが口いっぱいに広がり、知らない世界へいざなう時には、もっと深みにはまってみたいと思うし、周囲の喧騒から離れて、しばらく深みから抜け出せなくなっても、あるいは、そのまま向こうの世界まで行っちまってもいいか、とか、はっきり言って、無理しない程度の「程良い冒険心」のような気分に浸りたいのである。それこそ、気分が大きくなるというか、本来の自分の能力が普段以上に発揮できるような気持ちになるのである。

  お酒飲みの人からは鼻で笑われてしまうが、洋酒の入ったチョコレートは、少しだけそんな気持ちにしてくれるところが嬉しいのである。口先は甘ったるい芳醇な薫りに包まれながら、適度にいい雰囲気になる。その深みが永遠に続くわけでもないし、チョコレートが解け終わる頃には、徐々にその風味と薫りが無くなり、自然と現実に引きもどされてしまう。そこに不安を感じると、また違う品を口にして、「ああ、これもいい」と、再びその世界に潜ってしまうような錯覚に襲われるのである。 

   そのような感覚が世界共通と言うわけでもないだろうに、海外の洋酒入りのチョコレートは、味が鮮明に美味しいと思うことが多い。一般的にこのような洋酒チョコレートは、洋酒を包んだ周囲のチョコレートの質が国内品と輸入品は少し異なるようだ。国内の洋酒チョコレートの周囲はミルクが多い。よく練り込んである。しかし、輸入品はミルクが少ない。それが全体のイメージに与える印象は、「あっ舶来だ」といえるぐらい違いを感じるのである。それは、どうもチョコレートの作り方による甘さと洋酒のバランスの違いによるものといえそうだ。

 今日買ってきたのは、ドイツのハシェチョコレート社のTALERカクテル2種類、1つは、ラムベースのトロピカルカクテル・モヒートクリームをビターチョコでコーティングしたもの、もう1つはTALERカクテル ストロベリー・ダイキリでカクテルの代表ダイキリにストロベリーの甘さを加えたクリームをビターチョコでコーティングしたもの。さらにもう1つ入手できなかったが、 ココナッツとパイナップルが 香る南国風のカクテルクリームを ビターチョコでコーティングしたタイプもある。 これらは、とても美味しかった。ま、時には、こういうのを口にしないと、何時まで経っても大人になれないような気がする。
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2013/08/27

ほんまもん麦茶

 香川県は、年間を通して降雨量の少ない所で、日照り続きの場合は、農業用水に溜め池の水が使われる。もちろん、それは古くから「うどん用の小麦」にも使われてきた。近年、うどん用の小麦はオーストラリアから大量に輸入されているものの、やはり、香川の小麦作りは、長い歴史があるだけに、それだけ優れた品質を誇っている。それに溜め池も大いに貢献しているのである。香川県の小麦には、うどん用の他、はだか麦と言う品種もあって、麦味噌や麦ご飯、麦茶に使われている。麦と言うとすぐにビールを思い浮かべる人も少なくないが、そちらは、二条大麦で、さらに、一般的に「麦茶」に使われるのは、その兄弟分の六条大麦らしい。結局、国内の麦には大小合わせて4種類あると言うことになる。

 この「ほんまもん麦茶」は、「香川県産の裸麦イチバンボシ」という品種で作られている。六条大麦に比べて、澱粉の抽出量が豊富で、やさしい口当たりに濃厚な麦の香ばしさ、ほのかな甘さに優れているという。厳選された裸麦イチバンボシを100%使ってあることから「ほんまもん麦茶」という名称がつけられたようだ。「ほんまもん」とは、「本当の」と言う言葉と「物」との関西風合成語と考えられるが、これに対し、類似品を明らかな「にせもん」とは言わず、同じようにみえるけれど少し品質が落ちるという意味を使って「まがいもん」という。つまり、どこか訳のわからない「まがいもん」ではなく、香川県の「ほんまもん」なのである。微妙だけれど、名称自体で相対的に他と明らかな差別化を考えた「ブランド商品」である。

 「ほんまもん麦茶」の作り方は2つある。1つは、煮出し=1.5Lのお湯に1パックを投入し、5分程度煮出す。あとは、パックを取り出し、常温まで下がったら冷蔵庫で冷やすと言う方法である。もう1つは、水出し=1Lのお水に1パックを投入し、そのまま冷蔵庫で2時間抽出する。水出しの方はなかなか色濃くならないが、お味はとてもやさしく美味しい。苦味や色の濃いのがお好みなら、2パックを2Lで煮出すぐらいが良い。どちらも独特のやさしい香ばしさと甘みがあり、本物を実感させる。お勧めは、アルカリイオン水を使った濃い目の水出しになる。

 ほんまもん麦茶のパッケージの中を覗くと、麦の焙煎された薫りがふわっと押し寄せる。その薫りに、どこか「屋島をバックに畑の中を走る琴電のような、田舎の田園風景」を思い浮かべてしまった。テレビでは、TPP問題とか、農協も云々かんぬんと言われているようだが、この麦茶のパッケージにあるように、これからは、原材料生産地、製造者「JA香川県」のように、明確にして安心・安全に十分な気を配っていることを明示して欲しいものだ。要は、そのままでも、水出しでも、安心して食べられるものが競争に残れるように、どこのJAも力を尽くして欲しいものである。
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2013/08/24

くずきり

    今日のように蒸暑い日には、朝から冷蔵庫に涼しげな甘いものを捜すことがある。それは、アイスでもなく氷菓でもない。意外かもしれないが、冷えた缶詰なのである。「井村屋の葛(くず)小豆」といって、葛を固めたものの中に、小豆の甘納豆を散りばめた冷甘味で、その風景がいかにも涼しげなのである。葛そのものは、寒根葛(かんねかづら)の根から取れる澱粉から作られ、半透明に固められたものである。葛切りや葛餅などの原料として知られているが、葛粉は良質の澱粉なので、昔は、安価に栄養を取るには優れた食材と言われてきた。

  それにしても、我々は、幼い時から具体的な由来や効能を知らずに、いつも決められた時期にそれを食べさせられることがあった。もっとも、その由来を知らずとも、形や大きさ、そして食感などを覚えてしまう。そして、「それが一生を通じて、昔の父や母あるいは祖母の記憶と一緒に閉じ込められ、思い出多き味」になるのである。それが季節感であったり、幼い時の記憶であったり、家族の思い出であったり、様々だが、ついそんな食感を口にしたいと思うことがある。葛は、そんな日本の伝統菓子素材の1つと言えるのではないだろうか。

  葛を使った商品は、最新の創作技術で再現され、一般的な新しいデザートとして市場に出回ることもある。しかし、新しい食材と組み合わせた葛商品でも、老舗の和菓子屋でないと購入するのに納得できないかもしれない。それは、葛商品の自己認識が邪魔をして、組み合わされる食材はもとより、器の形や包装紙にも歴史を感じさせる「古き良き和への回帰」が似合うと思い込んでいるからに他ならない。さらに、加えて、葛の印象と言うか、それ自体への、古く家族の記憶や思い入れを大切にしたい気持ちが、邪魔をするかもしれない。それ程こだわらなくても、甘みや酸味と自然に組み合わせ、いかにも澱粉を固めた食感豊かな食べ心地が必要なのである。

  そんな葛自体に格別に愛着があるわけではないのだけれど、ちょっと変わった葛商品があれば、口にしてみたいと思うのは自然なことだ。今日買ってきたのは、柚子レモンと葛きり、甘夏と葛きりのい生菓子2種である。生菓子と言っても、柚子レモンとか甘夏のジュースで満たされた、さっぱり清涼感漂う葛きりで、新しい美味しさと言える。価格は200円/1個。最初から最後までやや酸味の強いお味で、比較的に葛の食感は薄い。もう少し葛の大きさを工夫してもいいと思うが、しばらく間隔をおいて「忘れかけたころ再び戴きたい」逸品になっている。
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2013/08/22

EMPEROR

   日本では、「終戦の」という言葉を先頭に付けて「終戦のエンペラー」と題した映画を観た。誰もが知る「昭和天皇とGHQ最高司令官マッカーサーの会見」の様子を忠実に再現したものである。今日は、それの「60歳のおっさんの感想文」である。当然、年齢や成長した地域、あるいは知識や経験によって映画の捉え方も異なるので、「ふーん、そう」と言うぐらい、人によって異なるものである。

  さて、その誰もが知っている話を、「いきさつ、そして、その場の陛下のお言葉の重みや漂う空気感」をどう表現してくれるのだろうか。その一点にしか興味は無かった。私は、陛下のそのお言葉を、おおよそ「54年ほど前に父から伝え聞かされたことがある」。それ以降、尊敬の念をこめて「陛下を天ちゃん」と気軽に呼んできた。国民が陛下のことを「ちゃん」を付けて呼ぶのは、大いなる親しみであるが、絶対の信頼を持っているという証でもある。しかし、そう呼べるのは、後にも先にも昭和天皇だけである。その当時は、貸本屋から戦争漫画ばかりを借りてきて、父に読んでもらうのをいつも楽しみにしていた。父は、解説を加えながら朗読し軍艦マーチを口ずさむ。漫画には、腹が減っても勇敢に戦う兵士達、世界で最も優れた軍艦や戦闘機が描かれ、一方「無能な大本営」という構図が浮き彫りで、陛下への情報操作、首脳陣の精神論や、国民のメディアに流され易い気運が浮き彫りになっていた。

  さて、本題だが、結論から申し上げると、その会見の場の映像だけは、日本人として、「かなり満足できるもの」であった。自分のイメージどおりで、諸先輩方も納得してくれるに違いない。この映画には、歴史を忠実に再現したいと言う意図と、もう1つ、日米を対等に扱いたい意思が織り込まれている。にもかかわらず、明らかに「日本びいき」に仕上げられている。それは、冒頭の映像にも登場する原子爆弾投下の反省が背景にあるからで、その現実を見極め 「世界で最も危険な国が米国」であることを強調しているからに他ならない。また、キャッチフレーズにある「戦いの終わりに、分かり合えるのか」と言う言葉は、戦争前に対して「戦争を終えて、むしろ分かり合えなくなっている」と考えられる。今でも「米国は日本を敵国(補足1)として扱い、あるいは、日本は、米国を支配者」と考える人達が増えている。そのことに、もっと配慮すべきである。日本では、これを「根に持っている」という言い方をするが、年月が経ったからといって原爆2発落とされたことを忘れることは出来ない。

  映像は、かつての戦争映画のように古めかしいものではない。どちらかと言えばギラギラしたデジタル調での作りである。原爆を搭載したB29エノラゲイが飛び立つ映像は、表裏反転映像で使用したと推察される。いずれにしても、そのリアルな表現技術を使って、東京の焼け野原を再現しているところは、つい「ため息をつくほど恐ろしくも見事」である。しかし、撮影カメラは、少し古いかもしれない。ヘッドライトが水平スメア(偽映像)となってしまい、観るものを邪魔する。さらに、戦前の日本の風景、街中、家財等の様子は時代考証も素晴らしいし、それも見所と言える。一方、マッカーサーの乗る飛行機が富士山を目指して飛んでいるシーンは、富士山がいかにも作り物で凄く安っぽく描かれていて、少し残念に思える。続けて、その飛行機が厚木基地に着陸して向きを変える時のジュラルミンむき出しの輝きはとても印象に残った。さらに、どうでも良いことだが、マッカーサーへの取材カメラは、リンホフスーパーテヒニカ(補足2)などが用いられていて、当時の米国における取材風景を思い起こさせる。

  日本びいきとか、拘りと言えば、それはキャストにも現れている。マッカーサーにトミー・リー・ジョーンズが登場した最初の(飛行機から降りる)シーンは、一瞬ギャグかと思って笑ってしまった。きっと「この惑星のエンペラーは・・・・」とでも言いそうである。鹿島大将役の西田敏行の登場の時も同じである。この軍人2人は、まったく対照的に描かれているが、どことなく人間味が溢れていて共感できる。つまり、今の日本人の中には2人の価値観が共存すると思えるのである。次に、昭和天皇役の片岡孝太郎は、とても「それらしい印象、つまり=お言葉の重みや漂う空気感」をリアルに再現してくれた。マッカーサーの前で、「陛下が国民に対して責任を取ろうとする姿」にぐっと来て、涙が自然に溢れてしまった(うーむ、やっぱり素晴らしい)。そのほか、夏八木勲は、特に印象深く、彼ならではの表現力が輝いていたように思う(補足3)。

  全体の流れとしては、戦後、米国が寄生虫のように日本の資産を吸い上げ続けていることを忘れさせるほど、日本人が気持ちよく(反感を持たず)観ることのできるストーリーになっている。こうやって振り返ると、その徹底して考え抜かれた構成に驚かされる。そこで、気をよくしてマッカーサーを通して米国に親しみを持ち、彼らの名誉さえも高めるところは、「日本びいき」とは真逆の米国のレトリックそのものであった。あと、これも余計なことかもしれないが、准将ボナーフェラーズが、愛した「あや」という怪しくも空想の日本女性は、何としても「日本を理解しようとする気持ち」を具現化したものとして捉えることができる。全体があたかも「あや」とのラブストーリのような印象を受けるかもしれないが、そこは、難解な日本人のメンタリティーに対する、米国人の分かりやすい「愛」を引き合いに出したものと思える。所詮ハリウッドの考えることは、この程度なので、あまり気にすることは無いが、あえて言わせてもらえば、それほど難解なメンタリティーよりも、愛の方が「価値が上だ」と騒いでいるとも取れる。
こちらは、予告編。
http://www.emperor-movie.jp/

補足1:少なくとも「日本は米国の敵国」と思っている米国人は多い。その理由として「いつ原爆の仕返しをされるか分からない」からだという。
補足2:ドイツ製の取材用の4x5カメラ。
補足3:今年5月に他界されている。

2013/08/20

ひやし茶づけ

  今年は、こんなものまで買ってきた。ふと、ご飯も何とか冷やして美味しく戴きたいと思ったからだ。それも、これも、氷を入れるカップヌードルのCMに嗜好が刺激されたのかもしれない。この暑さの中では、逆に熱いものを食べたほうがよいと言う「頑固なじじい」もいるが、そんな真似をしていたら、命が何時までもつか分からない。やはり、朝から晩まで、いつでも冷たいものが欲しい。そんな折に、とても涼しげな雰囲気を醸し出した商品を見つけた。和紙の質感に仕上げられた包装が全体を覆い、裏側の説明文は霞みがかかったように、見えるか見えないか際どく、つい引き寄せて文字を追いかけてしまった。

 そこには、その食べ方の指南ともいうべき、ちょうど良いご飯とお水の案配が書かれてあった。無視して好き勝手に食べてもよいが、1袋の中には、3杯分の用意があり、1杯分としてのご飯の量は100g、冷たいお水の量が150g となっている。それは、具材6gつまり「あられや漬物、海苔など」と、お茶2g「緑茶と粉末昆布混合」(写真では銀色のパッケージ)の2つに分けて封印してある。もちろん、足りなければ、2袋、3袋分を使えば良い。若者なら1回2杯分を使うぐらいが適当だと思う。PDF写真は、普通に少し浅い茶碗を用意して1杯分にしたが、2杯分だと少し深めの茶碗に、削り氷などをたっぷり追加して、喉を一気に冷やしたいものだ。

 この「ひやし茶づけ」は、京都の老舗あられ屋(有)藤沢永正堂が提供しているもので、「執念とも言うべき様々な拘りで固めつくされて」いる。それは、お茶から漬物(みぶ菜、しば漬け)、梅、昆布、海苔、あられ、塩に至るまで産地が明確に記載されているのである。これからの「食品や食材の手本」とも言うべき表示方法である。そして、化学調味料などの食品添加物は、もちろん一切使用せず、上品にし上げたとも書かれている。それを順に読み進むだけで、美味しそうな手ごたえが深みを帯びてくる。緑茶のほのかな香り、味わい深い具材、風味豊かな焼海苔と、あられの旨みがご飯とよくあうお茶づけであることを、勝手に想像できてしまうのである。

 さすがに、全く上品なつくりで端正。ちょっと涼しげな風鈴の音とあわせると、まるで、夏の京都を思い浮かべ、CMのように「こんなものしかおへんけど」と美人のお上が、お昼に出してくれた「冷やし茶づけ」に見えてくるのである。東京の味覚とも言うべき、許容範囲の広い美味しさに慣れてしまっている我々にとって、この商品のように、ここまで正確無比に味が整えられると、嗜好心のど真ん中を矢でぶち抜かれたような、忘れていた王道とも言うべき、「食に対する京都の歴史」を思い起こさせられるのである。美味い!
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2013/08/16

8時間の水出し珈琲

  業界の標準が4時間というのに、CAFE KALDI は、その2倍の8時間が必要な「水出しアイス珈琲」を販売している。あえて、業界標準の向こうを張ることで、幾つかの差別化とも言うべき、販売価格、抽出時間、利便性、品質保持、美味しさ、に拘っているようだ。8時間の抽出時間は利便性と大いに係わり合いがある。たとえば、夜就寝時間前に冷蔵庫にセットすると、朝食にタイミングよく並べられが、中途半端な4時間の設定では、ちょうど「丑三つ時」に一度目を覚ませ、容器から珈琲バッグを取り出すと言う作業を強いられる。結局、4時間の抽出時間の概念は、ただ、無駄に抽出時間競争に走っているだけとも取れるのである。

  水出しアイス珈琲の商品化には、どうしても他社との差別化として、価格が安くて、抽出の早い方が良いという、自然現象に反する難度の高い目標を掲げたがる傾向にある。しかし、それは米国的マーケティングにありがちな 「安易で短絡的な上辺の考え」とも言えよう。本来、水出し珈琲の本質を熟知している人達にとっては、少々価格は高くても、抽出時間を掛けても、何に代えても商品価値を「風味とか、薫りの高さや美味しさ」に傾けるべきだと考えている。水出しの最も重要な要素は、やはり、「じっくり時間を掛けて」美味しさを引き出すことにあり、その自然現象に委ねた考えを譲るわけにはいかないのである。その抽出時間を大切に決めることで、珈琲バッグの大きさや内容量、水の指定量等の条件が織り込まれ、最終的な味の品位が確立するのである。

  だが一方で、そんな、製造者が神経を使って試行錯誤の上、微妙な味わいを問題にしているにもかかわらず、しかし、そんな商品企画とは異なり、ユーザーといては、どの様な使い方をしても良いことになっている。たとえば、水出し珈琲の風味と苦味を活かして爽やかにストレートで飲みたい時もあれば、ミルクたっぷりで戴くカフェオレ調も良い。また、思いっきり濃い珈琲を出し、牛乳で割って砂糖を加え、昔に銭湯でよく飲んだ珈琲牛乳風に作って、風呂上りに楽しんでも良い。そんな、人それぞれの楽しみ方があるがゆえに、商品の選択肢があったり、各社独自の特徴を打ち出しているのである。

  爽やかで薫り高く、ほろ苦い味を備えたアイス珈琲に仕上げるには、一番重要なのは、やはり水の選択を忘れてはならない。さっぱり爽やかを追求するには、多少、抽出時間を短めに設定することがあり、その時、抽出した「元の水の味」が残ってしまうことがある。水単独では分からなかった水の味が、僅かに何か加わると「水の味」の違いを感じるのである。それを嫌うなら、やはり、組み合わせとして、そう感じさせない水をあらかじめ選択しておく必要がある。市販の天然水とか、ミネラル水、アルカリイオン水の中でも、経験的に最も嫌味の無い自然な感じなのがアルカリイオン水と言える。また、アルカリイオン水は、浸透、抽出が早い傾向があり、それが意外にも美味しさに繋がっている可能性も考えられる。

  今日紹介する8時間抽出の水出し珈琲は、標準的で無難といえるほど大人しい商品なのだが、それだけ、爽やかな風味と苦味のバランスは良いと思える。使う抽出水や抽出時間を好みに合わせて欲しい。
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2013/08/13

あら川の桃

  今年は、局地豪雨の影響で、各地に野菜や果物にも大きな被害を受けた。毎年、送ってもらう山陰のトマトも、今年は熟度がいまひとつで、芯に青味が残っていながら、周囲はすでに熟しているとか、奇妙な姿が多かった。結局、多くをパスタソースにしたり、スープに使ったりと工夫を余儀なくされた。また、毎年山梨から送られて来る大振りの桃は、味は変わらないが傷みが少し目立った。一方、和歌山から今年初めて送られてきた桃は、まったく傷もなく非常に綺麗な状態であった。このように、今年の夏の野菜や果物は、被害を受けた地域と、そうでなかった地域を線で引いたように、出来具合に違いが生じてしまったようだ。豪雨にさらされた農家の人は、大変困ったに違いない。

   まったく傷も無く、綺麗な桃を送ってくれた産地は紀ノ川市で、関西空港のある泉佐野市から少し南へ下った大阪府の最南端に隣接する。大昔「紀ノ川」という「主演 南田洋子の」ドラマで有名になったが、ドラマ自体は「全くつまらん内容」だったと思うが、その温暖で豊かな土地が描かれていた様子が思い出される。大昔からそこには、膨大な水量を誇る紀ノ川が流れ、年間を通じて水の供給には不自由は無い。また、山や丘など水はけの良い土壌として、果物の生育にも大変適している。果物は、バナナとパイナップル以外なら何でも栽培できると豪語される地域でもあり、特にブルーベリー、無花果、柿、桃は全国的にも有名である。このような多品種で、大量の農作物生産を誇る地域は、その果物の生育方法にも配慮し農薬を極力減らすよう、安心安全も徹底している。また農協は生産品の宣伝にも力を入れており、自ら農産物の効能についても、徹底的に調査している。

 そこで、桃における体への効能を参照してみると、元々中国から入ってきたもので、古くは「不老長寿の果物」といわれるほど、甘くて美味しい果物だったことは広く知られることだが、それは、大昔の甘い果物が少なかった時代の話で、現代人にとっても同じ事が言えるかどうか不明である。そう考えると、果たして糖尿病の人にも「不老長寿の果物」としての効果のある成分を含んでいるのであろうか。そんな疑問が沸いて来る。その疑問に対し、ちゃんと説明も用意されていて、メカニズムはこうだ。桃が体に入ると、褐色脂肪細胞が刺激され、脂肪の代謝が活発となり、インスリンの働きが良くなる。その効果を取り上げて、桃には、糖尿病等の予防効果までもあると言われているのである。

  さらに、果肉には、鎮痛、鎮静効果があるとされ、微量でも葉や花には青酸化合物が含まれているともされている。そのほか、動脈硬化、高血圧予防、ガン予防、老化防止、血中コレステロール値低下などの効果も期待されている。それにしても、それだけ甘くて美味しい桃が、想像より体に対して幅広い効能があることに、やや興奮してしまいそうだが、それらは、二次的、つまり間接的な効能で、病気に直接働くものではないので、食べすぎは禁物である。しかし、桃自体にはペクチンや繊維質が多く含まれていることから、便秘の解消には明らかに効果的と思われる。

  太平洋高気圧で猛烈な暑さを受け止めた和歌山の桃は、それでも飛び切り綺麗な出来具合だった。しかし、こんなに品種によって、香りや甘みが違うのかと驚いたのだが、そういえば古い記憶になってしまったが、昔の白桃のイメージはこれに近く、皮ごとかぶりついたり、皮が薄くつるっとむけたりしたものである。それよりも、改めて効能にも興味を持つことで、効果のある食べ方を試みていきたい。
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補足:糖尿病および糖尿病予備軍は推定で、すでに国民全体の27%(ヘモグロビンA1C = 6%以上)に達したと言われていて、その数は膨大な数に達しているが、今後益々増加すると推定されている。

2013/08/09

水出し珈琲

  本格的な水出し珈琲を作るには、大量の珈琲豆の中に水を一滴、一滴と落下させ、下部でそれを集める。それを具体的な形にすると、じっくりと何時間も掛けて抽出する仕掛けの装置が必要になる。ポタ、・・・・・・ ポタ、と言った感じで抽出されるので、喫茶店などでは、高価な珈琲メニューの1つになる。しかし、このグラス1杯の珈琲の「薫り豊かで爽やかな味わい」は、他のどの珈琲にも勝ると珍重されてきた。昔、秋葉原ガード下に「古炉奈」という喫茶店があり、場所柄その専門筋の若者達が抵抗やコンデンサなど電気の部品を買い求めた後、一息入れる場所になっていた。そこにも、水出し珈琲の装置(高さ1.5m程度の巨大なガラス装置)がカウンターの左奥に置いてあり、実際に稼動している水出し珈琲装置を見ることができた。もう、ずいぶん昔の話である。

  珈琲を焙煎し、粉砕してフィルターバッグに包んで水に浸すことで、同じように珈琲液を抽出できる。細かく粉砕してあると抽出も早い。夏場は、何でも冷えてるのが好ましく、緑茶や紅茶も冷水で出すと意外に美味しい。沸騰したお湯に比べると時間はかかるが、冷水の方が「薫り高く、まろやかで上品な美味しさ」があり、時間さえ許せば、こちらをお勧めである。逆に、通常の沸騰したお湯を注ぐ珈琲を水出しとして使うには、袋フィルターの適当なものがないので難しい。むしろ、水出しアイス珈琲だけは、市販の商品の方が便利になっている。それらは、珈琲豆の種類、焙煎状態、粉砕の細かさなどが各社固定で、作る側として、水量や抽出時間を調整することで、それなりに美味しいアイス珈琲を作ることが出来る。ただ、どの様な手法を使おうと、珈琲粉が長い時間水に浸っていると、徐々に苦味が抽出される。そこは、作る側としての制限事項である。
  
  今日紹介するユニカフェの「水出しアイス珈琲」もそうだが、フィルターバック形式の水出し珈琲は、抽出4時間と言うのが業界標準になっているようだ。以前に、といってももう数年前になるが、KEY COFFEEとかUCCの商品も扱っているので、その過去の容器と同じ物を使い、その上でパッケージの「裏面にある作り方どうり」に冷水で作ってみる。1Lの常温水で4時間抽出してみても、あれっ?て思うぐらい薄すぎる。そのまま、がぶがぶ飲む人には、この濃さもありかもしれないが、それでも少し無理がある。時には、ミルクや砂糖、氷を入れたい時のことを考えると、もう少し濃い目にしたい気分になる。このような状況を鑑みて、趣味的な要素から好みの濃さにむけて、水の量とか抽出時間を調整して把握しておきたい。

  そこで、抽出時間は4時間とし、水の絶対量として 1000mL、800mL、600mL と変えて試してみた。この時の濃さ、薫り、すっきり感で800mL が良かった。それでも、まだ少し薄めに感じたので、さらに2時間、4時間と抽出時間を追加して計6時間と、計8時間で試してみると、800mLで計8時間では、すっきりした感じが無くなり苦味が強すぎて、ミルクや砂糖が必要になる。それに対して、800mLで4時間常温で更に2時間冷蔵庫というのが、おおむねベストな状態になったと思える。もう少し、水量と、抽出時間を変えて経験を重ねることで、自分の考える「水出しアイス珈琲」の「薫り豊かですっきりとした味わい」を実感することが出来そうだ。UCCの個性とは違い、意外に癖も無く素直に飲める。
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2013/08/06

半夏うどん

  かつて、住んでいたことのある場所で、最新のイベントの事実を周囲から聞かされたりすると、「ふーん~」と不本意な挙動をすることがある。自分の想像のどこかで、何か歴史的な必然性があったのではないかと、一生懸命記憶を呼び戻し、そこに何があったのか、あるいは、どういう発想でそれが実現されたのか探偵のように推測することがある。果たして、この「半夏(はんげ)うどん」が、そのような価値に相当するかどうかわからないが、意外にも(遅かったが)、ごくごく数日前にそれを知ることになったのである。

  何か、地域的に凄い歴史的云われとか、そこに熱を帯びたものを感じる程の記念なのか、よく分からないにしても、お店のおじさんから薦められ、それに反応して、爽やかで「物分りの良い、いい男」だと思われたい気持ちもあったのかもしれないが、「ふーん、あー、ふーん」と合図ちを打ちながら、最終的に「旨いの?」と聞くと、「それはもう、これ以上美味しいうどんは無いんよ」と言わんばかりに、商売人の最終弁論ともいうべき「騙されたと思って、食べてみてよ」といわれてしまった。そこまでいうなら、と思いながら2パック(4人分)買って帰ってきたのである。

    半夏(はんげ)とは、「夏至」から数えて11日目のことを言うらしい。その日は、毎年小麦の豊作を祈って、小麦から作られる「食材=うどん」を食べる日を記念したものということらしい。6月下旬に採れる新小麦をすぐに挽いて(果たしてそれが)美味しいかどうかは、私の知るところではないが、「豊作を喜んで、出来るだけ多くの人とそれを分かち合う」と言う観点から、その時期のお祭りになったのであろう。余計なお世話かもしれないが、個人的には、その時期は梅雨なので、夏まで待つとか、時期的に盛り上がるには、少々早いような気もする。昔は、そのようなイベントは無かった。

  と言う背景を思い出し、期待に胸を膨らませながら、早速鍋を2つ用意し、お湯を沸かすことにする。ふつふつと鍋の縁に泡が出来て、沸騰し始めるころに麺をほぐしながら投入する。一方で鰹の出汁をとる。付属の「希釈出汁の素」より、ストレートな味で戴いてみたい。麺はやや黄色を帯びて、それが妙に美味しそうに見える。「ええっと、何分だっけと包装をひっくり返してみると、なんと15~16分」と書いてある。そんなに長く?と不思議に思いながら、いつもなら、ずっと大きな鍋で泳がせるのだが、この程度の一人前を作るには、少し箸で動かしてながら待つ。ピッピッと時間が来たので、冷水で何度か麺を磨く。その表面はツルツルになり凄く綺麗だった。汁が薄いので、麺の中の独特の塩気を感じたが、それがいかにも讃岐っぽくて懐かしいし、美味しい。おじさんの言うとおり「とてもこしのある美味しいうどん」であった。 
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補足:香川県産小麦「さぬきの夢」は、美味しいうどんのために10年掛けて開発した新麦である。1000人もの専門家が、既にオーストラリア産より「はるかに美味しく」なったと口をそろえて絶賛した麦である。

2013/08/02

鰻の炊き込みご飯

  今日は、常々試してみたいと思っていた「鰻の炊き込みご飯」を作ってみた。何でわざわざ、美味しい「鰻の蒲焼」を炊き込みご飯にしなければならないのか、という疑問も沸くかもしれないが、それも「一種の美味しさ」の追求なのである。まず、その根拠となる背景には、関西と関東の鰻の処理の違いにある。現在、全国のスーパーなどで販売されている鰻の蒲焼は、蒸し工程を含んで「ふっくら柔らか処理」がなされているが、元々関西では、その処理を行わない川魚処理そのものであった。そういう工程の中で「脂の少ない鰻の美味しさ」を追求してきたわけだが、現在の鰻は、四万十川で採れる様な天然物は一般市場に存在せず、一部の高級鰻料理店等で取り扱われている程度で、ほとんどは、養殖物である。養殖物は脂の乗りがよく、臭みもないので美味しい。天然物は高価である割には、まれに河川の臭いがある物があり、大量の山椒が必要なことがある。

  関西の「蒸し工程」のない鰻の蒲焼は、一般的に大型の「穴子」のような食感に例えられると思う。もちろん、お店で戴く時には、出来立てなので、それなりに美味しくいただけるが、一度冷えてしまうと、穴子寿司に入っているような、固めの食感に戻ってしまうのである。そこで、そのような冷えた品物が手に入ったら、是非に、「炊き込みご飯」に使ってみたいと思ったのである。今回入手したものは、「広島の老舗料理店の鰻の蒲焼」そのもので、蒲焼になってから真空パックで20時間程度経過したものである。大昔の記憶になるが、もちろん、そのお店へ出かけ何度か鰻重を戴いたこともある。その頃は、この大田川の支流に生息する鰻なのだろうと思ったのを覚えている。

  さて、冷蔵の宅配便で送られてきた鰻の蒲焼を、とりあえず1尾処理してみることにする。注)この1尾(または一本)というのは、丸々一匹加工済みの状態を指し、串に刺された状態では1串という。生きた状態では、もちろん一匹と表記する。さて、まず、その蒲焼状態に加工された一尾を1cm幅で裁断する。付属の調味液と日本酒、山椒を加え、一度電子レンジで加熱する。日本酒が飛んでしまうぐらい(約60秒ぐらい)で取りだし、放置して冷やしておく。お米は、1尾あたり2合の量にする。お米を洗浄して2合にあわせた水を入れておく。1時間ぐらい放置した後に、裁断した鰻の蒲焼を半分と、調味液を2/3ほど(PDF写真の容器参照)加えて炊飯スイッチを入れる。お米の水は、若干薄い茶色になる程度に抑える。ここで濃過ぎると焦げやすい。

  炊き上がったら、一度口にし味が足りなければ、調味液を追加する。調味液は、その薫り自体で、ご飯がいただけるという人がいるくらいの代物なので、この調整は重要で、濃いのが良いと言う人もいれば、濃すぎると鰻の味が引き立たないと言う人もいる。若干薄目が良い。同時に、少々鰻に臭みを感じれば、もちろん、少し冷えると臭みが分かりにくくなるが、ここで山椒を追加しておく。さらに、残りの半分の鰻の蒲焼を全て投入してから大雑把にかき混ぜておく。20分ぐらい良く蒸らしてから茶碗にもって戴く。今日は、浅いお皿に盛ってみた。この時期、付合せの梅干は必須である。
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2013/07/30

手造りプリン

   スイーツの中で定番中の定番と言えば、ショートケーキとかチョコレートケーキを挙げる人が多いかもしれないが、意外に忘れてならないのはプリンである。特に、昭和の頃からあるプリンアラモードは、周囲に生クリームやフルーツが入っていて、かなり幅広い美味しさを提供してくれた。今でも、年配の人に支持を得ているらしく、セブンイレブンやファミリーマートでも見かける。透明プラスティックの中心部にあるプリン自体は、即席のカスタードを固めたプッチン・プリンのような味なのに、それが返って懐かしいし、口の中では、生クリームやフルーツと渾然一体となって、大昔のその頃を思い出す感覚が脳裏を霞め 「うーむ、昔と変わんねーな」と、そのことに安堵するのである。

  カスタードとは、牛乳またはクリームとコンスターチと卵、砂糖を混ぜながら加熱し、滑らかに仕上げたものを指し、プリンは、コンスターチの入れない状態で加熱しながら攪拌し、冷やして固めたものである。大昔は、ハウスのプリンの素で簡単に作ったプリンの味が全てだと思っていて、カスタードってこんな味だって認識していた時代があった。最近は、カスタードだけの入ったシュークリームも少なく、あいにく忘れかけそうだったのだが、あるとき、店頭で専門的にシュークリームを作っているお店でカスタードを買うことができた。その時、「こんなに美味しかったんだ」と、昔のイメージのカスタードに比べ、「生々しい美味しさ」につい興奮してしまった。しみじみと、カスタードは美味しいと思ったのである。

  プリンは、卵白が固まる時、小さな空気の巣が出来る。カップから取り出して、お皿にひっくり返して、この気泡がたくさんあればあるほど、美味しいそうに見えるのである。そして、さらに決定的なプリンらしさがもう1つある。それがカラメルである。そのほろ苦いカラメルは、プリンの食感を奥深いものにしてくれる。このカラメルは、普通はカップの下に敷かれているにもかかわらず、取り出すと山頂に来る。つまり、最初にスプーンを入れ、「プリンの美味しさ」を決定付ける場所なのである。そんな、カラメルの効いた素朴で固めのプリンを無性に懐かしく感じる。しかし最近は、柔らかく滑らかなものが流行っているようで、そんなプリンを見つけるのも難しいようだ。

  今日、買ったプリンは、思いのほか「美味しそうな印象」を持っていた。口にすると、まさに期待に違わず、自分の持つイメージを髣髴とさせる食感を備えていたのである。それにしても、遠い島根県の安来市というところで作られていて、わたなべ牧場の「手造りプリン」 と書かれている。この外観からは、もっとさっぱりとした「美味しさ」かのように思っていたのだが、実際は意外にも、原材料の生乳の質の高さと濃厚さを実感するほどであったし、おまけに、あのカラメルが別容器に収められていて、随時添加調整ができる。これに使われている三温糖がこれまた格別に懐かしい味なのである。つまり、別容器なので、濃厚なプリンの味わいと、カラメルの甘味と苦味の加わった、一層甘苦いプリンと食べ比べも可能である。
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2013/07/26

マカデミアナッツ

  ハワイのお土産げに、マカデミアナッツが入ったチョコレートを戴くことは多い。その度に、「マカデミアナッツはハワイの特産品で、あちこちにマカデミアナッツの実る木が生い茂っていて、実を焙煎してチョコレートに入れて商品化すれば、「物見遊山な日本人」が買い求めるに違いない。お店に大量に並んでいるので、きっと、それをお土産げ品と考えるのだろう、「日本人は大量展示に弱いから」その挙動は社寺仏閣へ参った心境と、なんら違わない筈である。そのような作戦を考えたのは、ハワイにいる日本人に違いない。・・・・・ そんな風に漠然と考えてきた。しかし、それは、あながち間違った認識ではなかったようである。マカデミアナッツの原産はオーストラリアだが、ハワイへ移植され、日本人の力によって特産品になったようだ。今日は、そんなマカデミアナッツの殻付を紹介したい。

  マカデミアナッツに限ったことではないが、牡蠣も同じで「殻付き」と言う言葉の中に、自然で無添加と言うニュアンスが隠されている。殻で覆われているという、何とも安全な印象を与える言葉である。倉橋島の殻付き牡蠣を友人に贈ったりすると、海から揚げたそのままの姿で、中身を取り出す手間のかかる状態なのに、珍重され喜ばれることが多い。それは、そこに人の手が介在していないと言う安心感であったり、まだ牡蠣は生きていると思える新鮮さを実感するからなのであろう。このオーストラリアで採られたマカデミアナッツは、木から摘んだ後じっくり焙煎してある。そこで、殻割り器を使って中実を取り出すのである。実の大きさや焙煎時間の違いによって、多少味に違いがあるにしても、殻付きを砕いて中実を取り出す喜びは、何物にも代えがたい感覚がある。

  その気分を、味わってみたいと思う人は、下の写真のようなマカデミアナッツとクラッカーがセットになった商品がある。自然の実を焙煎してあるので、ときたま割りにくい実もあるが、そのような時は、クラッカーの先端部分の当てる部分を少し移動してみると良い。クラッカーでマカデミアナッツを挟み、徐々にねじを巻くように、尖った先端を殻に押し付けていくと、パチッと大きな音を立てて殻が割れる。その殻は、3mm程あるので、このようなクラッカーがないと割ることは出来ない。その音は「やった!」という気分と共に、意外にストレス解消にもなりそうだ。
      自然のマカデミアナッツが、このような硬い殻の中に潜んでいる実とは思わなかったし、深煎り(ロースト)されたものが、こんなに甘く美味しいとは知らなかった。そんな、マカデミアナッツの実を割って食べる喜びは、人によっても違うかもしれないが、パリッとした音によって「非日常の感動にも似た破壊願望」を解消できたり、自然のままを食べる満足感とか、意外に殻つきの持つ味わいは深いと思える。
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2013/07/23

乾麺 讃岐うどん

   だいたい、この手の戴き物と言うのは、案外杓子定規で、きっと古くからの伝統的な楽しみ方がある筈だ。しかし、それを知らずして、現代を生きる我々のような粗雑な人間は、ストレートに美味しいとか、そうでないとか、つい率直に口にしてしまうことも多い。しかし、そういう固定概念で何でも戴き物を処理するのは、如何なものかという気持ちで揺れ動いている。それは、先週、「島一の鯛めしの素」を紹介した時に、「たいへん美味しかった」という印象が残ってしまったからに他ならない。それは、少しだけ、自分の知らない世界を垣間見たような気持ちで、しばらく尾を引いていると言うことなのだろう。

  そういう気持ちは、当然、残されたうどんにも及んでいて、ひょっとしたら、この乾麺もなにやらそのような作法に縛られることでもなく、自由に思いついた手順で戴けば、何か新たな発見に遭遇するかもしれない、と考えるようになったのである。こういう気分と言うのは、意外に世の中にたくさんあって、もっと他にも美味しい物があるかもしれないと、気に入った洋食屋に通い詰めるのに似ていて、そんな、「深く捜し求める気持ちのような精神活動」が心の奥底で蠢いているらしいのである。簡単に申し上げると、あの、さりげないパッケージに収まった「株式会社 島一」の詰め合わせコンセプトを、「鯛めしを戴くこと」で少なくとも半分は気に入って、その同梱され残ったままの「うどん」にも、いたく心が惹かれてしまったということなのである。うーむ。

  さて、どうしても、香川の讃岐うどんというのは、極太で腰の強さが暴れまくって喉を通過する時に、「喉の巣を落とす」と言うことわざを現実にしたような印象がある。そういう視点でこの乾麺を眺めると、「そうめんの太いやつ」?と言われるような姿をしていて、どうにも腰の強さを想像するには及ばないのである。そこで、幾つか薬味というか、今風に申し上げればトッピングなのだろうが、どちらの印象が良いかを考えると、たとえば、トッピング風に、牛肉とねぎを甘辛いすき焼きの出汁で炒めてのせる。それも悪くは無いが、口にすると麺に力強さが足りない。次に、小海老のかき揚げ天ぷらをのせる。これも、2度ほど実際にやってみた。やはり、麺の腰の弱さで印象が良くない。少し中途半端な感じがあって物足りない。

  いずれも、出汁はあご入りの「ほめられ香り出汁」を使用。今度は、そうめんのようなイメージで同封の乾麺を使ってみることにした。暑くなった時期にいけるように、出汁は冷蔵庫で冷やしておく、薬味風に構成するには梅干を使って爽やかに、そして少し甘い油揚げを用意する。ここが買い求める時のポイントで、甘辛い出汁で煮付けてあると麺とのマッチングがよい。これでどうだ!と満足している構成が、今回のPDFである。小安く、誰でも簡単に出来てそれでいて麺の食感と喉越しのバランスが生かされる。そして酸味が爽やかとくれば、そうめんを凌ぐ満足感が得られるはずである。もちろん、お揚げもたくさん入れておく。
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補足:「喉の巣を落とす」→大変美味しい物を口にした時の印象を象徴した表現で、これ以上の誉め言葉は無い。「うどん」でその表現を使ったのは、今回はじめて。明治、大正、昭和30年代までは良く使われたが、現在使われることは少ない。当時は、メロンや高級果物を口にして、何時も使わない喉の細かい部位までも「美味しい」と感じることを比喩して表現したと思われる。

2013/07/19

鯛めしの素

   鯛の切り身をご飯の上に載せた状態を「鯛めし」という。最も印象的なのは、生の鯛の切り身をご飯の上に広げ、山葵と一緒に出汁で戴くというのが思い出される。おそらく、松山とか宇和島、瀬戸内では、そんな食べ方をすると記憶している。関東あたりでは、焼き鯛を出汁と一緒に炊き込むのが一般的だ。鯛をご飯と一緒に炊き込むには、魚を焼いて、炊き込めばすぐに完成するものではない。小骨など幾つか面倒な前加工が存在する。しかし、頭の部分を取り除いてしまうと、味に深みが無くなるし、かといって頭の部分は、鯛石とか、目玉など、いくら火を通しても柔らかくならず、食べられない部分も多い。そんなことが結構面倒なので、家庭で頻繁に作られるものではない。

  しかし、この「炊き込みご飯」風の「鯛めし」は、間違いなく魚好きに喜ばれ、美味しいお店があれば、わざわざ食べに出向きたいと思う程である。そうそう、浜松町の和食の店「本濱」まで食べに行ったこともある。思い起こせば、また「食いてえ~」と思うわけだが、ころっと!そんなことも忘れ去っていた。そんな矢先に、贈答品として、「うどんとセットになった鯛めしの素」を頂戴したので紹介したい。最初は、うどんと鯛って?何よと、うどんの上に鯛めしの素を乗せて、あたかも、京都の「にしんそば」さながらの、「鯛うどん」にでもするのかと思ったほどである。箱の中に「うどんと鯛めしの素」が並んだ姿を見ながら、ひょっとしたら、それって、すごく美味しいかもしれないとまで本気で考えた。

  製造販売しているメーカーからすれば、「とんでもねえよ~」と思うかもしれないが、眺めていると、なんとなく美味そうだなと徐々に本気になっていくものである。そうやって、心の中で勝手にイメージが出来上がってしまう前に、そんな妄想を掻き消す様に、「鯛めしの素」の箱をひっくり返し、早速その手順に沿って作ってみることにする。鯛めしの素の箱には、天然小鯛を特殊製法で柔らかくしたパックと、それに合わせる出汁のパックが同梱されている。手順は、お米2合を洗米し、通常の割合で水を加えた後、その中に、出汁パックを入れる。そしてまるごとの天然小鯛を上に置く。30分ほど出汁に漬けるため放置した後、炊飯モードで炊き上げるだけでよい。

  こういう「炊き込みご飯」の出汁とか醤油は、炊き上がる時に蒸気と一緒に美味しそうな薫りを放ってくれる。その中に、いつもと違う「出汁の薫りから鯛の薫りへ変化」し、それが渾然一体となって、無性に腹が減ってくる。この薫りが、小豆島産の丸大豆醤油と、枕崎産の鰹節、北海道産の昆布を合わせた出汁の薫りなのかと興奮する。うーむ、美味そうだ。そこがまた、日本人に生まれてよかったと思う瞬間でもあるのだが、我慢が出来なくなる前に、せっせとお新香とか、味噌汁を用意したいものである。炊き込みご飯全般として、たくさんのおかずは不要で、シンプルに3点ほどでまとめたい。炊き上がると、和食亭のカウンターに座っているような薫りに包まれている。鯛の目玉や鯛石を取り除いてから鯛を満遍なくほぐして、ご飯と混ぜて戴くことにしたい。うー、美味いわ。
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2013/07/16

ソイジョイ ピーナッツ

     本来ならば、過激な運動も、辛い食事制限も、楽しい間食までも控えるなど、そんなことは、うーむ、何もせずに体を絞りたい。きっと、若い女性も、我々糖尿病予備軍も、誰でもそのように考えている筈だ。少々運動をしたところで、急に体は絞れず、それどころか、返って筋肉痛に苦しんだり、関節を痛めてしまったとか、ろくな事はない。ウォーキングも、体に良さそうな事は言われるが、正しい歩き方でなければ効果は薄いし、炎天下で歩くと、後々軽い熱中症のためか夜中寝苦しくなるとか、体の余計なところが日焼けして見苦しくなったりとか、疲れが溜まってしまったり、やればやったで難しい側面を伴う事を認識するだけである。私もそこには気を使ってきた。

  かといって、運動に消極的になる必要は無く、ウォーキングもするし、旅にも出るし、富士山にも登るし、海でも潜るしと、様々な活動を通して、体のあらゆるところを、少しづつでも、時々でも動かす事に時間を割きたい。また、食べ物も偏った物は避けて、満遍なく色々、野菜、果物、お肉、魚、小麦そして大豆、のように幅広く戴きたいものだ。大豆といっても色々で、「スゴイ」のがいたり、「ミルクのような優しい」のがいたりするが、今日のは、「遺伝子組み換えでない大豆」を使った商品である。今更の事でもないが、その大豆の粉とピーナッツの入った低GI食品として、ソイジョイ・ピーナッツとして登場している。

  もちろん「国内の大豆」を使ったソイジョイは、これで13種類もラインナップを揃えたことになる。その多くの種類の中から、誰にでも体にしっくり来るものがあるはずで、栄養価と空腹感の正しいバランスを自らの手で保つことが出来る筈だ。このような、一種のダイエット食品を口にする人の中には、食べればたべるほど痩せられると思い込んでいる人がいるかもしれないが、それは間違った認識である。それは、このソイジョイ ピーナッツでさえ、1本144kcalものエネルギーを備えているので、もちろん食べれば食べるほどエネルギーを取り込むことになる。しかし、ソイジョイ全てに含まれている低GI性によって消化吸収がゆっくりと進み、難消化性デキストリンによって、時間が経過しても空腹感が少ない。この性質を利用して食欲と言う本能を管理、あるいは抑制するのである。

  つまり、ソイジョイを1本ゆっくり噛んで水分と一緒に食べておくと、しばらくお腹が空かないことから、小腹が空く4時ごろに口にすれば、夜7時ぐらいまでは空腹感が押し寄せず、寄り道をせずに帰宅できるということになる。つまり、たった120円そこそこで、3,400円程度(サラリーマン平均)のビールやおつまみ代が節約できるという、財布にもやさしい素晴らしい食品なのである。このソイジョイ ピーナッツは、少し甘い黄な粉と火で炙った少し香ばしいピーナッツを一緒に口にしているような食感で、どこか、はるか昔に食べたことのある馴染み易いお菓子のような味と言える。
今日の写真は、久々なので全製品13種類を並べてみた。
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2013/07/12

Granアイスクリーム

  カップアイス好きの若者たちに聞くと、圧倒的にハーゲンダッツの人気が高い。暑い時期だけではない、真冬でも暖かい部屋でハーゲンダッツを食べるのが楽しみだという。やはり、冬場でも確実に売り上げを伸ばす同社の商品は、満足度も大きいようだ。そう言われてみると、低カロリーで美味しいアイスは山ほどあるけれど、じっくり楽しむ高いカロリーのアイスは、ハーゲンダッツの独断場かもしれない。特に、「強い甘み」は誰にでも分かりやすく、いつまでも印象深い口解けに繋がっている。以前、新宿西口にあるゴビバのアイスを買った事がある。ここの商品も、その延長線上にあり、やはり濃い味で、二口で「胸いっぱい」になってしまった。

  そういう自らの体の反応を基に、最近、欧米人と日本人のアイスに対する感覚には、大きな開きがあるかもしれないと思い始めたのである。いやいや、アイスだけではないかもしれない。日本人は、はるか昔から味覚の中にも「薫りや風味に、自然さとか素材の持ち味を大切」にする感性がある。ゴビバもハーゲンダッツも美味しいには違いないが、あえて言わせてもらえば、「行き過ぎた濃さと、甘さによるインパクト」が強すぎて、蜂蜜までも加えるとか、そこまで甘さを強調しているのである。しかも、こんな甘さの強い物を食べ慣れると、どんどん味に鈍感になりそうだ。しかも、一度でも鈍感になってしまった味覚では、微妙な味の違いを次々と見落としてしまう。つまり、ハーゲンダッツから足抜け出来ない状態になるのである。私のような、甘いもの好きは、最近そう感じることがある。甘さと風味の階調を大切にしたいものだ。

  元々、米国で通用するには、猫も杓子も「単純で分かりやすさ」が重要である。それはまた、全世界で評価を受けるためにも大切な要素と言える。しかし、その「濃い甘さ=美味しい=また食べたい=たくさん食べて=取り返しのつかない肥満体系になる」という構図だけが最後に残るのである。元々米国人は、微妙な美味しさの違いを云々かんぬんする人種ではない。食べ物に関しては、「クォリティより量」が物を言うようである。そんな単純さと強烈な欲望が渦巻いて、群を抜く肥満大国になっていったのである。もちろん、日本国内では、いま一つ、そこまで濃く、更に甘く、と言う点でそれに匹敵する商品が無かったことも事実で、どこかで「程々の濃さと安易な甘み」に頼っていたのかもしれない。つまり、本気で挑戦しようとする意欲に違いがあり、さらに、日本人の「甘みに対する、あるいは濃さに対する好み」を安易に考えていた可能性すら考えられるのである。

  今日、紹介するGranのミルク・アイスには、その微妙なニュアンスが多分に活かされた商品だと思った。さすがに、国産を印象付ける「きめ細かい美味しさが幾つか感じられる」のである。ほとんどそのミルクの持つ甘さと、そのまま濃くしたような仕上げは、従来にない自然さを伴う。これは素晴らしい仕上げ感である。ミルクの持つ本来のコクや甘味、素材の濃縮感というか、そこに独創性の高い美味しさが潜んでいて、無脂乳固形分13%とか、乳脂肪分15%という、数値スペックから来る印象とは程遠い異次元の食感が魅力的だ。かつてない滑らかな仕上げによって、爽やかな後味を実現し、エネルギー量270kcalというのも意外に感じるほど嫌味のない満足感に繋がる。まさに、クオリティーの高いアイスなのである。案外、苦味と重なると一際ミルクが引き立つこともあり、そこは組み合わせに好感が持てる。
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2013/07/09

贅酪ヨーグルト

  過去にもヨーグルトは数多く扱ってきた。ヨーグルトのページは比較的にアクセスも多い。ダイエット食品と並んで、その「効果と美味しさ」のバランスの間で行き来しているようだ。ヨーグルトなど美味しい製品は、情報をわざわざ掘り返すほどの事もなく、スーパーなどに数多くの商品が溢れているので、片っ端から口にして自分に合うものを探す方法もある。しかし、誰かが美味しい物を知っているのではないかと、情報を探りたくなるのかもしれない。しかも、ひょっとして自分だけが、効果ばかり気にして、実際は、さほど美味しくもないヨーグルトを口にしているとしたら、我慢できないはずで、そこに依頼心と言う「安易に人に頼りたがる気持ち」が湧き上がってくるのである。その気持ちは、正に妥当な願望で、世の中のスーパーに置いてある商品は、スーパーが儲かる商品であって、必ずしも美味しい商品とは限らないからである。美味しい商品は、製造者が無理に宣伝をしなくても、「詳しい人たちが、わざわざ探して買いにきてくれる」と考えるのが普通である。

  今食べているヨーグルトがどのくらい自分に適しているのか、あるいは、自分の体にもう効果が出ているのかとか、色々とベールに包まれている部分もある。その曖昧模糊とした要素が、ヨーグルトの魅力を奥深いものにしているのである。しかし、食べ始めてから結果が出るにはずいぶん先のことだから、最初は信じるしかない。そこで、食べないより、食べた方がよければ、どうせなら美味しいものを選ぶべきだとも思えるのである。もっとも、「美味しいと言う評価」の中には、幾つかの種類があり、果物のブロックがたくさん入っているとか、独特の甘み、例えばココナッツミルクが入っているとか、また、果物のピューレなどを加えて、薫りと甘みを加えてあるとか、あるいは、一切何も加えずプレーンの美味しさを強調しているもの、などがある。こういうバリエーションが色々触手を広げてみたくなる要素になるのである。

  同じ種類のヨーグルトを継続して食べるより、時々は、違うものを食べるのが良いと話す人もいる。それを丸々鵜呑みにして、低価格ではチチヤス、高価格ではHOKUNYU 大粒白桃、フルーツサラダ等が冷蔵庫に収まっている。しかし、今日紹介する「贅酪ヨーグルト」が手に入ると、やっぱり、しみじみと「これが一番美味しい」と思うわけで、「自然で後味が良く、飽きの来ない美味しさ」が特徴なのである。この贅酪ヨーグルトは、ずいぶん前になるけれど過去にも紹介したことがある。その時は、大塚チルドの商品として扱っている。違いの分かる人たちに言わせれば、「ちょっと口にしただけ」で、ヨーグルトの原点を示唆するかのような自然さが際立ち、とても体に良さそうで美味しいという評価になるようだ。それで、これなら売れるに違いないと大塚チルドも意気込んだのだろうが、当時の大塚チルドの販売ルートや取り扱い規模などから、商業ベースに乗らなかったようだ。今は、製造元の「上毛食品」が販売を続けている。

  やっぱり、こじんまりと昔ながらに、頑固なおやじが一人で切り盛りしている「こだわりのラーメン屋」のような、そんなお店にこそ「本当に美味しいもの」があるという理屈が、ここにも通用していたのである。美味しいお店は、混むと嫌だから他人には教えないけれど、取っておきの友達には教える。だからといって「誰でも納得するような美味しさ」を提供しているとも限らないので、好き嫌いや、好みも考えると、下手に紹介して、「何だよ!ちょっとマニアックだね」といわれないように、黙っていると言うのもアリなのである。だから、改めて紹介しなくてもよいかなとも迷ったが、ヨーグルト好きの人は、みんな承知だし、忘れていたなら思い出して欲しいとも思うので、あえて再び載せた。まさに、これこそ、私が太鼓判を押せる商品である。
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2013/07/05

日清ラ王 冷し中華

   不況時代は、優れた商品が生まれやすい土壌になる。その環境で、即席麺業界にも生麺と、区別がつかない程の食感の即席麺になる画期的な技術が生まれた。それが、袋麺市場が再び脚光を浴びる背景になった。社会がデフレ状況なことも手伝って、大きな売り上げに繋がったと言われている。また、これからも益々多種多様な商品開発を促しながら、活況を呈してゆくに違いない。確かに、麺が画期的に美味しいと醤油、味噌、豚骨、塩までなら、歴史的背景や実績からも、誰でもそこそこ売れる商品に成長すると予想できるが、果たして「冷し中華」はどうか、経験不足という難しさもあって、期待薄の商品だったと言えよう。それでも、マルちゃんの確かな味作りに、発売後すぐに品薄状態を引き起こし、その勢いは留まる所を知らず、ぐんぐん売り上げを伸ばしてきたようだ。

   本来、「冷し中華」は、お店によっても違うが、胡瓜、しいたけ、たけのこ、焼豚、錦糸卵、くらげ、鶏肉などトッピングやその味付けに手間がかかり、客は「冷し中華は店へ訪れて口にするもの」という認識が高かった。また、一方で手軽な袋麺商品として存在しなかったわけではないが、メーカー側としては、本気で取り組む理由が無かったし、ユーザとしても調理が面倒として敬遠しがちであった。何かきっかけを掴むまでは、メーカーとしても、どのような形で「冷し中華」を市場導入すればよいか苦しんでいたと思われる。しかし、市場原理の原点でもあるユーザーの声を分析してみると、「麺とつゆ」という、基本的な具材の品位が高いとか、つゆが格別に美味しいとか特徴があれば、そこにユーザーの好みで「独自性を編出す可能性」が秘められていることが分かったのである。

  その代表格であるマルちゃん正麺の「冷し中華」は、早々に市場投入され、今や食べる時の外気温まで言及されてきた。「暑くても、涼しく」ても、この「冷し中華」は美味しい。嘘だと思ったら食べてみてください!と言うメッセージからなのであろうか。今日は雨が降っているし「涼しいから、冷し中華」にしようと、すでに条件反射になってはまってしまったと言う人も少なくない。しかし、「冷し中華」熱といては何時か「冷める」こともある。競争の無い市場では、まれに商品が徐々に廃れてしまうことがあるからで、やはり、「美味しい商品」を改めて認識させられるには、比較対象商品がいくつか存在しなければならない。市場は、そこはかとなく多様な趣向を隠し持っていて、その比較されるべき商品が登場することを密かに望んでいる。

  そこで、登場せざる終えなかったのが日清の「ラ王の冷し中華」である。日清は、生麺に近い即席めんに、更に磨きを掛けて「つるつる で しこしこ」の麺に「しょうゆだれ」で用意した。わざわざ、「しょうゆだれ」と名乗っていることから、今後は、「ごまだれ」も提供されるかもしれない。それも、ファンの楽しみなので、出来るだけ早く商品化してもらいたい。さて、その日清のラ王「しょうゆだれの冷し中華」は、マルちゃん正麺の「冷し中華」とは明らかに違う。麺の力強さは日清独自のもので、つるつるとした食感は好感が持てる。つゆの味は、主に醤油、酢、辛味、砂糖、ごま油、その他の香味だが、とに「ラ王独特のごま油」が中華風を演出し食欲をそそる。ここがラ王の特徴なのだが、その一点に好き嫌いが存在する可能性がある。このあたりがマルちゃん正麺の「冷し中華」の大人しさとは大きな違いとなっている。
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2013/07/02

マイグレーションするソフト

 マイグレーションとは「移行」と言う意味である。コンピュータなどの情報機器では、新しい装置へデーターを移動させるとか、移し換えると言う意味で使われる。データーセンターとかサーバールームなどのように頻繁にデーターが増える場所では、直近の高速ディスクにインデックスだけを残して、データーの実体を背後の巨大で少し低速な記憶装置へ移動させることもあるが、それもマイグレーションしていると言う。マイグレーションには、ファイルをコピーしたり、データーをバックアップする単純な操作も含まれるが、目的が新しい装置への移行であり、いずれ元の装置にあるファイルやデーターは破棄され、移行した新しい装置での運用が開始される。

 家庭で使われるパソコンでも、アプリケーションが増えるとディスクの空き容量が減ってくる。そこでディスクを大容量化し、そこに保存されているファイルやデーターを移しかえるが、それもマイグレーションすると言う。この一連の作業を一口で「ディスクの換装」ともいい、大昔のパソコンユーザーは、豊富な知識を柔軟に使いこなし、大容量ディスクに置き換え、OSからアプリまでを一連の作業として再インストールしていたが、インターネットと連携して運用されるようになってからは、セキュリティー定義や、ファイルが自動更新されるなど、刻々とディスクの中身が変わるので、大容量ディスクにデーターをマイグレーションして換装を終了させ方が早い。このマイグレーションが終了した状態の新しいディスクを「クローン」と呼ぶ。

  おおよそ、その換装作業の実際は 3~4倍大容量の新たなハードディスク、接続ケーブル、トレイなどに加えて、マイグレーションソフトを準備する。そのソフトは、ディスクの機能や仕様などの「細かい設定が変更でき」たり、あるいは、「全てお任せ」でも使えるものが良い。今回ブログに残しておきたいのは、教わった Acronics Migrate Easy 7.0 である(なかなか良い)。このソフトはAcronicsジャパンのホームページから購入(2,625円)あるいは無償試用版をダウンロードできる。昨年はデスクトップのU320を W SCSI ケーブルで接続し2倍の容量拡大に、今年はラップトップのSATAをドッキングステーション経由でディスクのクローンを作成した。いずれの場合も、ハード的な接続等、周囲環境さえ整っていれば、ソフト側の操作は「自動」を選択するだけで、特に、何もすることなくクローン作成が終了する。

 Acronics Migrate Easy 7.0 の使える環境は、Windows系でインテル互換CPUを使用、64MBのRAMを搭載し、CD-ROM/DVDドライブ装置(ソフトのインストールの為、ダウンロード版では必要ない)を装備していること、マウス(あくまで推奨)を装備し、さらに、イメージファイル用のハードディスク空き領域があること、と書いてある。その他に 180GB以上の大容量ディスクに対応するほか、シリアルATA/IDE、SCSI、SATAにも対応。OSは、Windows 2000 Professional SP4、XP SP2、XP Professional x64 Edition 、Vista (全てのエディション)を、ファイルシステムでは、FAT16/32、NTFS、Linux Ext2/3、Linux ReiserFS、Linux Swap などをサポートする。主な機能としては、自動または、詳細指定でディスクのクローンが作成可能のみならず、新しいハードディスクのパーティション管理(コピー、移動、作成、削除)も可能にしている。
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補足:ハードディスクの換装をする場合は、
1.現在使用中の、例えばWindows XP Professional のサポートが2014年4月で終了など、Windows系のソフトウエア・サポート・ライフサイクルを確認すること
http://support.microsoft.com/gp/lifeselect/ja

2.次にAcronics Migrate Easy 7.0 の機能や使い方を、同社のHPでよく確認すること
http://www.acronis.co.jp/homecomputing/products/migrateeasy/

3.最後に換装する大容量ディスク、トレイや接続ケーブル等のハードを用意をする
といった流れになる。

これらの段階での確認によって、そのままサポート・ライフサイクル終了まで、もう少し我慢して使うとか、全て新たなハードとソフトに切り替えてしまうとか、検討すべきである。